宮下公園|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

宮下公園

東京都渋谷区渋谷1-26-5

約2万坪とも言われた旧皇族「梨本宮家」の邸宅地に隣接していたことから「宮下町」と呼ばれていた地域に1953年に開設された区立公園。その後1966年に東京初の屋上公園として整備される。2011年に再整備され「MIYASHITA PARK」の屋上に移設。(参考:渋谷区立宮下公園

目次

映画「純愛物語」(1953)

医師(木村功)から病状について重大な事実を告げられたミツ子(中原ひとみ)と小島教官(楠田薫)はひとまず公園で休む。
この公園はこの後のシーンで「東急百貨店東横店」が見えること、横を鉄道が走っていることから「宮下公園」と特定した。
公園から見る山手線。背後の「常盤相互銀行」は神宮通り沿い「渋谷マルイ店」の北、現「サンクスビル」(神南1-22)のあたり。

右が山手線側、左が明治通り側。背後に「東急百貨店東横店」が見える。

背後の赤と黒の看板(石原歯科)は明治通り沿いの現「渋谷宮下パークビル」(渋谷1-24-7)。当時の住宅地図から特定。

ミツ子をベンチに残したまま席を外した小島教官(楠田薫)が戻るとミツ子は消えていた。ミツ子を探す小島教官。
公園の向こうの交差点は明治通りと美竹通りが交差する宮下公園交差点。

ミツ子を探す小島教官(楠田薫)。
背後のガードは山手線の上渋谷ガード。

作品データ
映画「純愛物語」
監督:今井正

1953(昭和28)年/東映

出演:江原眞二郎、中原ひとみ、岡田英次、木村功、加藤嘉、宮口精二、東野英治郎、長岡輝子、楠田薫、藤里まゆみ、小林トシ子、岸輝子

戦災孤児らが集まる上野の山をねぐらにするスリの少女宮内ミツ子(中原ひとみ)。ある日チンピラの早川貫太郎(江原真二郎)は乱暴されそうになっていたミツ子を救い、二人はこれをきっかけに交際するようになる。ペアを組んでスリを働いていた二人は警察に捕まり、それぞれ別の施設に収容されることになる。施設で暮らすうちミツ子は次第に体調を崩すようになり、教官に連れられ受診した医者で病状について重大な事実を告げられる。【福】

映画「どうせ拾った恋だもの」(1958)

秋山医師(安井昌二)が石川道子(香月美奈子)に結婚を申し込むが石川は自分の過去を考え身を引くというシーンの直前、二人がいる公園からの眺望が映る。
当時の航空写真から左端遠方の建物は旧渋谷区役所(現「東京電力渋谷支社」「シダックス・カルチャーホール(旧渋谷電力館)」「ニトリ渋谷公園通り店」神南1-12)、中央近くの塔は渋谷消防署(現存、神南1-8-3)、右手遠方の建物群は「ワシントンハイツ」(現「代々木公園」)、その右手の森は「明治神宮」、中央列車が走行中の鉄道は山手線、その手前の空地は「宮下公園」と推定。撮影場所は「美竹公園」と推定。

