古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
三千里薬品
東京都渋谷区神南1-23-8
1952年に「三千里食堂」として現在の神南店の位置に開業、店の一画で甘栗の販売を開始。1962年に薬屋に転業し、現在の宇田川店の位置に店舗を出す。(参考:シブテナ)
映画「プーサン」(1953)
野呂(伊藤雄之助)と家主の金森風吉(藤原釜足)がパチンコをし、自宅近くの代議士の五津(菅井一郎)を眺めるシーンの前に渋谷の駅前の風景がインサートされる。渋谷駅前交差点。後方に宮益ガード。左の足場が組んであるビルが「三千里薬品」の前身「三千里食堂」。ガードの後方「富士銀行」は現「みずほ銀行渋谷支店」。中央の高層建物は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」)。
1953(昭和28)年/東宝
出演:伊藤雄之助、越路吹雪、藤原釜足
妻を亡くした彼は金森風吉(藤原釜足)、らん(三好栄子)宅の下宿でつましく暮らし、娘のカン子(越路吹雪)にほのかな想いを寄せている。ある日教え子の左翼学生から誘われメーデーに参加した野呂は暴動に巻き込まれ逮捕されて職を失い、職探しに奔走する日々が始まる。
不器用な野呂と、スキャンダルを逆手にとって焼け太る代議士の五津(菅井一郎)、五津の後ろ盾を失い予備校を辞めてもしたたかに生きる学生泡田(小泉博)、挫折して故郷に帰る左翼学生古橋(山本廉)、医師をクビになり警察予備隊に入る手塚(木村功)らとを対比して描く。外食券を売り買いしたり、メーデー、警察予備隊など当時の風俗が色濃く描かれている。
原作は毎日新聞に連載されていた横山泰三の4コマ漫画「プーサン」と同じ作者の「ミス・ガンコ」。横山泰三と兄の横山隆一(「フクちゃん」「おんぶおばけ」などの作品がある漫画家/アニメーション作家)が警官役で1シーン出演している。【福】
映画「恋文」(1953)
終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は、街々に出かけては意中の人、久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。そんなある日真弓は旧友の山路直人(宇野重吉)にばったり出会う。
二人が出会うのは渋谷。渋谷駅前の街並みが映る。場所は渋谷駅前交差点。「三千里」の看板は「三千里食堂」(現「三千里薬品神南店」神南1-23-8)。右手に「渋谷東映劇場」(現「渋谷Toeiプラザ」渋谷1-24-12)が見える。
1953(昭和28)年/新東宝
出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子
映画「明日を賭ける男」(1958)
白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークのシーン。
渋谷駅前交差点。左奥に「三千里薬品」の前身「三千里食堂」(現「三千里薬品神南店」神南1-23-8)が見える。右奥は宮益ガード。右側はハチ公前広場。
1958(昭和33)年/日活
出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
映画「狂熱の季節」(1960)
明(川地民夫)は電電公社の社員のふりをして天津甘栗屋の公衆電話を盗んで金をせしめる。左端に三千里薬品の前身である三千里食堂も映っている。
電電公社の社員になりすまし、天津甘栗屋店頭の公衆電話から通話するふりをしている明(川地民夫)。
1960(昭和35)年/日活
出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。【福】
映画「不良少女魔子」(1971)
タイトル直後、渋谷駅前交差点より宮益坂方向の空撮。左端に三千里薬品が映っている。
1971(昭和46)年/日活
出演:夏純子、藤竜也、小野寺昭、岡崎二朗、宍戸錠
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