稲荷橋|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

稲荷橋

東京都渋谷区渋谷3-19

渋谷駅の南東、渋谷川にかかる橋。2018年に渋谷川を含む周辺が整備され、現在は「渋谷ストリーム」となった。

目次

映画「燃える肉体」(1957)

職を求め渋谷の街をさまよう比沙子(筑波久子)が渋谷駅東口駅前広場から稲荷橋を渡る。
比沙子が渡っているのが稲荷橋。背後に東急文化会館が見える。

作品データ
映画「燃える肉体」
監督:小杉勇

1957(昭和32)年/日活

出演:水島道太郎、筑波久子、宍戸錠、広岡三栄子

稲葉比沙子(筑波久子)は戸上錠(宍戸錠)から逃れ上京する。孤児院時代世話になった陶芸家島竜一郎(水島道太郎)のもとに一度は身を寄せるが、錠に居場所を知られた比沙子は島のもとを去り、酒場の手伝いや踊り子などを転々とする。
いろいろご都合主義な展開や回収されない伏線などストーリーに問題は多いが、開発まっさかりの50年代渋谷が見られる貴重な作品。【福】
日活
燃える肉体 | 映画 | 日活 心とは裏腹に肉体に宿る激しい愛欲に導かれて彷徨う女性がたどり着く果てとは―。豊満な肢体の筑波久子が薄幸な女性を熱演。

映画「東京アンタッチャブル」(1962)

隠しておいた宝石を取り戻した川本五郎(丹波哲郎)だが、バーテンを射殺した銃声を聞きつけた警官に追われ、銃撃されて負傷する。負傷した川本は「渋谷川」沿いに逃走する。
渋谷川沿いに「東急百貨店東横店」方面を映すシーン。正面が「東急百貨店東横店」、中央の橋は「稲荷橋」。右側の足場は「渋谷川」の改修か。

作品データ
映画「東京アンタッチャブル」
監督:村山新治

1962(昭和37)年/東映

出演:三國連太郎、高倉健、渡辺美佐子、三田佳子、丹波哲郎、筑波久子

宝石の強奪犯川本五郎(丹波哲郎)が刑務所から脱走した。川本は関西方面へ逃亡したとの情報があったが、当時川本を逮捕した西山刑事(三國連太郎)は、川本が宝石をどこかに隠しており、必ず管内に戻ってくると確信していた。そんな時興行会社の社員が襲われ現金を強奪された上に射殺されるという事件が起き、一味に川本が加わっているということがわかった。奪われた金には、ある会社がたびたび起こる盗難の犯人探しのために紛れ込ませた連番の札が含まれていた。西山刑事と部下の原田刑事(高倉健)により、窃盗の犯人の守衛から共犯者をたどり、川本を逮捕するための捜査が始まった。【福】

映画「黒い太陽」(1964)

明(川地民夫)は車を盗み、住み着いている教会の廃墟へ向かう。途中、殺人事件の捜査で人だかりができているのは「稲荷橋」。

作品データ
映画「黒い太陽」
監督:藏原惟繕

1964(昭和39)年/日活

出演:川地民夫、チコ・ローラント、藤竜也

教会の廃墟に一人暮らす明(川地民夫)。そこへ殺人を犯した手負いの黒人脱走兵ギル(チコ・ローランド)が機関銃を持ち逃げ込んでくる。ジャズ好きで黒人に親近感を持つ明はギルと親しくなろうとするがギルは警戒心を解かず明に銃を突きつけたままだった。次第に傷が悪化するギル。ある日廃墟の解体が始まり住む場所を失った明は盗んだ車でギルと逃避行を始める。
登場人物の名前とキャスト、ジャズをベースにした点など「狂熱の季節」の兄弟的な位置づけの作品だが、前作に比べ暴力的な要素は少ない。【福】
日活
黒い太陽 | 映画 | 日活 ジャズに熱狂する青年と黒人脱走兵の逃避行を描く。『狂熱の季節』の蔵原惟繕監督×川地民夫コンビが放つクールなビート・アクション。本作のために来日したマックス...

映画「不良少女魔子」(1971)

秀夫(清宮達夫)と徹(小野寺昭)のグループに魔子(夏純子)が拉致され、魔子のグループのメンバー(戸部夕子ら)は魔子の兄田辺(藤竜也)に報告すべく安岡組事務所に向かう。中央に渋谷川の稲荷橋が見える。

秀夫(清宮達夫)達と一緒にいたところを安岡組に捕まり魔子(夏純子)だけ帰される安田組のビルの前でのシーンで、魔子達が渡っているのが渋谷川にかかる稲荷橋。

作品データ
映画「不良少女魔子」
監督:蔵原惟二

1971(昭和46)年/日活

出演:夏純子、藤竜也、小野寺昭、岡崎二朗、宍戸錠

日活
不良少女 魔子 | 映画 | 日活 不良少女の衝動的な青春を夏純子主演で描いた、蔵原惟二の監督デビュー作。

映画「女囚さそり けもの部屋」(1973)

ナミが下水道に逃げ込んだことを知ったユキ(渡辺やよい)は、マンホールから火をつけたマッチを落としナミとの接触を図ろうとする。ユキがのぞきこむマンホールは稲荷橋付近の明治通り沿い。背後の「コーヒー苑」から場所を特定。

作品データ
映画「女囚さそり けもの部屋」
監督:伊藤俊也

1973(昭和48)年/東映

出演:梶芽衣子、成田三樹夫、李礼仙、渡辺やよい、南原宏治

逃亡中の殺人犯松島ナミ(梶芽衣子)は地下鉄内で刑事権藤(成田三樹夫)に逮捕されるが権藤の腕を切り落として逃げる。墓場に潜伏していたナミは娼婦の中川ユキ(渡辺やよい)に助けられる。ある日街を仕切る鮫島興行のメンバーを殺した疑いで鮫島剛次(南原宏治)と鮫島カツ(李礼仙)に監禁されるが脱走し鮫島興行のメンバーを次々に刺殺、鮫島剛次をビルから転落死させる。ナミは周辺を警備していた権藤らに追跡されるが、マンホールから下水道に逃走する。
梶芽衣子や成田三樹夫の鋭い目、李礼仙の突飛な衣装などギラギラとどぎつい魅力に満ちた作品。【福】

映画「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」(1976)

妻の家に潜伏しテレビを見る安藤昇(本人)。テレビに映る渋谷新宿明朗化協会理事の演説に都内で次々に逮捕される暴力団員の映像が重なる。
暴力団員が逃げているのは渋谷川。背後に見える緑の橋は稲荷橋(渋谷3-18-1)。

作品データ
映画「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」
監督:田中登

1976(昭和51)年/東映

出演:安藤昇、中島葵、ひろみ麻耶、石橋蓮司、蟹江敬三、近藤宏

安藤興業社長安藤昇(本人)は極東船舶社長早川哲司(近藤宏)を襲撃した。警察は安藤らを指名手配したが、安藤は愛人宅や友人宅を転々として潜伏を続けた。1958年に実際に起きた事件を本人が再現した作品。【福】

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