渋谷2丁目地区|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

渋谷2丁目地区

東京都渋谷区渋谷2

宮益坂・青山通りと六本木通りにはさまれた、渋谷駅および金王坂を含む地区。

目次

映画「純愛物語」(1953)

女子少年院の小島教官(楠田薫)に連れられバスで病院に向かうミツ子(中原ひとみ)。
場所は現渋谷二丁目交差点、バスが走る道路は八幡通り。右側は「青山学院」、左の木造の建物は建設中の六本木通りに建つ「東京第二建設事務所」。六本木通りの建設が「青山学院」手前で止まっている箇所。
この後のシーンで広々とした空地(六本木通り)と、その遠方の「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」が見えることから場所を特定した。

小島教官(楠田薫)に連れられバスで病院に向かうミツ子(中原ひとみ)。二人は常盤台バス停で降りるが、「東急バス虹が丘ファン」(https://njfan.sub.jp/)管理人の鶴26様に確認したところ、当時同名の停留所はなく、ロケのための架空のバス停であろうということだ。
場所は六本木通り「青山学院」手前の現渋谷二丁目交差点。二人の背後に延びる空地は建設中の六本木通り。遠方に「東急百貨店東横店」と「東急文化会館」屋上のプラネタリウムが見える。

ミツ子(中原ひとみ)を失った貫太郎(江原真二郎)は呆然と渋谷の街をさまよう。
貫太郎が歩いているのは建設中の六本木通り。左手「ポニー洋裁店」一帯は現「渋谷三丁目スクエアビル」(渋谷3-5-16)。当時の住宅地図から特定。
中央の高いビルは1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷区渋谷3-6-4)。右端は「東急百貨店東横店」。

作品データ
映画「純愛物語」
監督:今井正

1953(昭和28)年/東映

出演:江原眞二郎、中原ひとみ、岡田英次、木村功、加藤嘉、宮口精二、東野英治郎、長岡輝子、楠田薫、藤里まゆみ、小林トシ子、岸輝子

戦災孤児らが集まる上野の山をねぐらにするスリの少女宮内ミツ子(中原ひとみ)。ある日チンピラの早川貫太郎(江原真二郎)は乱暴されそうになっていたミツ子を救い、二人はこれをきっかけに交際するようになる。ペアを組んでスリを働いていた二人は警察に捕まり、それぞれ別の施設に収容されることになる。施設で暮らすうちミツ子は次第に体調を崩すようになり、教官に連れられ受診した医者で病状について重大な事実を告げられる。【福】

映画「明日を賭ける男」(1958)

宝くじを売る小林典子の父(横山運平)にくじを確認してもらう男。
典子の父が宝くじを売っているのは「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)の横の道。背後の「厚生醫院」は現「春日ビル」(渋谷2-22-14)。

作品データ
映画「明日を賭ける男」
監督:西河克己

1958(昭和33)年/日活

出演:浅丘ルリ子、川地民夫、大坂志郎、中原早苗

美容学校の講師白藤守彦(岡田眞澄)と学生の梅林ルカ(中原早苗)は連れ込み旅館の女中小林典子(浅丘ルリ子)に宝くじの当落を確認しに行ってもらう。典子は宝くじ売り場で働く父(横山運平)に当落を確認してもらい、10等の50円を受け取る。だがこれは見間違いで、実は1等の200万円が当選していたのだ。父親がそれに気づいて典子が勤める旅館に連絡するも時すでに遅く、守彦とルカは箱根に旅立ってしまった後だった。典子の父は誰かに取られるのを恐れ、胸につけたお守りの中に当たりくじを隠した。
一方守彦が勤める美容学校では理事長の白藤賢良(十朱久雄)が学校の拡張を目論んでいたが、土地が弟で用務員を勤める元ボクサー大四郎(大坂志郎)の名義になっていることがハードルとなっていた。大四郎は生き別れになった息子が帰ってきた時のことを考えて土地を持ち続けていたのだ。
そんな時、大四郎のもとに生き別れの息子が大阪でボクサーをしているとの知らせが入る。薫(川地民夫)の試合を見た大四郎はひと目で自分の息子だと確信する。彼は美容学校の自分の土地にジムを建てることを夢見るようになる。【福】
日活
読売新聞連載「上と下」より 明日を賭ける男 | 映画 | 日活 拳闘に命を賭ける親子の愛情とボクシングの凄絶さを中心に、二百万円をめぐる人間の哀歓を描く青春アクション篇。

