道玄坂2丁目地区|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

道玄坂2丁目地区

宮益坂、青山通りと六本木通りにはさまれた、渋谷駅および金王坂を含む地区。

道玄坂を中心とし、銀座線と文化村通りにはさまれた地区。東急本店、渋谷109、百軒店などが立地している。

目次

映画「抜き射ち風来坊」(1962)

日本へ梨花(松原智恵子)を連れ帰国した神原(宍戸錠)。二人は日本の休日を楽しむ。
二人が屋上にいるのは「東急百貨店東横店」の屋上にあった時計台の下。シーンの冒頭、井の頭線・銀座線車庫方面から渋谷駅前交差点までの眺望がパンで映される。
左端手前の白い塔は「東急百貨店東横店」屋上の換気塔。そこから奥へ延びているのは銀座線車庫への路線、SONYの広告が出ているのは当時の航空写真から「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)と推定、右隅の茶色の建物が「SHIBUYA109」あたり。1963年の航空写真および平凡社「社会科見学パノラマ図鑑 5 (大都会のいとなみ)」(1958)の「東急百貨店」の図から特定。

作品データ
映画「抜き射ち風来坊」
監督:小杉勇

1962(昭和37)年/日活

出演:宍戸錠、松原智恵子、金子信雄

漁船が抑留され韓国に拿捕されていた土門(金子信雄)、秋山(中台祥浩)、神原丈二(宍戸錠)の3人。彼らは脱走を図ったが土門は秋山を傷つけ漁船に乗ってひとりだけ脱走していった。神原は日本人を母にもつ韓国人の梨花(松原智恵子)とその父親に助けられ韓国内に潜伏していたが、秋山は介抱の甲斐なく死亡した。神原は秋山の仇をとることを誓う。ある日梨花と密航に成功し故郷に帰った神原だが、元の仲間の態度は冷たかった。先に帰国し成功をした土門が秋山は神原に殺されたと吹聴していたのだ。土門の部下で秋山の弟の清次(平田大三郎)も神原に復讐する機会を伺っていた。【福】
日活
抜き射ち風来坊 | 映画 | 日活 粋なスタイルと独特なムードでますます快調のエースのジョーが抜き射ち手練に男の意地と復讐を賭けて叩きつける豪快アクション巨篇

映画「暗黒街大通り」(1964)

冒頭、東京の繁華街各所が映るが、その中で渋谷の駅前が映る。
左側の丸に緑のネオンは「緑屋」(現「渋谷プライム」道玄坂2-29-5)、横に照明が何本も延び上に長谷川工務店の赤いネオンがあるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、大きく「東亜」の文字の看板は生地専門店「東亜」(現「FPGリンクス渋谷道玄坂」宇田川町23-5)、「宮田の家具」「森永の洋菓子」のネオンは「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-2)。

作品データ
映画「暗黒街大通り」
監督:井上梅次

1964(昭和39)年/東映

出演:高倉健、梅宮辰夫、待田京介、三田佳子、金子信雄、安部徹、大木実

やくざの忍朝二郎(大木実)はある日3人の息子の目の前で殺される。黒岩元(安部徹)率いる黒岩組のしわざと思われた。3人の息子は中万組の中田万造(金子信雄)のもとに引き取られるが、息子たちの結束の固さが将来自分を脅かすことになると考えた中田は3人を離れ離れの家に奉公に出そうとするが、それを告げられた晩に3人は家出した。十数年後成人した鉄也(高倉健)、銀二郎(梅宮辰夫)、健三(待田京介)の3兄弟が中田のもとに帰ってきた。銀二郎は銃の達人、健三は強肩のパンチャーになっており、3人とも父の組の再興を夢見ていた。【福】

映画「愛しながらの別れ」(1964)

新生会に呼び出され光枝(和泉雅子)と兄の件を組に任せろと迫られた勝太(浜田光夫)は事務所を飛び出し、新生会のやくざと追跡劇をくりひろげる。
勝太が走っているのは「道玄坂百貨街」(現「渋谷プライム」道玄坂2-29-5のあたり)。「羊肉館 珉珉」「江山楼」「理容ゆかり」などの看板から当時の住宅地図や火災保険特殊地図により特定。

ビルの裏手に回り新生会から逃げおおせたかと思った勝太(浜田光夫)が敏坊(高島稔)に見つかり乱闘になる。
背後に見えるのは前後のロケ地の位置関係、高さと新しさからみて1963年に建設された「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)の裏と思われる。

