古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
七店街ビル
東京都渋谷区宇田川町22−1
現「渋谷西村總本店ビル」。「大盛堂書店」「西村フルーツパーラー」「宮田家具店」「千野時計店」「うなぎ松川」「洋食マスダ」「割烹三蕪」等の店舗が入居していた。

映画「丘は花ざかり」(1952)

野呂(二谷英明)にふられ、野崎(川地民夫)からもつれなくされた香山美和子(浅丘ルリ子)は同僚の山本(高田敏江)が呑んでいる渋谷のおでん屋に向かう。
渋谷駅前交差点の夜景。左側「週刊サンケイ」と赤い縦書きの「大興証券」の看板は戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の赤く丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。白く光っているビルは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「パウリスタ」は「栄蘭ビル」(現「マツモトキヨシ渋谷Part2店」宇田川町23-4)、赤い縦書きの「宮田の家具」、白い「西村フルーツパーラー」、「千野時計店」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。
1952(昭和27)年/東宝
出演:杉葉子、池部良、山村聡、小暮実千代、上原謙
香山と野呂・野崎の恋愛、石山と高畑・白川の恋愛が進んでいく中で、現代的な価値観をもつ女性香山美和子は色々なことを学んでいく。
妻を亡くした野呂の家に平気で数日泊まり込む香山の感覚や、ラスト近く香山を諭す野呂のロジックなど色々受け入れ難い点がある。野崎がずっとかわいそう。川地民夫が可愛げのあるさわやかな青年を演じている。【福】
映画「どうせ拾った恋だもの」(1958)

オープニングからタイトルバックまで存分に渋谷の夜景が映る。「西村フルーツパーラー」「宮田の家具」「とんかつ」「うなぎ松川」のネオンは七店街ビル(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22−1)。「渋谷東映」のネオンは現「渋谷Toeiプラザ」(渋谷1-24-12)。渋谷駅前を道玄坂下からJRのガードに向かって移動するショット。
1958(昭和33)年/日活
出演:安井昌二、香月美奈子、コロムビア・ローズ、高品格
初代コロンビア・ローズの同名の曲をベースにした歌謡映画で彼女自身も看護師を演じ、歌う(意外と演技も巧い)。非常にシンプルなメロドラマ。婦長役新井麗子がわかりやすい悪役を好演。【福】
映画「警視庁物語 顔のない女」(1959)

冒頭渋谷の街からハチ公前広場までが映し出される。中央で建設中なのが峯岸ビル(現「QFRONT」宇田川町21-6)。その左が七店街ビル(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。峯岸ビルの隣が「渋谷日活」と「渋谷松竹」(「現西武渋谷店A館」宇田川町21-1)。右下の三和銀行の一帯は現「MAGNET by SHIBUYA109」(神南1-23-10)。
1959(昭和34)年/東映東京
出演:松本克平、神田隆、堀雄二、南廣、花澤徳衛、山本麟一、須藤健、佐原広二、片山滉、岩上瑛 、佐久間良子、沢村貞子、加藤嘉 、菅井きん
7人の刑事達が足を使ってコツコツ捜査する「警視庁物語」シリーズの第9話。「マニキュアやペディキュアをしている女性は売春婦」という偏見、水上生活者、ダルマ船の酒場、ハンカチタクシーといった当時の風俗が描かれている。車の持ち主の妻に杉村春子、歯科医に加藤嘉、被害者が住んでいたアパートの大家に菅井きん、被害者が愛用していた訪問販売の化粧品会社の販売部長に高橋とよ…と脇役がやけに豪華な一作。【福】
映画「雑沓に光る眼」(1959)

タイトル後、東京の繁華街の映像がクロスフェードしながら映し出される。
その一つが渋谷駅前。左側が「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。「渋谷西村」の表示が見える。右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
1959(昭和34)年/日活
出演:二谷英明、中村万壽子、丘野美子、宍戸錠
映画「狂熱の季節」(1960)

明(川地民夫)と勝(郷鍈治)は鑑別所を出ると車を盗んで渋谷に向かい、ハチ公前広場で外国人の客を連れたユキ(千代侑子)と落ち合う。車から顔を出す明(川地民夫)の背後に「大盛堂書店」「西村フルーツパーラー」「渋谷松川」などが入った「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店」宇田川町22−2)が見える。
1960(昭和35)年/日活
出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。【福】
映画「続べらんめえ芸者」(1960)

ラスト、無事結ばれた小花(美空ひばり)と二宮(高倉健)がオープンカーで東京を走りまわる。
場所は道玄坂下、道玄坂から駅前交差点へ向かう角度のショット。
右の黄色いテントは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。「宮田の家具」の看板の「具」の字が見えている。
その左は「第一銀行」(現「みずほ銀行渋谷中央支店」宇田川町23-3)。
その奥「ワシントン靴店」の看板は現在「アディダス」がある「Fpg Links Shibuya Dogenzaka」(宇田川町23-5)。
左側の赤と黄色のテントがあるのは「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」道玄坂2-3)。洋裁生地店「丸南」(現「サンドラッグ 渋谷 道玄坂 下 店」道玄坂2-5-1)の看板も見える。
出演:美空ひばり、高倉健、吉川満子、清川虹子、柳谷寛、桜京美、浪花千栄子、中原ひとみ、加藤嘉、柳永二郎、神田隆、山村聰、雪代敬子、今井俊二、丸山明宏、沢彰謙、杉義一
映画「真昼の誘拐」(1961)

