東急文化会館|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

東急文化会館

東京都渋谷区渋谷2-21-12

戦前、東京市立渋谷小学校があった場所を1943年同校の移転に伴い東京急行電鉄が敷地を譲り受け、1956年12月1日に渋谷駅東口にオープン。地下1階、地上8階の同館には、映画館4館をはじめ、戦後初となる大型プラネタリウムや、結婚式場、資生堂大美容室などが入居。2003年6月30日閉館。(参考:シブヤ経済新聞

目次

映画「燃える肉体」(1957)

職を求め渋谷の街をさまよう比沙子(筑波久子)が渋谷駅東口駅前広場から稲荷橋を渡る。背後に東急文化会館が見える。

作品データ
映画「燃える肉体」
監督:小杉勇

1957(昭和32)年/日活

出演:水島道太郎、筑波久子、宍戸錠、広岡三栄子

稲葉比沙子(筑波久子)は戸上錠(宍戸錠)から逃れ上京する。孤児院時代世話になった陶芸家島竜一郎(水島道太郎)のもとに一度は身を寄せるが、錠に居場所を知られた比沙子は島のもとを去り、酒場の手伝いや踊り子などを転々とする。
いろいろご都合主義な展開や回収されない伏線などストーリーに問題は多いが、開発まっさかりの50年代渋谷が見られる貴重な作品。【福】
日活
燃える肉体 | 映画 | 日活 心とは裏腹に肉体に宿る激しい愛欲に導かれて彷徨う女性がたどり着く果てとは―。豊満な肢体の筑波久子が薄幸な女性を熱演。

映画「穴」(1957)

タクシー運転手(浜村純)を利用し千木(船越英二)を連れ出した北(京マチ子)は、人気のない場所で千木に彼の命が狙われていると忠告する。
背景左端は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)、中央左に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)と屋上の「五島プラネタリウム」、中央の大きなビルは看板から「日本生命渋谷支店」(現「日本生命渋谷ビル」神南1-21-1)、右に「東急百貨店東横店」、「渋谷松竹」(現「西武渋谷店A館」宇田川町21-1)のタワーが見える。
これらの建物の位置関係から撮影場所は現「日本生命渋谷ビル」の北側と推定する。1957年当時この場所は戦災復興区画整理事業のため道路(パルコ前からタワーレコードに抜ける道路)を建設中であったことから、道路建設のため空地になった場所を撮影に使ったと推定される。

なお本作では「第億銀行渋谷支店」が登場するが、銀行の周辺が映るシーンで「池袋公共職業安定所」の看板があることから実際には池袋と判断した。

作品データ
映画「穴」
監督:市川崑

1957(昭和32)年/大映東京

出演:京マチ子、船越英二、山村聡、菅原謙二、北林谷栄

警官に関する記事が問題となり「文芸公論」をクビになったライター北長子(京マチ子)。友人の赤羽スガ(北林谷栄)は、一か月間身を隠し彼女を懸賞つきで読者に探させ、その間のルポルタージュを書く企画を勧める。話に乗った北長子はスガの紹介で第億銀行の白州(山村聡)に資金を借りにいく。部下の千木(船越英二)らと共謀して預金を横領していた白州は、この企画を利用し北長子に罪をかぶせようと画策した。【福】

映画「踏みはずした春」(1958)

東急文化会館の屋上にいた笠原(小林旭)は、子分のトンガリがスリをして警察に追われているところを見かける。

当時屋上にはプラネタリウムのドームのほかに遊具も置かれていたことがわかる。

中央で男につかみかかっているのは島本刑事役の殿山泰司。右手でその様子を見ている女性の表情が良い。

警察から逃げるトンガリ(野呂圭介)は東急文化会館の非常階段を下に降りる。

警察から逃げおおせたトンガリ(野呂圭介)を、笠原(小林旭)が東急文化会館の非常階段下で捕まえる。

作品データ
映画「踏みはずした春」
監督:鈴木清順

1958(昭和33)年/日活

出演:左幸子、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、殿山泰司

日活
踏みはずした春 | 映画 | 日活 一人の非行少年を更生させようとするボランティアの女性が、次第に少年に愛情を抱くようになる…。鈴木清順監督と小林旭が初顔合わせしたほろ苦い青春映画。

映画「警視庁物語 七人の追跡者」(1958)

犯人の指示で現金を持ち渋谷駅東口駅前広場に立つホステス弘子(小宮光江)。刑事たちは東口の各所に潜伏している。背後は東急文化会館。ジャック・レモン主演の「カウボーイ」を上映中だ。

東急文化会館1階の映画館「渋谷パンテオン」前で、犯人の出現を待つ金子刑事(山本麟一)と渡辺刑事(石島房太郎)。

東急文化会館横の道で犯人の出現を待つ高津刑事(佐原広二)。左手に見えるのが東急文化会館。壁の文字は当時文化会館4階にあった「東京田中千代服装学園」。

渋谷駅東口駅前広場全景。正面に東急文化会館。

現金の受け渡しにタクシーで現れた犯人と犯人に指示され現金を持つホステス弘子(小宮光江)。犯人の背後が東急文化会館。

作品データ
映画「警視庁物語 七人の追跡者」
監督:村山新治

1958(昭和33)年/東映東京

出演:堀雄二、松本克平、神田隆、山本麟一、花沢徳衛、大村文武 、佐原広二、石島房太郎、小沢栄太郎

マンホールの中から女性の扼殺死体が発見された。被害者は従業員の給料をおろしに銀行に行ったまま行方不明になっていた会社の事務員、千田文枝(芳川京子)だった。長田刑事(堀雄二)、林刑事(花澤徳衛)、太田刑事(大村文武)らが課長の黒木(小沢栄太郎)に話を聞くと、被害者の青いオパールの指輪が紛失していることが判明する。しかし銀行の事務員は、金をおろしに来た時はヒスイの指輪をしていたという。また食堂への聞き込みで千田が銀行から男と黒い車に乗ったことが判明する。【福】

