東急本社ビル|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

東急本社ビル

東京都渋谷区桜丘町26-1

1950年竣工。1992年に本社は渋谷区南平台町に移転、その跡地にセルリアンタワーが開発された。

3階建て…ではあったが、高台に建つ白亜のビルとあって、…渋谷駅界隈では目立つ建物であった。(参考:「東急100年史|第2章 第2節 第1項 戦前の活気取り戻す渋谷」「ホテル名を「セルリアンタワー東急ホテル」に決定」
目次

映画「喧嘩社員」(1957)

東洋製鉄の勧誘を蹴り社屋から出てくる谷(高倉健)と野本(山本麟一)。
この前後のシーンから、「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)と特定。

面接を受けていた東洋製鉄の社屋の外で待ち受けていたスカウトから逃げる谷(高倉健)と野本(山本麟一)。
道路は玉川通り、右側の建物は「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。
遠方に「東急文化会館」および屋上の「五島プラネタリウム」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)が見える。

作品データ
映画「喧嘩社員」
監督:津田不二夫

1957(昭和32)年/東映

出演:高倉健、山本麟一、浦里はるみ、中原ひとみ、須藤健 、小宮光江、神田隆、三条美紀、十朱久雄 、花澤徳衛、杉狂児、今井俊二、清川玉枝、大東良、佐原広二、杉義一、沢彰謙

慶早大学野球部の谷(高倉健)と野本(山本麟一)は二人揃って大東鋼材に就職し、都市対抗野球でも百万ドルバッテリーとして大活躍を続けていた。酒にからきし弱い彼らは祝勝会の帰り不祥事を起こしてしまい、社長令嬢銀子(小宮光江)のクビという冗談を真に受け二人は会社を辞めた。
この知らせを受けプロ野球のホワイト・ベアーズ、ブラック・キャット、レッド・ライオンズ各球団のスカウト(花澤徳衛、杉狂児、高原秀麿 )が最強バッテリーの獲得に動きだすが、野球を職業にしたくない二人はスカウトから逃げ回っていた。
ホワイト・ベアーズの飛島(花澤徳衛)は一計を案じ、金に困っている喫茶店のオーナー野津利江(日野明子)を社長令嬢に仕立て上げ、まず女性にモテない野本を色仕掛けで籠絡することを思いついた。【福】

映画「ずべ公天使」(1960)

火薬工場の災害現場での働きが認められ、京子(小宮光江)、山東昭子(秋子)、正子(浦野みどり )、ひろ子(小林裕子)の4人は新日本火薬工業株式会社への就職が決まる。同社の全景、外観、玄関付近。
窓の形、アンテナの形、玄関横のブロック壁の形から「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)と特定した。

作品データ
映画「ずべ公天使」
監督:小沢茂弘

1960(昭和35)年/東映

出演:高倉健、水木襄、小宮光江、山東昭子、小林裕子、星美智子、久保菜穂子、柳永二郎

黒雲会幹部の岸田(高倉健)は不良少女たちを企業に潜入させゆすりのネタを仕入れることを思いつき、京子(小宮光江)、道子(星美智子)、山東昭子(秋子)たちの不良グループを更生させてやると偽り礼儀作法の教育を施し始める。しかし真面目に努力する彼女たちを見るうち、会長の黒川(柳永二郎)も岸田も彼女たちの本当の幸福を祈るようになる。【福】

映画「街から街へつむじ風」(1961)

ラストシーン、正木晋一(石原裕次郎)が独立、看護師の北山美樹子(芦川いづみ)を連れ皆に見送られながら田村医院を去っていくシーン。
背後に見えるのは「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。
真ん中にしゃがんで大笑いしているのは石原裕次郎の父役の宇野重吉。ものすごくお爺さんに見えたが公開当時まだ47歳。

ラストシーン、玉川通りの「大下ビル」前(道玄坂1-16-5)から渋谷駅方向を見る。玉川通りは高速3号線がまだ建設中。右端に見えるのが「東急本社ビル」。
その向こうの『東京相互銀行』は現「第一薬科大付属高校渋谷キャンパス」(桜丘町25-14)、「山叶證券」は「加藤ビル」(現存、桜丘町25-17)。画面奥、中央右の白いビルは1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。中央左のドームは東急文化会館(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。左端で建設中のビルは「野村不動産渋谷別館」(現「渋谷道玄坂東急ビル」道玄坂1-10-8)。