映画「ファンキーハットの快男児」(1961)

日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。
「安田生命」のビルは宮益坂上(現「Toc第1ビル」渋谷1-8-3)にあった。宮益坂上交差点を南の渋谷2丁目側からみた角度。

車は右側の道に入り桜井の住む「マンション■■」前でとまる。

天下一郎(千葉真一)は境野みどり(中原ひとみ)を処分する依頼を受けた保釈の虎(潮健児)を追う。
中央の道は六本木通り。まだ青山学院の手前までしか開通していない。道路左の小屋が並ぶ部分は高速3号線の用地。背後の右端に「東急文化会館」のプラネタリウムのドームが見える。左端の建物は1956年建築のマンション「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。その横の「住友生命」は渋谷区渋谷3-6-1、現「イースト渋谷ビル」。

作品データ
映画「ファンキーハットの快男児」
監督:深作欣二

1961(昭和36)年/ニュー東映

出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛

探偵天下清助(花沢徳衛)の息子・天下一郎(千葉真一)は相棒の茂(岡本四郎)とナンパに出掛け、投資家の境野みどり(中原ひとみ)と出会う。一方、茂は国産省の局長木暮家の女中ルメ(新井茂子)と知り合った。ある日小暮家の令息靖幸(くさかべ雅人)が誘拐され身代金500万円が要求される。一方みどりは日の丸建設の株を大量に買う女性を発見。日の丸建設は国産省が建設計画中の産業会館の入札をめぐり大下組と激しく争っていたことから、一郎は誘拐事件と日の丸建設が何か関係あるとにらむ。
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】

映画「波止場気質」(1961)

喧嘩をした山村順(平田大三郎)が入院しているのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。

作品データ
映画「波止場気質」
監督:山崎徳次郎

1961(昭和36)年/日活

出演:川地民夫、平田大三郎、松原智恵子、弘松三郎、安部徹、深江章喜、野呂圭介

元外国航路の航海士岩佐英治(川地民夫)は同僚を死なせてしまったことから船を降り、その息子でボクサーの山村順(平田大三郎)の世話をしていた。港の人々は皆温かく山村を応援していた。しかしチャンピオンベルトを賭けた試合で山村のグローブに不正が見つかり山村は不戦敗となってしまう。港の人々の心も離れていった。しかしこれはやくざの滝田(弘松三郎)が仕掛けたものだった。【福】
日活
波止場気質 | 映画 | 日活 事故の責任を負って船おりた航海士と、彼が弟のように可愛がる若い港湾労務者とのボクシングをめぐって展開される男の友情物語。

映画「セクシー地帯」(1961)

大阪への転勤の撤回を求めて吉岡博司(吉田輝雄)は部長の森川(九重京司)の自宅がある「グリーンマンション」を訪ねる。
「グリーンマンション」という設定なのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。「ファンキーハットの快男児」(1961)と「波止場気質」(1961)に同じ建物が登場し、特に「波止場気質」では実名で登場しているため特定した。

