テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

「ミステリーゾーン HD版 シーズン2」第26話「夢の世界」

トワイライトゾーン

はじめに

「ミステリーゾーン」(原題「The Twilight Zone」)は、日本で1960年代に放送されていたアメリカ製作のドラマシリーズ。
脚本家のロッド・サーリングがホスト(案内役)を務める1話30分完結方式のSFドラマで、アメリカでは1959年から1964年までCBSで放送されていました。
今年の1月から「スーパー!ドラマTV」で高解像度バージョンが放送されているのを知り、シーズン1の終盤から視聴開始。不思議な味わいのストーリー良し30分という尺良し60年代のレトロな雰囲気良し…ということで視聴継続決定。
シーズン2以降は最初から見ることができたので、せっかくなので番組データや感想をまとめておくことにしました。ネタバレおおいにありなのでこれから見る予定がある方はご注意ください。

不思議な物語が決して不思議ではなくなる世界。
空想の力によってのみ知ることのできる謎の世界。
ではミステリーゾーンのお話をこのテレビでご覧ください。

「ミステリーゾーン」OPナレーションより

放送データ

「ミステリーゾーン HD版 シーズン2」
第26話「夢の世界」
Shadow Play
 
殺人罪で有罪になったグラント。独房に戻った彼は、死刑執行までの様子を詳細に語り始めた。
 
出演:デニス・ウィーバー、ハリー・タウンズ、バーニー・ハミルトン
脚本:チャールズ・ボーモント
監督:ジョン・ブラーム
 
放送日:2021/02/14(スーパー!ドラマTV)
オリジナル放送日:1961/05/05(米CBS)

声の出演

堀井真吾
井上和彦 藤本譲 平田広明 塚田正昭
寺内よりえ 平野稔 堀部隆一 遠藤純一

翻訳 松田海 演出 中野洋志

コメント(ネタバレ有)

夢の世界
llustrated by Shinobu Yoshino

裁判所の判決の日。被告人のグラントは殺人で死刑を宣告される。グラントは「もう死ぬのはいやだ」「俺を殺せば皆死ぬんだぞ」と叫びながら暴れだし拘束される。
監獄でグラントは向かいの牢の囚人ジグズに死刑の様子を語って聞かせる。それは壁の色まで微に入り描写する、まるで以前見たことがあるような説明だった。

シーンは替わって検事リッチーの家。妻が夕食のステーキを焼いているところへ新聞記者のカーソンが訪ねてくる。カーソンはグラントの言う、全てはグラントが毎晩みる悪夢の中の出来事で、グラントを死刑にするとこの世の全てが消えるという主張が気にかかっていた。カーソンはいやがるリッチーにもう一度グラントに話を聞くよう説得する。

牢獄でジグズと話すグラント。グラントは、審理が始まったその日に判決がおりること、収監されている囚人の特徴がドラマのようにステレオタイプなこと、ジグズが禁止されているはずのガラスのはまった時計をしていることなどを挙げ、この世界はドラマや映画に影響された自分の夢だと主張する。そして間もなく検事が現れるだろうと予測する。
果たしてカーソンに説得されたリッチーが現れる。グラントは自分の考えを主張する。全く納得しないリッチーに対し、グラントは夢であることを証明すると言って、夕食のステーキが帰ったら別のものになっているはずだと予告した。リッチーが自宅に帰ると、グラントの言うとおりオーブンの中の夕食はローストビーフになっていた。

死刑執行15分前。カーソンとリッチーは死刑を中止するかどうかで議論している。

一方死刑執行の手続は淡々と進み、グラントのもとに教誨師が現れる。グラントは教誨師の顔が自分が10歳の時に死んだ神父の顔であることを思い出す。リッチーの顔にも見覚えがあることを思い出す。
しかしグラントは牢から出され電気椅子のもとに連れて行かれる。

一方カーソンとリッチー。リッチーはグラントが精神異常であって、この世は夢だというのはたわ言だと主張するが、カーソンに精神異常者を死刑にするのかという言葉を返され、死刑執行2分前に知事に中止の連絡をする。
刑場に鳴り響く電話。しかし同時に電気椅子のスイッチが入り、グラントの体が痙攣する。
それとともに、リッチー家の家具が次々と消えていく。グラントの言うとおり、この世界は彼の夢で、彼の死とともに世界が消えていくのだ。

シーンは替わって冒頭と同じ判決の日のシーン。だが囚人のジグズが裁判長になっているなど人が入れ替わっている。グラントは今日もまたこの繰り返す悪夢の世界に戻ってきたのだ。

夢か現実か区別がつかない話というのはよくあるが、登場人物が出来事がステレオタイプであることからドラマや映画の影響を受けた夢であることに気づくという展開は新しい。本作でもジグズはいかつい大男、そのほかにハーモニカを吹く囚人、頭が少しおかしくなった囚人がいること、真夜中に死刑が行われることなどいかにもドラマで描かれそうなシーンをあえて入れている。
死刑とともにリッチー家からものがなくなっていくシーンは短いが気味の悪いシーンだ。

グラント役のデニス・ウィーバーは本作の10年後スピルバーグの「激突!」に主演することになる。

リッチー家のステーキは一人分が250gくらいありそうな大きなステーキ。これを夫婦で一枚ずつ食う当時のアメリカの食事情恐るべし。【吉】


 
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