作品データ
映画「街から街へつむじ風」
監督:松尾昭典

1961(昭和36)年/日活

出演:石原裕次郎、芦川いづみ、中原早苗

留学先のドイツから帰ってきた正木晋一(石原裕次郎)は父親(宇野重吉)の薦めで父の友人田村(東野英治郎)の病院を手伝うことになる。晋一が田村医院を訪れると院長は持病に苦しみ、息子の副院長(小高雄二)は過去の手術の失敗で自信を失い、さらにヤクザが副院長の失敗をネタに地上げをしかけてくる有り様。正木は病院をヤクザから守るため活躍する。
ところどころ入れてくる笑いどころは余計だし、いろいろ都合の良いストーリー展開も甘く、気楽に裕次郎のかっこよさを見るための映画。【福】
日活
街から街へつむじ風 | 映画 | 日活 父の旧友が経営する病院に勤務することになった青年医師が様々な障害を乗り越えて医院の再建に奔走する。石原裕次郎が熱血医師に扮した痛快アクション。

映画「闘いつづける男」(1961)

朝のロードワークシーン。首都高3号線建設前の玉川通りを走る由良二郎(和田浩治)と城木喬二郎(葉山良二)に車に乗った川路美緒(白木マリ)が声をかける。
背後のビルは「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。

作品データ
映画「闘いつづける男」
監督:西河克己

1961(昭和36)年/日活

出演:和田浩治、吉永小百合、葉山良二、白木マリ、郷鍈治、殿山泰司、神山繁、金子信雄、佐野浅夫、高品格、井上昭文、千代侑子、三崎千恵子、大森義夫、紀原土耕、青木富夫、木島一郎、黒田剛、水木京二、二木草之助

由良二郎(和田浩治)はそば屋で働きながら、ボクシングのチャンピオンを目指し鞍馬正人(殿山泰司)のジム、鞍馬拳闘倶楽部でトレーニングを続けていた。彼には川路プロモーター事務所の川路美緒(白木マリ)も目をつけていた。彼女はボクシング界から姿を消していた城木喬二郎(葉山良二)を探し出し二郎のトレーナーに充てた。やがて大学ボクシング界の強者江見克彦(郷鍈治)との試合が決まった。しかし悪徳プロモーターの大沢(金子信雄)は鞍馬への借金を材料に八百長をするよう鞍馬拳闘倶楽部に迫ってきた。【福】
日活
闘いつづける男 | 映画 | 日活 世界チャンピオンの栄光の道へ挑戦する一ボクサーとトレーナーのきびしい生活を描く本格的ボクシング映画

映画「ギャング同盟」(1963)

風間(内田良平)が服役している間に組織が解体してしまった経緯を説明する高本(佐藤慶)。2人が立っているのは玉川通り沿い、後方左側のビルは現「セルリアンタワー」の場所にあった「東急本社ビル」。隣に映る第一生命との位置関係と当時の東急本社ビルの写真から特定。

作品データ
映画「ギャング同盟」
監督:深作欣二

1963(昭和38)年/東映

出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏

刑務所から出所する風間(内田良平)を昔の仲間高本(佐藤慶)が迎える。しかし彼らの縄張りはすっかり新興の巨大勢力に乗っ取られていた。風間はある計画を思いつき高本とかつての仲間尾形(戸浦六宏)、楠(山本麟一)、柾江(楠侑子)、志賀(曽根晴美)、ジョージ(アイ・ジョージ)を集める。風間の計画とは敵対勢力のボスを誘拐することだった。
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」(1964)

参考人の高校生、成瀬隆志を探す立石主任(波島進)のもとに、隆志が補導され渋谷署にいる旨連絡が入る。
玉川通り。道のこちら側が道玄坂1丁目、向こう側は桜丘町。奥の建物は「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。中央で首都高3号線が建設中。「スタンドバー・セーヌ」の場所は特定できなかった。

奥の建物は「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。中央で首都高3号線が建設中。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」
監督:北村秀敏

1964(昭和39)年/NET

出演:波島進、南川直、岩上瑛、轟謙二、滝川潤、鈴木志郎

高速道路の工事現場で若い女性の死体が発見された。警視庁捜査一課の立石主任(波島進)率いる立石班は服を手がかりに捜査を進め、女性の身元を特定した。一方、大森で犯行に使われたとみられる車が見つかり持ち主に事情を聴取したところ、当日、車は持ち主の高校生になる息子の成瀬隆志が乗り回していたことがわかった。一方、隆志は学校をさぼっていたところを補導され事件当日の事情を聴取されたが、その供述にあいまいな点があった。【福】

映画「青春前期 青い果実」(1965)

ラストシーン、走って河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)のもとに向かう椎ノ木武志(太田博之)。武志が走っているのは玉川通り、右手の建物は「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。

作品データ
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清

1965(昭和40)年/日活

出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏

広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
日活
青春前期 青い果実 | 映画 | 日活 セックスによる激しいショックを受けた二人の男女高校生の心の交流をクールなタッチで描いた異色純愛大作。

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