桜丘町|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

桜丘町

東京都渋谷区桜丘町

渋谷駅の南の小高い丘の上の町。空襲の被害が少なく、昭和初期の建物が1980年代頃まで多く残されていた。

目次

映画「銀座二十四帖」(1955)

子分の“ジープ政”がヒロポンに手を出している疑いを持った“花売コニイ”こと三室戸完(三橋達也)は政を問い詰めるが、政はバー「アンコール」のホステスに頼まれたという。コニイは自宅のアパートに帰り、隣室の久子にこの件を確認する。
これはコニイが空き地になった丘を通り自宅に向かうシーン。コニイのアパートがあるのは桜丘町。周辺の道の形状や看板から桜丘町7-14あたりと思われる。

バー「アンコール」のホステス初枝(渡規子)がお得意様の画家、桃山豪(安部徹)とドライブに出る様子を同じアパートに住むバーのママが窓から見ているシーン。道の形状や看板から桜丘町7-14あたりと思われる。

作品データ
映画「銀座二十四帖」
監督:川島雄三

1955(昭和30)年/日活

出演:三橋達也、河津清三郎、月丘夢路、北原三枝、浅丘ルリ子、大坂志郎

三室戸完(三橋達也)はかつて不良だったが今では更生しジープの政(佐野浅夫)や中学生のルリ(浅丘ルリ子)たちと銀座で花屋を営んでいる。三室戸の花屋をひいきにしている料理屋の京極和歌子(月丘夢路)は手持ちの絵を画商に売ろうとしていたが、そのうち和歌子の若い頃を描いた絵が画商の目に止まる。その絵は和歌子の父が満州に在住時若い学生が描いたものだという。絵にはGMというサインがあった。その絵が展示されるや謎の画家の正体がマスコミの大きな話題になる。キザで鼻持ちならない画家桃山豪(安部徹)が自分こそGMであると名乗り出たが、実は三室戸にはこのサインに心当たりがあった。【福】
日活
銀座二十四帖 | 映画 | 日活 時代の尖端を行く銀座風俗の中に生きる人間の善意が、如何に生き難いかを描いた井上友一郎の小説を映画化。ネオンと流行の影にひしめく都会の青春ドラマ。

映画「見事な娘」(1956)

朝高原桐子(司葉子)が父親(笠智衆)と家を出るシーン。桜丘町から渋谷駅方面へ下る坂沿い。左側の「割烹二宮」は現「二宮ビル」(桜丘町18-4)、右側下の「旅館京香」は現「NKG東京第2ビル」(桜丘町15-15)、裏文字になっている「ホテルお甲ノ宿」や「櫻ケ丘醫院」はこの道から右手に少し入った桜丘8-18あたりにあり、現在渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業が施工中。なお高原家の居間の窓からは「東急百貨店東横店」が見えている。

作品データ
映画「見事な娘」
監督:瑞穂春海

1956(昭和31)年/東宝

出演:司葉子、笠智衆、沢村貞子、土屋嘉男、小林桂樹、小泉博、伊豆肇、山本廉 、杉葉子

高原桐子(司葉子)の同僚毛利鈴子(森啓子)が会社で倒れ妊娠が発覚し、桐子は彼女を妊娠させた男雪村達夫(伊豆肇)に会いに行くが、鈴子は達夫にもてあそばれただけだと知る。達夫の弟志郎(小泉博)は偶然にも以前通勤の電車内で知り合った青年で、これがきっかけで桐子は志郎とつきあうようになる。一方桐子の父親耕造(笠智衆)は会社の資金繰りがうまくいかず、桐子は志郎の父親(斎藤達雄)に借金をお願いする。桐子に好感をもった志郎の父親は、毎月分割で返済分を桐子が持参することを条件に借金を快諾する。その後家を出ていった兄の病気、父の会社の倒産、家の売却と引越しなど相次ぐ家庭の問題に、桐子は明るい同僚たち(北川町子、小林桂樹)に支えられながら対処していく。しかし志郎の母親(吉川満子)は桐子の家庭の複雑な事情に桐子と志郎の結婚に難色を示すようになり、桐子もこれに傷ついてしまう。【福】

映画「明日を賭ける男」(1958)