映画「夜の牙」(1958)

おじの莫大な財産をひとりで相続し、身を隠している弟の行方を調べる杉浦健吉(石原裕次郎)に、おじの執事の加納(西村晃)が密かに連絡をとり、本当のことを話すという。
杉浦と加納が待ち合わせるのが「東急文化会館」の屋上。

おじの莫大な財産をひとりで相続し身を隠している弟の行方を調べる杉浦健吉(石原裕次郎)に、おじの執事の加納(西村晃)が密かに連絡をとり、本当のことを話すという。
杉浦と加納が待ち合わせるのが「東急文化会館」。屋上から、銀座線をはさんで向かいにある日本初の分譲マンション「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)が見える。

作品データ
映画「夜の牙」
監督:井上梅次

1958(昭和33)年/日活

出演:石原裕次郎、岡田眞澄、月丘夢路、浅丘ルリ子、白木マリ

小さな診療所を開いている杉浦健吉(石原裕次郎)は自分が死んでいることになっており戸籍が抹消されていたことを知る。届出人は空襲時に生き別れた弟。検死を行った医師を尋ねると「杉浦健吉」はトラックに轢かれ、その時4人の男と気の違った女がそばにいたという証言を得る。一方弟のことを調べると伊豆のおじが死んだときにその莫大な遺産を相続したことを知る。遺産を独占した弟のことを調べに彼はスリの三太(岡田眞澄)と共に伊豆に向かい、寺の和尚卓然(森川信)、おじの執事の加納(西村晃)、謎の女(月丘夢路)に会う。
20代の岡田真澄がオシャレかつとんでもない美青年。現代でも通用しそうな見事な着こなし。ヒロインの月丘夢路の美貌も特筆に値する。この二人の姿を見るだけでも価値のある作品。【福】
日活
夜の牙 | 映画 | 日活 莫大な遺産を横領した四人の奇怪な影なき男たちと対決、美貌の女が秘める謎に殺気はらむ異色サスペンスアクション篇。

映画「どうせ拾った恋だもの」(1958)

患者の死を悔やむ石川道子(香月美奈子)を力づける秋山医師(安井昌二)。「東急文化会館」屋上。

作品データ
映画「どうせ拾った恋だもの」
監督:関喜誉仁

1958(昭和33)年/日活

出演:安井昌二、香月美奈子、コロムビア・ローズ、高品格

腹を刺された男伸次(三島謙)が子分(高品格)に連れられ医師が不在中の病院に担ぎ込まれる。看護師の石川道子(香月美奈子)は伸次の顔を見て驚く。彼は昔道子の恋人だったのだ。彼女は止血剤をうって応急処置をするが、医師の秋山(安井昌二)が到着した時には男は死んでしまう。実はこの止血剤は婦長の佐藤のぶ(新井麗子)がブローカーから買った粗悪品であった。発覚を恐れた佐藤は男の死を道子の処置のミスのせいにしようとし、秋山との結婚を望む院長の娘高野佳代子(千葉麗子)に秋山と道子の関係を匂わせたり、子分から買った伸次と道子が付き合っている頃の写真を使って病院を追い出そうとする。医師の秋山は道子に結婚を申し込むが、伸次と交際していた過去がある道子はこれを断り、病院も辞めてしまう。
初代コロンビア・ローズの同名の曲をベースにした歌謡映画で彼女自身も看護師を演じ、歌う(意外と演技も巧い)。非常にシンプルなメロドラマ。婦長役新井麗子がわかりやすい悪役を好演。【福】
日活
どうせ拾った恋だもの | 映画 | 日活 過去の暗い影に悩み、酷な運命に堪えてひたすら愛する人への思慕に幸福の夢を追う乙女の姿を描いた歌謡哀愁篇

映画「明日を賭ける男」(1958)

ラスト、薫(川地民夫)のロードワークのシーン。
玉川通り。右のビルは「東急本社ビル」(現「セルリアンタワー」桜丘町26-1)。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)、左に「東急百貨店東横店」が見える。高速3号線が工事中。

作品データ
映画「明日を賭ける男」
監督:西河克己

1958(昭和33)年/日活

出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗

美容学校の講師白藤守彦(岡田眞澄)と学生の梅林ルカ(中原早苗)は連れ込み旅館の女中小林典子(浅丘ルリ子)に宝くじの当落を確認しに行ってもらう。典子は宝くじ売り場で働く父(横山運平)に当落を確認してもらい、10等の50円を受け取る。だがこれは見間違いで、実は1等の200万円が当選していたのだ。父親がそれに気づいて典子が勤める旅館に連絡するも時すでに遅く、守彦とルカは箱根に旅立ってしまった後だった。典子の父は誰かに取られるのを恐れ、胸につけたお守りの中に当たりくじを隠した。
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
日活
読売新聞連載「上と下」より 明日を賭ける男 | 映画 | 日活 拳闘に命を賭ける親子の愛情とボクシングの凄絶さを中心に、二百万円をめぐる人間の哀歓を描く青春アクション篇。

映画「太陽をぶち落せ」(1958)

タイトルの直後、渋谷の風景が朝、昼、夜景と移り変わる。渋谷一丁目方面からの風景。一番左が「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)、その右に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムが見える。右側が「東急百貨店東横店」。