作品データ
映画「どうせ拾った恋だもの」
監督:関喜誉仁

1958(昭和33)年/日活

出演:安井昌二、香月美奈子、コロムビア・ローズ、高品格

腹を刺された男伸次(三島謙)が子分(高品格)に連れられ医師が不在中の病院に担ぎ込まれる。看護師の石川道子(香月美奈子)は伸次の顔を見て驚く。彼は昔道子の恋人だったのだ。彼女は止血剤をうって応急処置をするが、医師の秋山(安井昌二)が到着した時には男は死んでしまう。実はこの止血剤は婦長の佐藤のぶ(新井麗子)がブローカーから買った粗悪品であった。発覚を恐れた佐藤は男の死を道子の処置のミスのせいにしようとし、秋山との結婚を望む院長の娘高野佳代子(千葉麗子)に秋山と道子の関係を匂わせたり、子分から買った伸次と道子が付き合っている頃の写真を使って病院を追い出そうとする。医師の秋山は道子に結婚を申し込むが、伸次と交際していた過去がある道子はこれを断り、病院も辞めてしまう。
初代コロンビア・ローズの同名の曲をベースにした歌謡映画で彼女自身も看護師を演じ、歌う(意外と演技も巧い)。非常にシンプルなメロドラマ。婦長役新井麗子がわかりやすい悪役を好演。【福】
日活
どうせ拾った恋だもの | 映画 | 日活 過去の暗い影に悩み、酷な運命に堪えてひたすら愛する人への思慕に幸福の夢を追う乙女の姿を描いた歌謡哀愁篇

映画「太陽をぶち落せ」(1958)

健(高品格)の一派は大須賀吾郎(川地民夫)の仲間小島三郎(杉幸彦)と斎藤美恵子(稲垣美穂子)にホテル街での盗撮のバイトを強要する。健の仲間に捕まる斎藤美恵子(稲垣美穂子)。1966年駐車場の上に移される前の、地面レベルの時代の「宮下公園」。背後は山手線。

健(高品格)に詰め寄られる三郎(杉幸彦)。1966年駐車場の上に移される前の、地面レベルの時代の「宮下公園」。遊具も置いてある。背後は山手線。

健(高品格)の一派は大須賀吾郎(川地民夫)の仲間小島三郎(杉幸彦)と斎藤美恵子(稲垣美穂子)にホテル街での盗撮のバイトを強要する。テツ(柳瀬志郎)に詰め寄られる三郎。

作品データ
映画「太陽をぶち落せ」
監督:野口博志

1958(昭和33)年/日活

出演:川地民夫、菅井一郎、南田洋子、宍戸錠、水島道太郎

大須賀禎蔵(菅井一郎)の息子吾郎(川地民夫)は謎の自殺をとげた母親のことが忘れられず、新しい母親蘭子(南田洋子)に異性としての愛情を感じつつことごとく反抗していた。蘭子の昔の恋人で、蘭子を奪い返す機会をうかがっていた禎蔵の部下青野洋介(宍戸錠)はある日二人の過去をばらすと脅し蘭子と料理屋で密会した。たまたまカップルを脅迫するため写真を撮影するバイトをしていた仲間からの連絡を受け、吾郎は蘭子と青野が密会する旅館へ乗り込む。吾郎はそこで青野から禎蔵は吾郎の実の父親ではないと聞かされ、激しく動揺する。吾郎は父親の日記から古市(水島道太郎)という男の存在を知り、古市を探し始める。【福】
日活
太陽をぶち落せ | 映画 | 日活 真実の愛を求めて彷徨し、苦悩する少年の叫びと姿を通して、現代のモラルと多感な思春期の群像を描く異色青春巨篇!

映画「無言の乱斗」(1959)

ラスト、木下昌夫(和田浩治)が芝(波多野憲)と対決する。
対決シーンは「中渋谷ガード」から「のんべい横丁」、「宮下公園」一帯で撮影されている。
背後の「戦艦ポチョムキン」の看板は「渋谷全線座」(現「渋谷東急REIホテル」渋谷1-24-10)。記録によれば1959年11月5日から10日まで「渋谷全線座」で「戦艦ポチョムキン」が上映されていた(小川佐和子「二重の神話化:日本における 『戦艦ポチョムキン』 上映史」)ので、その時期のロケと思われる。背後の「トルコ」は「全線座」が経営していた「浮世風呂トルコ」(現「渋谷東急REIホテル」渋谷1-24-10)。

