リキ・スポーツパレス|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

リキ・スポーツパレス

東京都渋谷区道玄坂1-14-6

プロレスラーの力道山が経営していた総合スポーツ施設。現在は「ヒューマックス渋谷ビル」が建っている。

現在の渋谷マークシティの裏あたりには、九階建ての複合娯楽施設リキ・スポーツパレスがあった。プロレス界の雄、力道山が個人経営していたこの建物は、一九六一年に完成。日本プロレスの常設興行会場のほか、サウナ、ボウリング場、レストランなどが併設されていた。六三年に力道山が死去し、六七年には人手にわたってキャバレーなどに全面改装された。建物は九二年に取り壊されている。(左京泰明「東京人」322号「渋谷から消えたもの。」より)
目次

映画「波止場気質」(1961)

山村順(平田大三郎)がチャンピオンベルトを賭けた試合を行っているのは「リキ・スポーツパレス」。円形の2階席があることと「テイジンテトロン」「日冷」の看板があることが「泥だらけの純情」(1963)と同じであることから特定した。

作品データ
映画「波止場気質」
監督:山崎徳次郎

1961(昭和36)年/日活

出演:川地民夫、平田大三郎、松原智恵子、弘松三郎、安部徹、深江章喜、野呂圭介

元外国航路の航海士岩佐英治(川地民夫)は同僚を死なせてしまったことから船を降り、その息子でボクサーの山村順(平田大三郎)の世話をしていた。港の人々は皆温かく山村を応援していた。しかしチャンピオンベルトを賭けた試合で山村のグローブに不正が見つかり山村は不戦敗となってしまう。港の人々の心も離れていった。しかしこれはやくざの滝田(弘松三郎)が仕掛けたものだった。【福】
日活
波止場気質 | 映画 | 日活 事故の責任を負って船おりた航海士と、彼が弟のように可愛がる若い港湾労務者とのボクシングをめぐって展開される男の友情物語。

映画「ひとりぼっちの二人だが」(1962)

英二(高橋英樹)のボクシングの試合にかけつける妹のユキ(吉永小百合)と三郎(浜田光夫)、九太(坂本九)、トモコ(渡辺トモコ )。ボクシングの試合が行われているのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。坂のつきあたりに「おそば たけや」の看板。

作品データ
映画「ひとりぼっちの二人だが」
監督:舛田利雄

1962(昭和37)年/日活

出演:坂本九、吉永小百合、浜田光夫

水揚げ直前に脱走した芸者の田島ユキ(吉永小百合)は、彼女を追っていたやくざの柳橋一家に浅草で捕まりそうになったところを、事情を知らない地元のやくざ吉野組の杉山三郎(浜田光夫)に助けられる。ユキと三郎は幼なじみで、偶然の再会を喜んだ。吉野組の内海(小池朝雄)はユキの件を知ると組に内緒で一儲けすることをたくらみ、三郎にユキを隠すように指示する。ユキと三郎は追手から逃げ込んだストリップ劇場で共通の幼なじみの売れない芸人浅草九太(坂本九)に会い、ユキはしばらくストリップ劇場に隠れることになる。しかしやがて内海のたくらみは組にばれ、内海は三郎にユキを連れてくるよう命令する。三郎はユキへの愛と組への義理の間で悩むことになる。
脚本がご家庭向きで甘く、内田良平も小池朝雄もかたなしだが、浅草の街を昼夜問わず余すことなく映し出している素晴らしい浅草の記録映画となっている。【福】
日活
ひとりぼっちの二人だが | 映画 | 日活 盛り場を舞台に、激浪の青春を逞しく乗り切って進む若者たちの姿を夢とともに描いた青春娯楽篇。

映画「男の歌」(1962)

劇中、数回試合のシーンがあるがすべて「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)で撮影されている。「リキ・スポーツパレス」の外観が映ることと、円形の2階席や「テイジンテトロン」「日冷」などの看板が「泥だらけの純情」(1963)と同じことから特定した。

作品データ
映画「男の歌」
監督:高橋治

1962(昭和37)年/松竹

出演:吉田輝雄、初名美佐子、杉浦直樹、三井弘次、菅原文太

やくざの中村純三(吉田輝雄)は腕に自信があったがある日喧嘩をしかけた並木鉄夫(杉浦直樹)のパンチを受けて倒れた。並木は名刺代わりにボクシングの試合のチケットを中村に渡した。並木はプロボクサーだったのだ。並木の試合を見にいった中村はボクシングに強く惹かれ、組を名目上辞めたことにし入れ墨も消して並木のジムに入った。後日大阪での試合に出場することになった彼は車中やくざに絡まれている父娘を救うために喧嘩をし、それをとがめられたことからジムを飛び出してしまう。【福】
松竹株式会社
男の歌 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

