山手線|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

山手線

日本鉄道が官設鉄道(後の東海道本線)との連絡線として1885年に開業した品川―赤羽間が最初の形態で、1903年に池袋―田端間が開業。1906年に日本鉄道は国有化され、1909年に「山手線」と線路名称の制定される。1987年、国鉄の分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道に所属。(「コトバンク」より)

目次

映画「サラリーマン目白三平」(1955)

村上(小林桂樹)から招待券をもらい、目白一家(笠智衆、望月優子、杉本修、日吉としやす)は坂東流の舞踊発表会へ出かける。
山手線から見た「東急百貨店東横店」。右端の「丸安」は「丸安百貨店」(現「丸井渋谷店」神南1-22-6)。

作品データ
映画「サラリーマン目白三平」
監督:千葉泰樹

1955(昭和30)年/東映

出演:笠智衆、望月優子、小林桂樹

目白三平(笠智衆)は国鉄に勤め妻と二人の子を持つサラリーマン。安い靴を仕立てようとして高くついてしまったり、ネクタイ屋の懸賞で大金が当たったが周囲にたかられてしまったり、一家で舞台を見に行ったりというエピソードを通じ、妻(望月優子)と対立したり協調したりしながら毎日をおくる彼の日々を描く。【福】

映画「暗黒の旅券」(1959)

殺された西条弘美(沢たまき)のバッグの中に残されていたプレゼントが、ゲイボーイのケニー(ケニー青木)からの贈り物ということをつきとめた伊吹重夫(葉山良二)は、ケニーの店「バー チドリ」に向かう。
左が山手線。「日本生命」の看板は「日本生命渋谷支店」、「火災」の看板は「住友海上火災渋谷支店」、舞台となる「バー チドリ」は実在の店舗。いずれも桜丘町の山手線沿い道に面した一画(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

右は山手線、遠方に「東急百貨店東横店」。「バー チドリ」は実在の店舗(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

左は山手線。「大和田商店」「シブヤテーラー」の看板はいずれも桜丘町の山手線沿い道に面した一画(桜丘町3)。当時の住宅地図より特定。再開発に伴い現在この道は廃道となり、沿道の街区を含め「渋谷サクラステージ」セントラルビルの一部となっている。

作品データ
映画「暗黒の旅券」
監督:鈴木清順

1959(昭和34)年/日活

出演:葉山良二、筑波久子、岡田眞澄

ジャズバンドのバンドマスター伊吹重夫(葉山良二)は歌手の西条弘美(沢たまき)と結婚、新婚旅行に向かった。だが伊東に向かう列車から新婦の西条が姿を消した。伊吹はメンバーの勝根(岡田眞澄)と共に探し回るが見つからず、泥酔して自宅に戻ったところ絞殺された西条弘美を発見した。伊吹に新婦殺しの疑いがかけられ取り調べられる中で、西条弘美のバッグの中からヘロインが発見されたことを知る。彼は泥酔した前日の記憶をたよりにバー「壺」に立ち寄る。そこのママ(白木マリ)もバーテン(深江章喜)も何かを隠している様子だった。【福】
日活
暗黒の旅券 | 映画 | 日活 花嫁が失踪、死体となって発見され、ミュージシャンの夫が復讐と真相究明に乗り出す。筑波久子と白木マリの共演、沢たまきの歌唱シーンも観られる鈴木清順監督作品。

映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960)

冒頭、石野貞一郎(小林桂樹)が通勤で使う渋谷駅の空撮が映る。左右に横切るのが山手線、右下に伸びるのが京王井の頭線等。手前がハチ公前広場と駅前交差点。中央に「東急百貨店東横店」、その背後に「東急文化会館」が映る。

作品データ
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」
監督:堀川弘通

1960(昭和35)年/東宝

出演:小林桂樹、原知佐子、中北千枝子

石野貞一郎(小林桂樹)は妻子を持ちながら職場の梅谷千恵子(原知佐子)と不倫の関係にあった。ある日梅谷の部屋の近くで石野は隣人の杉山(織田政雄)を見かけ思わず会釈を交わす。後日杉山は殺人の容疑で身柄を拘束されるが、アリバイとして石野と新大久保で会ったことを主張した。石野が杉山と会ったことを認めれば世間に不倫が明るみになる。石野は我が身を守るか、隣人を救うかの間で思い悩む。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

パトカーが逃走した犯人が乗り捨てた車を発見する。
場所は明治通りの宮下公園交差点。正面の左右が「宮下公園」、線路は山手線、ガードは上渋谷ガード。「純愛物語」で同地点が映っており「東急百貨店」など周囲の建物から特定済み。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第267話『焔の丘』」(1967)