白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークの途中、住み込みの勤め先を飛び出した小林典子(浅丘ルリ子)と会う。
左のビルに「の松」の字が見えることから「奥の松ビル」(現「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)と特定。中央に見える「昭和醫院」は当時の住宅地図上では「岡三証券渋谷営業所」となっている。現「岡三桜丘ビル」(桜丘町31-14)。典子側の視点では首都高速3号線が工事中なのがわかる。

白藤大四郎(大坂志郎)が生き別れの息子と認めた薫(川地民夫)は大四郎の家に暮らしながらボクシングの指導を受けることになる。朝のロードワークのシーン。車道と歩道の段差がなくなることから南平台交差点と特定。右側のビルは建設中の「南平台東急ビル」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。このあと鉢山町の西郷橋下をくぐるシーンがある。

ラスト、薫(川地民夫)のロードワークのシーン。
玉川通り。右のビルは「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)、左に「東急百貨店東横店」が見える。高速3号線が工事中。

作品データ
映画「明日を賭ける男」
監督:西河克己

1958(昭和33)年/日活

出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗

美容学校の講師白藤守彦(岡田眞澄)と学生の梅林ルカ(中原早苗)は連れ込み旅館の女中小林典子(浅丘ルリ子)に宝くじの当落を確認しに行ってもらう。典子は宝くじ売り場で働く父(横山運平)に当落を確認してもらい、10等の50円を受け取る。だがこれは見間違いで、実は1等の200万円が当選していたのだ。父親がそれに気づいて典子が勤める旅館に連絡するも時すでに遅く、守彦とルカは箱根に旅立ってしまった後だった。典子の父は誰かに取られるのを恐れ、胸につけたお守りの中に当たりくじを隠した。
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
日活
読売新聞連載「上と下」より 明日を賭ける男 | 映画 | 日活 拳闘に命を賭ける親子の愛情とボクシングの凄絶さを中心に、二百万円をめぐる人間の哀歓を描く青春アクション篇。

映画「素ッ裸の年令」(1959)

サブ(藤巻三郎)とクロ(清水義之)はペット屋から盗んだバイクで健(赤木圭一郎)のもとにかけつける。
サブたちが走っているのは首都高3号線建設前の玉川通り。道のこちら側が桜丘町、向こう側は道玄坂1丁目。中央に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)と屋上の「五島プラネタリウム」、左側に「東急百貨店東横店」が見える。
拡幅中の道路に車が駐車している。

健(赤木圭一郎)のもとにバイクでかけつけたバッタ(小沢真好)とダダ公(仙頭哲)。盗品のバイクのナンバーをつけかえるシーン。
場所は首都高3号線建設前の玉川通り。道の左側が桜丘町、右側は道玄坂1丁目。背後の高い建物は「南平台東急ビル東急スカイラインアパートメンツ」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。
拡幅中の道路に車が駐車している。

作品データ
映画「素ッ裸の年令」
監督:鈴木清順

1959(昭和34)年/日活

出演:赤木圭一郎、堀恭子、左卜全

公道をオートバイで疾走するカミナリ族の健(赤木圭一郎)は居場所のない中学生たちと米軍の廃兵舎を基地とし、違法な手段で金を稼いでは公平に分配して気楽に暮らしていた。しかしひそかに彼らを追っていた記者の早船(高原駿雄)の手で、週刊誌に彼らの問題行動がスクープされる。【福】
日活
素ッ裸の年令 | 映画 | 日活 不良少年・少女たちのユートピアとその終焉を描いた、鈴木清順監督による異色青春映画。赤木圭一郎の初主演作。

映画「ファンキーハットの快男児」(1961)

日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。
玉川通りの桜丘町付近から渋谷駅方面を見る。「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」が見える。

作品データ
映画「ファンキーハットの快男児」
監督:深作欣二

1961(昭和36)年/ニュー東映

出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛

探偵天下清助(花沢徳衛)の息子・天下一郎(千葉真一)は相棒の茂(岡本四郎)とナンパに出掛け、投資家の境野みどり(中原ひとみ)と出会う。一方、茂は国産省の局長木暮家の女中ルメ(新井茂子)と知り合った。ある日小暮家の令息靖幸(くさかべ雅人)が誘拐され身代金500万円が要求される。一方みどりは日の丸建設の株を大量に買う女性を発見。日の丸建設は国産省が建設計画中の産業会館の入札をめぐり大下組と激しく争っていたことから、一郎は誘拐事件と日の丸建設が何か関係あるとにらむ。
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】

