映画の感想文「喜劇 一発勝負」

喜劇 一発勝負」山田洋次監督、1967年公開。

福島で旅館を営む父親の加東大介に勘当された暴れん坊の放蕩息子のハナ肇が、母の葬式の日に10年ぶりに帰ってきた。
加東大介の怒りはとけぬままそのまま実家に居ついてしまうハナ肇はヘンテコな学者の谷啓を連れてきて温泉を掘り始める。
胡散臭い子分の桜井センリと犬塚弘も訪ねてきて合流。
その様子を呆れながらもクールに見守るのは倍賞千恵子演じる女子大生の妹のさくら、じゃなくて妹の信子。親兄弟はもちろん近所中に迷惑をかけまくりてんやわんやの末に…。

ドラマ「男はつらいよ」の1年前の作品。
おそらくハナ肇が演じたこの男も寅さんの原型の一人なのだろう。常磐の寅さん。

これホントは渥美清の役だったんじゃないの?と思わせる台詞がある一方、豪放磊落で野太いハナ肇ならではのシーンあり、どちらが演じても一長一短という感じ。
谷啓が登場すると一気に画面が弾けるし桜井センリと犬塚弘は手堅い演技で序盤から中盤をがっちり支えるが、全体的に暗く重たい。あの明朗快活な加東大介をもってしても暗い。ラストもすっきりしない。【み】

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