古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
桜丘町
東京都渋谷区桜丘町
渋谷駅の南の小高い丘の上の町。空襲の被害が少なく、昭和初期の建物が1980年代頃まで多く残されていた。

映画「銀座二十四帖」(1955)

子分の“ジープ政”がヒロポンに手を出している疑いを持った“花売コニイ”こと三室戸完(三橋達也)は政を問い詰めるが、政はバー「アンコール」のホステスに頼まれたという。コニイは自宅のアパートに帰り、隣室の久子にこの件を確認する。
これはコニイが空き地になった丘を通り自宅に向かうシーン。コニイのアパートがあるのは桜丘町。周辺の道の形状や看板から「旅館桜丘会館」(現「ビジョナリーアーツ」桜丘町23-18)と特定。

バー「アンコール」のホステス初枝(渡規子)がお得意様の画家、桃山豪(安部徹)とドライブに出る様子を同じアパートに住むバーのママが窓から見ているシーン。手前の電柱の左側の店舗は電柱の陰に隠れた看板から「三樹園社」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)と判読できることから、撮影地点は「旅館桜丘会館」(現「ビジョナリーアーツ」桜丘町23-18)と特定。
1955(昭和30)年/日活
出演:三橋達也、河津清三郎、月丘夢路、北原三枝、浅丘ルリ子、大坂志郎
映画「明日を賭ける男」(1958)


白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークの途中、住み込みの勤め先を飛び出した小林典子(浅丘ルリ子)と会う。
左のビルに「の松」の字が見えることから「奥の松ビル」(現「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)と特定。中央に見える「昭和醫院」は当時の住宅地図上では「岡三証券渋谷営業所」となっている。現「岡三桜丘ビル」(桜丘町31-14)。典子側の視点では首都高速3号線が工事中なのがわかる。

白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークのシーン。車道と歩道の段差がなくなることから南平台交差点と特定。右側のビルは建設中の「南平台東急ビル」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。このあと鉢山町の西郷橋下をくぐるシーンがある。

ラスト、薫(川地民夫)のロードワークのシーン。
玉川通り。右のビルは「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)、左に「東急百貨店東横店」が見える。高速3号線が工事中。
1958(昭和33)年/日活
出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
映画「素ッ裸の年令」(1959)

サブ(藤巻三郎)とクロ(清水義之)はペット屋から盗んだバイクで健(赤木圭一郎)のもとにかけつける。
サブたちが走っているのは首都高3号線建設前の玉川通り。道のこちら側が桜丘町、向こう側は道玄坂1丁目。中央に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)と屋上の「五島プラネタリウム」、左側に「東急百貨店東横店」が見える。
拡幅中の道路に車が駐車している。

健(赤木圭一郎)のもとにバイクでかけつけたバッタ(小沢真好)とダダ公(仙頭哲)。盗品のバイクのナンバーをつけかえるシーン。
場所は首都高3号線建設前の玉川通り。道の左側が桜丘町、右側は道玄坂1丁目。背後の高い建物は「南平台東急ビル東急スカイラインアパートメンツ」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。
拡幅中の道路に車が駐車している。
1959(昭和34)年/日活
出演:赤木圭一郎、堀恭子、左卜全
映画「暗黒の旅券」(1959)

殺された西条弘美(沢たまき)のバッグの中に残されていたプレゼントが、ゲイボーイのケニー(ケニー青木)からの贈り物ということをつきとめた伊吹重夫(葉山良二)は、ケニーの店「バー チドリ」に向かう。
左が山手線。「日本生命」の看板は「日本生命渋谷支店」、「火災」の看板は「住友海上火災渋谷支店」、舞台となる「バー チドリ」は実在の店舗。いずれも桜丘町の山手線沿い道に面した一画(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

右は山手線、遠方に「東急百貨店東横店」。「バー チドリ」は実在の店舗(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

左は山手線。「大和田商店」「シブヤテーラー」の看板はいずれも桜丘町の山手線沿い道に面した一画(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