映画「女の座」(1962)

芳子(高峰秀子)の妹静子(団令子)が同僚と街を歩いていると、同僚を捨てた六角谷(宝田明)が芳子に家庭教師を紹介しているところに出くわす。
玉川通りの桜ヶ丘付近から道玄坂上方面を見る角度。高い建物は「南平台東急ビル東急スカイラインアパートメンツ」(現「渋谷ソラスタ」道玄坂1-21-1)。

作品データ
映画「女の座」
監督:成瀬巳喜男

1962(昭和37)年/東宝

出演:高峰秀子、杉村春子、笠智衆、草笛光子、司葉子、小林桂樹

石川家の父金次郎(笠智衆)は後妻のあき(杉村春子)、亡くなった長男の妻芳子(高峰秀子)、その息子健(大沢健三郎)、四女夏子(司葉子)、五女雪子(星由里子)と暮らし、次女梅子(草笛光子)は離れに暮らしていた。ある日金次郎が倒れ、長女松代(三益愛子)と夫の良吉(加東大介)、次男次郎(小林桂樹)と妻の蘭子(丹阿弥谷津子)、三女路子(淡路恵子)と夫の正明(三橋達也)が集まった。
ある日松代夫婦が経営する下宿に入った六角谷(宝田明)という青年があきの生き別れの息子ということが判明する。長らく独身だった梅子は六角谷に好意を抱くが、一方六角谷は芳子に言い寄っていた。なかなか九州の自宅に帰らず疎まれる路子夫婦、勉学に悩む健、気象庁に勤める青年青山(夏木陽介)に思いを寄せる夏子と雪子、オリンピック道路の開通に伴う立ち退き問題など様々な問題が石川家に起き始める。
いつになく穏やかな杉村春子、一見好男子だが信用がおけない宝田明、悪い人ではないが女性皆に疎まれる三橋達也の演技が冴える。【福】

映画「ギャング同盟」(1963)

風間(内田良平)と高本(佐藤慶)が、昔の仲間で今は敵対勢力の下で働く尾形(戸浦六宏)を訪ねる。尾形が働いている大同不動産があるのは現「JMFビル渋谷02」(桜丘町31-15)にあった「奥の松ビル」。同ビルに入っている第一生命、八千代証券の位置から場所を特定した。

作品データ
映画「ギャング同盟」
監督:深作欣二

1963(昭和38)年/東映

出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏

刑務所から出所する風間(内田良平)を昔の仲間高本(佐藤慶)が迎える。しかし彼らの縄張りはすっかり新興の巨大勢力に乗っ取られていた。風間はある計画を思いつき高本とかつての仲間尾形(戸浦六宏)、楠(山本麟一)、柾江(楠侑子)、志賀(曽根晴美)、ジョージ(アイ・ジョージ)を集める。風間の計画とは敵対勢力のボスを誘拐することだった。
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】

映画「俺の背中に陽が当る」(1963)

出所した健三(内田良平)は更生し弟の滋(浜田光夫)とともにビルの窓拭きの仕事を始める。健三達が窓拭きをしているのは住友生命渋谷ビル(現「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)と推定される。隣の屋上に「奥の松」の看板がある「奥の松ビル」(こちらも現「JMFビル渋谷02」の一部)との位置関係から推定した。
遠方に「東急文化会館」が、中央左には大きく「東急百貨店東横店」が見える。下の道路は玉川通り、中央の空き地は高速3号線用地。なお左下の隅に「街から街へつむじ風」(日活/1960)の舞台となった「大下外科」(現「大下ビル」道玄坂1-16-5)が見える。

