「有田Pおもてなす▽間宮祥太朗 ハナコ×千鳥カレン/プラマイなりきり漫才」(2020年2月8日 / NHK総合)。
プロデューサー役の有田哲平(くりぃむしちゅー)がスペシャルゲストのタレントの趣味や嗜好をリサーチし、その結果をもとに芸人のネタをゲスト好みにアレンジしてオリジナルの無茶ぶりネタを披露させるという番組。
スペシャルゲストは主に俳優や歌手、ネタを披露するのは人気芸人達だ。
プラス・マイナスをプロデュース
今回、特に面白かったのが、プラス・マイナス(岩橋良昌、兼光タカシ)による「なりきり漫才」。
スペシャルゲストの間宮祥太朗のアンケートに応える形で、有田プロデューサーがプラス・マイナスの漫才を強引にプロデュースする。
アンケートによると、間宮祥太朗の「好きな芸人」と「仲の良い芸人」は「千鳥」。
プラマイ岩橋は千鳥大悟とはよく飲みにいく間柄で、プラマイ兼光は大悟の歩き方のモノマネができるという。
そこで有田プロデューサーが出したリクエストが「千鳥として登場し、ある程度千鳥のネタを見せたら、『ドッキリでした!』と言ってほしい」というもの。
いや、なんだよ、「ドッキリでした」って。
テレビの中のプラス・マイナスのふたりも驚いていたけれど、見ていた私もビックリだ。
「実は、僕らプラス・マイナスでした!」という形でプラス・マイナスのネタに入っていただきたい。
何が「実は」なのか全然わからないが、達者なプラス・マイナスがどうやって「千鳥」を表現するのか非常に興味があるのでコレはコレでよし。
兼光の大悟の歩き方のモノマネが見たい。
さらに間宮のアンケートの「好きな芸人は?」の欄には、「ミキ」とも書いてあったという。
ということで、途中でメガネをかけていただいて「実はミキでした!」って。
「ずっと何言ってはるんですか」と困り果てる岩橋。
同感だ。さっきから有田は何言ってるんだ。「実は」の意味が全然わからんよ。わからなすぎて面白いじゃないか。
というわけで、メガネをかけて「ミキでした!」と宣言した後は、もちろんミキとして漫才をする。
そして、ミキ兄弟のやりとりがある程度終わったところで、「何度も騙してすみません。やはりプラス・マイナスでした」と言ってほしいというのだ。
有田プロデューサーのリクエストはまだ続く。
アンケートの「好きな芸人は?」の欄に「おぎやはぎ」とも書いてあったのだという。
もう一度、ちょっと違ったメガネをかけ、「小木です」「矢作です」「おぎやはぎですけど何か?」という冒頭のくだりから始めておぎやはぎの漫才をしてほしいというのが有田プロデューサーの最後のリクエスト。
で、いいとこになったら「どうも、おぎやはぎでした」で終わってください。
えっ、最後はおぎやはぎで終わる?
いや、それはもうおぎやはぎさんです。
圧巻のなりきり漫才
プラス・マイナスの「音痴」のネタをベースに、千鳥→プラス・マイナス→ミキ→プラス・マイナス→おぎやはぎと演じ分ける。
- 面白かったポイント
- プラマイのネタと千鳥の岡山弁の自然な融合
- 千鳥大悟のだらだら歩き、「あのや〜」の言い方や相方が喋っている間の待機状態の時の表情(兼光)
- 千鳥ノブの相方の側頭部を叩くツッコミとツッコミの台詞のアレンジと言い方(岩橋)
- ミキ昴生のギャーギャーわめく台詞まわし(岩橋)
- ミキ亜生の笑顔とリアクションする時の動き(兼光)
- おぎやはぎ矢作の間(ま)の取り方、ラ行の若干くぐもった巻き舌(岩橋)
これはもう文句なしの大傑作。
いや、いいものを見せてもらった。
声帯模写ではなく地声なのだが、言い回しも動きも表情も本当によく似ていた。
ただし、岩橋が演じたミキの昴生は見た目も動きも声も全部そっくり!
ゲストの間宮祥太朗は「圧倒的ミキでした」などと褒めていたが、むしろ後輩の昴生が岩橋に影響を受けているのでは?
紆余曲折を経て円熟期に入ったプラマイ
2018年のM-1グランプリがラストイヤーだったが、敗者復活戦で僅差でミキに敗れあと一歩で決勝進出だった。
決勝の舞台で見たかったよ、プラマイの漫才。
思い返せば、初期のプラマイは「バカの岩橋×もっとバカの兼光」というスタイルで、話が一向に通じない兼光に業を煮やしたツッコミの岩橋が舞台にベッタリ座り込んで嘆くスタイルが印象的だった。
その後、岩橋の「クセ」をクローズアップしていた時期もあった。
その他にも、兼光の「モノマネ」、岩橋の「上半身裸になる形態模写」などあれこれ試していたが、それらの工夫が結実し、ついにプラマイは輝かしい円熟期に入ったと感じる。
私がモノマネが大好きなせいもあるのだろうが、いつ見ても面白い。ハズレなし。
というわけで、最後にプラマイの愉快なモノマネ漫才と岩橋の上半身裸形態模写ネタをどうぞ。【み】