古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
渋谷2丁目地区
東京都渋谷区渋谷2
宮益坂・青山通りと六本木通りにはさまれた、渋谷駅および金王坂を含む地区。
映画「純愛物語」(1953)
女子少年院の小島教官(楠田薫)に連れられバスで病院に向かうミツ子(中原ひとみ)。
場所は現渋谷二丁目交差点、バスが走る道路は八幡通り。右側は「青山学院」、左の木造の建物は建設中の六本木通りに建つ「東京第二建設事務所」。六本木通りの建設が「青山学院」手前で止まっている箇所。
この後のシーンで広々とした空地(六本木通り)と、その遠方の「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」が見えることから場所を特定した。
小島教官(楠田薫)に連れられバスで病院に向かうミツ子(中原ひとみ)。二人は常盤台バス停で降りるが、「東急バス虹が丘ファン」(https://njfan.sub.jp/)管理人の鶴26様に確認したところ、当時同名の停留所はなく、ロケのための架空のバス停であろうということだ。
場所は六本木通り「青山学院」手前の現渋谷二丁目交差点。二人の背後に延びる空地は建設中の六本木通り。遠方に「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」屋上のプラネタリウムが見える。
ミツ子(中原ひとみ)を失った貫太郎(江原真二郎)は呆然と渋谷の街をさまよう。
貫太郎が歩いているのは建設中の六本木通り。左手「ポニー洋裁店」一帯は現「渋谷三丁目スクエアビル」(渋谷3-5-16)。当時の住宅地図から特定。
中央の高いビルは1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷区渋谷3-6-4)。右端は「東急百貨店東横店」。
1953(昭和28)年/東映
出演:江原眞二郎、中原ひとみ、岡田英次、木村功、加藤嘉、宮口精二、東野英治郎、長岡輝子、楠田薫、藤里まゆみ、小林トシ子、岸輝子
映画「明日を賭ける男」(1958)
宝くじを売る小林典子の父(横山運平)にくじを確認してもらう男。
典子の父が宝くじを売っているのは「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)の横の道。背後の「厚生醫院」は現「春日ビル」(渋谷2-22-14)。
1958(昭和33)年/日活
出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
映画「俺は情婦を殺す」(1958)
親分の倉三(伊藤寿章)を死なせた仲次(長門裕之)が渋谷の「ホテル・メトロ」に現れるとみた警察がホテル周辺を警戒する。
パトカーが停まっている場所は金王坂。背後の建物は「日本キリスト教団渋谷教会」(建替えて現存 / 渋谷2-14-11)。同じ場所が映る別のシーンから場所を特定。
警察は仲次(長門裕之)の手から妻礼子(月玲子)を守るため礼子と子供の確保に向かう。
パトカーが走るのは金王坂。中央の建物は「日本キリスト教団渋谷教会」(建替えて現存 / 渋谷2-14-11)。「渋谷教会」という表示と道路追いの「渋谷質庫」という看板から当時の住宅地図で特定。
右側の空き地は現「渋谷クロスタワー」(渋谷2-15-1)。
悪事が露見し逃げる岡健(弘松三郎)。
1枚目の手前の道は金王坂。中央の建物は「日本キリスト教団渋谷教会」(建替えて現存 / 渋谷2-14-11)。「同じ場所が映る別のシーンから場所を特定。
2枚目の正面の建物は銀座線を隔てた「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)、左側背後の建物は「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。右側の街区は渋谷2-17-5。のち「シオノギビル」を経て現「渋谷アクシュ」。
3枚目の背後の街区は渋谷2-17-5。のち「シオノギビル」を経て現「渋谷アクシュ」。
「同栄信用金庫」の看板は六本木通りを隔てた「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷区渋谷3-6-4)。
4枚目の右側の建物は薬学系の研究所、「乙卯研究所」(渋谷2-17-5 / のち「シオノギビル」を経て現「渋谷アクシュ」)。奥の建物は「東京生命渋谷支社」(渋谷2-17-2 / のち「太陽生命渋谷ビル」を経て現「渋谷アクシュ」)。
逃げる岡健(弘松三郎)は線路に逃げ込む。
営団銀座線。左奥に表参道寄りのトンネルが見える。背後は営団地下鉄の倉庫と資材置場(現「渋谷ヒカリエShinQs」渋谷2-21-1)。
仲次(長門裕之)が岡健(弘松三郎)を追いつめた現場に警察が到着する。
手前が営団地下鉄の倉庫と資材置場(現「渋谷ヒカリエShinQs」渋谷2-21-1)。背後の「南塚洋裁学園」の看板は渋谷2-17-3(のち「南塚ビル」を経て現「渋谷アクシュ」)。
奥の建物は「東京生命渋谷支社」(渋谷2-17-2 / 「太陽生命渋谷ビル」を経て現「渋谷アクシュ」)。
1958(昭和33)年/日活
出演:長門裕之、南風夕子、水島道太郎
映画「殺られてたまるか」(1960)