作品データ
映画「俺の背中に陽が当る」
監督:中平康

1963(昭和38)年/日活

出演:吉永小百合、浜田光夫、小高雄二

滋(浜田光夫)は、友人の俊夫(小沢直好)とビルの窓拭きの仕事をしながら、服役中のヤクザの兄健三(内田良平)の家族の面倒をみていた。出所した健三は元の組にカタギになることを告げて事務所を去る。これに対し山田組の小谷(山内明)は一計を案じ、組長の山田(安部徹)を殺し健三に不利な証拠を残した上で健三を刺殺し、健三に無実の罪を着せて組織の長にのしあがる。滋は兄の仇をうつことを決意しあえて山田組の一員になり、兄の謀殺の証拠をつかもうとする。
生々しい刺殺シーンなど強めの暴力描写がある。榎木兵衛と野呂圭介の滑稽な下っ端コンビが印象的。【福】
日活
俺の背中に陽が当る | 映画 | 日活 無実の兄を助けようとする若者が恋人の愛情に支えられながら、燃え上がる正義感を胸に秘め、やくざの卑屈な罠に挑戦していくドラマ作品。

映画「やくざの歌」(1963)

女子大生の北見紀子(本間千代子)とヤクザの新田俊次(千葉真一)がデート中「栄町公園」に寄り、北見が新田の豪勢な金の使い方をたしなめるシーン。「栄町公園」の場所は桜丘町。別ショットの「山叶証券」のネオンや中央に見える「松屋(質店)」の看板から場所を特定。左端のネオンのある白い建物は大和証券(現「桜丘フロントビル」桜丘町16-12)、遠方にネオンが見える「山一證券」は山手線を越えた現「名取ビル」(渋谷2-22-8)の位置にあった。

作品データ
映画「やくざの歌」
監督:若林幹

1963(昭和38)年/東映

出演:千葉真一、北島三郎、本間千代子、宮園純子、曽根晴美、十朱久雄、北竜二、谷幹一、佐々木孝丸、村田英雄

新田俊次(千葉真一)はヤクザ組織の構成員。ある日恐喝にあった女子大生北見紀子(本間千代子)を助け、互いに好意を抱くが、彼女は俊次の友人で流しの北見三郎(北見三郎)の妹だった。俊次を信頼しながらもヤクザと妹がつきあうことに苦悩する三郎。一方俊次の組織で預かることになった神戸のボスの息子双葉真(曽根晴美)。粗暴な彼の暴力はやがて三郎にも及び、俊次は組織と友情の板挟みになって苦しむ。【福】

映画「黒い太陽」(1964)

明(川地民夫)が住み着いている教会の廃墟が俯瞰で映る。中央が廃墟。のちに「渋谷エピキュラス」になった場所(桜丘町8-24)。当時の住宅地図には「山水旅館用地」とあるので、廃墟はセットだろう。

作品データ
映画「黒い太陽」
監督:藏原惟繕

1964(昭和39)年/日活

出演:川地民夫、チコ・ローラント、藤竜也

教会の廃墟に一人暮らす明(川地民夫)。そこへ殺人を犯した手負いの黒人脱走兵ギル(チコ・ローランド)が機関銃を持ち逃げ込んでくる。ジャズ好きで黒人に親近感を持つ明はギルと親しくなろうとするがギルは警戒心を解かず明に銃を突きつけたままだった。次第に傷が悪化するギル。ある日廃墟の解体が始まり住む場所を失った明は盗んだ車でギルと逃避行を始める。
登場人物の名前とキャスト、ジャズをベースにした点など「狂熱の季節」の兄弟的な位置づけの作品だが、前作に比べ暴力的な要素は少ない。【福】
日活
黒い太陽 | 映画 | 日活 ジャズに熱狂する青年と黒人脱走兵の逃避行を描く。『狂熱の季節』の蔵原惟繕監督×川地民夫コンビが放つクールなビート・アクション。本作のために来日したマックス...

映画「殺人者を消せ」(1964)

早川次郎(石原裕次郎)は専務派の小西洋子(稲野和子)のマンションでの色仕掛けから逃れ部屋を出たところを専務派の手先に捕まり、屋上で乱闘になる。
遠方に見える「山一證券」(渋谷2-22-8名取ビル、現存)、「富士フィルム」(現「渋谷ストリーム」前、渋谷3-18叶ビル)の看板の位置関係、このビルの下を山手線(銀座線かとおもったが当時「カナリヤ色」だった山手線のようだ)が走っていることから、桜丘町の山手線沿い、渋谷区桜丘町3あたりと推定した。さらに当時その近辺に高いビルは「第二岡崎ビル」(桜丘口地区再開発事業区域内、現存せず)だけなので、同ビル屋上と推定する。なおマンションの外観のシーンは同ビルのものではなかった。