向かって右が桜丘町3、左が桜丘町4、奥が桜丘町8。山手線沿いの道と一本奥の道を繋いでいた短い道。前後のシーンと当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、道の左右は「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部、道の奥は「渋谷サクラステージ」SAKURAタワーの一部となっている。

向かって右が桜丘町3、左が桜丘町8。山手線の一本奥にあった道。奥の看板「中■氷室、桜ヶ丘畳店」と当時の住宅地図から特定。再開発に伴い一帯は「渋谷サクラステージ」となり、中央の道路がおおむね「渋谷サクラステージ」の中央を貫く道路、右側がおおむね「渋谷サクラステージ」セントラルビル、左側がおおむね「渋谷サクラステージ」SAKURAタワーとなった。

左が桜丘町3(看板にある「桜ヶ丘六番地」は古い住居表示)、奥が山手線。山手線沿いの道と一本奥の道を繋いでいた短い道。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、道の左右は「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

中央の「バー チドリ」は実在の店舗(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い手前の道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。
1959(昭和34)年/日活
出演:葉山良二、筑波久子、岡田眞澄
映画「ファンキーハットの快男児」(1961)

日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。
玉川通りの桜丘町付近から渋谷駅方面を見る。「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」が見える。
1961(昭和36)年/ニュー東映
出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】
映画「天使が俺を追い駈ける」(1961)

オープニング、人生に絶望した三本木六平(三木のり平)が自殺をはかるシーンの前に夜景が映る。
場所は桜丘町。右の「松屋質店」は現「曙ビル」(桜丘町16-2)。左の看板にある「旅館ひさご」は現「渋谷ジョンソンビル」(桜丘町17-12)、「旅館千草」は再開発に伴い「渋谷サクラステージ」SAKURAテラス(桜丘町3-20)となった。
この後映る三本木のアパート「希望荘」は桜丘町ではなく恵比寿西にある(映画内で住居表示が映る)。
1961(昭和36)年/日活
出演:三木のり平、吉永小百合、八波むと志

映画「闘いつづける男」(1961)

朝のロードワークシーン。由良二郎(和田浩治)と城木喬二郎(葉山良二)が首都高3号線建設前の玉川通りを走っている。正面が渋谷駅方面、右側が桜丘町、左側が道玄坂1丁目。
右側端の建物は「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。「東洋信託銀行」は現「日本経済大学大学院 246ホール」(桜丘町25-16)。「山叶證券」があるのは「加藤ビル」(現存 / 桜丘町25-17)。
正面左側には「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-1)と屋上の「五島プラネタリウム」が見える。ポール・ニューマン主演映画「栄光への脱出」(1960)が上映中。
左側の「大福証券」は「高橋ビル」(現在「東急リバブル」がある「渋谷スクエアA」道玄坂1-9-5)。その少し先の一画が後に「渋谷東急プラザ」を経て「渋谷フクラス」になる(道玄坂1-2-3)。

首都高3号線建設前の玉川通りでシャドウボクシングをする由良二郎(和田浩治)と城木喬二郎(葉山良二)。背後の「八千代証券」がある建物は「奥の松ビル」(現在「カフェ・ド・クリエ」がある「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)。車道と歩道の段差は現在もそのまま。

首都高3号線建設前の玉川通りを出前で走る由良二郎(和田浩治)。南平台交差点あたり。背後の「ハリスチウインガム」「第一生命」等の看板があるのは「奥の松ビル」(現在「カフェ・ド・クリエ」がある「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)。
切妻屋根で「昭和醫院」と表示がある建物は現「岡三桜丘ビル」(桜丘町31-14)、その右側一帯は現「Nsw(株)本社ビル」(桜丘町31-11)。車道と歩道の段差は現在もそのまま。