作品データ
映画「無言の乱斗」
監督:西河克己

1959(昭和34)年/日活

出演:葉山良二、清水まゆみ、和田浩治、白木マリ

木下昌夫(和田浩治)はヤクザの芝(波多野憲)にそそのかされ、母(高野由美)の愛人柳沢(高品格)を恐喝、さらにナイフで刺して少年鑑別所に送られた。教官の向井(葉山良二)は昌夫に親身に接するが、昌夫は恋人澄枝(清水まゆみ)や家族の面倒をみるという芝の言葉を信じ、芝のことを一切口にせず、向井に反発するばかりだった。昌夫の逮捕後澄枝は怪しげな飲み屋の女に身を落としていたが、向井がまともな仕事を世話してやったことから、次第に昌夫は向井に対して心を開くようになる。【福】
日活
無言の乱斗 | 映画 | 日活 少年鑑別所の檻の中で苦悶する非行少年達の赤裸々な生態と、善導に不屈の努力を続ける教官の姿を描き世に訴える、練檻ブルースの映画化。

映画「雑沓に光る眼」(1959)

タイトル後、東京の繁華街の映像がクロスフェードしながら映し出される。
その一つが渋谷駅前。左側が「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。「渋谷西村」の表示が見える。右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。

作品データ
映画「雑沓に光る眼」
監督:小杉勇

1959(昭和34)年/日活

出演:二谷英明、中村万壽子、丘野美子、宍戸錠

刑務所から出所し東京に帰る元スリの野口武(二谷英明)は車内で家出娘根本朝子(中村万寿子)と知り合った。上野駅で別れた二人だが、野口は弟分の花田健次(宍戸錠)が彼女の財布をするのを見つけ、花田から財布を取り返す。しかしすでに彼女の姿は見えなかった。花田に足を洗わせようとする野口は花田の恋人藤村ミユキ(丘野美子)を訪ねるが、そこで家で娘の財布をすり、親切を装って娘に近づき売春させる組織の話を聞いた。野口は根本朝子のことが気にかかったが、まさにその頃彼女は売春組織の元締山田辺陽子(広岡三栄子)の毒牙にかかろうとしていた。【福】
日活
雑沓に光る眼 | 映画 | 日活 大都会の裏面に巣食う戦慄の秘密売春組織に対決する男を異常な迫力で描くアクション娯楽篇

映画「男の怒りをぶちまけろ」(1960)

三沢十郎(赤木圭一郎)がトラック運転手小泉(木浦佑三 )の妹章子(浅丘ルリ子)に話を聞こうとするが、章子から自分だけ助かったことを責められるシーン。
場所は「日活」の公式サイトにより宮下公園と特定。

赤木圭一郎の右後方に看板が見える建物は、「東京 消えた街角」(1992年/玄同社)に掲載されていた空中写真から「丸井百貨店」(現「渋谷モディ」神南1-21-3)と推定。

作品データ
映画「男の怒りをぶちまけろ」
監督:松尾昭典

1960(昭和35)年/日活

出演:赤木圭一郎、浅丘ルリ子、二谷英明

大型旅客機が二人の男、有本(内田良平)と橋場(土方弘)にハイジャックされる。犯人は男性が持っていたバッグを奪うと男性を飛行機から突き落とす。機内に橋場の顔を知る者がいたことから犯人は乗務員を気絶させパラシュートで脱出、旅客機は墜落する。二人は上陸すると長距離運送のトラックをジャック、このトラックを移動のためたまたま拾った新聞記者の三沢十郎(赤木圭一郎)も人質となり、運転手と三沢はトラックごと海へ落とされる。「事件屋」の村西三次(二谷英明)に救われ九死に一生を得た三沢は、旅客機の墜落事後と彼自身を襲った事件の背後に大きな背景があるとにらみ、事件を追い始める。村西も金の匂いを嗅ぎつけ、三沢とは別にこの事件を追い始める。
旅客機から被害者を突き落とすシーンや、車から落ちた男が後続車に轢き殺されるシーンなど結構残忍な暴力描写がある。犯人側のトップ筧順造(西村晃)の情婦役渡辺美佐子が普通のおばさんで振るわない。【福】
日活
男の怒りをぶちまけろ | 映画 | 日活 数億円のダイヤをめぐり、ヤクザ組織の争いに単身飛び込んだ熱血新聞記者が暗黒の世界をあばくアクション超大作。