作品データ
映画「殺人者を消せ」
監督:舛田利雄

1964(昭和39)年/日活

出演:石原裕次郎、十朱幸代、稲野和子

密航の常習者早川次郎(石原裕次郎)は服役中に面接に来た海運会社の課長佐竹(小池朝雄)に、一ヶ月だけアメリカ在住で早川とそっくりな次期社長になりすましてほしいと頼まれ、東南アジアに渡る旅券や旅費と引き換えることを条件に社長に就任する。しかし就任早々早川は何度も生命の危険にさらされる。会社の乗っ取りをたくらむ専務の沖(高松英郎)一味の仕業だ。しかし沖一味も一人また一人と何者かに殺されていき…。洒落たサスペンスコメディ。【福】
日活
殺人者を消せ | 映画 | 日活 サラリーマン生活に辟易した男がひょんなことから大会社の身替り社長を引き受けたことから、殺し屋に狙われるはめに。だが何故だか殺し屋の方が次々と殺されていき…。石原...

映画「大冒険」(1965)

オープニング、東京の各所を空撮した後カメラは桜丘町全景を俯瞰するショットから植松唯人(植木等)が住むアパートへズームインする。

作品データ
映画「大冒険」
監督:古澤憲吾

1965(昭和40)年/東宝

出演:植木等、谷啓、団令子、ハナ肇、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、越路吹雪

国際的なニセ札偽造団が問題になっていた。週刊トップの記者植松唯人(植木等)と隣人の発明家谷井哲介(谷啓)は日本にもニセ札が上陸しているのを発見、植松の書いた記事は大スクープになった。一方警察の花井刑事部長(ハナ肇)、乾刑事(犬塚弘)、市橋刑事(石橋エータロー)は植松が知らずに使った一万円札がニセ札だったことから偽造団の一味と勘違いして植松の追跡を開始する。偽造団の東京地区の責任者、金融会社森垣金融の森垣久美子(越路吹雪)は植松の命を狙う一方日本からの撤退を図り、人質として警察のスパイの疑いがある谷井の妹悦子(団令子)を拉致して移動を始める。植松と谷井は悦子のコンパクトに仕込んでいた発信機の信号を追って名古屋、神戸、さらには偽造団の潜水艦の艦内と移動、警察がこれを追う。偽造団に発見された植松と谷井は処刑されそうになるがその時……。
クレージー・キャッツ結成10周年記念映画だけに予算が潤沢、アクションシーンや特撮がたっぷりの見応えのある作品。【福】

映画「青春前期 青い果実」(1965)

椎ノ木武志(太田博之)が自宅に帰宅するシーン。右側は山手線、奥に「東急百貨店東横店」が見える。桜丘町4-24、現在の桜ヶ丘平井ビル付近からの撮影。
道と鉄道、東横店との位置関係から桜丘町の山手線沿いの道と推定し、2009年時点のGoogleストリートビューに画像中のビルがあることを確認、隣接地に建っている「桜ヶ丘平井ビル」(現存)の住所、桜丘町4-24付近であると特定した。

椎ノ木武志(太田博之)が自宅に帰宅するシーン。山手線沿いから短い道を入りアパート「桜ヶ丘荘」に帰る。
山手線と道の配置から画面左の「村上産業株式会社」があるのは桜丘町3-11、アパート「桜ヶ丘荘」は桜丘町8-6と推定されるが、地図上で「村上産業株式会社」も「桜ヶ丘荘」も確認できなかった。2023現在はどちらも工事中で「渋谷サクラステージ」の一部になる予定。

椎ノ木武志(太田博之)が叔父の中瀬安芸男(内藤武敏)と夕食のすき焼きの買い出しにいった先でこちらを見つめている同じクラスの河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)に気づくシーン。
背後に首都高速3号線の橋脚、その後に渋谷駅南口駅前広場と「東急百貨店東横店」が見える。武志たちが肉を買う店は桜丘町25-1にあった「荒木肉店」(現「荒木ビル」)と思われる。