作品データ
映画「太陽をぶち落せ」
監督:野口博志

1958(昭和33)年/日活

出演:川地民夫、菅井一郎、南田洋子、宍戸錠、水島道太郎

大須賀禎蔵(菅井一郎)の息子吾郎(川地民夫)は謎の自殺をとげた母親のことが忘れられず、新しい母親蘭子(南田洋子)に異性としての愛情を感じつつことごとく反抗していた。蘭子の昔の恋人で、蘭子を奪い返す機会をうかがっていた禎蔵の部下青野洋介(宍戸錠)はある日二人の過去をばらすと脅し蘭子と料理屋で密会した。たまたまカップルを脅迫するため写真を撮影するバイトをしていた仲間からの連絡を受け、吾郎は蘭子と青野が密会する旅館へ乗り込む。吾郎はそこで青野から禎蔵は吾郎の実の父親ではないと聞かされ、激しく動揺する。吾郎は父親の日記から古市(水島道太郎)という男の存在を知り、古市を探し始める。【福】
日活
太陽をぶち落せ | 映画 | 日活 真実の愛を求めて彷徨し、苦悩する少年の叫びと姿を通して、現代のモラルと多感な思春期の群像を描くもの

映画「拳銃0号」(1959)

拳銃を拾った無軌道な男女(赤木圭一郎、丘野美子)が「東急文化会館」の屋上から銃を撃つ。警官が現れ二人はそばにいた売れない音楽家(浜村純)のポケットに銃を投げ込み逃げる。
「東急文化会館」の屋上から見た「東急百貨店東横店」。

作品データ
映画「拳銃0号」
監督:山崎徳次郎

1959(昭和34)年/日活

出演:川地民夫、稲垣美穂子、南風夕子

アメリカ人のエリック(岡田真澄)が護身用に国内に持ち込んだコルト。掃除婦(福田トヨ)が誤ってダストシュートに放り込んだことから屑屋、ギャング(野呂圭介)、ボス(安部徹)、子分(宍戸錠)、情婦(南風夕子)、スリ、シスター、幼児、赤ん坊、無軌道な男女(赤木圭一郎、丘野美子)、売れない音楽家(浜村純)、タクシーの男女、若い男(川地民夫)と様々な人の手に渡り、それぞれにドラマを作り出していく。
絶妙なアイデア。三保敬太郎の音楽がすばらしい。ナレーションを務める“拳銃0号”の声は小沢昭一(途中1度だけ女性の声で喋るシーンがあったがあれは渡辺美佐子?)。【福】
日活
拳銃0号 | 映画 | 日活 一挺の拳銃が様々な人間の手に渡ることによって起こる数々の戦慄すべき事件を通し、数奇な運命に踊る恐怖と愛憎の人間模様を描く、拳銃が主役の異色アクションドラマ。

映画「素ッ裸の年令」(1959)

サブ(藤巻三郎)とクロ(清水義之)はペット屋から盗んだバイクで健(赤木圭一郎)のもとにかけつける。
サブたちが走っているのは首都高3号線建設前の玉川通り。道のこちら側が桜丘町、向こう側は道玄坂1丁目。中央に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)と屋上の「五島プラネタリウム」、左側に「東急百貨店東横店」が見える。
拡幅中の道路に車が駐車している。

作品データ
映画「素ッ裸の年令」
監督:鈴木清順

1959(昭和34)年/日活

出演:赤木圭一郎、堀恭子、左卜全

公道をオートバイで疾走するカミナリ族の健(赤木圭一郎)は居場所のない中学生たちと米軍の廃兵舎を基地とし、違法な手段で金を稼いでは公平に分配して気楽に暮らしていた。しかしひそかに彼らを追っていた記者の早船(高原駿雄)の手で、週刊誌に彼らの問題行動がスクープされる。【福】
日活
素ッ裸の年令 | 映画 | 日活 不良少年・少女たちのユートピアとその終焉を描いた、鈴木清順監督による異色青春映画。赤木圭一郎の初主演作。

映画「浮気の季節」(1959)

オープニングで、「渋谷駅東口」から「ハチ公前広場」までの風景がパンで映される。
左側が「東急百貨店東横店」、その後ろに「渋谷東口駅前広場」と「銀座線」、「銀座線」越しに「東急文化会館」が見える。遠方に延びているのは宮益坂、遠方にある高層ビルは「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)。

作品データ
映画「浮気の季節」
監督:阿部豊

1959(昭和34)年/日活

出演:益田喜頓、岡田真澄、赤木圭一郎

桐野省三(益田喜頓)は早くに妻をなくし、男手一つで道子(吉行和子)、マキ(中原早苗)、桃子(沢村みつ子)の三人の娘を育ててきた。娘たちは省三にお見合いをさせようともくろんでいた。ある日省三は社長の印藤(小川虎之助)から社員の宮本(岡田眞澄)の首切りを命ぜられる。社長は宮本が息子の良平(赤木圭一郎)にダンサーの原田(白木マリ)を紹介したことに腹をたてていたのだ。しかし宮本は道子のボーイフレンドだった。【福】
日活
浮氣の季節(浮気の季節) | 映画 | 日活 現代三人娘の陽気な恋愛模様と老サラリーマン課長の悲哀、そして風俗を爆笑とユーモア、ペーソスで描く超娯楽喜劇篇。

映画「狂熱の季節」(1960)

明(川地民夫)の住居付近が描かれるシーンの冒頭、カメラは「東急文化会館」の屋上から高速3号線が建設中の六本木通りを経て東横線沿いの明の住居の方角へパンする。

明(川地民夫)の朝の様子が描かれる。牛乳配達夫が配達した牛乳をポストから盗んで次々と飲み干すシーンの背後に「東急文化会館」が映っている。明がいるのは渋谷駅の南東、渋谷川に近い「田中稲荷神社」参道沿いの稲荷橋小路(渋谷2-24から3-19あたり)。戦災復興の区画整理とともに消滅し、六本木通りおよび渋谷駅東口広場になった。現「渋谷スクランブルスクエア」の一部。一連のシーンで映る「鳥駒」「青柳すし」「よしこ」「トキ」「重むら」等の店名、鳥居から場所を特定。