映画「僕は泣いちっち」(1960)

一郎(近藤宏)の事故の顛末を治子(中川姿子 )から聞いた二郎(川地民夫)は深酒をし公園で一夜を明かす。ベンチで起き公園を歩く二郎。
公園は「宮下公園」。奥の建物は「東急百貨店東横店」。

作品データ
映画「僕は泣いちっち」
監督:堀池清

1960(昭和35)年/日活

出演:川地民夫、中川姿子、守屋浩、近藤宏、山田禅二、南風洋子、木島一郎

古賀二郎(川地民夫)は恋人の久本治子(中川姿子)と結婚し、地方で兄の一郎(近藤宏)と運送業を始めようとしていた。
二郎が新車のトラックを受け取りに行って帰ると、兄が事故を起こして死亡したという知らせが入った。二郎は一郎が持っていたマッチの店「ブランシュ」に行きママの加代(南風洋子)に話を聞くと、一郎は治子と店で飲んだ後トラックで帰ったという。治子は姿を消していた。だが実は治子は加代の部屋に潜んでいたのだ。【福】
日活
僕は泣いちっち | 映画 | 日活 国際密輸組織の犠牲になった兄と、許婚者のために敢然立った青年の熱情を、守屋浩のヒットメロディと共に描く歌謡活劇

ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

パトカーが逃走した犯人が乗り捨てた車を発見する。
場所は明治通りの宮下公園交差点。正面の左右が「宮下公園」、線路は山手線、ガードは上渋谷ガード。「純愛物語」で同地点が映っており「東急百貨店」など周囲の建物から特定済み。

中央に伸びているのは美竹通り、その左の樹木は美竹公園。「純愛物語」で同地点が映っており「東急百貨店」など周囲の建物から特定済み。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

映画「ゴー!ゴー!若大将」(1967)

澄子(星由里子)が石山(田中邦衛)に、「雄一(加山雄三)は京奴(浜木綿子)と結婚することになった」と告げるシーンは「宮下公園」。「安田信託銀行」の看板は宮益坂下交差点に面して現存する「小林ビル」(渋谷1-14-11)。

澄子(星由里子)から想いを告げられた後の、雄一(加山雄三)の心象風景的なシーン。まわりにいたカップル達が突然踊り出す中、加山が「幻のアマリリア」を歌う。

作品データ
映画「ゴー!ゴー!若大将」
監督:岩内克己

1967(昭和42)年/東宝

出演:加山雄三、飯田蝶子、有島一郎、中真千子、星由里子、田中邦衛、北竜二、江原達怡、浜木綿子

京南大学陸上部の田沼雄一(加山雄三)は暴漢に襲われそうになっていた越川澄子(星由里子)を救ったことから彼女と想い合う仲になる。京南大学自動車部は全日本学生ラリーに出場予定だったが、出場するはずの石山新次郎(田中邦衛)が怪我をしたことからマネージャーの江口敏(江原達怡)から出場を頼まれる。スタート地点の京都に向かった雄一に好意を持った芸者の京奴(浜木綿子)が積極的にアプローチしているところを見た澄子は心穏やかではなかった。雄一と澄子のすれ違いが続く中、全日本学生ラリーが始まる。
緊張感のないラリーのシーンの後、これで終わりかと思うとまたひと悶着ある。あれは蛇足。【福】

映画「その人は昔」(1967)

デートをする青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)。だがこの後不良に絡まれることになる。二人がいるのは「宮下公園」の南端の階段。後ろにみえる映画館は「全線座」(現「渋谷全線座ビル」渋谷1-24-10)。

作品データ
映画「その人は昔」
監督:松山善三

1967(昭和42)年/東宝

出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第267話『焔の丘』」(1967)