作品データ
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清

1965(昭和40)年/日活

出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏

広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
日活
青春前期 青い果実 | 映画 | 日活 セックスによる激しいショックを受けた二人の男女高校生の心の交流をクールなタッチで描いた異色純愛大作。

映画「レッツゴー!若大将」(1967)

石山新二郎(田中邦衛)がライバル校と喧嘩を始めそうだという連絡をマネージャーの江口敏(江原達怡)からうけた田沼雄一(加山雄三)は現場にスクーターでかけつける。
玉川通り。左は高速3号線。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムのドームが見える。右側の「東洋信託銀行渋谷支店」は現「日本経済大学 大学院 246ホール」(桜丘町25-16)、手前の「東京相互銀行渋谷支店」は現「第一薬科大付属高校渋谷キャンパス」(桜丘町25-14)、さらに手前の「藤井歯科」より手前は現「渋谷セルリアンタワー」(桜丘町26-1)。

作品データ
映画「レッツゴー!若大将」
監督:岩内克己

1967(昭和42)年/東宝

出演:加山雄三、有島一郎、飯田蝶子、中真千子、星由里子、田中邦衛、宝田明

京南大学サッカー部の主将田沼雄一(加山雄三 )は部員の石山新二郎(田中邦衛)がライバル校と始めた喧嘩を仲裁に入り、乳母車を引いた女性、仁科澄子(星由里子)を助ける。後日祖母りき(飯田蝶子)の買い物につきあっていた雄一は宝石店に勤務する澄子を見つけ、二人の仲は急接近する。雄一は香港に遠征する全日本学生チームの選手に選ばれ香港に飛び、下心のある専務(太刀川寛)から香港出張に同行するよう求められた澄子も雄一を追うように香港に向かう。
スポーツ万能の加山もサッカーは不得手なのか、単にアングル上の問題なのか、試合中上半身と下半身が一緒に映るシーンはない。【福】

映画「クレージーの怪盗ジバコ」(1967)

「日本交通公社」の入っているビルは「第一カスヤビル」(桜丘町2-9)。2022年現在渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業で工事中。

姫野ナナ(浜美枝)と怪盗ジバコ(植木等)のデートがマスコミに大々的に報じられ、姫野の上司の中塚(犬塚弘)が姫野の家に文句を言いに行くシーン。姫野の家が屋上に建っている「東西観光株式会社」のビルは「大和証券渋谷支店」(現「桜丘フロントビル」桜丘町16-12)。右側の通りはその後桜が植えられ「さくら坂」という名称になった。

姫野宅から渋谷駅と反対方向の風景。右側のピンクのビルは「加藤ビル」(現「加藤・大谷ビル」桜丘町25-17)、中央「ナポリ スチーム」の看板は「トルコ ナポリ」(現「ニッポンレンタカー渋谷駅南口営業所」桜丘町25-5)、その後方「東急不動産」は「東急本社ビル」(現「渋谷セルリアンタワー」桜丘町26-1)。

作品データ
映画「クレージーの怪盗ジバコ」
監督:坪島孝

1967(昭和42)年/東宝

出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、石橋エータロー、安田伸、アンドリュー・ヒューズ、R・バルボン、浜美枝、東野英治郎、進藤英太郎、左卜全、立川談志、山本リンダ、人見明、青島幸男

顔も身体も性別すらも変える変装術を持つ人相、年齢、国籍不明の国際的大怪盗ジバコが「日本のホコリ」を奪うという挑戦状を警視総監に送りつけて来日。警官達が待機する空港に到着したジバコは鈴木刑事(谷啓)に変装して消えてしまったが、ジバコだと思って警察が逮捕したのは本物の鈴木刑事で彼はそのためクビになってしまった。ジバコは空港で出会った姫野ナナ(浜美枝)をデートに誘い一夜を共にするが、彼女はその写真を新聞に発表し一躍時の人になった。時を同じくして来日していた世界観光調査団W.C.W.Cの一行が寺社仏閣を巡りナナをモデルにキャンペーン用の写真撮影をしていたが……。ジバコが狙った「日本のホコリ」とは一体何なのか!?
原作は北杜夫の小説「怪盗ジバコ」だが、神出鬼没の大怪盗という設定以外はほぼ別のストーリー。【福】

映画「恐喝こそわが人生」(1968)