敏坊(高島稔)を撃退したものの刃物を手にしていたことから強盗と間違えられた勝太(浜田光夫)は人々から追われる。
逃げる勝太の背後に「恋文横丁商店街」の看板。現「渋谷プライム」(道玄坂2-29-5)の裏のあたり。

愛しながらの別れ

逃げる勝太(浜田光夫)は道玄坂から横道に入る。
勝太が走っているのは井の頭線西口のある大和田ガードに向かう道。1枚目背後の「タカラヤ」の看板は現「道玄坂センタービル」(道玄坂2-29-7)、2枚目右側「文寿司」、3枚目右側「入江」の看板は現在の「鳥升ビル」と「道玄坂Plazaビル」(道玄坂2-6-11)。

作品データ
映画「愛しながらの別れ」
監督:江崎実生

1964(昭和39)年/日活

出演:浜田光夫、和泉雅子、山内賢

バーテンの森本勝太(浜田光夫)はやくざ新生会の息のかかった店を辞め、新しいアパートに住みついた。アパートの管理人一家は、夫を亡くした母親の政江(東恵美子)は愛人(近藤宏)との情事に溺れ、息子の利夫(山内賢)はやくざになり家を出て、娘の光枝(和泉雅子)がひとりで病気の祖母カネ(原泉)や妹たちの面倒をみていた。勝太はかたぎの職につき新生活を始め光枝との交流も深まったが、ある日新生会時代の仲間敏坊(高島稔)が訪ねてきて金を無心する。【福】
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映画「大冒険」(1965)

谷井(谷啓)の妹悦子(団令子)を誘拐したニセ札偽造団が日本から撤退するため車で移動するシーン。道玄坂2-6と2-7の間の道。
「サントリーバー紫苑」「辻質店」「ジャルダン」「モナリザ」などの店名から場所を特定した。

作品データ
映画「大冒険」
監督:古澤憲吾

1965(昭和40)年/東宝

出演:植木等、谷啓、団令子、ハナ肇、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、越路吹雪

国際的なニセ札偽造団が問題になっていた。週刊トップの記者植松唯人(植木等)と隣人の発明家谷井哲介(谷啓)は日本にもニセ札が上陸しているのを発見、植松の書いた記事は大スクープになった。一方警察の花井刑事部長(ハナ肇)、乾刑事(犬塚弘)、市橋刑事(石橋エータロー)は植松が知らずに使った一万円札がニセ札だったことから偽造団の一味と勘違いして植松の追跡を開始する。偽造団の東京地区の責任者、金融会社森垣金融の森垣久美子(越路吹雪)は植松の命を狙う一方日本からの撤退を図り、人質として警察のスパイの疑いがある谷井の妹悦子(団令子)を拉致して移動を始める。植松と谷井は悦子のコンパクトに仕込んでいた発信機の信号を追って名古屋、神戸、さらには偽造団の潜水艦の艦内と移動、警察がこれを追う。偽造団に発見された植松と谷井は処刑されそうになるがその時……。
クレージー・キャッツ結成10周年記念映画だけに予算が潤沢、アクションシーンや特撮がたっぷりの見応えのある作品。【福】

映画「縄張はもらった」(1968)

東京に戻った寒河江(小林旭)を狭間組がつけ狙う。寒河江、飯塚(大浜詩郎)、中津(郷鍈治)の3人は寒河江を狙い、つけてきた狭間組の組員を「長谷川スカイラインビル」の裏におびきよせ痛めつける。
カメラは乱闘の様子をビルの上から映す。右下の白い影が乱闘する寒河江たち。映っている木造建物は洋品店「三丸」および「マルクニマーケット」一帯(道玄坂2-29)。現「SHIBUYA109」。左側が文化村通り、上が道玄坂。道玄坂の「アメリカ屋靴店」は現在「エクセルシオール・コーヒー」がある「岩崎ビル」(現存、道玄坂2-6-1)、その右隣は「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。

