渋谷東映劇場|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

渋谷東映劇場

東京都渋谷区渋谷1-24-12

宮益坂下交差点角にあった映画館。1953年開館、1990年閉館。跡地は「渋谷東映プラザ(渋谷TOEI)」となり、「渋谷TOEI①」「渋谷TOEI②」の2つの映画館が入っている。

目次

映画「恋文」(1953)

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は、街々に出かけては意中の人、久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。そんなある日真弓は旧友の山路直人(宇野重吉)にばったり出会う。
二人が出会うのは渋谷。渋谷駅前の街並みが映る。場所は渋谷駅前交差点。「三千里」の看板は「三千里食堂」(現「三千里薬品神南店」神南1-23-8)。右手に「渋谷東映劇場」(現「渋谷Toeiプラザ」渋谷1-24-12)が見える。

作品データ
映画「恋文」
監督:田中絹代

1953(昭和28)年/新東宝

出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は弟の洋(道三重三)と暮らしている。生活力のある洋に対し、礼吉は定職にもつかず日々街に出かけては戦時中愛しあいながら他人の妻になった久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。ある日渋谷に出かけた礼吉は旧友の山路直人(宇野重吉)と再会する。山路は英文の代書屋を営んでおり、礼吉もその店で働くことになった。ある日店の裏で休んでいた礼吉の耳に、店の客の声が届いた。それは長年探していた道子の声だった。【福】

映画「銀座二十四帖」(1955)

若い頃は不良だったが今は銀座で花屋を営んでいる“花売コニイ”こと三室戸完(三橋達也)。朝になると彼は花を運んでくるオート三輪に同乗して生花市場に向かう。三室戸がオート三輪を拾うのは道玄坂。遠方に宮益坂下の「渋谷東映」が見える。前のシーンから撮影場所を道玄坂小路出口(道玄坂2-28-2)あたりと特定。

作品データ
映画「銀座二十四帖」
監督:川島雄三

1955(昭和30)年/日活

出演:三橋達也、河津清三郎、月丘夢路、北原三枝、浅丘ルリ子、大坂志郎

三室戸完(三橋達也)はかつて不良だったが今では更生しジープの政(佐野浅夫)や中学生のルリ(浅丘ルリ子)たちと銀座で花屋を営んでいる。三室戸の花屋をひいきにしている料理屋の京極和歌子(月丘夢路)は手持ちの絵を画商に売ろうとしていたが、そのうち和歌子の若い頃を描いた絵が画商の目に止まる。その絵は和歌子の父が満州に在住時若い学生が描いたものだという。絵にはGMというサインがあった。その絵が展示されるや謎の画家の正体がマスコミの大きな話題になる。キザで鼻持ちならない画家桃山豪(安部徹)が自分こそGMであると名乗り出たが、実は三室戸にはこのサインに心当たりがあった。【福】
日活
銀座二十四帖 | 映画 | 日活 時代の尖端を行く銀座風俗の中に生きる人間の善意が、如何に生き難いかを描いた井上友一郎の小説を映画化。ネオンと流行の影にひしめく都会の青春ドラマ。

映画「東京暮色」(1957)

冒頭、杉山周吉(笠智衆)が酒場「小松」で飲むシーンの前に渋谷の風景が挿入される。
「渋谷東映」は現「渋谷Toeiプラザ」(渋谷1-24-12)、「浮世風呂」「全線座」とあるのは現「全線座ビル」(渋谷1-24-10)、背後の「富士フィルム」「マツダランプ」は宮益坂ビルディング(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)、手前右「山手随一大弓場 丸大」があった「丸大遊技場」は現「片倉コープアグリ株式会社 渋谷ビル」(神南1-23-14)と「丸大ビル」(神南1-23-13)の一帯。西武渋谷店A館B館の向かいから山手線越しに明治通り方面を見ていることになる。
映画看板の「始めに罪あり」は1956年ドイツ・ユーゴスラビア製作、「街の仁義」は1956年フランス製作の作品。