首都高3号線建設前の玉川通りをロードワークする由良二郎(和田浩治)。南平台交差点。左が桜丘町、右が道玄坂1丁目。右奥の高層の建物は「南平台東急ビル」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。
1961(昭和36)年/日活
出演:和田浩治、吉永小百合、葉山良二、白木マリ、郷鍈治、殿山泰司、神山繁、金子信雄、佐野浅夫、高品格、井上昭文、千代侑子、三崎千恵子、大森義夫、紀原土耕、青木富夫、木島一郎、黒田剛、水木京二、二木草之助
映画「女の座」(1962)

芳子(高峰秀子)の妹静子(団令子)が同僚と街を歩いていると、同僚を捨てた六角谷(宝田明)が芳子に家庭教師を紹介しているところに出くわす。
玉川通りの桜ヶ丘付近から道玄坂上方面を見る角度。高い建物は「南平台東急ビル東急スカイラインアパートメンツ」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。
1962(昭和37)年/東宝
出演:高峰秀子、杉村春子、笠智衆、草笛光子、司葉子、小林桂樹
ある日松代夫婦が経営する下宿に入った六角谷(宝田明)という青年があきの生き別れの息子ということが判明する。長らく独身だった梅子は六角谷に好意を抱くが、一方六角谷は芳子に言い寄っていた。なかなか九州の自宅に帰らず疎まれる路子夫婦、勉学に悩む健、気象庁に勤める青年青山(夏木陽介)に思いを寄せる夏子と雪子、オリンピック道路の開通に伴う立ち退き問題など様々な問題が石川家に起き始める。
いつになく穏やかな杉村春子、一見好男子だが信用がおけない宝田明、悪い人ではないが女性皆に疎まれる三橋達也の演技が冴える。【福】
映画「星の瞳を持つ男」(1962)

光郎(山内賢)は人気が低迷し生活が荒れていた。光郎の友人峰かおり(田代みどり)は、彼を連れ彼の復帰のために新曲を書いた作曲家の杉森徹(北村和夫)のアパートに向かう。
かおりと光郎を乗せたタクシーが走っているのは桜丘町15と桜ヶ丘8の間に現存するヘアピンカーブの坂。遠方に「東急百貨店東横店」が見える。正面の黒い板塀の民家は現「ガーデンホテル渋谷」(桜丘町15-4)。坂の右側は再開発に伴い「渋谷サクラステージ」SAKURAテラスとなった。

光郎(山内賢)は人気が低迷し生活が荒れていた。光郎の友人峰かおり(田代みどり)は、彼を連れ彼の復帰のために新曲を書いた作曲家の杉森徹(北村和夫)のアパートに向かう。
杉森が住んでいるアパートは「東洋会館」(桜丘町8-24)。当時の住宅地図と外観から特定。現在再開発に伴い「渋谷サクラステージ 」SAKURAタワー」となった。
1962(昭和37)年/日活
出演:高橋英樹、吉永小百合、山内賢、田代みど、吉行和、北村和夫、深江章喜、杉狂児
映画「ギャング同盟」(1963)

風間(内田良平)と高本(佐藤慶)が、昔の仲間で今は敵対勢力の下で働く尾形(戸浦六宏)を訪ねる。尾形が働いている大同不動産があるのは現「JMFビル渋谷02」(桜丘町31-15)にあった「奥の松ビル」。同ビルに入っている第一生命、八千代証券の位置から場所を特定した。
1963(昭和38)年/東映
出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】
映画「俺の背中に陽が当る」(1963)

出所した健三(内田良平)は更生し弟の滋(浜田光夫)とともにビルの窓拭きの仕事を始める。健三達が窓拭きをしているのは住友生命渋谷ビル(現「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)と推定される。隣の屋上に「奥の松」の看板がある「奥の松ビル」(こちらも現「JMFビル渋谷02」の一部)との位置関係から推定した。
遠方に「東急文化会館」が、中央左には大きく「東急百貨店東横店」が見える。下の道路は玉川通り、中央の空き地は高速3号線用地。なお左下の隅に「街から街へつむじ風」(日活/1960)の舞台となった「大下外科」(現「大下ビル」道玄坂1-16-5)が見える。
1963(昭和38)年/日活
出演:吉永小百合、浜田光夫、小高雄二
生々しい刺殺シーンなど強めの暴力描写がある。榎木兵衛と野呂圭介の滑稽な下っ端コンビが印象的。【福】
映画「やくざの歌」(1963)