特捜隊の橘部長刑事(南川直)、桃井刑事(轟謙二)は焼死した秋津芳子(津村悠子)の姉の吉村龍子(荒川さつき)に事情を聞く。
3人が歩いているのは「宮下公園」(現「MIYASHITA PARK」神宮前6-20-10)。左端に岸記念体育館(2023年現在代々木公園拡張工事中 / 神南1-1-1)が見える。

左端の「渋谷メデカルビル」は明治通り沿いの現「渋谷ワールドイーストビル」(渋谷1-23-18)。その背後の「東京都児童会館」は2012年に閉館し2024年1月現在隣接する「美竹公園」と一体的に開発中。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第267話『焔の丘』」
監督:松島稔

1967(昭和42)年/NET

出演:波島進、南川直、轟謙二

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第267話「焔の丘」
ある山荘が放火され2つの焼死体が発見される。山荘の主人秋津源三と妻芳子と思われた。芳子は精神を病み、その面倒をみるため看護婦波岡幸子が同居していたが事件後浪岡の消息は不明となっていた。火災の現場へ姉夫婦と同居していた暎子が現れる。暎子は事件の前日長姉の龍子から呼ばれ東京に向かい火災を免れたのだが、龍子に会ってみると彼女は暎子を呼んだ覚えがないと言ったという。【福】

TVドラマ「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ 第16話『これぞヤマトダマシイでござる』」(1967)

公園の遊具を独占する大葉組の組員にハットリくんが怒り、退治する。
組員が遊んでいる公園は「宮下公園」(現「MIYASHITA PARK」神宮前6-20-10)。左遠方に「岸記念体育館」(2024年1月現在代々木公園拡張工事中 / 神南1-1-1)が見える。

作品データ
ドラマ「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ 第16話『これぞヤマトダマシイでござる』」
監督:小山幹夫

1967(昭和42)年/NET

出演:市村俊幸、関千恵子、松坂慶子、江原一哉、堺駿二、由利徹、熊倉一雄(声)、丸山裕子(声)

藤子不二雄A原作の漫画「忍者ハットリくん」の実写版第2作。伊賀忍者・脳屁之斎斎の高弟、ハットリくんが武者修業のため再び山を降りてきた。忍者怪獣・ジッポウとともに、東京のサラリーマン家庭フジノ家に居候することに。(「東映チャンネル」より)

第16話「これぞヤマトダマシイでござる」
公園を独占していたところをハットリくんに退治されたやくざの大場組の組員たちはハットリくんへの復讐をたくらむ。一方大場組組長(由利徹)の息子にいじめられていたフジ夫(江原一哉)に、げたよ婆さん(堺駿二)はボクシングを通じ大和魂を教えようとする。ここに組長の息子とフジ夫のボクシング対決が行われることになる。【福】

映画「妻二人」(1967)

永井利恵(江波杏子)との結婚をもくろむ小林(伊藤孝雄)は利恵の姉道子(若尾文子)と話し合うため電話で呼び出す。
二人が話しているのは宮下公園。右手にのんべい横丁の屋根が見える。左側の看板は「渋谷全線座」。

小林(伊藤孝雄)と道子(若尾文子)の右手に渋谷川が見える。「虎ノ門タイピスト学院」の看板は現「百瀬ビル」(渋谷1-24)。

作品データ
映画「妻二人」
監督:増村保造

1967(昭和42)年/大映

出演:若尾文子、三島雅夫、江波杏子、伊藤孝雄、岡田茉莉子

雑誌社の部長として社会福祉に尽くす社会正義と善意の人永井道子(若尾文子)。その夫柴田健二(高橋幸治)はある日不遇にあえぐかつての恋人雨宮順子(岡田茉莉子)と再会し、愛情が再燃する。道子の妹利恵(江波杏子)は堅苦しい家風に反発し気ままに暮らしているが、ある日恋仲になった男小林(伊藤孝雄)は実は雨宮の現在の恋人だった。小林は雨宮を捨て資産家の娘利恵と結婚するため、結婚に反対する道子を会社や家族のスキャンダルを材料に脅迫しはじめる。【福】