作品データ
映画「東京暮色」
監督:小津安二郎

1957(昭和32)年/松竹

出演:笠智衆、有馬稲子、信欣三、原節子、中村伸郎、山田五十鈴、杉村春子、山村聡

銀行の監査役杉山周吉(笠智衆)は長女の孝子(原節子)が結婚し次女の明子(有馬稲子)と二人暮らし。ある日周吉が家に帰ると孝子が孫を連れて帰っていた。どうやら夫の沼田(信欣三)と何かあったらしい。一方速記学校に通う明子もおば(杉村春子)に金を無心したり帰りが毎日遅かったりとこのところ様子がおかしい。ある日マージャン屋のおかみ(山田五十鈴)に声をかけられた明子は、おかみが自分たちを棄てて去っていった母親ではないかと怪しむ。
原節子も有馬稲子も終始不機嫌。小津が常に場面にミスマッチな音楽を流し続けるのは何故。【福】
松竹株式会社
東京暮色 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

映画「警視庁物語 七人の追跡者」(1958)

ホステス弘子(小宮光江)が犯人の指示で現金を持ち渋谷駅東口駅前広場に立っているシーンで、遠方に渋谷東映劇場が見える。

作品データ
映画「警視庁物語 七人の追跡者」
監督:村山新治

1958(昭和33)年/東映東京

出演:堀雄二、松本克平、神田隆、山本麟一、花沢徳衛、大村文武 、佐原広二、石島房太郎、小沢栄太郎

マンホールの中から女性の扼殺死体が発見された。被害者は従業員の給料をおろしに銀行に行ったまま行方不明になっていた会社の事務員、千田文枝(芳川京子)だった。長田刑事(堀雄二)、林刑事(花澤徳衛)、太田刑事(大村文武)らが課長の黒木(小沢栄太郎)に話を聞くと、被害者の青いオパールの指輪が紛失していることが判明する。しかし銀行の事務員は、金をおろしに来た時はヒスイの指輪をしていたという。また食堂への聞き込みで千田が銀行から男と黒い車に乗ったことが判明する。【福】

映画「おヤエの女中と幽霊」(1959)

恋人との結婚を考えるが資金難で悩んでいる鍋山桃子(香月美奈子)のために、おヤエ(若水ヤエ子)は前に勤めていたご隠居の形見の指輪を売ろうと二人で渋谷へ出る。
宮益坂下交差点で明治通りを渋谷駅方面から宮益坂方面に渡る2人。1枚目左に宮益ガード、2枚目の背後に「渋谷東映」(現「渋谷Toeiプラザ」渋谷1-24-12)、「渋谷全線座」(現「渋谷全線座ビル」渋谷1-24-10)が見える。

作品データ
映画「おヤエの女中と幽霊」
監督:小杉勇

1959(昭和34)年/日活

出演:若水ヤエ子、飯田蝶子、森川信、新井麗子、香月美奈子、藤村有弘

おヤエ(若水ヤエ子)はあるご隠居さん(飯田蝶子)のもとで女中として働いていたが、突然ご隠居が倒れ、おヤエにダイヤの指輪と飼っていた黒猫を託しそのまま亡くなってしまった。おヤエは猫がいることを隠したまま新しい奉公先の鍋山家に勤め始めるが、鍋山家は先祖が猫にまつわる事件で切腹を命じられ、以来猫を家に入れてはいけないしきたりになっていた。【福】
日活
おヤエの女中と幽霊 | 映画 | 日活 おヤエシリーズ第五弾。お馴染み若水ヤエ子が幽霊屋敷の女中に扮し、奇想天外な珍騒動を捲き起こす怪談爆笑篇。

映画「にっぽんGメン 摩天楼の狼」(1960)

オープニングに渋谷の街が映る。渋谷駅前から山手線越しに宮益坂方向を見る。中央に延びるのが宮益坂、右の「東横」のネオンが「東急百貨店東横店」、その背後に「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)のプラネタリウムが見えている。宮益坂の奥の高層建物は「宮益坂ビルディング」(現「現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)。左端手前に「渋谷東映劇場」(現「渋谷東映プラザ(渋谷TOEI)」渋谷1-24-12)が映っている。

作品データ
映画「にっぽんGメン 摩天楼の狼」
監督:伊賀山正光

1960(昭和35)年/第二東映

出演:梅宮辰夫、三田佳子、波島進

親友の刑事大隅(滝沢昭)が風俗嬢と心中したことを怪しんだ不破竜太郎(梅宮辰夫)は上京して捜査にあたる。彼は大隅が目撃されたバーに向かい、彼がしていたように胸に花をつけるとコールガールを紹介された。彼はコールガールから組織のボス「ブラック・ジョー」の名やシステムを聞き出し、組織に近づいていった。【福】

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