村木(松方弘樹)が愛人夏子(園江梨子)から連絡を受け夏子のマンションに向かう。夏子のマンションという設定の建物(1枚目左、2枚目右)は「安達会館」(「日本経済大学キャリアサポートセンター」として現存、桜丘町24-10)、1枚目の右側は「大和田小学校」(現「渋谷区文化総合センター 大和田」桜丘町23-21)。
1枚目黄色い看板に「桜ヶ丘町会」とあることからまず桜丘町と推定。次に電柱の看板「松谷医院」の位置を「日本医学百年史」(1957)と当時の住宅地図から確認し、その周囲で2枚目のように右折すると下り坂になる交差点を探した。その結果2枚目のように外壁が段々になった建物に似た建物「安達会館」を発見。さらに2枚目の坂の遠方に見える建物は渋谷駅西口交差点に面した「第一カスヤビル」(現「渋谷サクラステージ」桜丘町2-9)であることをGoogleストリートビューの過去の画像から特定、位置関係から「安達会館」と確定した。

作品データ
映画「恐喝こそわが人生」
監督:深作欣二

1968(昭和43)年/松竹

出演:松方弘樹、佐藤友美、丹波哲郎、内田良平、天知茂

村木駿(松方弘樹)は元やくざの関(室田日出男)、元ボクサーの野口(ジョー山中)、元フーテンのお時(佐藤友美)とレストランにアジトを構え恐喝を商売にしていた。密造酒を作っていた酒屋への恐喝を皮切りに、やがて財界の黒幕や高利貸遠藤(石山健二郎)、業界紙の記者奥中(丹波哲郎)らが絡む汚職事件に手を伸ばしていく。【福】
松竹株式会社
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映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」(1969)

花川戸大五郎(ハナ肇)の妻若子(春川ますみ)が着物を質屋に入れようとするシーン。右端に映る松屋質店は現「曙ビル」(桜丘町16-2)の位置にあった。

質屋に着物を入れにきた花川戸大五郎(ハナ肇)の妻若子(春川ますみ)は高級クラブ「アンブレラ」のマネージャー植村(植木等)に認められホステスに勧誘される。質屋から「アンブレラ」に向かうシーン。
右側の「桜や薬局」の位置は桜丘町3-22。この一帯は現在再開発中。

作品データ
映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」
監督:古澤憲吾

1969(昭和44)年/東宝

出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、中山麻里、春川ますみ、浦島千歌子、東野英治郎

東西電気の花川戸(ハナ肇)の接待費を払ってもらえない高級クラブ「アンブレラ」のマネージャー植村(植木等)は、支払いの可否を判断するコンピューターと直談判をしに東西電気に乗り込み、プログラマーの谷井(谷啓)を説得してアンブレラの口座に金を払い込もうとする。しかし誤って東西電気に振り込まれた金が全てアンブレラの不良ホステス好子(中山麻理)の口座に振り込まれてしまう。金を取り戻そうと好子のアパートに乗り込んだ花川戸、植村、谷井はアパートで殺された好子を発見する。谷井は好子にコンピューターを組み込み蘇生に成功するが…。
企業のコンピュータ化真っ盛りの頃の作品。色々コンピュータに関する誤解もある。質屋から大笑いで登場する植木等が景気よい。【福】

映画「コミック雑誌なんかいらない!」(1986)

ロス疑惑の渦中の三浦和義(本人出演)が経営する「フルハムロード・ヨシエ」へ突撃取材に向かうキナメリ(内田裕也)。
場所は「フルハムロード・ヨシエ」があった「タカシマ桜ヶ丘マンション」(現存、桜丘町9-18)前。

作品データ
映画「コミック雑誌なんかいらない!」
監督:滝田洋二郎

1986(昭和61)年/ニュー・センチュリー・プロデューサーズ

出演:内田裕也、渡辺えり子、麻生祐未、原田芳雄、ビートたけし

ワイドショーのレポーター、キナメリ(内田裕也)は人気タレントやアイドルへの強引な取材が受け、ファンも多かったが敵視する者も多かった。やがて人気の凋落に伴い風俗などのレポートへの転向を余儀なくされた彼だが、日航機の墜落事故の現場を目撃した時から彼の取材の姿勢が変わっていく。【福】

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