映画「クレージーメキシコ大作戦」(1968)

鈴木三郎(谷啓)には相川雪子(園まり)という恋人がいたが、大林常務(十朱久雄)の娘令子(浦山珠実)との結婚の話を進めてしまう。鈴木が令子と一緒にいるところを見てしまった雪子が鈴木を責めるシーン。場所は宮下公園。あずまやに座る谷啓の後方に丸井渋谷店(現「渋谷モディ」神南1-21-3)の看板が見える。

「眞野美容院」の看板があるのは明治通り沿いの現「トラスティ渋谷ビル」(渋谷1−24-1)。

後方に見えるのは明治通り沿いの「都営宮下町アパート」(現「渋谷キャスト」渋谷1-23-21)。

作品データ
映画「クレージーメキシコ大作戦」
監督:坪島孝

1968(昭和43)年/東宝

出演:植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、浜美枝、園まり、大空真弓、春川ますみ、田武謙三、十朱久雄、藤岡琢也、中丸忠雄、藤田まこと、人見明、ザ・ドリフターズ(いかりや長介、加藤茶、荒井注、仲本工事、高木ブー)

花岡組の清水忠治(ハナ肇)はメキシコ展に展示中の石像を盗む。石像にはメキシコの秘宝のありかの手がかりが隠されており、アメリカのギャングから石像を盗むよう指示を受けていたのだ。しかし石像は酒森進(植木等)の手に渡る。酒森は美術学校の学生村山絵美(浜美枝)に石像のレプリカを作らせ、レプリカを花岡組に500万円で売り込む。花岡(田武謙三)はレプリカを持って渡米、清水もこれを追った。一方酒森は名外科医と間違えられて拉致され、アメリカのギャング団のボスの脳手術をするために彼もまたアメリカに渡ることになる。
メキシコオリンピックに向けて撮影された作品で、サンフランシスコやメキシコでのロケは豪勢だが、だらだらと長い作品。【福】

映画「コント55号 人類の大弱点」(1969)

宮下第1歩道橋をわたり宮下公園側から明治通りを渡る大垂欽一(萩本欽一)。後方右に宮下公園、中央に渋谷川。左側のビルは明治通り沿いの現「トラスティ渋谷ビル」(渋谷1−24-1)。

作品データ
映画「コント55号 人類の大弱点」
監督:福田純

1969(昭和44)年/東宝

出演:萩本欽一、坂上二郎、岡田可愛、小林夕岐子、宮地晴子、白川由美、いしだあゆみ、チコとビーグルス

様々な分野で詐欺をはたらくことから「通産省」と異名をとる大垂欽一(萩本欽一)はある日電気店の店員を装って詐欺係に配属されたばかりの刑事駒形二郎(坂上二郎)を騙し、駒形は電気店に泥棒扱いを受けてしまう。ここから駒形と大垂の長年にわたる追走劇が始まる。
当時多くの国民が感じていたコント55号への愛着があってはじめて成立するドラマ。意外と萩本欽一が愛嬌に乏しく楽しみにくい。【福】

映画「私が棄てた女」(1969)

女工時代からの友人深井しま子(夏海千佳子)のもとに一度は身を寄せた森田ミツ(小林トシ江 )だが、しま子は情夫(江角英明)と同居し売春の斡旋をしていたため荷物を持ち早朝アパートを去る。
遠方に国立代々木競技場。ミツが昇った階段は国立代々木競技場や線路の位置関係、手摺のデザインから「宮下公園」と特定。

