古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
忠犬ハチ公
東京都渋谷区道玄坂2-1
渋谷駅の待ち合わせ場所として有名な銅像。
秋田犬ハチは1923年11月生まれ。飼い主の上野英三郎博士を毎日送り迎えしていたが、上野博士が脳溢血で急死。しかしハチは上野博士の没後も毎日渋谷駅に通った。その姿が評判となり1934年4月21日に忠犬ハチ公像が渋谷駅前に建立された。
映画「あるぷす大将」(1934)
上京した陽洋先生(丸山定夫)と於菟(伊東薫)は渋谷に出る。渋谷駅前、ハチ公像のまわりに群がる人々。
渋谷駅前で「ハチ公像」を見つけた二人。陽洋先生は像の側面に書いてある説明文を読む。
陽洋先生(丸山定夫)は於菟(伊東薫)にハチ公像を見るよう勧めるが、その時於菟は本物のハチ公を撫でていた。
1934(昭和9)年/P.C.L.
出演:伊東薫、丸山定夫、竹久千恵子、徳川夢声
映画「恋文」(1953)
終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は、街々に出かけては東京にいるはずの最愛の人、久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。そんなある日真弓は旧友の山路直人(宇野重吉)にばったり出会う。
二人が出会うのは渋谷、ハチ公像前。背後の建物は渋谷駅。
真弓礼吉(森雅之)は、山路直人(宇野重吉)の代筆屋を訪れたかつての意中の人、久保田道子(久我美子)を追って店を出る。
場所はハチ公前。背後の「山一證券」は駅前広場の造成に伴い現ハチ公前広場の中に移動させられた旧「三菱銀行ビル」(石榑督和「戦後東京と闇市 新宿・池袋・渋谷の形成過程と都市組織」)。
1953(昭和28)年/新東宝
出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子
映画「南氏大いに惑う」(1958)
中央にハチ公像、背後に「東急百貨店東横店」。ハチ公のナレーション(声:見明凡太朗)でストーリーが始まる。
1958(昭和33)年/大映東京
出演:船越英二、川上康子、市川和子、八潮悠子、立花宮子、清水谷薫、鶴見丈二、角梨枝子
映画「警視庁物語 顔のない女」(1959)
冒頭渋谷の街からハチ公前広場までが映し出される。渋谷駅前交差点とハチ公前広場。ハチ公は広場内の地下商店街入口の四角い屋根の上にみえる。
1959(昭和34)年/東映東京
出演:松本克平、神田隆、堀雄二、南廣、花澤徳衛、山本麟一、須藤健、佐原広二、片山滉、岩上瑛 、佐久間良子、沢村貞子、加藤嘉 、菅井きん
7人の刑事達が足を使ってコツコツ捜査する「警視庁物語」シリーズの第9話。「マニキュアやペディキュアをしている女性は売春婦」という偏見、水上生活者、ダルマ船の酒場、ハンカチタクシーといった当時の風俗が描かれている。車の持ち主の妻に杉村春子、歯科医に加藤嘉、被害者が住んでいたアパートの大家に菅井きん、被害者が愛用していた訪問販売の化粧品会社の販売部長に高橋とよ…と脇役がやけに豪華な一作。【福】
映画「サラリーマン物語 勝って来るぞと勇ましく」(1962)
映画の冒頭、西郷隆盛像から始まり様々な銅像が紹介され、最後に極東コンツェルンの会長石林茂作の像が登場する。途中「忠犬ハチ公像」も紹介される。
1962(昭和37)年/日活
出演:小沢昭一、松尾嘉代、山田吾一
映画「泥だらけの純情」(1963)
ハチ公像前。真美(吉永小百合)と東横線で別れた次郎(浜田光夫)が渋谷の街を歩く。ハチ公像前。
後方の建物は「西村フルーツパーラー」や「大盛堂書店」が入っていた「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」)。
1963(昭和38)年/日活
出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子
映画「爆弾男といわれるあいつ」(1967)
タイトルの直後、熊五郎(東京ぼん太)がやせ馬の馬吉(青木富夫)に都築浩介(小林旭)の居場所を訪ねるシーン。左手にハチ公像が映っている。
1967(昭和42)年/日活
出演:小林旭、東京ぼん太、内田良平、岡崎二朗、青木義朗、藤竜也、万里昌代、嘉手納清美
長岡の名物を盛り込み、アクションもたっぷりあるのだが全く盛り上がらない作品。藤竜也のむだ遣い。【福】
映画「その人は昔」(1967)
青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)が上京し降り立つのが渋谷。ハチ公前広場。右手にハチ公像がある。
1967(昭和42)年/東宝
出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】
映画「私が棄てた女」(1969)
吉岡務(河原崎長一郎)の回想シーンには緑のフィルターがかかる。吉岡が森田ミツ(小林トシ江)と待ち合わせをした時の渋谷駅前のシーンの冒頭に登場するハチ公像。
学生服を着た斜め後ろ姿が大学生時代の吉岡(河原崎長一郎)、右側のおさげ髪がミツ(小林トシ江)。
1969(昭和44)年/日活
出演:河原崎長一郎、浅丘ルリ子、小林トシエ、小沢昭一、加藤武、岸輝子、辰巳柳太郎、加藤治子、夏海千佳子、佐野浅夫、露口茂、早野寿郎、大滝秀治、江守徹
無教養だが自らを犠牲にして人を愛するミツと、地位と献身的な愛の間で悩む吉岡の姿を描く。
ドラマでは情けない役どころが多い印象の河原崎だが本作では美しい浅丘ルリ子に愛される役。小林トシ江が地方出身の素朴な女工の献身的な愛をみごとに演じている。パートカラーで製作されており、吉岡の回想シーンは緑のフィルター、ミツの回想シーンは赤のフィルターがかかり、ミツが「新相馬節」を歌うシーンで映る相馬野馬追の様子とラストのシークエンスのみカラー映像になる。原作は遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」。【福】
映画「実録安藤組 襲撃篇」(1973)
中江昭麿襲撃事件で安藤興業のメンバーが全国指名手配される。渋谷駅前に貼られたポスター。場所はハチ公口、右手に忠犬ハチ公像。
1973(昭和48)年/東映
出演:安藤昇、梅宮辰夫、安岡力也、郷鍈治、小林稔侍、丹波哲郎
映画「昭和枯れすすき」(1975)
典子(秋吉久美子)の行動を怪しんだ原田(高橋英樹)はひそかに典子の後をつける。典子が歩いているのは渋谷ハチ公前広場。右端にハチ公像が見える。
1975(昭和50)年/松竹
出演:高橋英樹、秋吉久美子、池波志乃、伊佐山ひろ子、鈴木瑞穂、松橋登、下条アトム、稲葉義男
映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)
圭子(麻生祐未)は亮(陣内孝則)と約束した渋谷駅前で待つが、その頃亮は神埼(室田日出男)を狙撃したことで刑務所送りになっていた。
駅の出口前にあるハチ公像。
1988(昭和63)年/東映
出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】
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