冒頭、車で家に帰る都築敏(二谷英明)。
場所は青山通りの宮益坂上交差点。
右側で光っているのは「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「千代田生命」は現「あいおいニッセイ同和損保渋谷ビル」(渋谷2-14-18)。
1960(昭和35)年/第二東映東京
出演:梅宮辰夫、三田佳子、久保菜穂子
映画「ファンキーハットの快男児」(1961)
日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。
「安田生命」のビルは宮益坂上(現「Toc第1ビル」渋谷1-8-3)にあった。宮益坂上交差点を南の渋谷2丁目側からみた角度。
車は右側の道に入り桜井の住む「マンション■■」前でとまる。
天下一郎(千葉真一)は境野みどり(中原ひとみ)を処分する依頼を受けた保釈の虎(潮健児)を追う。
中央の道は六本木通り。まだ青山学院の手前までしか開通していない。道路左の小屋が並ぶ部分は高速3号線の用地。背後の右端に「東急文化会館」のプラネタリウムのドームが見える。左端の建物は1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。その横の「住友生命」は渋谷区渋谷3-6-1、現「イースト渋谷ビル」。
1961(昭和36)年/ニュー東映
出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】
映画「波止場気質」(1961)
喧嘩をした山村順(平田大三郎)が入院しているのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。
1961(昭和36)年/日活
出演:川地民夫、平田大三郎、松原智恵子、弘松三郎、安部徹、深江章喜、野呂圭介
映画「セクシー地帯」(1961)
大阪への転勤の撤回を求めて吉岡博司(吉田輝雄)は部長の森川(九重京司)の自宅がある「グリーンマンション」を訪ねる。
「グリーンマンション」という設定なのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。「ファンキーハットの快男児」(1961)と「波止場気質」(1961)に同じ建物が登場し、特に「波止場気質」では実名で登場しているため特定した。
1961(昭和36)年/新東宝
出演:吉田輝雄、三原葉子、細川俊夫
石井輝男監督の「ラインシリーズ」の4作目。「セクシー地帯」と書いて「セクシーライン」と読ませる。【福】
ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)
犯人3人組は駐車中の車を盗み第2の犯行現場へ向かう。
場所は渋谷駅東口。左側の建物は「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-1)。「豊田農園」は現「渋谷東口マイアミビル」(渋谷2-22-13)。当時の住宅地図より特定。
「タキザワ」の看板は「タキザワ酒店」(現「タキザワビル」渋谷2-22-10)。その左は「洋菓子フランセ」(現「渋谷フランセ奥野ビル」渋谷2-22-11)。当時の住宅地図より特定。
逃走する犯人をパトカーが追跡する。
パトカーが走っているのは宮益坂。「シンガーミシン」の看板は「シンガーミシン渋谷営業所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)。当時の住宅地図より特定。
1961(昭和36)年/NET
出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)
第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】
映画「日本一の若大将」(1962)
田沼雄一(加山雄三)が出場している全日本マラソン大会のシーン。青山通りを青山方面から走ってきた選手たちが宮益坂上交差点を左折する。遠方のビルは都電の青山車庫前にあった公団青葉町住宅(現「国際連合大学本部」神宮前5-53-70)。手前に看板が見える「大同生命」は現「青山ダイヤモンドビル」(渋谷1-1-8)の位置にあった。
1962(昭和37)年/東宝
出演:加山雄三、星由里子、田中邦衛、田村奈己
若大将は女性にモテるがそれを意識しないところが爽やかということなのだろうが、今回は中里澄子につれなさすぎて逆に嫌な奴に見える。モデル役の北あけみを除いて若い女性のキャラクターにあまり差がない。【福】
映画「東京アンタッチャブル」(1962)
脱走した川本五郎(丹波哲郎)の一味が興行会社から運び出される金をねらって移動する。一味が走っているのは金王坂。金王坂上から渋谷駅方面に下っている。右に見える「シンガーミシン」は「シンガーミシン渋谷営業所」、手前のガソリンスタンドは宮益坂と金王坂の合流地点にあった「日本石油渋谷給油所」。ともに現在「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」(渋谷2-16-1)になっている。その左側が「東京生命渋谷支社」(「太陽生命渋谷ビル」渋谷2-17-2)と「南塚ビル」(「渋谷アイビスビル」渋谷2-17-3)。ともに2024年まで渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業で工事中。