作品データ
映画「私が棄てた女」
監督:浦山桐郎

1969(昭和44)年/日活

出演:河原崎長一郎、浅丘ルリ子、小林トシエ、小沢昭一、加藤武、岸輝子、辰巳柳太郎、加藤治子、夏海千佳子、佐野浅夫、露口茂、早野寿郎、大滝秀治、江守徹

社長の姪マリ子(浅丘ルリ子)との結婚を控え将来を約束されていた吉岡務(河原崎長一郎)は、ある日抱いたクラブの女から森田ミツ(小林トシ江)の名前を聞いて驚いた。ミツは吉岡が学生時代遊びのつもりで関係を持ち棄てた女工であった。ある日マリ子の親族への挨拶のため車で移動していた吉岡は、街でミツを見かけ追いかける。ミツが7年経った今でも吉岡のことを愛していたことを知り、吉岡の心は揺れ始める。
無教養だが自らを犠牲にして人を愛するミツと、地位と献身的な愛の間で悩む吉岡の姿を描く。
ドラマでは情けない役どころが多い印象の河原崎だが本作では美しい浅丘ルリ子に愛される役。小林トシ江が地方出身の素朴な女工の献身的な愛をみごとに演じている。パートカラーで製作されており、吉岡の回想シーンは緑のフィルター、ミツの回想シーンは赤のフィルターがかかり、ミツが「新相馬節」を歌うシーンで映る相馬野馬追の様子とラストのシークエンスのみカラー映像になる。原作は遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」。【福】
日活
私が棄てた女 | 映画 | 日活 すべてを与え、すべてを捧げて棄てられた女の一生-。偽りの現代を痛烈に断罪する告発ドラマ!

映画「女子学園 ヤバい卒業」(1970)

ストーリーとは無関係に「青春の詩」を吉田拓郎本人が歌うシーンが挿入される。吉田の背後に「丸井」と「日本生命」。「日本生命」は神南1-21-1に現存、「丸井」は神南1-21-3、現「渋谷モディ」の位置にあった。

作品データ
映画「女子学園 ヤバい卒業」
監督:澤田幸弘

1970(昭和45)年/日活

出演:夏純子、岡崎二朗、城野ゆき、応蘭芳、河津清三郎、玉川伊佐男、藤圭子

白ばら学園に通う久保忠江(夏純子)ら5人の中学生グループはチンピラの小石(岡崎二朗)とも交流があり学校や警察から目をつけられている。彼女のグループは次々に起こす問題に対し学校側は無期停学処分を下す。これに対し忠江らは学園長の不正を暴こうと行動を始める。
他愛もないストーリーで、ピンク要素もそれほどなく映画としては見るべきものはない。夏純子が中学生という設定も無理筋だが、柳家金語楼の娘有崎由見子、唐突に歌謡ショーのシーンがはさまる藤圭子、宮下公園で歌う吉田拓郎が見られるのは収穫。【福】
日活
女子学園 ヤバい卒業 | 映画 | 日活 女子学園シリーズ第2弾。純潔教育の名のもと風紀粛正に乗り出した学校に卒業を控えた女子中学生が巻き起こすセックス革命を描く青春娯楽作

映画「不良少女魔子」(1971)

魔子(夏純子)のグループが東急本店で万引した女子高生達をカツアゲするシーン。渋谷1-26あたりと思われる。

作品データ
映画「不良少女魔子」
監督:蔵原惟二

1971(昭和46)年/日活

出演:夏純子、藤竜也、小野寺昭、岡崎二朗、宍戸錠

日活
不良少女 魔子 | 映画 | 日活 不良少女の衝動的な青春を夏純子主演で描いた、蔵原惟二の監督デビュー作。

ドラマ「ウルトラマンA 第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』」(1972)

冒頭、超獣アリブンタが獲物となる女性を探すシーン。
公園の内部の様子、隣接する場所の様子から1966年駐車場の上部に移された後の「宮下公園」と思われる。

作品データ
ドラマ「ウルトラマンA 第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』」
監督:真船禎