女子大生の北見紀子(本間千代子)とヤクザの新田俊次(千葉真一)がデート中「栄町公園」に寄り、北見が新田の豪勢な金の使い方をたしなめるシーン。「栄町公園」の場所は桜丘町。別ショットの「山叶証券」のネオンや中央に見える「松屋(質店)」の看板から場所を特定。左端のネオンのある白い建物は大和証券(現「桜丘フロントビル」桜丘町16-12)、遠方にネオンが見える「山一證券」は山手線を越えた現「名取ビル」(渋谷2-22-8)の位置にあった。
1963(昭和38)年/東映
出演:千葉真一、北島三郎、本間千代子、宮園純子、曽根晴美、十朱久雄、北竜二、谷幹一、佐々木孝丸、村田英雄
映画「黒い太陽」(1964)

明(川地民夫)が住み着いている教会の廃墟が俯瞰で映る。中央が廃墟。のちに「渋谷エピキュラス」になった場所(桜丘町8-24)。当時の住宅地図には「山水旅館用地」とあるので、廃墟はセットだろう。
1964(昭和39)年/日活
出演:川地民夫、チコ・ローラント、藤竜也
登場人物の名前とキャスト、ジャズをベースにした点など「狂熱の季節」の兄弟的な位置づけの作品だが、前作に比べ暴力的な要素は少ない。【福】
映画「殺人者を消せ」(1964)

早川次郎(石原裕次郎)は専務派の小西洋子(稲野和子)のマンションでの色仕掛けから逃れ部屋を出たところを専務派の手先に捕まり、屋上で乱闘になる。
遠方に見える「山一證券」(渋谷2-22-8名取ビル、現存)、「富士フィルム」(現「渋谷ストリーム」前、渋谷3-18叶ビル)の看板の位置関係、このビルの下を山手線(銀座線かとおもったが当時「カナリヤ色」だった山手線のようだ)が走っていることから、桜丘町の山手線沿い、渋谷区桜丘町3あたりと推定した。さらに当時その近辺に高いビルは「第二岡崎ビル」(桜丘口地区再開発事業区域内、現存せず)だけなので、同ビル屋上と推定する。なおマンションの外観のシーンは同ビルのものではなかった。
1964(昭和39)年/日活
出演:石原裕次郎、十朱幸代、稲野和子

映画「間諜中野学校 国籍のない男たち」(1964)

有坂明夫(二谷英明 )が帰宅するとひと組の男女(山本陽子、藤竜也)が待ち受けていた。有坂の自宅のマンションはマンション名の表示から「渋谷コープ」(現存 / 桜丘町14-10)と判明。
1964(昭和39)年/日活
出演:二谷英明、岩崎加根子、山本陽子、藤竜也、深江章喜、近藤宏、長弘。小泉郁之助、雪丘恵介
映画「大冒険」(1965)

オープニング、東京の各所を空撮した後カメラは桜丘町全景を俯瞰するショットから植松唯人(植木等)が住むアパートへズームインする。
1965(昭和40)年/東宝
出演:植木等、谷啓、団令子、ハナ肇、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、越路吹雪
クレージー・キャッツ結成10周年記念映画だけに予算が潤沢、アクションシーンや特撮がたっぷりの見応えのある作品。【福】
映画「青春前期 青い果実」(1965)

椎ノ木武志(太田博之)が自宅に帰宅するシーン。右側は山手線、奥に「東急百貨店東横店」が見える。桜丘町4-24、現在の桜ヶ丘平井ビル付近からの撮影。
道と鉄道、「東急百貨店東横店」との位置関係から桜丘町の山手線沿いの道と推定し、2009年時点のGoogleストリートビューに画像中のビルがあることを確認、隣接地に建っている「桜ヶ丘平井ビル」(現存)の住所、桜丘町4-24付近であると特定した。