作品データ
映画「縄張はもらった」
監督:長谷部安春

1968(昭和43)年/日活

出演:小林旭、宍戸錠、二谷英明

8年ぶりに出所した一文字組の代貸寒河江(小林旭)。だが組長の源造(加原武門)は病床にあり、組の縄張りもすっかり狭間組に奪われていた。源造の勧めで寒河江は狭間組に世話になることになる。組長の狭間(戸上城太郎)は青葉組と遠野一家から振興工業地帯の縄張りを奪えばその土地は好きにしてよいと言われ、話に乗る。青葉組と遠野一家を争わせ共倒れにすることをもくろみ、狭間は寒河江をリーダーとしていかさま師の新庄(藤竜也)、元俳優の鳴瀬(川地民夫)、元歌手の飯塚(大浜詩郎)と中津(郷鍈治)、目付役として狭間組の箱崎(二谷英明)でチームを組んだ。これに一文字組時代の舎弟ジョージ(岡崎二朗)、寒河江を兄の仇と狙う日野(宍戸錠)が加わった。【福】
日活
縄張はもらった | 映画 | 日活 小林旭、宍戸錠、二谷英明の競演で暴力団同士の熾烈な潰し合いを描く。長谷部安春監督のシャープな演出が冴える日活ニューアクションの代表作。

映画「やくざと抗争 実録安藤組」(1973)

オープニングでスタッフ・キャスト名のバックに矢頭(安藤昇)らの乱闘シーンが映る。
安藤らは道玄坂2-27〜28の間の道玄坂小路から百軒店へ続く階段を駈けおり、道玄坂小路を右に曲がって道玄坂へ逃げていく。階段の独特な排水路の形と鉄パイプの手摺、この後のシーンの住居表示版の「28」で特定。

作品データ
映画「やくざと抗争 実録安藤組」
監督:佐藤純彌

1973(昭和48)年/東映

出演:安藤昇、袋正、江守徹、北川恵一、安岡力也、小林稔侍、諸角啓二郎、今井健二、佐藤蛾次郎、深江章喜、室田日出男、佐藤晟也、郷鍈治、内田朝雄、渡辺文雄、藤浩子、山本麟一、八名信夫、松井康子、丹波哲郎

学生やくざ矢頭(安藤昇)は銀座の愚連隊のドス健(山本麟一)と揉め事になり、ドス健は矢頭の子分三吉(佐藤蛾次郎)に刺されて死ぬ。この一件で矢頭の顔には大きな傷跡が残ることになる。当時渋谷の闇市は橋場組と十文字組がとりしきっていたが、矢頭は商人を組織化して橋場組の縄張りを奪うことに成功する。これに対し橋場組は矢頭の店にダイナマイトを投げ込むなど報復をしたが、矢頭が手打ちしたと見せかけたところで子分たちが橋場(諸角啓二郎)に瀕死の重傷を負わせ、橋場組は縄張りを矢頭に譲ることになる。ある日大組織関東桜会会長榊原(内田朝雄)の息子勇吉(郷鍈治)を預かることになった矢頭は、榊原は十文字組と自分たちを対決させたところで渋谷の縄張りを乗っ取ろうとしていると見抜き、十文字組と手を組み勇吉を人質にして関東桜会と対立しようとする。だがこれは矢頭が十文字組を潰そうとする作戦だった。しかし十文字組の方にもまた裏の目論見があった。
矢頭と幼馴染早苗のエピソードが並行して語られるが、とってつけたような話。話の展開も妙におセンチ。【福】

映画「安藤組外伝 人斬り舎弟」(1974)

安藤組と瀬越組の若手が悶着を起こし、これが元となり日向謙(菅原文太)が身を隠すことになる。若手同士が喧嘩をするのは道玄坂2-27、28の間の「道玄坂小路」から「百軒店」へ続く階段の上。左奥階段のつきあたりに現存する「角屋酒店」(道玄坂2-29-10)の「菊正宗」の看板が見える。

酒場でビールを横取りされた警察が、仕返しに愚連隊の津吹哲也(渡瀬恒彦)と日向謙(菅原文太)を無銭飲食の疑いで連行する。津吹と日向が上ろうとしているのは渋谷区道玄坂2-27、28の間の「道玄坂小路」から「百軒店」へ続く階段。階段の独特な排水路の形と鉄パイプの手摺、「宴」の看板、右の喫茶店「竹苑」から場所を特定した。