1962(昭和37)年/東映
出演:三國連太郎、高倉健、渡辺美佐子、三田佳子、丹波哲郎、筑波久子
映画「機動捜査班 群狼の街」(1962)
坂牧組で相次ぐ幹部の死亡に、捜査四課は坂牧組幹部でただ一人生き残っている伴(内田良平)を疑い、伴が住むマンションの前で張り込みをする。
捜査四課の車が張り込みをしている右側の建物は「青山学院短期大学第二ユニオン寮」、左側が「同第一ユニオン寮」(ともに現「みずほ銀行渋谷事務センター」渋谷2-13-3)。伴が住むマンションが「渋谷病院」と特定したことから、道の向かいのこの場所を特定した。
伴(内田良平)が住むマンションという設定なのは「渋谷病院」(渋谷区渋谷2-11-8 / 現「大菅ビルディング」)。「ファンキーハットの快男児」(1961)で同じ建物が登場し特定済。
1962(昭和37)年/日活
出演:青山恭二、香月美奈子、内田良平
映画「クレージー作戦 先手必勝」(1963)
会社をクビになった上田ヒトシ(植木等)が会社を出てとぼとぼと歩くシーン。植木が歩くのは金王坂、植木が出てきた右側の「フクヤマピアノ」と表記のある建物は現「渋谷アイビスビル」(渋谷2-17-3)。正面左の看板のある建物が形状から渋谷3-6-1にあった「住友生命渋谷支店」と推定、金王坂周辺の住宅地図から「フクヤマピアノ」を発見し特定した。
1963(昭和38)年/東宝
出演:植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、池内淳子、中尾ミエ、加東大介、淡路恵子、柳家金語楼、八波むと志、上原ゆかり、松村達雄、沢村貞子、沢村いき雄、坂本九、如月寛多
おなじみののブワーッといく植木等ではなく人情喜劇調のクレージー映画。ドラマはゆったりしんみり進行する。その中でひとり気を吐いていたのが公開当時弱冠17歳の中尾ミエ。明朗快活な達者な演技ととても17歳には見えない貫禄で彼女が出るシーンはぐっと盛り上がる。【福】
映画「野獣の青春」(1963)
かつての同僚広川(鈴木瑞穂)に会った水野錠次(宍戸錠)が自分が今の境遇に至った経緯と野本興行に入った理由を語るシーン。
水野の背後の道は宮益坂。宮益坂上にあった「日本石油渋谷給油所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)が見える。
かつての同僚広川(鈴木瑞穂)とタクシーで移動する水野錠次(宍戸錠)。背後に建設中の「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)が見える。
1963(昭和38)年/日活
出演:宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、小林昭二、信欣三、金子信雄、江角英明、鈴木瑞穂
映画「機動捜査班 裸の眼」(1963)
1000万円を強奪し東京駅のロッカーに隠した後、犯人の柏木(郷鍈治)は車にはねられてしまう。
郷鍈治が立っているのは六本木通り。まだ青山学院の手前までしか開通していない。道路左の小屋が並ぶ部分は高速3号線の用地。右側「山一證券」の看板は「名取ビル」(現存 / 渋谷2-22-8)。左側は手前から「ジーゼル機器本社ビル」(現「ボッシュビル渋谷」渋谷3-6-7)「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。
1963(昭和38)年/日活
出演:青山恭二、楠侑子、上月左知子
映画「敗れざるもの」(1964)
木崎医師(大坂志郎)の再診の結果俊夫(小倉一郎)の脳に異常がありそうなことが判明し、一家は橋本(石原裕次郎)が運転する車で脳外科へ向かう。
車は宮益坂の宮益坂上交差点付近を青山方面に走っている。背景で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。その右の赤いネオンが見えているビルは「千代田生命渋谷第二営業所」(現「あいおいニッセイ同和損保渋谷ビル」渋谷2-14-18)。右端に見えている歩道橋は金王坂上歩道橋(現存)。
1964(昭和39)年/日活
出演:石原裕次郎、十朱幸代、小倉一郎
映画「怪獣大戦争」(1965)
グレン(ニック・アダムス)と恋に落ちた世界教育社の波川女史(水野久美)がドライブにいくシーン。
右側の「埼玉銀行」は現「渋谷東口ビル」(渋谷2-22-3)。その向こうの灰色のビルは「名取ビル」(渋谷2-22-8)、正面の住友銀行の看板があるビルは「渋谷東急ビル」(のちの「東急プラザ渋谷」、現「渋谷フクラス」道玄坂1-2-2)、左側上部に見える「SCH」の看板は「BOSCH」(「ボッシュビル渋谷」渋谷3-6-7)。
1965(昭和40)年/東宝
出演:宝田明、ニック・アダムス、水野久美
映画「シン・ゴジラ」で使用された伊福部昭の「怪獣大戦争マーチ」が勇壮に流れるオープニングに胸躍るが、いざドラマが始まるとあまり胸躍らなかった。【福】
映画「青春前期 青い果実」(1965)
河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をするシーン。
