神南地区|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

神南地区

東京都渋谷区渋谷3-19
JR山手線と公園通りの間、及びNHK放送センター、国立代々木競技場を含む地区。

目次

映画「望郷の海」

1962

清(藤竜也)と恵子(松尾嘉代)の死後閉鎖したままの「栄光ジム」を出る雄志(小林旭)。パルコ前からタワーレコード方面へ下る坂。「栄光ジム」として使われているのは現「Gビル渋谷01」(神南1-20-14)の場所にあった倉庫。背景の「住友生命」「教科研究社」の看板と当時の住宅地図から場所を特定。

作品データ

映画「望郷の海」
監督:古川卓己
1962(昭和37)年/日活
出演:小林旭、松原智恵子、深江章喜、楠侑子、郷鍈治、金子信雄、藤竜也、松尾嘉代

世界タイトル戦に向けたボクシングの試合の夜、勝者の清(藤竜也)がトレーナー雄志(小林旭)の恋人恵子(松尾嘉代)と心中しているのが発見された。恋人と弟子に裏切られた雄志は失意の日々を送る。雄志の様子を見かねた対戦相手竹村(郷鍈治)の妹せつ子(松原智恵子)は、あの試合で八百長が仕組まれていたこと、清が八百長を拒んだことから井沢(深江章喜)に殺されたことを伝える。雄志は清と恵子のために復讐することを誓い、井沢が住む伊東へ向かう。【福】

映画「安藤組外伝 人斬り舎弟」

1974
安藤組外伝 人斬り舎弟

安藤組の事務所として「安藤興行」の看板が設置されているのは「タワーレコード」から「パルコ」に上る坂沿いにあった「川津ビル」(現「BC JINNAN PROPERTY」神南1-20-17)。画像のシーンの直前に映っていたビルの袖看板「東洋証券」を手がかりに「証券業報 (昭和63.9)」で「東洋証券渋谷支店」の位置を特定。

安藤組外伝 人斬り舎弟
安藤組外伝 人斬り舎弟

安藤組が拠点としていたバーの前の道としても使われ、冒頭、渋谷駅前で安藤昇(安藤昇)にぶつかった日向謙(菅原文太)が歩き去っていく昭和24年のシーンでも使われているのは、「三千里薬品神南店」が入っている現「MAGNET by SHIBUYA」(神南1-23-10)裏の山手線との間の路地。左側が山手線、つきあたりに「東急百貨店東横店」が見えている。24年当時のシーンで映っていたバー「のあーる」の看板から位置を特定した。

作品データ

映画「安藤組外伝 人斬り舎弟」
監督:中島貞夫
1974(昭和49)年/東映
出演:安藤昇、梅宮辰夫、室田日出男、渡瀬恒彦 、前田吟、安岡力也、菅原文太

昭和24年、渋谷では愚連隊の野田進一(梅宮辰夫)や日向謙(菅原文太)が幅をきかせていた。日向は安藤組組長安藤昇(安藤昇)と出会う。ある日警察に逮捕された津吹哲也(渡瀬恒彦)と日向の身元を安藤が引き受けたことから、二人は安藤と親子の盃を交わす。
二人は米軍からの流出品をめぐり白系ロシア人の人斬りジム(安岡力也)と争いになり、津吹は人斬りジムを斬殺するかわりに片腕を失う。日向は刑務所に服役した。
日向と入れ替わりに安藤組に入ったのが野田。その頃から安藤組は渋谷で勢力を伸ばしていく。
昭和29年には組の事務所を開設するが、この頃から日向の暴力的な奇行が目立つようになり、また橋本(藤山浩二)の子分木谷(郷鍈治)の扱いをめぐって野田と日向の対立が深まる。
主人公の菅原文太が意味もなく暴れ過ぎでなんら感情移入できない一作。【福】

映画「モナリザお京」

1971
モナリザお京

大阪からやってきたスリのガチャ子(正司敏江)がお京(渥美マリ)へ弟子入りを迫り追い回すシーン。
二人が横断するのは公園通り。左側が宇田川町、右側が神南神南1-20付近。左上隅に「東京山手教会」(宇田川町19-5、現存)の看板が見える。右側「Cabin」の看板が見えるのは「根本ビル」(楽天モバイルがある現「マ・メゾンしぶや公園通りビル」神南1-20-6)。「渋谷区商工名簿1980」で特定。
「渋谷パルコ」出店前なので街灯も舗装も普通の町並み。

モナリザお京

大阪からやってきたスリのガチャ子(正司敏江)がお京(渥美マリ)へ弟子入りを迫って追い回し、その途中で老刑事のデカヒゲ(早川雄三)のサイフをスリ取る。
デカヒゲが電話をかけている洋品店「シオツボ」と「ポタセル」がある建物は渋谷1-20-7の現「川原ビル」。「渋谷区商工名簿1980」で特定。
「シオツボ」についてはネット上の情報によれば喫茶店もあったようだ。

モナリザお京

スリのガチャ子(正司敏江)が追い回しているお京(渥美マリ)の後ろ姿。
左側「RESTAURANT」の表示がある「レストラン・ココノエ」があるのは現「Vort渋谷 Briller」(神南1-20-4)、その向こう「高木證券」は根本ビル(楽天モバイルがある現「マ・メゾンしぶや公園通りビル」神南1-20-6)。正面に見えるのは「丸井渋谷店本館」(神宮1-22-6)。当時の住宅地図で特定。

作品データ

映画「モナリザお京」
監督:石井岩太郎
1971(昭和46)年/大映
出演:渥美マリ、川津祐介、早川雄三、正司敏江、菅野直行

スリのお京(渥美マリ)は、海外で時価数億円のブローチ「海の星」が盗まれたというニュースを知り、怪盗シャドウの仕業とにらんだ。ある日「海の星」を追っている探偵の青柳(川津祐介)とバーで知り合った彼女は、「海の星」を狙って行動を始める。老刑事のデカヒゲ(早川雄三)がこれを追う。【福】

映画「裸でだっこ」

1970
裸でだっこ
裸でだっこ
裸でだっこ

恋人の武志(青山良彦)に呼び出されたユミ(渥美マリ)はラブホテルへ向かう。
ユミが向かう坂の上のラブホテルは公園通りと神宮通りの間にあった「ホテル渋谷ヒルトップ」(現「フリークスストア渋谷店」神南1-13-1)。当時の住宅地図から特定した。

作品データ

映画「裸でだっこ」
監督:湯浅憲明
1970(昭和45)年/大映
出演:渥美マリ、古今亭志ん朝、青山良彦、松原マモル、大谷直、梅津栄、大泉滉

ユミ(渥美マリ)、武志(青山良彦)、ケン(大谷直)、トオル(松原マモル)の4人はそれぞれに夢があった。ある日彼らは自分たちの夢を実現するため三百万円を貯める計画をたてる。当初は賞金目当てにダンス大会へ出場などしていた彼らだったが、思うように金が貯まらない彼らは、ユミを使った美人局やインチキ賭博に手を染めだした。【福】


東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「東京些末観光:渋谷定点観測02-22」も併せてどうぞ。

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