明(川地民夫)が渋谷の街を歩いていると雨が降ってきてびしょ濡れになる。この後、明は文子(松本典子)の個展を見るため「東急文化会館」に入る。右側の建物が東急文化会館。映画館「パンテオン」の看板が映っている。

明(川地民夫)の家の窓から「東急文化会館」が見える。

ユキ(千代侑子)が堕胎をしに病院へ行くシーンで遠方に「東急文化会館」が見える。右側の病院という設定の建物は「駒沢大学渋谷校舎」(現「渋谷道玄坂東急ビル」道玄坂1-10-8)。奥のそば屋およびビルから一部見えている「第一整形外科」のネオンから場所を特定。

作品データ
映画「狂熱の季節」
監督:蔵原惟繕

1960(昭和35)年/日活

出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之

鑑別所帰りの明が富裕層の文子と出会ったことで、彼女の人生に再生不能な傷跡を残していく。刹那的に生きる明と難しい理屈で自らを追い詰めていく文子の対比。
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。【福】
日活
狂熱の季節 | 映画 | 日活 インテリ族とビート族と、二組の若い男女の対比の裡に、虚しく燃焼する現代青春の狂態を鋭い感覚で描破する異色問題篇

映画「からっ風野郎」(1960)

朝比奈武夫(三島由紀夫)は小泉芳江(若尾文子)に子供を堕ろすよう迫り、産婦人科医へ連れて行くが、小泉の抵抗が激しく堕胎は失敗に終わる。
産婦人科医院の外観として使われていた右端の建物は現在「五島育英会ビル」になっている場所にあった「第一整形外科」(道玄坂1-10-7)。隣にある「パーマ ロン」から場所を特定。遠方に東急文化会館のドームが見える。

作品データ
映画「からっ風野郎」
監督:増村保造

1960(昭和35)年/大映

出演:三島由紀夫、若尾文子、船越英二、志村喬

敵対する組織相良商事の社長相良雄作(根上淳)を刺し服役していた朝比奈一家の二代目朝比奈武夫(三島由紀夫)が刑務所から出所する。相良は刑務所にまで刺客を差し向けるなど朝比奈を亡き者にしようとつけ狙っていた。朝比奈は昔の女に危険が及ぶことを恐れ香取昌子(水谷良重)と別れ、一家が経営する映画館の二階に潜伏する。朝比奈はそこでもぎりの女小泉芳江(若尾文子)と知り合い、やがて二人は恋仲になる。相良と朝比奈は製薬会社のゆすりの種となる新薬や朝比奈一家が経営するトルコ風呂の権利をめぐり攻防を繰り返す。そんな中小泉芳江の妊娠が明らかになり、子供が自分の弱点になることを嫌った朝比奈は小泉に子供を堕ろすよう迫る。
これが映画初出演の三島の芝居が下手なのは仕方ないが主人公がなんとなく頭が悪く見えてしまうのが難点。【福】

映画「邪魔者は消せ」(1960)

麻薬を入れたバスケットボールを持ち相手側との接触を待つ麻薬王クレイグ(ハロルド・コンウェイ)の連絡員三輪(渡辺美佐子)。待ち合わせ場所は東急文化会館(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)の屋上。

作品データ
映画「邪魔者は消せ」
監督:牛原陽一

1960(昭和35)年/日活

出演:赤木圭一郎、清水まゆみ、葉山良二、金子信雄、近藤宏、渡辺美佐子、内田良平、清水将夫、高品格、穂積隆信、待田京介、浜村純、高田敏江、野呂圭介

麻薬王クレイグ(ハロルド・コンウェイ)が岩瀬(金子信雄)との取引のため日本に到着した。その頃クレイグと岩瀬の連絡員志村(待田京介)が殺された。志村に捜査の手が迫ったため岩瀬の手下横倉(内田良平)が殺したのだ。代わりに連絡員として秋津(赤木圭一郎)と長塚(穂積隆信)が選ばれた。取引当日、クレイグ側の連絡員三輪(渡辺美佐子)と秋津は渋谷でバスケットボールに隠された麻薬を交換しようとするが、ボールは修学旅行中の女子学生が持っていたボールとすり替わってしまう。しかし実はバスケットボールに入っていたのは麻薬ではなく、クレイグ側が証拠隠滅のため岩瀬を爆殺するために仕込んだ時限爆弾だった。
何が進行しているのか曖昧なまま話が進む。赤木圭一郎はじめ登場人物に今ひとつ魅力が感じられなかった。【福】
日活
邪魔者は消せ | 映画 | 日活 単身、戦慄の暗黒街に潜行した不敵の麻薬Gメンが、正義に命を賭け麻薬ルートを粉砕するアクション巨篇。

映画「にっぽんGメン 摩天楼の狼」(1960)

オープニングに渋谷の街が映る。渋谷駅前から山手線越しに宮益坂方向を見る。中央に延びるのが宮益坂、右の「東横」のネオンが「東急百貨店東横店」、その背後に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムが見えている。宮益坂の奥の高層建物は「宮益坂ビルディング」(現「現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)。左端手前に「渋谷東映劇場」(現「渋谷東映プラザ(渋谷TOEI)」渋谷1-24-12)が映っている。

作品データ
映画「にっぽんGメン 摩天楼の狼」
監督:伊賀山正光

1960(昭和35)年/第二東映

出演:梅宮辰夫、三田佳子、波島進

親友の刑事大隅(滝沢昭)が風俗嬢と心中したことを怪しんだ不破竜太郎(梅宮辰夫)は上京して捜査にあたる。彼は大隅が目撃されたバーに向かい、彼がしていたように胸に花をつけるとコールガールを紹介された。彼はコールガールから組織のボス「ブラック・ジョー」の名やシステムを聞き出し、組織に近づいていった。【福】

映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960)

