古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
リキ・スポーツパレス
東京都渋谷区渋谷3-19
プロレスラーの力道山が経営していた総合スポーツ施設。現在は「ヒューマックス渋谷ビル」が建っている。現在の渋谷マークシティの裏あたりには、九階建ての複合娯楽施設リキ・スポーツパレスがあった。プロレス界の雄、力道山が個人経営していたこの建物は、一九六一年に完成。日本プロレスの常設興行会場のほか、サウナ、ボウリング場、レストランなどが併設されていた。六三年に力道山が死去し、六七年には人手にわたってキャバレーなどに全面改装された。建物は九二年に取り壊されている。
(左京泰明「東京人」322号「渋谷から消えたもの。」より)
映画「泥だらけの純情」
リキ・スポーツパレス入口。
チンピラの次郎(浜田光夫)がお嬢様の真美(吉永小百合)を自分が好きなボクシングの試合に連れていくシーン。
リキ・スポーツパレスの内部。勝山章二(日本)×レオ・ロドリゲス戦を観戦する。
映画「ギャング同盟」

風間(内田良平/左)と高本(佐藤慶/右の帽子)が身代金の奪取に成功した仲間を追おうとしたところにジョージ(アイ・ジョージ)の車が現れるシーンの後方に「リキ・スポーツパレス」。
映画「ギャング同盟」
監督:深作欣二
1963(昭和38)年/東映
出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏
刑務所から出所する風間(内田良平)を昔の仲間高本(佐藤慶)が迎える。しかし彼らの縄張りはすっかり新興の巨大勢力に乗っ取られていた。風間はある計画を思いつき高本とかつての仲間尾形(戸浦六宏)、楠(山本麟一)、柾江(楠侑子)、志賀(曽根晴美)、ジョージ(アイ・ジョージ)を集める。風間の計画とは敵対勢力のボスを誘拐することだった。
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】
映画「やくざの歌」

恐喝されているところを助けたことから女子大生北見紀子(本間千代子)とヤクザの新田俊次(千葉真一)はお互い好意をもつようになる。北見と新田がボーリングをした後別れる場面。左の建物は「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。看板に「リキ・トルコ」とあるのは同施設内にあったトルコ風呂。
映画「やくざの歌」
監督:若林幹
1963(昭和38)年/東映
出演:千葉真一、北島三郎、本間千代子、宮園純子、曽根晴美、十朱久雄、北竜二、谷幹一、佐々木孝丸、村田英雄
新田俊次(千葉真一)はヤクザ組織の構成員。ある日恐喝にあった女子大生北見紀子(本間千代子)を助け、互いに好意を抱くが、彼女は俊次の友人で流しの北見三郎(北見三郎)の妹だった。俊次を信頼しながらもヤクザと妹がつきあうことに苦悩する三郎。一方俊次の組織で預かることになった神戸のボスの息子双葉真(曽根晴美)。粗暴な彼の暴力はやがて三郎にも及び、俊次は組織と友情の板挟みになって苦しむ。【福】
映画「ひとりぼっちの二人だが」

英二(高橋英樹)のボクシングの試合にかけつける妹のユキ(吉永小百合)と三郎(浜田光夫)、九太(坂本九)、トモコ(渡辺トモコ )。ボクシングの試合が行われているのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。坂のつきあたりに「おそば たけや」の看板。
映画「ひとりぼっちの二人だが」
監督:舛田利雄
1962(昭和37)年/日活
出演:坂本九、吉永小百合、浜田光夫
水揚げ直前に脱走した芸者の田島ユキ(吉永小百合)は、彼女を追っていたやくざの柳橋一家に浅草で捕まりそうになったところを、事情を知らない地元のやくざ吉野組の杉山三郎(浜田光夫)に助けられる。ユキと三郎は幼なじみで、偶然の再会を喜んだ。吉野組の内海(小池朝雄)はユキの件を知ると組に内緒で一儲けすることをたくらみ、三郎にユキを隠すように指示する。ユキと三郎は追手から逃げ込んだストリップ劇場で共通の幼なじみの売れない芸人浅草九太(坂本九)に会い、ユキはしばらくストリップ劇場に隠れることになる。しかしやがて内海のたくらみは組にばれ、内海は三郎にユキを連れてくるよう命令する。三郎はユキへの愛と組への義理の間で悩むことになる。
脚本がご家庭向きで甘く、内田良平も小池朝雄もかたなしだが、浅草の街を昼夜問わず余すことなく映し出している素晴らしい浅草の記録映画となっている。【福】
映画「警視庁物語 十代の足どり」

捜査が進み素行の悪いボクシング部の大学生木元五郎(砂塚秀夫)が捜査線上に浮かび上がる。木元のいるボーリング場に向かう林刑事(花澤徳栄)と金子刑事(山本麟一)。
ボーリング場があるのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。
映画「警視庁物語 十代の足どり」
監督:佐藤肇
1963(昭和38)年/東映東京
出演:堀雄二、神田隆、花沢徳衛、南廣、須藤健、山本麟一、大木史朗、小川守、新井茂子、田村雪枝
多摩川の河原で高校生松本みどり(佳島由季)の死体が見つかる。目撃者(佐藤晟也)によれば前夜背の高い学生風の男と歩いていたという。友人への聞き込みでみどりは最近知り合った大学生の木元五郎(砂塚秀夫)大石勉(小林稔侍)と交友関係があったことが明らかになる。大石にアリバイがあったため捜査主任(神田隆)らは素行の悪い木元五郎を署に呼んで話を聞くが…。
十代の性の問題を題材にした作品。目撃者の本屋の店員役、佐藤晟也が明るい大男を演じていてよい。【福】
映画「青春前期 青い果実」

河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が3人の大学生にからまれ、武志は得意の空手で撃退する。
左側背後に「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)の屋上の王冠型モニュメントが、右側に「旅館一楽」(現「ソシアル道玄坂」道玄坂1-14-9)の看板が見える。
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清
1965(昭和40)年/日活
出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏
広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「東京些末観光:渋谷定点観測02-22」も併せてどうぞ。