作品データ
映画「セクシー地帯」
監督:石井輝男

1961(昭和36)年/新東宝

出演:吉田輝雄、三原葉子、細川俊夫

ある日吉岡博司(吉田輝雄)は部長の森川(九重京司)から預かったものをスリの真弓(三原葉子)にすられてしまう。一方吉岡博司(吉田輝雄)の同僚で婚約者の滝川玲子(三条魔子)は、実は「クロッキークラブ」という地下の売春組織から接待用に会社に派遣されていたコールガールだった。滝川は組織を抜けようとして殺されるが、地下組織との関係の発覚を恐れた部長の森川(九重京司)の証言で吉岡が容疑者として追われる身となってしまう。逃亡する中真弓を発見した吉岡は、彼女を問い詰めるうち森川から預かったものが「クロッキークラブ」という店の会員証だったことを知る。吉岡と真弓は「クロッキークラブ」の正体を探りはじめる。
石井輝男監督の「ラインシリーズ」の4作目。「セクシー地帯」と書いて「セクシーライン」と読ませる。【福】

TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

犯人3人組は駐車中の車を盗み第2の犯行現場へ向かう。
場所は渋谷駅東口。左側の建物は「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-1)。「豊田農園」は現「渋谷東口マイアミビル」(渋谷2-22-13)。当時の住宅地図より特定。

「タキザワ」の看板は「タキザワ酒店」(現「タキザワビル」渋谷2-22-10)。その左は「洋菓子フランセ」(現「渋谷フランセ奥野ビル」渋谷2-22-11)。当時の住宅地図より特定。

逃走する犯人をパトカーが追跡する。
パトカーが走っているのは宮益坂。「シンガーミシン」の看板は「シンガーミシン渋谷営業所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)。当時の住宅地図より特定。

作品データ
TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

映画「日本一の若大将」(1962)

田沼雄一(加山雄三)が出場している全日本マラソン大会のシーン。青山通りを青山方面から走ってきた選手たちが宮益坂上交差点を左折する。遠方のビルは都電の青山車庫前にあった公団青葉町住宅(現「国際連合大学本部」神宮前5-53-70)。手前に看板が見える「大同生命」は現「青山ダイヤモンドビル」(渋谷1-1-8)の位置にあった。

作品データ
映画「日本一の若大将」
監督:福田純

1962(昭和37)年/東宝

出演:加山雄三、星由里子、田中邦衛、田村奈己

老舗のすきやき屋「田能久」の一人息子、若大将こと田沼雄一(加山雄三)は京南大学の4年生でマラソン部のキャプテン。マネージャーの江口(江原達怡)が仕送りを止められ田能久で働くことになったことから、青大将こと石山(田中邦衛)がマネージャーを引き継ぐことになる。ある日スポーツ店の店員中里澄子(星由里子)にいいところを見せようと石山は400万円のボートを買い、それが親にばれて勘当されたため雄一は祖母に頼んで家の貯金をおろしてもらい残金を肩代わりしてやった。一方江口は雄一の妹照子(中真千子)と恋仲に。照子の縁談を止めようと一芝居打った雄一だがこれが父親(有島一郎)の逆鱗に触れ、貯金を無断でおろしていたこともばれて雄一も勘当されてしまう。
若大将は女性にモテるがそれを意識しないところが爽やかということなのだろうが、今回は中里澄子につれなさすぎて逆に嫌な奴に見える。モデル役の北あけみを除いて若い女性のキャラクターにあまり差がない。【福】

映画「東京アンタッチャブル」(1962)

脱走した川本五郎(丹波哲郎)の一味が興行会社から運び出される金をねらって移動する。一味が走っているのは金王坂。金王坂上から渋谷駅方面に下っている。右に見える「シンガーミシン」は「シンガーミシン渋谷営業所」、手前のガソリンスタンドは宮益坂と金王坂の合流地点にあった「日本石油渋谷給油所」。ともに現在「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」(渋谷2-16-1)になっている。その左側が「東京生命渋谷支社」(「太陽生命渋谷ビル」渋谷2-17-2)と「南塚ビル」(「渋谷アイビスビル」渋谷2-17-3)。ともに2024年まで渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業で工事中。