宮益坂(奥)と金王坂(手前)が合流する宮益坂上交差点の歩道橋(現存)。この映画の主要な場所として何度も登場する。宮益坂と金王坂に挟まれた敷地は「日本石油渋谷給油所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)。歩道橋の下に給油機が見える。
河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をするシーン。宮益坂上交差点の歩道橋(現存)から駅方向を見ている。奥に首都高速3号線が見える。左側の空地にのちに「東邦生命ビル」(現「渋谷クロスタワー」渋谷2-15-1)が建つことになる。
約束の時間になっても来ない河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)を待つ椎ノ木武志(太田博之)。宮益坂上交差点の歩道橋(現存)から青山方向をみている。武志の右で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。
暴行されたことを責める母親に反発し家を出た河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)を探す教師の青戸閨子(吉村実子)は宮益坂上交差点の歩道橋で奈津子を見つける。二人の背後に見える「シンガーミシン」のネオンは「シンガーミシン渋谷営業所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)。
河合奈津子が乱暴された件が学校中に広まった元凶は教師の国信高子(初井言榮)であることを知った椎ノ木武志(太田博之)は国信をしつこくつけ回し責め立てる。武志の中で燃える怒りを表現したシーンで武志の背景で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。
1965(昭和40)年/日活
出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏
映画「アジア秘密警察」(1966)
オープニング、首都高3 号線を走る車からのシーン。
左のビルは「ヤマハ音楽教室」「明治生命」の看板があり、「生命保険会社役職員名簿 40年度版」(1965)、「音楽年鑑 昭和41年版」(1965)から「名取ビル」(現存、渋谷2-22-8)と特定。現存しているが外観は変わっている。
中央のビルはGoogleストリートビューの過去の画像から「南塚ビル」(後の「渋谷アイビスビル」渋谷2-7-3、現在隣接する「シオノギ渋谷ビル」等と「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」の施工中)と特定。
その右のマークがついているビルは「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。その右のビルは「岡崎ビル」(渋谷2-14-13)。
南塚ビルと岡崎ビルの間の道路が金王坂。
1966(昭和41)年/日活
出演:二谷英明、浅丘ルリ子、宍戸錠
映画「その人は昔」(1967)
交際していた裕福な男性(山中康司)が既婚者とわかって傷つきひとり歩く洋子(内藤洋子)。
洋子が歩くのは渋谷2丁目。背後で白く光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会クオーツタワー」渋谷2-10-10)。画面左端に「森下仁丹」と縦型のネオンが光っている。赤いネオンは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。
1967(昭和42)年/東宝
出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】
映画「女の意地」(1971)
久美(浜木綿子)が修平(中尾彬)に淳子(松原智恵子)と別れるよう言ったことを知った淳子は店を出て二人が暮らすアパートに向かう。
水色に光っているビルは「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。
1971(昭和46)年/日活
出演:松原智恵子、中尾彬、根上淳
映画「実録安藤組 襲撃篇」(1973)
安藤興業の須山明(袋正)が逮捕される。場所は当時銀座線がトンネルに入る「渋谷ヒカリエ」裏の渋谷2-19と渋谷2-16の間の道。接近してくる銀座線が見える。
「青春前期 青い果実」(1965)に同一地点の別角度のシーンがあり判明。
1973(昭和48)年/東映
出演:安藤昇、梅宮辰夫、安岡力也、郷鍈治、小林稔侍、丹波哲郎
映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)
亮(陣内孝則)は店で偶然圭子(麻生祐未)と再会して一緒に飲み、朝まで渋谷の街を歩く。
後方に東急東横線ホームのかまぼこ型の壁が見える。金王坂下、渋谷署前交差点。
1988(昭和63)年/東映
出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】
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