三千里薬品|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

三千里薬品

東京都渋谷区神南1-23-8

1952年に「三千里食堂」として現在の神南店の位置に開業、店の一画で甘栗の販売を開始。1962年に薬屋に転業し、現在の宇田川店の位置に店舗を出す。(参考:シブテナ

目次

映画「ラッキー百万円娘(びっくり五人男)」(1949)

オープニングのタイトルバックで渋谷駅前が映る。
右端の屋根のある建物が渋谷駅、その背後の高い建物は「東急百貨店東横店」。中央が宮益ガード、その背後の建物は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)。左方の白いビル、壁面に「三千里」とあるのが「三千里薬品」の前身「三千里食堂」(現「MAGNET by SHIBUYA 109」神南1-23-10)。
「ラッキー百万円娘」(1959)は「びっくり五人男」(1949)の縮小版。「宮益坂ビルディング」の建設は1953年なので、縮小版作成時にタイトルバックを差し替えているのではないかと推測する。

作品データ
映画「ラッキー百万円娘(びっくり五人男)」
監督:斎藤寅次郎

1949(昭和24)年/東宝

出演:古川緑波、宮川玲子、横山エンタツ、花菱アチャコ、野上千鶴子、川田晴久、木戸新太郎、美空ひばり、田中春男

大学生栗山(横山エンタツ)と貝塚(木戸新太郎)が街頭でピーナッツを売っていたところ、目の前で花売の娘ひばり(美空ひばり)が車にはねられた。栗山と貝塚は身寄りのないひばりを楽士の沢田(川田晴久)に預けるが楽団のもめごとから世話ができなくなり、次は新婚の倉井(古川緑波)に預ける。しかし倉井の妻新子(宮川玲子)が快く思わず、ひばりは居場所がなくなってしまった。 【福】

映画「プーサン」(1953)

野呂(伊藤雄之助)と家主の金森風吉(藤原釜足)がパチンコをし、自宅近くの代議士の五津(菅井一郎)を眺めるシーンの前に渋谷の駅前の風景がインサートされる。渋谷駅前交差点。後方に宮益ガード。左の足場が組んであるビルが「三千里薬品」の前身「三千里食堂」。ガードの後方「富士銀行」は現「みずほ銀行渋谷支店」。中央の高層建物は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」)。

作品データ
映画「プーサン」
監督:市川崑

1953(昭和28)年/東宝

出演:伊藤雄之助、越路吹雪、藤原釜足

野呂(伊藤雄之助)は善人で気弱な予備校教師。
妻を亡くした彼は金森風吉(藤原釜足)、らん(三好栄子)宅の下宿でつましく暮らし、娘のカン子(越路吹雪)にほのかな想いを寄せている。ある日教え子の左翼学生から誘われメーデーに参加した野呂は暴動に巻き込まれ逮捕されて職を失い、職探しに奔走する日々が始まる。
不器用な野呂と、スキャンダルを逆手にとって焼け太る代議士の五津(菅井一郎)、五津の後ろ盾を失い予備校を辞めてもしたたかに生きる学生泡田(小泉博)、挫折して故郷に帰る左翼学生古橋(山本廉)、医師をクビになり警察予備隊に入る手塚(木村功)らとを対比して描く。外食券を売り買いしたり、メーデー、警察予備隊など当時の風俗が色濃く描かれている。
原作は毎日新聞に連載されていた横山泰三の4コマ漫画「プーサン」と同じ作者の「ミス・ガンコ」。横山泰三と兄の横山隆一(「フクちゃん」「おんぶおばけ」などの作品がある漫画家/アニメーション作家)が警官役で1シーン出演している。【福】

映画「恋文」(1953)

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は、街々に出かけては意中の人、久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。そんなある日真弓は旧友の山路直人(宇野重吉)にばったり出会う。
二人が出会うのは渋谷。渋谷駅前の街並みが映る。場所は渋谷駅前交差点。「三千里」の看板は「三千里食堂」(現「三千里薬品神南店」神南1-23-8)。右手に「渋谷東映劇場」(現「渋谷Toeiプラザ」渋谷1-24-12)が見える。

作品データ
映画「恋文」
監督:田中絹代

1953(昭和28)年/新東宝

出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は弟の洋(道三重三)と暮らしている。生活力のある洋に対し、礼吉は定職にもつかず日々街に出かけては戦時中愛しあいながら他人の妻になった久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。ある日渋谷に出かけた礼吉は旧友の山路直人(宇野重吉)と再会する。山路は英文の代書屋を営んでおり、礼吉もその店で働くことになった。ある日店の裏で休んでいた礼吉の耳に、店の客の声が届いた。それは長年探していた道子の声だった。【福】

映画「明日を賭ける男」(1958)