椎ノ木武志(太田博之)が山手線沿いから短い道を入りアパート「桜ヶ丘荘」に帰る。
短い道は桜丘町3、桜丘町4の間の道、「桜ヶ丘荘」という設定の建物は桜丘町8の個人宅。「暗黒の旅券」(1959)で同じ場所が映っており、看板に住所が記してあったことから判明。再開発に伴い現在この道は廃道となり、道の左右は「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部、「桜ヶ丘荘」は「渋谷サクラステージ」SAKURAタワーの一部となっている。

椎ノ木武志(太田博之)が叔父の中瀬安芸男(内藤武敏)と夕食のすき焼きの買い出しにいった先でこちらを見つめている同じクラスの河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)に気づくシーン。
背後に首都高速3号線の橋脚、その後に渋谷駅南口駅前広場と「東急百貨店東横店」が見える。武志たちが肉を買う店は桜丘町25-1にあった「荒木肉店」(現「荒木ビル」)と思われる。
1965(昭和40)年/日活
出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏
映画「一発かましたれ」(1965)

右側が日森千太郎(藤田まこと)の下宿である「日本会館」(現「渋谷日本会館ビル」桜丘町18-6)。
奥は渋谷駅と「東急百貨店東横店」。
1965(昭和40)年/東映
出演:藤田まこと、花澤徳衛 、待田京介、中西杏子、園まり、藤村有弘、益田キートン、若宮忠三郎、由利徹 、上田吉二郎、佐藤晟也、潮健児、ミヤコ蝶々
映画「レッツゴー!若大将」(1967)

石山新二郎(田中邦衛)がライバル校と喧嘩を始めそうだという連絡をマネージャーの江口敏(江原達怡)からうけた田沼雄一(加山雄三)は現場にスクーターでかけつける。
玉川通り。左は高速3号線。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムのドームが見える。右側の「東洋信託銀行渋谷支店」は現「日本経済大学 大学院 246ホール」(桜丘町25-16)、手前の「東京相互銀行渋谷支店」は現「第一薬科大付属高校渋谷キャンパス」(桜丘町25-14)、さらに手前の「藤井歯科」より手前は現「渋谷セルリアンタワー」(桜丘町26-1)。
1967(昭和42)年/東宝
出演:加山雄三、有島一郎、飯田蝶子、中真千子、星由里子、田中邦衛、宝田明
スポーツ万能の加山もサッカーは不得手なのか、単にアングル上の問題なのか、試合中上半身と下半身が一緒に映るシーンはない。【福】
映画「クレージーの怪盗ジバコ」(1967)

「日本交通公社」の入っているビルは「第一カスヤビル」(現「渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー」の一部 / 桜丘町2-9)。

姫野ナナ(浜美枝)と怪盗ジバコ(植木等)のデートがマスコミに大々的に報じられ、姫野の上司の中塚(犬塚弘)が姫野の家に文句を言いに行くシーン。姫野の家が屋上に建っている「東西観光株式会社」のビルは「大和証券渋谷支店」(現「桜丘フロントビル」桜丘町16-12)。右側の通りはその後桜が植えられ「さくら坂」という名称になった。

姫野宅から渋谷駅と反対方向の風景。右側のピンクのビルは「加藤ビル」(現「加藤・大谷ビル」桜丘町25-17)、中央「ナポリ スチーム」の看板は「トルコ ナポリ」(現「ニッポンレンタカー渋谷駅南口営業所」桜丘町25-5)、その後方「東急不動産」は「東急本社ビル」(現「渋谷セルリアンタワー」桜丘町26-1)。
1967(昭和42)年/東宝
出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、石橋エータロー、安田伸、アンドリュー・ヒューズ、R・バルボン、浜美枝、東野英治郎、進藤英太郎、左卜全、立川談志、山本リンダ、人見明、青島幸男
原作は北杜夫の小説「怪盗ジバコ」だが、神出鬼没の大怪盗という設定以外はほぼ別のストーリー。【福】
映画「恐喝こそわが人生」(1968)