作品データ
映画「東京アンタッチャブル」
監督:村山新治

1962(昭和37)年/東映

出演:三國連太郎、高倉健、渡辺美佐子、三田佳子、丹波哲郎、筑波久子

宝石の強奪犯川本五郎(丹波哲郎)が刑務所から脱走した。川本は関西方面へ逃亡したとの情報があったが、当時川本を逮捕した西山刑事(三國連太郎)は、川本が宝石をどこかに隠しており、必ず管内に戻ってくると確信していた。そんな時興行会社の社員が襲われ現金を強奪された上に射殺されるという事件が起き、一味に川本が加わっているということがわかった。奪われた金には、ある会社がたびたび起こる盗難の犯人探しのために紛れ込ませた連番の札が含まれていた。西山刑事と部下の原田刑事(高倉健)により、窃盗の犯人の守衛から共犯者をたどり、川本を逮捕するための捜査が始まった。【福】

映画「クレージー作戦 先手必勝」(1963)

会社をクビになった上田ヒトシ(植木等)が会社を出てとぼとぼと歩くシーン。植木が歩くのは金王坂、植木が出てきた右側の「フクヤマピアノ」と表記のある建物は現「渋谷アイビスビル」(渋谷2-17-3)。正面左の看板のある建物が形状から渋谷3-6-1にあった「住友生命渋谷支店」と推定、金王坂周辺の住宅地図から「フクヤマピアノ」を発見し特定した。

作品データ
映画「クレージー作戦 先手必勝」
監督:久松静児

1963(昭和38)年/東宝

出演:植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、池内淳子、中尾ミエ、加東大介、淡路恵子、柳家金語楼、八波むと志、上原ゆかり、松村達雄、沢村貞子、沢村いき雄、坂本九、如月寛多

口八丁手八丁の男上田ヒトシ(植木等)が始めた商売は喧嘩や揉め事を何でも解決する「よろずまとめや」。国定忠治のひ孫を自称する任侠に生きる男花木ハジメ(ハナ肇)、泣き落としの名人谷村啓太郎(谷啓)、なよなよして頼りないが法科を出ているので法律に強いという石山英太郎(石橋エータロー)、同業者の示談屋コンビの犬養弘(犬塚弘)と佐倉千里(桜井センリ)、チンピラの安井真(安田伸)を仲間に加えて会社をスタートさせるが、なかなか割の良い仕事が入ってこない。そこへ突然会社に現れた少女中山ミエ(中尾ミエ)が持ち込んできた団地マダムと商店街のいさかいを解決したところ仕事の依頼が殺到し会社は急成長。
おなじみののブワーッといく植木等ではなく人情喜劇調のクレージー映画。ドラマはゆったりしんみり進行する。その中でひとり気を吐いていたのが公開当時弱冠17歳の中尾ミエ。明朗快活な達者な演技ととても17歳には見えない貫禄で彼女が出るシーンはぐっと盛り上がる。【福】

映画「野獣の青春」(1963)

かつての同僚広川(鈴木瑞穂)に会った水野錠次(宍戸錠)が自分が今の境遇に至った経緯と野本興行に入った理由を語るシーン。
水野の背後の道は宮益坂。宮益坂上にあった「日本石油渋谷給油所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)が見える。

かつての同僚広川(鈴木瑞穂)とタクシーで移動する水野錠次(宍戸錠)。背後に建設中の「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)が見える。

作品データ
映画「野獣の青春」
監督:鈴木清順

1963(昭和38)年/日活

出演:宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、小林昭二、信欣三、金子信雄、江角英明、鈴木瑞穂

連れ込み宿で男女が死んでいた。男の竹下公一(木島一郎)は現職刑事で、事件は情死として処理された。後日繁華街でやくざの野本興行の組員を次々に袋叩きにする男が現れた。その男水野錠次(宍戸錠)は不敵にも野本組の本拠地であるキャバレーに現れ自分を雇えという。社長宅に連れられた水野は社長の野本達夫(小林昭二)と、組員三波五郎(江角英明)に出会う。水野は三波と組み野本興行と敵対する三光組傘下の企業を襲うなど、野本からの信頼を得ていった。そんなある日、水野は昔の仲間の法事に向かった。向かった先は……。【福】
日活
野獣の青春 | 映画 | 日活 暗黒街に単身飛び込んで二つの組織を潰そうとする元刑事の活躍を描いた、鈴木清順監督×宍戸錠によるハードボイルド・アクション。マジックミラー越しのキャバレー、...

