「カーネーション」聡子の初仕事

ノースリーブのブラウスからスラリと伸びる腕が可愛らしい聡子。
デザイン画の練習も店の手伝いも真面目にこなして控えめだけどいつもニコニコいい感じ。

聡子の部屋の壁にはユニオン・ジャックが掲げられ、ビートルズの雑誌の切り抜きが貼ってある。
糸子も優子も直子も意識していたのはフランスだったが、若い世代の聡子の憧れはロンドン。きっとこれがMICHIKO LONDON…じゃなくて、SATOKO LONDONに繋がる伏線なんだね。

オハラ洋装店に吉本新喜劇の末成由美登場。
第一声、誰もが「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ~」を期待したはずだが、「こんにちは」とフツーに店に入ってきてしまい肩すかし。店内、誰もコケたりひっくり返ったりしないのであった。

末成はオハラの気まぐれな常連客・トリヤマさんという役。
派手なのかシックなのか彼女の好みがまるでつかめず糸子も昌子も優子も手に負えない客という設定である。
「アンタとこのお母ちゃんのデザイン、なんかババ臭いやろ」ということで、今回は聡子に若い感覚でデザインしてほしいのだという。
聡子は初めての仕事を喜んで引き受けた。

しかし「私もそうやってデザインを引き受けたことがあるが、必ず後から文句を言われる」と末成を罵る優子。そして優子と一緒になって末成の陰口を叩く糸子。

「派手なんがええんか思たら、ウチのことチンドン屋と思てんの?ちゅうて怒るしな」と糸子。
「地味にしたら地味にしたで怒るしなあ」と優子。

そこで閃いた昌子。
「あ、ほな、直ちゃんの服なんか好きなんちゃいますか?」
ところが、「直子のことはツラが気に食わへんのやて。『あの子はこの店置かんといて。ウチ来んようになるでえ』ちゅうちゃった」という事情で直子のデザインも却下。

「ほな、置いちゃったらええやん」と言う優子に、調子づいた昌子が「ほんまや、魔除け代わりになあ」だって。
しかも、顔を歪めてガオーと吠えるライオンのようなポーズつき。昌子は赤ん坊の頃から“猛獣直子”にはずいぶん悩まされてきたのだろうなあ。

ビートルズが載っている雑誌(「ミュージック・ライフ」か?)を見て、ロンドンで流行し始めたミニスカートを取り入れたドレスのデザイン画を描き上げた聡子。
さて、トリヤマさんは聡子デザインのミニスカートを気に入ってくれるだろうか。

予告では末成由美が「こんなハレンチな服、着れるわけないやろ!」と激怒するシーンが流れていたが、意図的なミスリードでおなじみの「カーネーション」の次週予告のことだから、また予想外の出来事が起こるかもしれぬ。
初デザインが失敗しても成功しても、最後は聡子がニコニコできる展開でありますように。

組合長の近藤正臣が出てくると糸子に何か良からぬ事が起こる予感。
北村との腐れ縁も周防との出会いもフランス製の生地で大失敗したのも組合長がキッカケ。無論、悪いことばかりではなくていずれもそれなりに得るものがあったわけだが、ワタクシ的には組合長といえば柔和な笑顔と共に災いを連れてくる人という印象が強い。

で、今回の組合長は「最近、街で素敵な服を着ている人を見ると必ず小原優子デザイン」「ぜひ優子デザインの服を作りたい」と言う女性を二人連れてきた。
このエピソードは「善作が店を譲った50歳を超えてしまった糸子が今度は自分が娘に店を譲るタイミングを迷っている」という話のために挿入されたものだと思うのだが、話に組合長が絡むとどうも不安だよ。糸子大丈夫か。その爺さんはアヤシイぞ。【み】

目次