作品データ
映画「安藤組外伝 人斬り舎弟」
監督:中島貞夫

1974(昭和49)年/東映

出演:安藤昇、梅宮辰夫、室田日出男、渡瀬恒彦 、前田吟、安岡力也、菅原文太

昭和24年、渋谷では愚連隊の野田進一(梅宮辰夫)や日向謙(菅原文太)が幅をきかせていた。日向は安藤組組長安藤昇(安藤昇)と出会う。ある日警察に逮捕された津吹哲也(渡瀬恒彦)と日向の身元を安藤が引き受けたことから、二人は安藤と親子の盃を交わす。
二人は米軍からの流出品をめぐり白系ロシア人の人斬りジム(安岡力也)と争いになり、津吹は人斬りジムを斬殺するかわりに片腕を失う。日向は刑務所に服役した。
日向と入れ替わりに安藤組に入ったのが野田。その頃から安藤組は渋谷で勢力を伸ばしていく。
昭和29年には組の事務所を開設するが、この頃から日向の暴力的な奇行が目立つようになり、また橋本(藤山浩二)の子分木谷(郷鍈治)の扱いをめぐって野田と日向の対立が深まる。
主人公の菅原文太が意味もなく暴れ過ぎでなんら感情移入できない一作。【福】

映画「十代 恵子の場合」(1979)

兄貴分の石黒(成瀬正)を傷つけた鉄(三浦洋一)は街を逃げ回り上野から地方への逃亡をはかる。
「道玄坂2-9」という住居表示がある。道玄坂の一本、「マークシティ」側の街路。左側に看板が出ている「長岩医院」(道玄坂2-9-5)は現存していることを現地で確認(2022年現在)。

街を逃げ回る鉄(三浦洋一)。
「道玄坂小路」から「百軒店」へ続く階段(道玄坂2-27と2-28の間)。階段の独特な排水路の形と鉄パイプの手すり、「椎津ビル」(現存、道玄坂2-28-1)で特定。

作品データ
映画「十代 恵子の場合」
監督:内藤誠

1979(昭和54)年/東映

出演:森下愛子、三浦洋一、風間杜夫、殿山泰司

高校2年の恵子(森下愛子)の家庭は父母のいさかいが絶えず、また最近学業も振るわず行き詰まっていた。ある日図書館で声をかけてきた高校生のたまり場へ行き、そこでチケットを買わされたパーティに向かうとそこでは麻薬と性が蔓延していた。襲われそうになった恵子はやくざの鉄(三浦洋一)に助けられ、鉄とつきあうようになった恵子は鉄と組んで美人局まで行うようになっていた。ある時上納金が原因のもめ事で兄貴分の石黒(成瀬正)を傷つけてしまった鉄は恵子を連れて地方へ逃げる。恵子がトルコ風呂で働き、鉄は博打にのめりこみ、覚醒剤漬けの日々が始まった。
恵子が想定内の流れで身を落とし想定内の結末が待っている、何もひねりのないストーリーに音楽も安っぽいムード音楽ながら、1979年の渋谷の風景をふんだんに観ることができるありがたい作品。つかこうへいの「熱海殺人事件」で木村伝兵衛を演じた三浦洋一(初代)と風間杜夫(二代目)が出演しているのが演劇ファンにとってはちょっと嬉しいポイント。【福】

映画「胸さわぎの放課後」(1982)

沢田知佳(坂上とし恵)が桑田一平(ひかる一平)とデートの待ち合わせ場所「ファッションコミュニティー109」(現「SHIBUYA109」)前に着く。「109」のアップおよび「109」前からの道玄坂2丁目一帯の街並みが映る。
坂上とし恵の背後、右側は「渋谷東宝劇場」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)、隣の「アメリカ屋靴店」は現在「エクセルシオール・カフェ」がある「岩崎ビル」(現存 / 道玄坂2-6-1)、その隣のかばん店「マスミ」は現在「吉野家」(道玄坂2-5-7)。

作品データ
映画「胸さわぎの放課後」
監督:石山昭信

1982(昭和57)年/東映

出演:ひかる一平、坂上とし恵、山下美樹

高校生の沢田知佳(坂上とし恵)は素敵な恋人が現れることを願っていた。ある日部活の練習中に出会った上級生の桑田一平(ひかる一平)に心を惹かれるが、級友の川本紀子(美加里)もまた一平に恋をしており、合同合宿の日に知佳は紀子から一平宛のラブレターを渡すようお願いされてしまう。【福】

映画「BU・SU」(1987)

ある日麦子(富田靖子)は一人で電車に乗りあてどなく渋谷をさまよう。
麦子が立っているのは「ファッションコミュニティ109(現・SHIBUYA109)」前。「109」前から渋谷駅方面を見ている。山手線越しに見える正面の茶色の建物は宮益坂下の「りそな銀行」がある「渋谷協和ビル」(現存、渋谷2-20-11)、その右は「東急百貨店東横店」。右側「マルナン」の看板は2013年閉店した「洋裁生地店マルナン」(現「スギ薬局」道玄坂2-5-1)。