映画「機動捜査班 裸の眼」(1963)

1000万円を強奪し東京駅のロッカーに隠した後、犯人の柏木(郷鍈治)は車にはねられてしまう。
郷鍈治が立っているのは六本木通り。まだ青山学院の手前までしか開通していない。道路左の小屋が並ぶ部分は高速3号線の用地。右側「山一證券」の看板は「名取ビル」(現存 / 渋谷2-22-8)。左側は手前から「ジーゼル機器本社ビル」(現「ボッシュビル渋谷」渋谷3-6-7)「金王高桑ビル」(現「プライア渋谷」渋谷3-6-4)。

作品データ
映画「機動捜査班 裸の眼」
監督:小杉勇

1963(昭和38)年/日活

出演:青山恭二、楠侑子、上月左知子

柏木(郷鍈治)は知人の悪徳金融業者兵頭(山田禅二)の事務所を襲い、現金1000万円と手帳を奪った。手帳には知られたくない情報が書かれているので兵頭は警察に届けることができないことを見越しての犯行だった。柏木は現金と手帳を東京駅のロッカーに隠したが、その帰り偶然兵頭の娘阿里子(進千賀子)が運転する車にはねられてしまう。示談屋の太刀川(内田良平)は自分がはねたことにして阿里子を逃がす。一方兵頭が柏木を探していることを知った太刀川は兵頭に接触するが、柏木がはねられた被害者だと知った太刀川は、柏木を見つけたら500万円謝礼をもらう約束をとりつける。【福】
日活
機動捜査班 裸の眼 | 映画 | 日活 機動捜査班シリーズ第12弾!悪徳示談屋を叩きつぶす機動捜査班の活躍を描くアクションドラマ

映画「敗れざるもの」(1964)

木崎医師(大坂志郎)の再診の結果俊夫(小倉一郎)の脳に異常がありそうなことが判明し、一家は橋本(石原裕次郎)が運転する車で脳外科へ向かう。
車は宮益坂の宮益坂上交差点付近を青山方面に走っている。背景で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。その右の赤いネオンが見えているビルは「千代田生命渋谷第二営業所」(現「あいおいニッセイ同和損保渋谷ビル」渋谷2-14-18)。右端に見えている歩道橋は金王坂上歩道橋(現存)。

作品データ
映画「敗れざるもの」
監督:松尾昭典

1964(昭和39)年/日活

出演:石原裕次郎、十朱幸代、小倉一郎

橋本鉄哉(石原裕次郎)は高村家のお抱え運転手。彼は中学生の息子俊夫(小倉一郎)の世話をよくし、俊夫も彼になついていた。ある日俊夫が新しく買った天体望遠鏡で観測している最中ガレージから落ち怪我をする。往診に来た木崎医師(大坂志郎)は一度は心配ないとの診断をするが、帰りの車中を運転手の橋本から俊夫は目が見えにくい様子だったことを聞くと急いで高村家へ引き返す。再度診断をした結果俊夫は急遽脳外科に入院することになり、脳腫瘍であることが判明する。俊夫は開頭手術を受け、手術は成功したかに見えたが、橋本は病院で俊夫は治癒の見込みがないという話を耳にしてしまう。【福】
日活
「小さき闘い」より 敗れざるもの | 映画 | 日活 暗い過去を持つ男と、病魔と闘う少年のふれあいを通して生命の尊さを描いた感動作。兄・石原慎太郎の原作を裕次郎主演で映画化した。死と向き合う少年をナイーブに演じてい...