冒頭、石野貞一郎(小林桂樹)が通勤で使う渋谷駅の空撮が映る。左右に横切るのが山手線、右下に伸びるのが京王井の頭線等。手前がハチ公前広場と駅前交差点。中央に「東急百貨店東横店」、その背後に「東急文化会館」が映る。

作品データ
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」
監督:堀川弘通

1960(昭和35)年/東宝

出演:小林桂樹、原知佐子、中北千枝子

石野貞一郎(小林桂樹)は妻子を持ちながら職場の梅谷千恵子(原知佐子)と不倫の関係にあった。ある日梅谷の部屋の近くで石野は隣人の杉山(織田政雄)を見かけ思わず会釈を交わす。後日杉山は殺人の容疑で身柄を拘束されるが、アリバイとして石野と新大久保で会ったことを主張した。石野が杉山と会ったことを認めれば世間に不倫が明るみになる。石野は我が身を守るか、隣人を救うかの間で思い悩む。【福】

映画「街から街へつむじ風」(1961)

病院の事情に口出しをする正木晋一(石原裕次郎)が疎ましい副院長(小高雄二)は正木を屋上に呼び病院から引き取るように告げる。
田村医院(現「大下ビル」道玄坂1-16-5)屋上からの風景という設定だが、周囲の建物の位置関係から実際は道玄坂1-11-4あたりからの撮影と推測される建物の屋上から渋谷駅方面を見る。左端に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)が見える。
右手に見える看板の「山叶証券」は現「セルリアンタワー」(桜丘町26-1)の一部。中央左のビルは1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。

ラストシーン、正木晋一(石原裕次郎)が独立、看護師の北山美樹子(芦川いづみ)を連れ皆に見送られながら田村医院を去っていくシーン。玉川通り、大下ビル前(渋谷区道玄坂1-16-5)から渋谷駅方向を見る。玉川通りは高速3号線がまだ建設中。中央左のドームが「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。
左端で建設中のビルは「野村不動産渋谷別館」(現「渋谷道玄坂東急ビル」道玄坂1-10-8)。右端は「東急本社ビル」。その向こうの「東京相互銀行」、「山叶証券」あたりまでを含め現「セルリアンタワー」(桜丘町26-1)。画面奥、中央右の白いビルは1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。

作品データ
映画「街から街へつむじ風」
監督:松尾昭典

1961(昭和36)年/日活

出演:石原裕次郎、芦川いづみ、中原早苗

留学先のドイツから帰ってきた正木晋一(石原裕次郎)は父親(宇野重吉)の薦めで父の友人田村(東野英治郎)の病院を手伝うことになる。晋一が田村医院を訪れると院長は持病に苦しみ、息子の副院長(小高雄二)は過去の手術の失敗で自信を失い、さらにヤクザが副院長の失敗をネタに地上げをしかけてくる有り様。正木は病院をヤクザから守るため活躍する。
ところどころ入れてくる笑いどころは余計だし、いろいろ都合の良いストーリー展開も甘く、気楽に裕次郎のかっこよさを見るための映画。【福】
日活
街から街へつむじ風 | 映画 | 日活 父の旧友が経営する病院に勤務することになった青年医師が様々な障害を乗り越えて医院の再建に奔走する。石原裕次郎が熱血医師に扮した痛快アクション。

映画「ファンキーハットの快男児」(1961)

日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。
玉川通りの桜丘町付近から渋谷駅方面を見る。「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」が見える。

天下一郎(千葉真一)は境野みどり(中原ひとみ)を処分する依頼を受けた保釈の虎(潮健児)を追う。背後に東急文化会館。東急文化会館内の映画館「渋谷パンテオン」では「栄光への脱出」(製作:1960年/日本公開:1961年6月22日/オットー・プレミンジャー監督)を上映中。(参考:KINENOTE

天下一郎(千葉真一)は境野みどり(中原ひとみ)を処分する依頼を受けた保釈の虎(潮健児)を追う。
中央の道は六本木通り。まだ青山学院の手前までしか開通していない。道路左の小屋が並ぶ部分は高速3号線の用地。背後の右端に「東急文化会館」のプラネタリウムのドームが見える。

作品データ
映画「ファンキーハットの快男児」
監督:深作欣二

1961(昭和36)年/ニュー東映

出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛

探偵天下清助(花沢徳衛)の息子・天下一郎(千葉真一)は相棒の茂(岡本四郎)とナンパに出掛け、投資家の境野みどり(中原ひとみ)と出会う。一方、茂は国産省の局長木暮家の女中ルメ(新井茂子)と知り合った。ある日小暮家の令息靖幸(くさかべ雅人)が誘拐され身代金500万円が要求される。一方みどりは日の丸建設の株を大量に買う女性を発見。日の丸建設は国産省が建設計画中の産業会館の入札をめぐり大下組と激しく争っていたことから、一郎は誘拐事件と日の丸建設が何か関係あるとにらむ。
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】

TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

第二の犯行に使われた盗難車の持ち主が警官と話している。場所は渋谷駅東口「東急文化会館」前。
「東急文化会館」内の映画館「渋谷パンテオン」では「栄光への脱出」(1961)が上映中。同年公開の「ファンキーハットの快男児」にも同じ看板が映っている。
左側の電柱の広告「楠本」は渋谷の老舗の質屋で現在でも渋谷付近の電柱に広告をよく見かける。

作品データ
TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

映画「女の座」(1962)

芳子(高峰秀子)の妹静子(団令子)が同僚と街を歩いていると、同僚を捨てた六角谷(宝田明)が芳子に家庭教師を紹介しているところに出くわす。静子と同僚に気づいて気まずい顔をする六角谷。玉川通りを桜丘町付近から渋谷駅方面を見る角度。電柱の陰の遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。