右端の電光掲示板は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6 )、「うたごえ全集」「週刊朝日」のネオンが並んで光っているビルが「大盛堂書店」が入っている「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22−1)、中央奥の交差点は道玄坂下交差点でその先端にあるのが「洋品店ミツマル」(現「SHIBUYA109 渋谷店」道玄坂2-29-1)、「丸南」は洋裁生地店「マルナン」(現「サンドラッグ渋谷道玄坂下店」道玄坂2-5-1)、その左の色々なネオンがついているのが戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル・大外ビル」道玄坂2-3)。
1961(昭和36)年/日活
出演:高橋英樹、中尾彬、沢本忠雄、武内悦子、奈良岡朋子、山内明
映画「闘いつづける男」(1961)

オープニング、由良二郎(和田浩治)が自転車で道玄坂を下るシーケンスが続く。奥正面の洋品店「三丸」は現「SHIBUYA109 渋谷店」(道玄坂2-29-1)。「パウリスタ」は現「マツモトキヨシ SHIBUYA DOGENZAKA FLAG」(宇田川町23-4)。「第一銀行」は現「みずほ銀行渋谷中央支店」(宇田川町23-23)、アーケードがある「七店街ビル」は現「渋谷西村總本店ビル」(宇田川町22-1)および隣の黄色いビルの「マツモトキヨシ 渋谷Part1店」(宇田川町22-3)。
1961(昭和36)年/日活
出演:和田浩治、吉永小百合、葉山良二、白木マリ、郷鍈治、殿山泰司、神山繁、金子信雄、佐野浅夫、高品格、井上昭文、千代侑子、三崎千恵子、大森義夫、紀原土耕、青木富夫、木島一郎、黒田剛、水木京二、二木草之助
映画「女の座」(1962)

四女夏子(司葉子)の見合いのシーンの前に窓から見た渋谷の街が映る。
渋谷駅西口方面から見たアングル。右端が「東急百貨店東横店」、その左のナショナルのネオンがあるのは「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)、その左の塔状の建物は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22−1)、左端の「タカラヤ」の垂れ幕があるのは「渋谷駅前会館」(現存、道玄坂1-3-1)。中央に車庫に向かう銀座線が見える。
1962(昭和37)年/東宝
出演:高峰秀子、杉村春子、笠智衆、草笛光子、司葉子、小林桂樹
ある日松代夫婦が経営する下宿に入った六角谷(宝田明)という青年があきの生き別れの息子ということが判明する。長らく独身だった梅子は六角谷に好意を抱くが、一方六角谷は芳子に言い寄っていた。なかなか九州の自宅に帰らず疎まれる路子夫婦、勉学に悩む健、気象庁に勤める青年青山(夏木陽介)に思いを寄せる夏子と雪子、オリンピック道路の開通に伴う立ち退き問題など様々な問題が石川家に起き始める。
いつになく穏やかな杉村春子、一見好男子だが信用がおけない宝田明、悪い人ではないが女性皆に疎まれる三橋達也の演技が冴える。【福】
映画「アリバイ」(1963)

ラストシーン。
渋谷駅前交差点の夜景。左側ネオンが集積しているのは戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。「マタンゴ」を上映中のようだ。各階が白く光り屋上に縦長のネオンがあるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「東亜」は現「ハイマンテン渋谷ビル」(宇田川町23-5)。「TEXTILE WORLD TOA」と名称を変更し神南で現在も営業中。「渋谷西村」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、一番右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
1963(昭和38)年/日活
出演:二谷英明、 小高雄二、 渡辺美佐
警視庁協力のもと作られた本作は当局に配慮したためか堅実さはあっても今ひとつスリルに欠ける。【福】
映画「暗黒街大通り」(1964)

冒頭、東京の繁華街各所が映るが、その中で渋谷の駅前が映る。
左側の丸に緑のネオンは「緑屋」(現「渋谷プライム」道玄坂2-29-5)、横に照明が何本も延び上に長谷川工務店の赤いネオンがあるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、大きく「東亜」の文字の看板は生地専門店「東亜」(現「FPGリンクス渋谷道玄坂」宇田川町23-5)、「宮田の家具」「森永の洋菓子」のネオンは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-2)。
1964(昭和39)年/東映
出演:高倉健、梅宮辰夫、待田京介、三田佳子、金子信雄、安部徹、大木実
映画「愛しながらの別れ」(1964)