映画「怪獣大戦争」(1965)

グレン(ニック・アダムス)と恋に落ちた世界教育社の波川女史(水野久美)がドライブにいくシーン。
右側の「埼玉銀行」は現「渋谷東口ビル」(渋谷2-22-3)。その向こうの灰色のビルは「名取ビル」(渋谷2-22-8)、正面の住友銀行の看板があるビルは「渋谷東急ビル」(のちの「東急プラザ渋谷」、現「渋谷フクラス」道玄坂1-2-2)、左側上部に見える「SCH」の看板は「BOSCH」(「ボッシュビル渋谷」渋谷3-6-7)。

作品データ
映画「怪獣大戦争」
監督:本多猪四郎

1965(昭和40)年/東宝

出演:宝田明、ニック・アダムス、水野久美

宇宙飛行士の富士一夫(宝田明)とグレン(ニック・アダムス)は新しく誕生した惑星「X星」の調査におもむく。X星の地下にはX星人が住んでおり、2人に接触してきたX星人はキングギドラの襲来に悩まされていること、キングギドラの退治のため地球のゴジラとラドンを貸してほしい旨申し入れた。地球に帰った2人にX星人の意向を伝えられた地球側はこの提案を受け入れる。だがこれはX星人の謀略であった。
映画「シン・ゴジラ」で使用された伊福部昭の「怪獣大戦争マーチ」が勇壮に流れるオープニングに胸躍るが、いざドラマが始まるとあまり胸躍らなかった。【福】

映画「青春前期 青い果実」(1965)

河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をするシーン。
宮益坂(奥)と金王坂(手前)が合流する宮益坂上交差点の歩道橋(現存)。この映画の主要な場所として何度も登場する。宮益坂と金王坂に挟まれた敷地は「日本石油渋谷給油所」(現「Daiwa 渋谷宮益坂ビル」渋谷2-16-1)。歩道橋の下に給油機が見える。

河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をするシーン。宮益坂上交差点の歩道橋(現存)から駅方向を見ている。奥に首都高速3号線が見える。左側の空地にのちに「東邦生命ビル」(現「渋谷クロスタワー」渋谷2-15-1)が建つことになる。

約束の時間になっても来ない河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)を待つ椎ノ木武志(太田博之)。宮益坂上交差点の歩道橋(現存)から青山方向をみている。武志の右で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。

河合奈津子が乱暴された件が学校中に広まった元凶は教師の国信高子(初井言榮)であることを知った椎ノ木武志(太田博之)は国信をしつこくつけ回し責め立てる。武志の中で燃える怒りを表現したシーンで武志の背景で光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。「仁丹ビル」はビル前面がネオンで光る建物だった。

作品データ
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清

1965(昭和40)年/日活

出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏

広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
日活
青春前期 青い果実 | 映画 | 日活 セックスによる激しいショックを受けた二人の男女高校生の心の交流をクールなタッチで描いた異色純愛大作。

映画「アジア秘密警察」(1966)

オープニング、首都高3 号線を走る車からのシーン。
左のビルは「ヤマハ音楽教室」「明治生命」の看板があり、「生命保険会社役職員名簿 40年度版」(1965)、「音楽年鑑 昭和41年版」(1965)から「名取ビル」(現存、渋谷2-22-8)と特定。現存しているが外観は変わっている。
中央のビルはGoogleストリートビューの過去の画像から「南塚ビル」(後の「渋谷アイビスビル」渋谷2-7-3、現在隣接する「シオノギ渋谷ビル」等と「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」の施工中)と特定。
その右のマークがついているビルは「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。その右のビルは「岡崎ビル」(渋谷2-14-13)。
南塚ビルと岡崎ビルの間の道路が金王坂。

