渋谷全線座|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

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映画「東京暮色」(1957)

冒頭、杉山周吉(笠智衆)が酒場「小松」で呑むシーンの前に渋谷の風景が挿入される。
「渋谷東映」は現「渋谷Toeiプラザ」(渋谷1-24-12)、「浮世風呂」「全線座」とあるのは現「全線座ビル」(渋谷1-24-10)、背後の「富士フィルム」「マツダランプ」は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」渋谷2-19-15)、手前右「山手随一大弓場 丸大」とあるのは現「片倉コープアグリ株式会社 渋谷ビル」(神南1-23-14)、「丸大遊技場」(現「丸大ビル」(神南1-23-13)。「西武渋谷店A館B館」の向かいから山手線越しに明治通り方面を見ていることになる。
映画看板の「始めに罪あり」は1956年ドイツ・ユーゴスラビア製作、「街の仁義」は1956年フランス製作の作品。

作品データ
映画「東京暮色」
監督:小津安二郎

1957(昭和32)年/松竹

出演:笠智衆、有馬稲子、信欣三、原節子、中村伸郎、山田五十鈴、杉村春子、山村聡

銀行の監査役杉山周吉(笠智衆)は長女の孝子(原節子)が結婚し次女の明子(有馬稲子)と二人暮らし。ある日周吉が家に帰ると孝子が孫を連れて帰っていた。どうやら夫の沼田(信欣三)と何かあったらしい。一方速記学校に通う明子もおば(杉村春子)に金を無心したり帰りが毎日遅かったりとこのところ様子がおかしい。ある日マージャン屋のおかみ(山田五十鈴)に声をかけられた明子は、おかみが自分たちを棄てて去っていった母親ではないかと怪しむ。
原節子も有馬稲子も終始不機嫌。小津が常に場面にミスマッチな音楽を流し続けるのは何故。【福】
松竹株式会社
東京暮色 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

映画「無言の乱斗」(1959)

ラスト、木下昌夫(和田浩治)が芝(波多野憲)と対決する。
対決シーンは「中渋谷ガード」から「のんべい横丁」、「宮下公園」一帯で撮影されている。
背後の「戦艦ポチョムキン」の看板は「渋谷全線座」(現「渋谷東急REIホテル」渋谷1-24-10)。記録によれば1959年11月5日から10日まで「渋谷全線座」で「戦艦ポチョムキン」が上映されていた(小川佐和子「二重の神話化:日本における 『戦艦ポチョムキン』 上映史」)ので、その時期のロケと思われる。

作品データ
映画「無言の乱斗」
監督:西河克己

1959(昭和34)年/日活

出演:葉山良二、清水まゆみ、和田浩治、白木マリ

木下昌夫(和田浩治)はヤクザの芝(波多野憲)にそそのかされ、母(高野由美)の愛人柳沢(高品格)を恐喝、さらにナイフで刺して少年鑑別所に送られた。教官の向井(葉山良二)は昌夫に親身に接するが、昌夫は恋人澄枝(清水まゆみ)や家族の面倒をみるという芝の言葉を信じ、芝のことを一切口にせず、向井に反発するばかりだった。昌夫の逮捕後澄枝は怪しげな飲み屋の女に身を落としていたが、向井がまともな仕事を世話してやったことから、次第に昌夫は向井に対して心を開くようになる。【福】
日活
無言の乱斗 | 映画 | 日活 少年鑑別所の檻の中で苦悶する非行少年達の赤裸々な生態と、善導に不屈の努力を続ける教官の姿を描き世に訴える、練檻ブルースの映画化。

映画「その人は昔」(1967)

デートをする青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)。だがこの後不良に絡まれることになる。二人がいるのは「宮下公園」の南端の階段。後ろにみえる映画館は「全線座」(現「渋谷全線座ビル」渋谷1-24-10)。

作品データ
映画「その人は昔」
監督:松山善三

1967(昭和42)年/東宝

出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】

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