渋谷をさまよう麦子(富田靖子)はサラリーマン(峯のぼる)に声をかけられ喫茶店に入った後、街を歩く。2人が歩いているのは道玄坂上近く。後に見える「成霞堂書店」は現「JMFビル渋谷03」(道玄坂2-11)。

麦子(富田靖子)はサラリーマン(峯のぼる)にラブホテルに連れ込まれそうになる。「ホテルパルゴ」は現「JMFビル渋谷03」(道玄坂2-11)。「ホテルスタークレセント」は現存(道玄坂2-12-5)。

作品データ
映画「BU・SU」
監督:市川準

1987(昭和62)年/東宝映画=日本テレビ放送網

出演:富田靖子、大楠道代、伊藤かずえ、高嶋政宏

森下麦子(富田靖子)は地方から上京し、おば(大楠道代)が営む芸者の置屋で芸者の修行をしながら高校に通う。なかなかクラスメイトに溶け込めない中文化祭の企画を押しつけられた麦子は、ある日八百屋お七の話を知り文化祭でお七を踊ることを思いつく。おばとクラスで目立たない友人(広岡由里子)の協力を得て麦子はお七の練習に取り組み始める。【福】

映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)

亮(陣内孝則)は店で偶然圭子(麻生祐未)と再会して一緒に飲み、朝まで渋谷の街を歩く。
「ホテルパルゴ」「ホテルサンロード」「渋谷胃腸クリニック」「ホテルロダン」などの看板が映っている。道玄坂上交番前交差点近く。「ホテルパルゴ」は現「JMFビル渋谷03」(道玄坂2-11)、「ホテルサンロード」(道玄坂2-12-1)、「渋谷胃腸クリニック」(円山町3-2)、「ホテルロダン」(道玄坂2-14-4)は現存。
「ホテルパルゴ」は元々「ホテルパルコ」という名前だったがのちに「バルゴ」に変更。看板に濁点を後から貼りつけたため看板の濁点が光っていない。

兄貴分の中川(日下武史)が神埼(室田日出男)に殴られたことに腹を立てた亮(陣内孝則)は銃を持って神崎を襲いに向かう。
神崎のいるビリヤード場は井の頭線沿いの「ビリヤード大和田」(道玄坂2-10-17 / 2024年3月現在「道玄坂二丁目南地区市街地再開発」で周辺の「新大宗ビル」と合わせて開発中)。

九州から上京し暴れている保(長倉大介)を亮(陣内孝則)が倒し、これをきっかけに保は亮の子分になる。
奥の「大和田ガード」は現在井の頭線西口のある場所。保が立小便をしている「村さ来」は現「渋谷道玄坂ビル」(道玄坂2-8-7)。背景の看板の「うな鐵」は現「コスモ渋谷館」(道玄坂2-8-7)内に現存。

事務所開きの日、ブティックで見かけた服を買うために保(長倉大介)は一人店に寄る。
左側にみえる「串助」は道玄坂小路の「椎津ビル」(道玄坂2-28-1)と特定(「東京都事業所名鑑」(1985)より)。壁面のタイルのパターンは現在もそのまま。背後の緑色の看板「現代から未来」は「トーワ道玄坂ビル」(現存 / 道玄坂2-27-2)にあったファッションヘルス。我々が2002年に撮影した写真に同店が映っていたことから特定。道玄坂小路から百軒店に上る階段付近。

極道渡世の素敵な面々

亮(陣内孝則)は喫茶店で梶山組の庄司(本田博太郎)に3000万円の返済を迫る。
窓の外、高速越しに銀色で丸い特徴的な「Nsw本社ビル」(現存 / 桜丘町31-11)や「セントラルイン渋谷」(現「カプセルホテル渋谷」道玄坂1-19-14)の看板が見えることから、「ストークビル道玄坂」(現存 / 道玄坂2-11-41)2Fの現「ガスト」内での撮影と特定した。

作品データ
映画「極道渡世の素敵な面々」
監督:和泉聖治

1988(昭和63)年/東映

出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男

坂井亮(陣内孝則)は賭けマージャンで金が払えずやくざの中川(日下武史)に袋叩きに会うが、それが縁で中川の家に居候することになる。やくざの道に入った坂井は債権回収に才能を見せ、次第に周囲から認められていく。ある日喧嘩で腹を刺され病院に入院したことがきっかけで院長の娘小宮圭子(麻生祐未)と知り合い、互いに好意を抱くようになる。
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】

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