作品データ
映画「アジア秘密警察」
監督:松尾昭典

1966(昭和41)年/日活

出演:二谷英明、浅丘ルリ子、宍戸錠

でこぼこに傷ついた車が表参道を走ってくる。車を運転していたのは佐伯竜太郎(二谷英明)、後部座席には傷ついた陳(高品格)を載せていた。佐伯は洋服店の裏の隠し部屋に入る。そこはアジア秘密警察の東京支部。彼らは極東貿易が密輸する純金を追い極東貿易の反撃を受けたのだ。佐伯らは密輸ルートを追い香港へと向かう。【福】
日活
アジア秘密警察 | 映画 | 日活 世界的な犯罪組織を追う秘密警察機構のアジア支部―アジアインターポールの活躍を香港長期ロケで描く国際大アクション。シリーズ第一弾。

映画「その人は昔」(1967)

交際していた裕福な男性(山中康司)が既婚者とわかって傷つきひとり歩く洋子(内藤洋子)。
洋子が歩くのは渋谷2丁目。背後で白く光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会クオーツタワー」渋谷2-10-10)。画面左端に「森下仁丹」と縦型のネオンが光っている。赤いネオンは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。

作品データ
映画「その人は昔」
監督:松山善三

1967(昭和42)年/東宝

出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】

映画「女の意地」(1971)

久美(浜木綿子)が修平(中尾彬)に淳子(松原智恵子)と別れるよう言ったことを知った淳子は店を出て二人が暮らすアパートに向かう。
水色に光っているビルは「仁丹ビル」(現「徳真会 Quartz Tower」渋谷2-10-10)。

作品データ
映画「女の意地」
監督:斉藤光正

1971(昭和46)年/日活

出演:松原智恵子、中尾彬、根上淳

銀座のクラブを経営している久美(浜木綿子)とホステスとして働く腹違いの妹淳子(松原智恵子)。ある日妹と交際している男が住んでいるアパートを訪ねたが、交際している男はかつて久美が交際していた修平(中尾彬)であった。久美は修平に妹と別れるよう頼む。【福】
日活
女の意地 | 映画 | 日活 華やかな夜の世界に生きる女の哀歓を、夜の銀座を背景に美しく、ムードたっぷりに描く女性映画。

映画「実録安藤組 襲撃篇」(1973)

安藤興業の須山明(袋正)が逮捕される。場所は当時銀座線がトンネルに入る「渋谷ヒカリエ」裏の渋谷2-19と渋谷2-16の間の道。接近してくる銀座線が見える。
「青春前期 青い果実」(1965)に同一地点の別角度のシーンがあり判明。

作品データ
映画「実録安藤組 襲撃篇」
監督:佐藤純彌

1973(昭和48)年/東映

出演:安藤昇、梅宮辰夫、安岡力也、郷鍈治、小林稔侍、丹波哲郎

安藤興業社長安藤昇(本人)は中江産業社長中江昭麿(中丸忠雄)を襲撃した。警察は安藤らを指名手配したが、安藤は愛人宅や友人宅を転々として潜伏を続けた。1958年に実際に起きた事件を再現した作品。【福】

映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)

亮(陣内孝則)は店で偶然圭子(麻生祐未)と再会して一緒に飲み、朝まで渋谷の街を歩く。
後方に東急東横線ホームのかまぼこ型の壁が見える。金王坂下、渋谷署前交差点。

作品データ
映画「極道渡世の素敵な面々」
監督:和泉聖治

1988(昭和63)年/東映

出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男

坂井亮(陣内孝則)は賭けマージャンで金が払えずやくざの中川(日下武史)に袋叩きに会うが、それが縁で中川の家に居候することになる。やくざの道に入った坂井は債権回収に才能を見せ、次第に周囲から認められていく。ある日喧嘩で腹を刺され病院に入院したことがきっかけで院長の娘小宮圭子(麻生祐未)と知り合い、互いに好意を抱くようになる。
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】

RELATED LINKS

東京福袋が作成している渋谷と日本映画に関するコンテンツです。こちらもぜひご覧ください。

目次