映画「泥だらけの純情」(1963)

リキ・スポーツパレス入口。

チンピラの次郎(浜田光夫)がお嬢様の真美(吉永小百合)を自分が好きなボクシングの試合に連れていくシーン。

リキ・スポーツパレスの内部。勝山章二(日本)×レオ・ロドリゲス戦を観戦する。

作品データ
映画「泥だらけの純情」
監督:中平康

1963(昭和38)年/日活

出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子

日活
泥だらけの純情 | 映画 | 日活 社会の断層に冷たく拒まれた街のチンピラと清純な少女とのひたむきな純愛の悲劇を描く。日活の黄金コンビによるセンセーショナルな純愛映画の決定版。鬼才・中平康の演出も...

映画「ギャング同盟」(1963)

風間(内田良平/左)と高本(佐藤慶/右の帽子)が身代金の奪取に成功した仲間を追おうとしたところにジョージ(アイ・ジョージ)の車が現れるシーンの後方に「リキ・スポーツパレス」。

作品データ
映画「ギャング同盟」
監督:深作欣二

1963(昭和38)年/東映

出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏

刑務所から出所する風間(内田良平)を昔の仲間高本(佐藤慶)が迎える。しかし彼らの縄張りはすっかり新興の巨大勢力に乗っ取られていた。風間はある計画を思いつき高本とかつての仲間尾形(戸浦六宏)、楠(山本麟一)、柾江(楠侑子)、志賀(曽根晴美)、ジョージ(アイ・ジョージ)を集める。風間の計画とは敵対勢力のボスを誘拐することだった。
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】

映画「やくざの歌」(1963)

恐喝されているところを助けたことから女子大生北見紀子(本間千代子)とヤクザの新田俊次(千葉真一)はお互い好意をもつようになる。北見と新田がボーリングをした後別れる場面。左の建物は「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。看板に「リキ・トルコ」とあるのは同施設内にあったトルコ風呂。

作品データ
映画「やくざの歌」
監督:若林幹

1963(昭和38)年/東映

出演:千葉真一、北島三郎、本間千代子、宮園純子、曽根晴美、十朱久雄、北竜二、谷幹一、佐々木孝丸、村田英雄

新田俊次(千葉真一)はヤクザ組織の構成員。ある日恐喝にあった女子大生北見紀子(本間千代子)を助け、互いに好意を抱くが、彼女は俊次の友人で流しの北見三郎(北見三郎)の妹だった。俊次を信頼しながらもヤクザと妹がつきあうことに苦悩する三郎。一方俊次の組織で預かることになった神戸のボスの息子双葉真(曽根晴美)。粗暴な彼の暴力はやがて三郎にも及び、俊次は組織と友情の板挟みになって苦しむ。【福】

映画「警視庁物語 十代の足どり」(1963)

捜査が進み素行の悪いボクシング部の大学生木元五郎(砂塚秀夫)が捜査線上に浮かび上がる。木元のいるボーリング場に向かう林刑事(花澤徳栄)と金子刑事(山本麟一)。
ボーリング場があるのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。

作品データ
映画「警視庁物語 十代の足どり」
監督:佐藤肇

1963(昭和38)年/東映東京

出演:堀雄二、神田隆、花沢徳衛、南廣、須藤健、山本麟一、大木史朗、小川守、新井茂子、田村雪枝

多摩川の河原で高校生松本みどり(佳島由季)の死体が見つかる。目撃者(佐藤晟也)によれば前夜背の高い学生風の男と歩いていたという。友人への聞き込みでみどりは最近知り合った大学生の木元五郎(砂塚秀夫)大石勉(小林稔侍)と交友関係があったことが明らかになる。大石にアリバイがあったため捜査主任(神田隆)らは素行の悪い木元五郎を署に呼んで話を聞くが…。
十代の性の問題を題材にした作品。目撃者の本屋の店員役、佐藤晟也が明るい大男を演じていてよい。【福】

映画「僕はボデイガード」(1964)

北一平(渥美清)が巡査を務める街として渋谷の道玄坂1丁目付近が映る。
左側のナショナルの看板は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
赤いビルとその下の屋根は京王井の頭線渋谷駅。その手前のオレンジ色の車両が見えるのは銀座線の車庫。中央に東急百貨店東横店、ドームがあるのが「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。その下のかまぼこ状の屋根が東急東横線渋谷駅。左下にランプがいくつもついているのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)の屋上にあった王冠型モニュメント。同ビルの屋上からの撮影と思われる。