作品データ
映画「女の座」
監督:成瀬巳喜男

1962(昭和37)年/東宝

出演:高峰秀子、杉村春子、笠智衆、草笛光子、司葉子、小林桂樹

石川家の父金次郎(笠智衆)は後妻のあき(杉村春子)、亡くなった長男の妻芳子(高峰秀子)、その息子健(大沢健三郎)、四女夏子(司葉子)、五女雪子(星由里子)と暮らし、次女梅子(草笛光子)は離れに暮らしていた。ある日金次郎が倒れ、長女松代(三益愛子)と夫の良吉(加東大介)、次男次郎(小林桂樹)と妻の蘭子(丹阿弥谷津子)、三女路子(淡路恵子)と夫の正明(三橋達也)が集まった。
ある日松代夫婦が経営する下宿に入った六角谷(宝田明)という青年があきの生き別れの息子ということが判明する。長らく独身だった梅子は六角谷に好意を抱くが、一方六角谷は芳子に言い寄っていた。なかなか九州の自宅に帰らず疎まれる路子夫婦、勉学に悩む健、気象庁に勤める青年青山(夏木陽介)に思いを寄せる夏子と雪子、オリンピック道路の開通に伴う立ち退き問題など様々な問題が石川家に起き始める。
いつになく穏やかな杉村春子、一見好男子だが信用がおけない宝田明、悪い人ではないが女性皆に疎まれる三橋達也の演技が冴える。【福】

映画「人間狩り」(1962)

小田切(長門裕之)の恋人はかつて死刑になった男の情婦梶本(渡辺美佐子)。梶本は小田切の元で心が休まることはないと別れ話を切り出す。
別れ話の舞台は「東急文化会館」の屋上。
右にプラネタリウムのドーム、中央に銀座線と「東急文化会館」への連絡通路が見える。中央下のやぐらは双眼鏡が設置されている展望台。

作品データ
映画「人間狩り」
監督:松尾昭典

1962(昭和37)年/日活

出演:長門裕之、中原早苗、大坂志郎、渡辺美佐子、梅野泰靖、小沢栄太郎

小田切(長門裕之 )は成績優秀ではあるが非情な捜査を行うことで署内で問題になっている刑事であった。彼はかつて死刑になった男の情婦梶本(渡辺美佐子)を恋人にしていたが、彼女は小田切の元で心が休まることはなく、関係は破綻寸前であった。ある日小田切が長年追っている田口(小沢栄太郎)がもう時効として15年前の強殺事件を口にした。小田切は法律上時効までまだ36時間あることをつきとめ、左遷されてきた湊(高山秀雄)と二人で手がかりとなる房井という男を追う。
刺激的なタイトルやオープニングの音楽から小田切が非情に犯人を追い詰めるハードなストーリー展開を期待したが、結局生ぬるい温情や長門と渡辺の泥沼の男女関係を見せられることに。【福】
日活
人間狩り | 映画 | 日活 時効まで三十六時間、必死に逃げ延びる殺人犯を血まなこで追う、鬼刑事の人間的苦悩と恋の悲しさを描いた異色アクション篇。

映画「爛」(1962)

結婚前夜、栄子(水谷良重)は浅井(田宮二郎)に密会の誘いの電話をかける。
電話する栄子の背後に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)が見える。

作品データ
映画「爛」
監督:増村保造

1962(昭和37)年/大映東京

出演:若尾文子、田宮二郎、水谷良重

浅井(田宮二郎)は長らく増子(若尾文子)と関係を続けてきたが、すでに愛情を感じなくなった妻(藤原礼子)と離別し増子との暮らしを始める。妻は郷里に帰ったが精神を病み死んでしまう。ある日増子の姪栄子(水谷良重)が故郷での縁談を嫌って上京し、2人と同居生活を始める。ここから3人の爛れた関係が始まる。【福】

映画「泥だらけの純情」(1963)

タイトルバックが東京の中心部から次第に渋谷へ移っていき、右端に東急文化会館が映る。見えづらいけど「隊長ブーリバ」上映中。

作品データ
映画「泥だらけの純情」
監督:中平康

1963(昭和38)年/日活

出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子

日活
泥だらけの純情 | 映画 | 日活 社会の断層に冷たく拒まれた街のチンピラと清純な少女とのひたむきな純愛の悲劇を描く。日活の黄金コンビによるセンセーショナルな純愛映画の決定版。鬼才・中平康の演出も...

映画「ギャング同盟」(1963)

出所した風間(内田良平)を迎えた高本(佐藤慶)は風間が服役中に変わってしまった東京を見せ「ご覧のとおりさ。もう焼け跡もねえし闇市もねえ」とつぶやく。左側に東急文化会館。中央に渋谷駅と工事中の高速3号線。立っている場所は現セルリアンタワーの(桜丘町26-1)前あたり。

作品データ
映画「ギャング同盟」
監督:深作欣二

1963(昭和38)年/東映

出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏

刑務所から出所する風間(内田良平)を昔の仲間高本(佐藤慶)が迎える。しかし彼らの縄張りはすっかり新興の巨大勢力に乗っ取られていた。風間はある計画を思いつき高本とかつての仲間尾形(戸浦六宏)、楠(山本麟一)、柾江(楠侑子)、志賀(曽根晴美)、ジョージ(アイ・ジョージ)を集める。風間の計画とは敵対勢力のボスを誘拐することだった。
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】

映画「俺の背中に陽が当る」(1963)

出所した健三(内田良平)は更生し弟の滋(浜田光夫)とともにビルの窓拭きの仕事を始める。健三達が窓拭きをしているのは住友生命渋谷ビル(現「JMFビル渋谷02」桜丘町31-15)と推定される。隣の屋上に「奥の松」の看板がある「奥の松ビル」(こちらも現「JMFビル渋谷02」の一部)との位置関係から推定した。
遠方に「東急文化会館」が、中央左には大きく「東急百貨店東横店」が見える。下の道路は玉川通り、中央の空き地は高速3号線用地。なお左下の隅に「街から街へつむじ風」(日活/1960)の舞台となった「大下外科」(現「大下ビル」道玄坂1-16-5)が見える。