1972(昭和47)年/TBS

出演:高峰圭二、星光子、瑳川哲朗、沖田駿一、山本正明、西恵子、佐野光洋、中山克己、梅津昭典、宮野リエ

女性が蟻地獄に吸い込まれて消える事件があいつぐ。消えた女性たちに共通なのは血液型がO型ということだった。ある日北斗(高峰圭二)と南(星光子)がショッピングをしていると、南が蟻地獄に吸い込まれそうになりすんでのところで北斗に助けられる。その時北斗と南は巨大な蟻を目撃した。【福】

ドラマ「ウルトラマンタロウ 第3話『ウルトラの母はいつまでも』」(1973)

地中から聞こえるライブキングの声を怪しむ住民と駆けつけるZAT隊員。住民がのぞき込んでいるのは、当時「宮下公園」の南側にあった渋谷川に宇田川の暗渠が合流する地点。現在の「のんべい横丁」の北東、「宮下公園」の入口あたり。

作品データ
ドラマ「ウルトラマンタロウ 第3話『ウルトラの母はいつまでも』」
監督:山際永三

1973(昭和48)年/TBS

出演:篠田三郎、名古屋章、東野孝彦、三谷昇、三ツ木清隆、木村豊幸、津村秀祐

河原に現れた怪獣コスモリキッド。ウルトラマンタロウに攻撃され穴に吸い込まれたコスモリキッドだったが、同時に東光太郎(篠田三郎)も穴に吸い込まれてしまった。その穴は怪獣ライブキングの口だった。宇宙科学警備隊ZATの作戦によりコスモリキッドはライブキングの体から出ることができたが東は脱出することができなかった。朝日奈隊長(名古屋章)はコショウ1トンを散布しライブキングにくしゃみをさせることで東を救い出す。ウルトラマンタロウの攻撃により怪獣は死んだかに見えた。しかし、やがて地中からライブキングの声が聞こえ始めた。ライブキングは地中でまだ生きていたのだ。【福】

映画「太陽を盗んだ男」(1979)

警察に5億円を要求した城戸誠(沢田研二)はメーデーに湧く街をカバンに原爆を入れて持ち歩く。
公園通りを進むメーデーのデモ隊の空撮。
右側の線路が山手線、その背後に黒い屋根ののんべい横丁が見える。
「明光証券」の看板は「渋谷住友信託ビル」(神南1-22-3 / 現在「KCA渋谷プロジェクト」が2025年7月の完成に向けて建設中)、その背後が「宮下公園」。
背後の「東急イン」は現「渋谷東急REIホテル」(渋谷1-24-10)。

作品データ
映画「太陽を盗んだ男」
監督:長谷川和彦

1979(昭和54)年/キティ・フィルム

出演:沢田研二、菅原文太、池上季実子、風間杜夫、伊藤雄之助

中学の理科教師城戸誠(沢田研二)は原爆を作ることをひそかに計画していた。彼は交番を襲って拳銃を奪い、原発に侵入して入手したプルトニウムを使い自宅で原爆を完成させた。彼はまず国会議事堂に原爆のレプリカを置き、警察庁長官に知らせることで自分が原爆をつくる能力があることを示した。その上で自分との窓口に捜査一課の山下警部(菅原文太)を指定した。城戸はかつてバスジャック事件をきっかけに山下警部(菅原文太)を知ったのだ。城戸は原爆を材料にナイターの放送延長を要求する。【福】

映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」(1980)

オープニングで、斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)が犯人(佐藤蛾次郎)を取り逃がす。背後に「宮下公園」(現「MIYASHITA PARK」)。

作品データ
映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」
監督:斎藤光正

1980(昭和55)年/角川春樹事務所=東映

出演:中村雅俊、勝野洋、大楠道代

斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)の二人組は出来の悪い刑事。ある日銀行強盗の訓練で強盗に扮した二人が現金入りのジュラルミンケースを奪って逃走中にそれを何者かに奪われてしまう。【福】

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