北一平(渥美清)は杉浦大臣(京塚昌子)の歓楽街の視察に随行する。
背後に見えるのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)。

作品データ
映画「僕はボデイガード」
監督:久松静児

1964(昭和39)年/東宝

出演:渥美清、浪花千栄子、浜美枝、笠智衆、団令子、加東大介、清川虹子

北一平(渥美清)は巡査を務めていたが、柔道の腕が認められ要人のボディガードに起用される。杉浦大臣(京塚昌子)の担当となった一平は大臣の歓楽街の視察に随行した際の業績が認められる。様々な大臣の護衛をつとめる中で、大臣の愛人問題、デモ隊との衝突、暴漢の死など様々な経験を積んでいく。【福】

映画「犯罪のメロディー」(1964)

プロボクサーの青島徹(待田京介)はチャンピオンの座をかけた試合に出場する。
会場は「リキ・スポーツパレス」。円形の2階席があることと「テイジンテトロン」「日冷」の看板があることが「泥だらけの純情」(1963)と同じであることから特定した。

作品データ
映画「犯罪のメロディー」
監督:井上梅次

1964(昭和39)年/松竹

出演:寺島達夫、待田京介、吉田輝雄、菅原文太、安部徹、久保菜穂子、石黒達也、鰐淵晴子、桑野みゆき

プロボクサーの青島徹(待田京介)はチャンピオン戦の途中で不調をきたし突然倒れた。医師の診断によれば脳腫瘍によりあと三か月の命だという。残りの人生を有意義に生きようとした彼はアパートの隣の部屋に住む看護師小林美紀(鰐淵晴子)が勤める病院に子供の医療施設を作るために自分の保険金を寄付しようとする。しかし彼の保険金は保険会社の社員が持ち逃げをしていた。彼は彼同様余命の短いトランペッター手塚丈太郎(吉田輝雄)とともに国際闇金融組織の資金を狙うことにした。【福】
松竹株式会社
犯罪のメロディー 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

映画「青春前期 青い果実」(1965)

河合奈津子(太田雅子=現・梶芽衣子)と椎ノ木武志(太田博之)が3人の大学生にからまれ、武志は得意の空手で撃退する。
左側背後に「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)の屋上の王冠型モニュメントが、右側に「旅館一楽」(現「ソシアル道玄坂」道玄坂1-14-9)の看板が見える。

作品データ
映画「青春前期 青い果実」
監督:堀池清

1965(昭和40)年/日活

出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏

広島から転校してきた椎ノ木武志(太田博之)は無口で笑顔を見せない影のある少年。同級生の河合奈津子(太田雅子=梶芽衣子)はそんな彼に惹かれていた。やがて親しくなった二人は、武志の叔父中瀬安芸男(内藤武敏)が働く乗馬クラブへ馬を見に行く約束をする。母親(山岡久乃)に夜間の外出を厳しく止められた奈津子は家を抜け出して約束の場所へ向かうが、そこで3人の大学生に暴行されてしまう。奈津子は事件を忘れようとするが、教師(初井言栄)から親たち、親たちから生徒たちに噂が広まっていく。【福】
日活
青春前期 青い果実 | 映画 | 日活 セックスによる激しいショックを受けた二人の男女高校生の心の交流をクールなタッチで描いた異色純愛大作。

映画「星よ嘆くな 勝利の男」(1967)

速水隆次(渡哲也)はプロ入りの緒戦から順調に勝利を続け全日本ウェルター級タイトルマッチへ勝ち進む。試合の会場はすべて「リキ・スポーツパレス」。
「泥だらけの純情」(1963)で吉永小百合と浜田光夫がボクシングの試合を見る「リキ・スポーツパレス」と、円形の会場、2階席、広告まで同じことから特定。

作品データ
映画「星よ嘆くな 勝利の男」
監督:舛田利雄

1967(昭和42)年/日活

出演:渡哲也、山岡久乃、太田雅子

競馬場で矢代信吾(二谷英明)は速水隆次(渡哲也)を見つける。速水は将来を嘱望されながら失踪したボクサーだった。昔の試合で片目の視力を失った矢代は自分が果たせなかった夢を速水に賭けようと自分のジムに誘いをかける。速水の失踪後不運が続いている恩師の朝吹家のためと言われ速水の心は動き始める。【福】
日活
星よ嘆くな 勝利の男 | 映画 | 日活 渡哲也がボクサーに扮した青春アクション。ボクシングから身を引いていた男が恩師の死に報いるため、再びリングに立つことを決意する。

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