村木(松方弘樹)が愛人夏子(園江梨子)から連絡を受け夏子のマンションに向かう。夏子のマンションという設定の建物(1枚目左、2枚目右)は「安達会館」(「日本経済大学キャリアサポートセンター」として現存、桜丘町24-10)、1枚目の右側は「大和田小学校」(現「渋谷区文化総合センター 大和田」桜丘町23-21)。
1枚目黄色い看板に「桜ヶ丘町会」とあることからまず桜丘町と推定。次に電柱の看板「松谷医院」の位置を「日本医学百年史」(1957)と当時の住宅地図から確認し、その周囲で2枚目のように右折すると下り坂になる交差点を探した。その結果2枚目のように外壁が段々になった建物に似た建物「安達会館」を発見。さらに2枚目の坂の遠方に見える建物は渋谷駅西口交差点に面した「第一カスヤビル」(現「渋谷サクラステージ」桜丘町2-9)であることをGoogleストリートビューの過去の画像から特定、位置関係から「安達会館」と確定した。
1968(昭和43)年/松竹
出演:松方弘樹、佐藤友美、丹波哲郎、内田良平、天知茂
映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」(1969)

花川戸大五郎(ハナ肇)の妻若子(春川ますみ)が着物を質屋に入れようとするシーン。右端に映る松屋質店は現「曙ビル」(桜丘町16-2)の位置にあった。

質屋に着物を入れに来た花川戸大五郎(ハナ肇)の妻若子(春川ますみ)は高級クラブ「アンブレラ」のマネージャー植村(植木等)からホステスに勧誘される。質屋から「アンブレラ」に向かうシーン。
正面左側は桜丘町2、右側の「桜や薬局」の一画は桜丘町3。再開発に伴い現在正面は「渋谷サクラステージ」セントラルビル、「桜や薬局」のあたりは「渋谷サクラステージ」SAKURAテラスの一部となっている。
1969(昭和44)年/東宝
出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、中山麻里、春川ますみ、浦島千歌子、東野英治郎
企業のコンピュータ化真っ盛りの頃の作品。色々コンピュータに関する誤解もある。質屋から大笑いで登場する植木等が景気よい。【福】
映画「なんとなく、クリスタル」(1981)

劇中、東京の風景がインサートされる。
中央が首都高3号線、左が桜丘町、右が道玄坂1丁目。首都高横の「東急プラザ渋谷」は現「渋谷フクラス」(道玄坂1-2-2)。下に見えるかまぼこ型の屋根は東急東横線渋谷駅。位置関係から「渋谷クロスタワー」(当時は「東邦生命ビル」、渋谷2-15-1)からの撮影と思われる。
1981(昭和56)年/松竹
出演:かとうかずこ、亀井登志夫、清水善三、有田奈穂子、横山エミー、前橋汀子、原田美枝子
原作は1981年に第84回芥川賞の候補になった田中康夫の同名の小説。【福】
映画「コミック雑誌なんかいらない!」(1986)

ロス疑惑の渦中の三浦和義(本人出演)が経営する「フルハムロード・ヨシエ」へ突撃取材に向かうキナメリ(内田裕也)。
場所は「フルハムロード・ヨシエ」があった「タカシマ桜ヶ丘マンション」(現存、桜丘町9-18)前。
1986(昭和61)年/ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
出演:内田裕也、渡辺えり子、麻生祐未、原田芳雄、ビートたけし
「見事な娘」()

朝高原桐子(司葉子)が父親(笠智衆)と家を出るシーン。桜丘町から渋谷駅方面へ下る坂沿い。左側の「割烹二宮」は現「二宮ビル」(桜丘町18-4)、右側下の「旅館京香」は現「NKG東京第2ビル」(桜丘町15-15)、裏文字になっている「ホテルお甲ノ宿」や「櫻ケ丘醫院」はこの道から右手に少し入った桜丘8-18あたりにあり、現在渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業が施工中。なお高原家の居間の窓からは「東急百貨店東横店」が見えている。
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