映画の感想文「最高殊勲夫人」

増村保造「最高殊勲夫人」(1959 / 大映)。
原作は「週刊明星」に掲載されていた源氏鶏太のラブコメディ。

三人姉妹の上の二人が三人兄弟の上の二人と結婚。
社長夫人の長女は会社の実権を得るため三女と三男も結婚させようと策略をめぐらす。二人はこれに反発し絶対に結婚しないという協定を結ぶ。

長女 VS 三女&三男、これに両家の両親、さらに三女を狙う若手社員二人とテレビ局のディレクター、若手社員に恋するOL、社長を務める長男の陥落を狙う芸者、次男のフィアンセである社長令嬢が参戦し繰り広げられる恋のバトルロワイヤル。

野心家の社長夫人に丹阿弥谷津子、少々ぼんやりした社長に船越英二、三男にドライな若者をやらせたら右に出る者のない川口浩、三女に若尾文子、川口浩のフィアンセののんびりした母親に東山千栄子などキャスティングが絶妙。
脇役に至るまで各人が求められるキャラクターを見事に演じている。

各シーンは実にテンポよく進み、シーンの切替わりに本筋とは無関係な人物たちの短いシーンが挿入されるのも面白い。

夫唱婦随を良しとする当時の価値観に基づいて作られているのでそのあたり不快感を覚える方にはあまりお勧めしないが、ここ数か月何十本の映画を見てきて、久々に面白い、楽しい、傑作だと思った映画。【吉】

杏子と三郎の家族構成

「最高殊勲夫人」(1959年 / 大映)
監督:増村保造
原作:源氏鶏太(『源氏鶏太全集』第15巻 (最高殊勲夫人,夫婦合唱),講談社,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1695607
出演:若尾文子、川口浩、宮口精二、丹阿弥谷津子、船越英二、柳沢真一、潮万太郎 ほか

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