特捜隊の橘部長刑事(南川直)、桃井刑事(轟謙二)は焼死した秋津芳子(津村悠子)の姉の吉村龍子(荒川さつき)の事務所へ向かう。
吉村龍子の事務所があるのは「番匠ビル」(現存 / 神南1-9-10)。両刑事の車が走っているのは山手線沿いのいわゆる「ファイアー通り」。右手奥に山手線と当時カナリア色と呼ばれた黄色い車両が見える。左手は「岸記念体育館」(2024年1月現在代々木公園拡張工事中 / 神南1-1-1)。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第267話『焔の丘』」
監督:松島稔

1967(昭和42)年/NET

出演:波島進、南川直、轟謙二

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第267話「焔の丘」
ある山荘が放火され2つの焼死体が発見される。山荘の主人秋津源三と妻芳子と思われた。芳子は精神を病み、その面倒をみるため看護婦波岡幸子が同居していたが事件後浪岡の消息は不明となっていた。火災の現場へ姉夫婦と同居していた暎子が現れる。暎子は事件の前日長姉の龍子から呼ばれ東京に向かい火災を免れたのだが、龍子に会ってみると彼女は暎子を呼んだ覚えがないと言ったという。【福】

映画「十代 恵子の場合」(1979)

鉄(三浦洋一)と寝たと誤解された恵子(森下愛子)は鉄の愛人の“山の手のお竜”(吉岡ひとみ)に拉致される。
山手線外回り沿いで鉄道の方が高い道ということで、神宮通りの一本裏の道(神南1-23)と推定。屋台がたくさん停めてある。

作品データ
映画「十代 恵子の場合」
監督:内藤誠

1979(昭和54)年/東映

出演:森下愛子、三浦洋一、風間杜夫、殿山泰司

高校2年の恵子(森下愛子)の家庭は父母のいさかいが絶えず、また最近学業も振るわず行き詰まっていた。ある日図書館で声をかけてきた高校生のたまり場へ行き、そこでチケットを買わされたパーティに向かうとそこでは麻薬と性が蔓延していた。襲われそうになった恵子はやくざの鉄(三浦洋一)に助けられ、鉄とつきあうようになった恵子は鉄と組んで美人局まで行うようになっていた。ある時上納金が原因のもめ事で兄貴分の石黒(成瀬正)を傷つけてしまった鉄は恵子を連れて地方へ逃げる。恵子がトルコ風呂で働き、鉄は博打にのめりこみ、覚醒剤漬けの日々が始まった。
恵子が想定内の流れで身を落とし想定内の結末が待っている、何もひねりのないストーリーに音楽も安っぽいムード音楽ながら、1979年の渋谷の風景をふんだんに観ることができるありがたい作品。つかこうへいの「熱海殺人事件」で木村伝兵衛を演じた三浦洋一(初代)と風間杜夫(二代目)が出演しているのが演劇ファンにとってはちょっと嬉しいポイント。【福】

映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」(1980)

オープニングで、斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)が犯人(佐藤蛾次郎)を追う。「のんべい横丁」前の山手線沿いの道。背後に見える「三和銀行」は現「MAGNET by SHIBUYA109」(神南1-23-10)。「テクニクス」の看板は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。

作品データ
映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」
監督:斎藤光正

1980(昭和55)年/角川春樹事務所=東映

出演:中村雅俊、勝野洋、大楠道代

斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)の二人組は出来の悪い刑事。ある日銀行強盗の訓練で強盗に扮した二人が現金入りのジュラルミンケースを奪って逃走中にそれを何者かに奪われてしまう。【福】

映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)

次第に生活が荒れていく中川(日下武史)から「雀荘に金を持ってこい」という連絡を受けた亮(陣内孝則)は中川を諭しに向かう。電信柱に「渋谷1-27」の住居表示が見える。渋谷駅北側線路沿い、中渋谷ガード手前。

作品データ
映画「極道渡世の素敵な面々」
監督:和泉聖治

1988(昭和63)年/東映

出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男

坂井亮(陣内孝則)は賭けマージャンで金が払えずやくざの中川(日下武史)に袋叩きに会うが、それが縁で中川の家に居候することになる。やくざの道に入った坂井は債権回収に才能を見せ、次第に周囲から認められていく。ある日喧嘩で腹を刺され病院に入院したことがきっかけで院長の娘小宮圭子(麻生祐未)と知り合い、互いに好意を抱くようになる。
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】

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