強盗と間違えられた勝太(浜田光夫)は人々から追われるが最後には警官に確保される。
場所は現「SHIBUYA109」前の道玄坂下交差点。109前から渋谷駅方面を見ている角度。左側「第一銀行」の看板は現在の「みずほ銀行渋谷中央支店」(宇田川町23-3)、「家具の宮田」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-2)。右手に「東急百貨店東横店」。
1964(昭和39)年/日活
出演:浜田光夫、和泉雅子、山内賢

映画「殺られてたまるか」(1964)

ラスト近く、車で家に帰る都築敏(二谷英明)。
渋谷駅前交差点から道玄坂方向の眺め。
右から洋装生地「ミノリ」があるのは「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)、「森永の洋菓子」「千野時計店」「西村」「宮田の家具」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、「東亜」のネオンは現在「アディダス」がある「FPGリンクス渋谷道玄坂」(宇田川町23-5)、照明が水平に並んでいるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、その背後◯に「緑」の看板が「緑屋」(現「渋谷プライム」道玄坂2-29-5)
1964(昭和39)年/日活
出演:二谷英明、山本陽子、笹森礼子、玉川伊佐男、梅野泰靖、深江章喜、伊藤寿章
映画「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)

金星人の取材を続ける直子(星由里子)が放送局に連絡するシーン。
直子が電話しているのは渋谷駅前。
左端のビルが「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、中央が「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、右が「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
1964(昭和39)年/東宝
出演:夏木陽介、小泉博、星由里子、若林映子、ザ・ピーナッツ
映画「犯罪のメロディー」(1964)

劇中街の風景がインサートされる。
道玄坂下から渋谷駅前交差点方面を見る角度。
左から「第一銀行」は現「みずほ銀行渋谷中央支店」(宇田川町23-3)、「宮田の家具」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、奥のガードは宮益ガード、その右には「東急百貨店東横店」が見えている。右端の「マルナン」は現「サンドラッグ 渋谷道玄坂下店」(道玄坂2-5-1)。
1964(昭和39)年/松竹
出演:寺島達夫、待田京介、吉田輝雄、菅原文太、安部徹、久保菜穂子、石黒達也、鰐淵晴子、桑野みゆき
ドラマ「特別機動捜査隊 第136話『エゴイスト』」(1964)

立石主任(波島進)率いる立石班は被害者の財布から金を抜き取り捨てたというルミ(松浦波路)を伴い現場付近で財布を捜索する。その直前に現場付近の俯瞰がインサートされる。
現場は渋谷駅付近。
手前の線路は山手線。中央「玉坪の投資信託」の看板一帯からその右「三和銀行」にかけては「三千里薬品神南店」や「天津甘栗」のある現「MAGNET by SHIBUYA 109」(神南1-23-10)。
中央左「ピカソ展」の垂れ幕があるのは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。その右、画面中央の建物は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。その右の「三井銀行渋谷支店」と塔のある「渋谷松竹」は現在「西武渋谷店A館」(宇田川町21-1)。
1964(昭和39)年/NET
出演:波島進、南川直、岩上瑛、鈴木志郎、仲原新二、上田侑嗣、館敬介、植田譲、松風はる美、松浦浪路、岡野耕作、斉藤英雄、春江ふかみ、加藤澄江、進藤幸、水沢摩耶
なお、ドライブクラブというのは現在のレンタカー。【福】
映画「爆弾男といわれるあいつ」(1967)

タイトルの直後、熊五郎(東京ぼん太)の登場シーン。背後に渋谷駅前ビル、東亜、七店街ビルが映る。
1967(昭和42)年/日活
出演:小林旭、東京ぼん太、内田良平、岡崎二朗、青木義朗、藤竜也、万里昌代、嘉手納清美
長岡の名物を盛り込み、アクションもたっぷりあるのだが全く盛り上がらない作品。藤竜也のむだ遣い。【福】
ドラマ「特別機動捜査隊 第281話『正午のアリバイ』」(1967)

美容師浅野晴子(高倉みゆき)と助手の中西(笠達也)が結婚式場への出張から美容室へ戻る途中、車を降り洋品店に寄る。
左側「(森永の)洋菓子」の看板があるビルは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。
右側の「渋谷食堂」「靴 富士屋」「寶華本店」の看板のビルは「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。なお「渋谷食堂」はこのビル内ではなく現「IKEA」(宇田川町24-1)の位置にあった。

左側「1階 森永ケ(ーキ?)」「地階 喫(茶店?)」「千野時計店」の看板があるビルは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。

被害者矢島宏(児玉謙二)を愛人にしていた浅野晴子(高倉みゆき)に事情を聞いたところ、被害者が殺害された時間には渋谷にいたというアリバイがあった。
中央の高倉みゆきの背後「森永」の看板が見えるビルは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。
出演:中山昭二、島宇志夫、鈴木志郎、仲原新二、上田侑嗣、菅沼正、伊達正三郎、森山周一郎、北原隆、髙島英志郎、高倉みゆき、山田康雄、茅島成美、井上真樹夫
同じシーンでの共演はないがアニメ「ルパン三世」のルパンの声優山田康雄と五エ門の井上真樹夫が出演している回。【福】
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