「タヌキ紳士登場」小田基義監督、1948年公開。
人間世界にはびこるたぬきの正体を見届け征伐する目的でたぬきの代表に選ばれたのがエンタツたぬきとアチャコたぬき。アチャコは妻サカエが十日ほど前猟師に生どりされたので、彼女の捜索も兼ねて二人は山を下りる。人里近く犬にほえられるが、うまくハンターに化けて難をさけ、犬の持主狸福党総裁大山金兵衛からは新興成金と見られて同党の後援者に祭りあげられる。そして金兵衛の経営する平和ホテルに招じられ大歓迎を受けるが、このホテルは中川こまの亡夫の所有であったのをわずかな借金のかたに金兵衛が取りあげたもので、こまと娘の鳩子は今使用人として使われ、鳩子の恋人事務員の正一は金兵衛の娘孔雀の邪魔で結婚も出来ない気の毒な状態にあることを知った二人は、義憤を感じて鳩子親子のために援助を申出る。二人は金兵衛からホテルを一億五千万円で買うことにきめる。何も知らない金兵衛夫婦は娘孔雀に意を含めて更に二人から金をしぼる目的で、エンタツと婚約させる。一方金兵衛が養狸場も持っていることを知った二人は、そこを訪ねてみるとアチャコの妻サカエを発見する。エンタツ、アチャコ、サカエは木の葉を百円札にかえてホテルを買取り、こま親子の手に返し、エンタツは孔雀との結婚もけってアチャコ夫婦に養狸場の仲間全部を連れて山に帰る。二人の大狸ポン王に対する報告書--人間狸の征伐は人間自身が化かされぬ眼を持つことである。
映画.comより
エンタツアチャコがタヌキに扮するモダンでセンスの良い東宝製作のコメディ映画。
バケの皮がはがれた時の描写に本物のタヌキを使うという稀有な作品。
素朴で可愛いタヌキアニメ、人間界に巣食うシッポの生えた悪いタヌキども、そしてホンモノのタヌキもいっぱい…ともうタヌキ全部盛りのタヌキ映画の大傑作。タヌキ好き必見。
金語楼と清川虹子演ずる悪狸夫妻をジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターでリメイク希望。【福】