作品データ
映画「俺の背中に陽が当る」
監督:中平康

1963(昭和38)年/日活

出演:吉永小百合、浜田光夫、小高雄二

滋(浜田光夫)は、友人の俊夫(小沢直好)とビルの窓拭きの仕事をしながら、服役中のヤクザの兄健三(内田良平)の家族の面倒をみていた。出所した健三は元の組にカタギになることを告げて事務所を去る。これに対し山田組の小谷(山内明)は一計を案じ、組長の山田(安部徹)を殺し健三に不利な証拠を残した上で健三を刺殺し、健三に無実の罪を着せて組織の長にのしあがる。滋は兄の仇をうつことを決意しあえて山田組の一員になり、兄の謀殺の証拠をつかもうとする。
生々しい刺殺シーンなど強めの暴力描写がある。榎木兵衛と野呂圭介の滑稽な下っ端コンビが印象的。【福】
日活
俺の背中に陽が当る | 映画 | 日活 無実の兄を助けようとする若者が恋人の愛情に支えられながら、燃え上がる正義感を胸に秘め、やくざの卑屈な罠に挑戦していくドラマ作品。

映画「敗れざるもの」(1964)

中学生の少年俊夫(小倉一郎)と姉の浩子(十朱幸代)とその家の運転手の鉄哉(石原裕次郎)が東急文化会館の屋上に昇るシーン。

東急文化会館(現シブヤヒカリエ)屋上。背後の看板は宮益坂下の安田信託銀行(現小林ビル)。最前列の少年が子役時代の小倉一郎。後ろに見えるのが姉役の十朱幸代と運転手役の石原裕次郎。

東急文化会館屋上。前の屋根は東横線渋谷駅駅舎。その向こうに渋谷東急ビル(のちの東急プラザ、現渋谷フクラス)が見える。

作品データ
映画「敗れざるもの」
監督:松尾昭典

1964(昭和39)年/日活

出演:石原裕次郎、十朱幸代、小倉一郎

橋本鉄哉(石原裕次郎)は高村家のお抱え運転手。彼は中学生の息子俊夫(小倉一郎)の世話をよくし、俊夫も彼になついていた。ある日俊夫が新しく買った天体望遠鏡で観測している最中ガレージから落ち怪我をする。往診に来た木崎医師(大坂志郎)は一度は心配ないとの診断をするが、帰りの車中を運転手の橋本から俊夫は目が見えにくい様子だったことを聞くと急いで高村家へ引き返す。再度診断をした結果俊夫は急遽脳外科に入院することになり、脳腫瘍であることが判明する。俊夫は開頭手術を受け、手術は成功したかに見えたが、橋本は病院で俊夫は治癒の見込みがないという話を耳にしてしまう。【福】
日活
「小さき闘い」より 敗れざるもの | 映画 | 日活 暗い過去を持つ男と、病魔と闘う少年のふれあいを通して生命の尊さを描いた感動作。兄・石原慎太郎の原作を裕次郎主演で映画化した。死と向き合う少年をナイーブに演じてい...

映画「狼と豚と人間」(1964)

現金と麻薬の強奪に成功した次郎(高倉健)らのグループ。水原(江原真二郎)は東急文化会館前に向かいタクシーで逃走する。

作品データ
映画「狼と豚と人間」
監督:深作欣二

1964(昭和39)年/東映

出演:高倉健、北大路欣也、江原真二郎、中原早苗、志麻ひろ子、岡崎二朗、沢彰謙、石橋蓮司、越前谷政二、泗水誠一、春日俊二、三国連太郎

貧民窟で育った三兄弟。長男の市郎(三國連太郎)は地元のやくざ岩崎組に入り、次郎(高倉健)は杏子(中原早苗)のヒモとなり悪の道に進んでいた。三郎(北大路欣也)は母の世話を押し付け貧民窟から脱出していった二人の兄を憎んでいた。ある日次郎は水原(江原真二郎)と岩崎組の麻薬取引現場を襲い金と麻薬を強奪する計画を立てる。手先が必要な二人は三郎とその仲間に声をかけ、報酬に目がくらんだ三郎たちは仲間に加わる。取引の現場で騒ぎを起こしそのすきに金と麻薬を奪った三郎。計画は成功したかに見えたが…。【福】

映画「東京は恋する」(1965)

ミチコ(伊藤るり子)の祖父母がはとバスで東京見物をする場面の後半、首都高速3号線を走るバスを俯瞰で撮影するシーンで、右手に東急文化会館が映る。

作品データ
映画「東京は恋する」
監督:柳瀬観

1965(昭和40)年/日活

出演:舟木一夫、伊藤るり子、山本陽子、堺正章、和田浩治

日活
東京は恋する | 映画 | 日活 20歳の舟木一夫が和田浩治と共演した青春歌謡映画。主題歌『東京は恋する』にのせて、美大を目指す青年とバンドの成功を夢見る青年の恋と挫折を描く。

映画「青春前期 青い果実」(1965)

河合奈津子(太田雅子 / 現・梶芽衣子)が自殺を図ったことを知った椎ノ木武志(太田博之)は渋谷の街を歩き回り奈津子を襲った大学生3人組を探す。
武志が立っているのは渋谷東口駅前広場。右手に銀座線、その背後に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)が見える。

河合奈津子(太田雅子 / 現・梶芽衣子)を襲った大学生を見つけた椎ノ木武志(太田博之)が相手を追う。場所は「東急文化会館」横の道。右側が「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)、奥に東急東横線のホームが見える。