白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークのシーン。
渋谷駅前交差点。左奥に「三千里薬品」の前身「三千里食堂」(現「三千里薬品神南店」神南1-23-8)が見える。右奥は宮益ガード。右側はハチ公前広場。

作品データ
映画「明日を賭ける男」
監督:西河克己

1958(昭和33)年/日活

出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗

美容学校の講師白藤守彦(岡田眞澄)と学生の梅林ルカ(中原早苗)は連れ込み旅館の女中小林典子(浅丘ルリ子)に宝くじの当落を確認しに行ってもらう。典子は宝くじ売り場で働く父(横山運平)に当落を確認してもらい、10等の50円を受け取る。だがこれは見間違いで、実は1等の200万円が当選していたのだ。父親がそれに気づいて典子が勤める旅館に連絡するも時すでに遅く、守彦とルカは箱根に旅立ってしまった後だった。典子の父は誰かに取られるのを恐れ、胸につけたお守りの中に当たりくじを隠した。
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
日活
読売新聞連載「上と下」より 明日を賭ける男 | 映画 | 日活 拳闘に命を賭ける親子の愛情とボクシングの凄絶さを中心に、二百万円をめぐる人間の哀歓を描く青春アクション篇。

映画「狂熱の季節」(1960)

明(川地民夫)は電電公社の社員のふりをして天津甘栗屋の公衆電話を盗んで金をせしめる。左端に三千里薬品の前身である三千里食堂も映っている。

電電公社の社員になりすまし、天津甘栗屋店頭の公衆電話から通話するふりをしている明(川地民夫)。

作品データ
映画「狂熱の季節」
監督:蔵原惟繕

1960(昭和35)年/日活

出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之

鑑別所帰りの明が富裕層の文子と出会ったことで、彼女の人生に再生不能な傷跡を残していく。刹那的に生きる明と難しい理屈で自らを追い詰めていく文子の対比。
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。【福】
日活
狂熱の季節 | 映画 | 日活 インテリ族とビート族、二組の若い男女の対比の中に虚しく燃焼する青春の狂態を、鋭い感覚で描破する異色問題篇。

ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」(1964)

参考人の高校生、成瀬隆志を探し、刑事たちが繁華街を探し回る。
場所は渋谷駅前交差点。現在の「QFRONT」前から「三千里薬品」の方向をみる角度。
「三千里薬品」の前身「三千里食堂」、その左の「富士食堂」を含めた一帯は現「MAGNET by SHIBUYA109」(神南1-23-10)。「三千里薬品」は2025年に閉店したが「天津甘栗」は現役。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」
監督:北村秀敏

1964(昭和39)年/NET

出演:波島進、南川直、岩上瑛、轟謙二、滝川潤、鈴木志郎

高速道路の工事現場で若い女性の死体が発見された。警視庁捜査一課の立石主任(波島進)率いる立石班は服を手がかりに捜査を進め、女性の身元を特定した。一方、大森で犯行に使われたとみられる車が見つかり持ち主に事情を聴取したところ、当日、車は持ち主の高校生になる息子の成瀬隆志が乗り回していたことがわかった。一方、隆志は学校をさぼっていたところを補導され事件当日の事情を聴取されたが、その供述にあいまいな点があった。【福】

映画「不良少女魔子」(1971)

タイトル直後、渋谷駅前交差点より宮益坂方向の空撮。左端に三千里薬品が映っている。

作品データ
映画「不良少女魔子」
監督:蔵原惟二

1971(昭和46)年/日活

出演:夏純子、藤竜也、小野寺昭、岡崎二朗、宍戸錠

日活
不良少女 魔子 | 映画 | 日活 不良少女の衝動的な青春を夏純子主演で描いた、蔵原惟二の監督デビュー作。

映画「夜の歌謡シリーズ 女のみち」(1973)

オープニング、雨の夜の街が映る。
中央に「三千里薬品」、「パピリオ化粧品」の看板があるのは「ニイクラ花店」、赤い「丸井渋谷店」の看板があるのは「紅茂食堂」。この一帯は現在「MAGNET by SHIBUYA 109」(神南1-23-10)。

作品データ
映画「夜の歌謡シリーズ 女のみち」
監督:山口和彦

1973(昭和48)年/東映

出演:梅宮辰夫、中島ゆたか、賀川雪絵、渡辺やよい、荒木一郎、ぴんからトリオ(宮史郎、宮五郎、並木ひろし)

ある雨の夜、明代(賀川雪絵)は洋子(中島ゆたか)という女性に傘に入れてもらい、そのまま彼女が勤めるバーに連れていかれる。そこで洋子の兄という健(梅宮辰夫)を紹介され一夜を共にする。翌日明代が目覚めると彼女の服がなくなっていた。実は健と洋子はこうして女性を拘束しては風俗業に売り飛ばしていたのだ。【福】
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