「みなさん、さようなら」中村義洋監督、2013年公開。
生まれ育った団地から出ずに生きる男の成長譚。
ほろ苦くも切ない佳作。とても面白かった。12歳から30歳まで演じた主演の濱田岳はいつもながらの安定感。ベンガルも女優陣も良かった。
昭和40年代に小学校の6年間を相模原市の団地で暮らした私にとっては非常に懐かしい風景。
そして中1で団地から引っ越してしまった私にとって寂れ果てた団地というのは見たことのない風景だ。いずれも胸に迫る。
主人公は1981年に小学校を卒業したという設定なのだが、街の風景もファッションも台詞もきちんと時代考証されていて素晴らしい。
濱田岳は12歳の少年を演じられるのに回想シーンだけは子役を使ったのは、同級生役の俳優達が濱田とは違って普段着で小学生を演じるのが無理だったからとみた。【み】