作品データ
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清

1965(昭和40)年/日活

出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏

広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
日活
青春前期 青い果実 | 映画 | 日活 セックスによる激しいショックを受けた二人の男女高校生の心の交流をクールなタッチで描いた異色純愛大作。

映画「脅迫 おどし」(1966)

身代金の受取りに失敗した川西(西村晃)らは、三沢(三國連太郎)の妻子(春川ますみ、保積ペペ)と誘拐した赤ん坊を車に乗せ2度めの受取りに向かう。三國連太郎が歩いて向かっているのは「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)1階の喫茶店「ユーハイム」。

作品データ
映画「脅迫 おどし」
監督:深作欣二

1966(昭和41)年/東映

出演:三國連太郎、春川ますみ、保積ペペ、西村晃、室田日出男、三津田健、野田拓、田中邦衛、中原早苗、内田良平

三沢(三國連太郎)は広告代理店の営業部長。社内の地位と家族の幸福を守ることが彼の日常だった。しかしある夜、脱獄犯川西(西村晃)とサブ(室田日出男)が三沢の家に逃げ込んだ。川西らは医師坂田(三津田健)の孫の赤ん坊を誘拐しており、巨額の身代金をせしめるため三沢を利用することにした。三沢の妻弘子(春川ますみ)と息子正夫(保積ペペ)を人質にとられ、息子から「弱虫!」という言葉を浴びながらもやむなく川西らの指示に従う三沢だったが……。【福】

映画「ゴー!ゴー!若大将」(1967)

澄子(星由里子)は雄一(加山雄三)の実家のすき焼き屋「田能久」に挨拶にいく予定だったが、偶然先に訪ねてきた京奴(浜木綿子)を雄一の相手と家族が誤解したため澄子は門前払いを食う。澄子が雄一に「用事ができたので実家には行けない」と嘘の電話をする場所は「渋谷駅東口駅前広場」。右端が「東急文化会館」、中央が銀座線と「東急文化会館連絡通路」、左端が「東急百貨店東横店東館」。「安田信託銀行」の看板は宮益坂下交差点に面して現存する「小林ビル」(渋谷1-14-11)。

作品データ
映画「ゴー!ゴー!若大将」
監督:岩内克己

1967(昭和42)年/東宝

出演:加山雄三、飯田蝶子、有島一郎、中真千子、星由里子、田中邦衛、北竜二、江原達怡、浜木綿子

京南大学陸上部の田沼雄一(加山雄三)は暴漢に襲われそうになっていた越川澄子(星由里子)を救ったことから彼女と想い合う仲になる。京南大学自動車部は全日本学生ラリーに出場予定だったが、出場するはずの石山新次郎(田中邦衛)が怪我をしたことからマネージャーの江口敏(江原達怡)から出場を頼まれる。スタート地点の京都に向かった雄一に好意を持った芸者の京奴(浜木綿子)が積極的にアプローチしているところを見た澄子は心穏やかではなかった。雄一と澄子のすれ違いが続く中、全日本学生ラリーが始まる。
緊張感のないラリーのシーンの後、これで終わりかと思うとまたひと悶着ある。あれは蛇足。【福】

映画「レッツゴー!若大将」(1967)

石山新二郎(田中邦衛)がライバル校と喧嘩を始めそうだという連絡をマネージャーの江口敏(江原達怡)からうけた田沼雄一(加山雄三)は現場にスクーターでかけつける。
玉川通り。左は高速3号線。遠方に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムのドームが見える。右側の「東洋信託銀行渋谷支店」は現「日本経済大学 大学院 246ホール」(桜丘町25-16)、手前の「東京相互銀行渋谷支店」は現「第一薬科大付属高校渋谷キャンパス」(桜丘町25-14)、さらに手前の「藤井歯科」より手前は現「渋谷セルリアンタワー」(桜丘町26-1)。

作品データ
映画「レッツゴー!若大将」
監督:岩内克己

1967(昭和42)年/東宝

出演:加山雄三、有島一郎、飯田蝶子、中真千子、星由里子、田中邦衛、宝田明

京南大学サッカー部の主将田沼雄一(加山雄三 )は部員の石山新二郎(田中邦衛)がライバル校と始めた喧嘩を仲裁に入り、乳母車を引いた女性、仁科澄子(星由里子)を助ける。後日祖母りき(飯田蝶子)の買い物につきあっていた雄一は宝石店に勤務する澄子を見つけ、二人の仲は急接近する。雄一は香港に遠征する全日本学生チームの選手に選ばれ香港に飛び、下心のある専務(太刀川寛)から香港出張に同行するよう求められた澄子も雄一を追うように香港に向かう。
スポーツ万能の加山もサッカーは不得手なのか、単にアングル上の問題なのか、試合中上半身と下半身が一緒に映るシーンはない。【福】

映画「恐喝こそわが人生」(1968)

密造酒に関する脅迫でうまく金をせしめた4人が脅迫で稼いでいくことを決心するまでが動画とスチルで語られる。この一部で背景に「東急文化会館」が写っている。

作品データ
映画「恐喝こそわが人生」
監督:深作欣二

1968(昭和43)年/松竹

出演:松方弘樹、佐藤友美、丹波哲郎、内田良平、天知茂

村木駿(松方弘樹)は元やくざの関(室田日出男)、元ボクサーの野口(ジョー山中)、元フーテンのお時(佐藤友美)とレストランにアジトを構え恐喝を商売にしていた。密造酒を作っていた酒屋への恐喝を皮切りに、やがて財界の黒幕や高利貸遠藤(石山健二郎)、業界紙の記者奥中(丹波哲郎)らが絡む汚職事件に手を伸ばしていく。【福】
松竹株式会社
恐喝こそわが人生 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

RELATED LINKS

東京福袋が作成している渋谷と日本映画に関するコンテンツです。こちらもぜひご覧ください。

目次