神宮通り|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

神宮通り

渋谷駅前交差点からJR山手線に平行に北に延び、宇田川ガードを経て神宮前6丁目交差点で明治通りに合流する通り。

目次

映画「東京ジョー」(1949)

東京に着いたジョー(ハンフリー・ボガート)が輪タクを拾い自分の店へ向かうシーン。道玄坂方面からきた輪タクは「QFRONT」前を神宮通りへ左折する。奥に延びているのが神宮通り。
左側中華料理「寶華」「渋谷食堂」がある一画は現在の「QFRONT」「渋谷西武A館」がある街区(宇田川町21)。
※「火災保険特殊地図」(1951)、「渋谷区認定新興市場地区図」(1953)から特定した。なお、1950年代に区画整理で街区の形が変わっているため、上記は概ねの位置を示している。

作品データ
映画「東京ジョー」
監督:スチュアート・ハイスラー

出演:ハンフリー・ボガート、フローレンス・マーリー、アレクサンダー・ノックス

第二次大戦後、ジョー(ハンフリー・ボガート)は自分がかつて経営していた店「東京ジョー」に戻ってきた。彼は再会した旧友のイトー(テル・シマダ)から、死んだと思っていた元妻トリーナ(フローレンス・マーリー)が生きていると聞く。しかしジョーがトリーナの家を訪ねると、トリーナは新しい夫や娘と幸せな暮らしをおくっていた。【福】

映画「雑沓に光る眼」(1959)

タイトル後、東京の繁華街の映像がクロスフェードしながら映し出される。
その一つが渋谷駅前。左側が「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。「渋谷西村」の表示が見える。右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。

作品データ
映画「雑沓に光る眼」
監督:小杉勇

1959(昭和34)年/日活

出演:二谷英明、中村万壽子、丘野美子、宍戸錠

刑務所から出所し東京に帰る元スリの野口武(二谷英明)は車内で家出娘根本朝子(中村万寿子)と知り合った。上野駅で別れた二人だが、野口は弟分の花田健次(宍戸錠)が彼女の財布をするのを見つけ、花田から財布を取り返す。しかしすでに彼女の姿は見えなかった。花田に足を洗わせようとする野口は花田の恋人藤村ミユキ(丘野美子)を訪ねるが、そこで家で娘の財布をすり、親切を装って娘に近づき売春させる組織の話を聞いた。野口は根本朝子のことが気にかかったが、まさにその頃彼女は売春組織の元締山田辺陽子(広岡三栄子)の毒牙にかかろうとしていた。【福】
日活
雑沓に光る眼 | 映画 | 日活 大都会の裏面に巣食う戦慄の秘密売春組織に対決する男を異常な迫力で描くアクション娯楽篇

映画「女は二度生まれる」(1961)

銀座のホステスを辞め建築家筒井(山村聡)の妾になった小えん(若尾文子)が買い物中に、偶然通りかかった芸者時代の馴染客矢島(山茶花究)に声をかけられる。
若尾文子の後に「神宮通1-8」の住居表示が見える。
現「渋谷マルイ」(神南1-22-6)の位置にあった「丸安百貨店」前。

作品データ
映画「女は二度生まれる」
監督:川島雄三

1961(昭和36)年/大映東京

出演:若尾文子、藤巻潤、山村聡、山茶花究

神楽坂の小えん(若尾文子)は芸はないが体を売って暮らしている芸者。馴染みの建築家の筒井(山村聡)に可愛がられている。ある日風呂帰りの小えんは落とし物を拾ってもらった学生の牧(藤巻潤)にほのかな恋心を抱く。筒井、牧、投資家の矢島(山茶花究)、寿司職人の野崎(フランキー堺)、工員の泉山(高見国一)、政治家の猪谷(上田吉二郎)らの様々な男性と様々な関係を結びながら芸者、銀座のホステス、愛人と立場を変える小えんの半生を描く。自然に男性の心をつかむ小えんの立ち居振る舞いが素晴らしい。この時代の中年男性の貫禄とどうしようもない幼児性を見ることができる。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第136話『エゴイスト』」(1964)

荒牧刑事(岩上瑛)と岩井田刑事(滝川潤)は重要参考人の男の行方を知る富恵(松風はる美)を追跡する。富恵は車に乗って移動する。
移動シーンで映るのは神宮通りの現「シダックス カルチャーホール」前あたり。右は山手線宇田川ガード。左の建物「大畠建設事務所」は現「大畠ビル」(神南1-9-2)。

富恵が車を降りるのは神宮通り、現「ドトール本社ビル」前あたり。背後の「殖産住宅」は現在「タリーズ・コーヒー」がある「渋谷宮田ビル」(神南1-12-14)。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第136話『エゴイスト』」
監督:伊賀山正光

1964(昭和39)年/NET

出演:波島進、南川直、岩上瑛、鈴木志郎、仲原新二、上田侑嗣、館敬介、植田譲、松風はる美、松浦浪路、岡野耕作、斉藤英雄、春江ふかみ、加藤澄江、進藤幸、水沢摩耶

路地裏で頭から血を流し死んでいる男が発見され、警視庁捜査一課の立石主任(波島進)率いる立石班は現場へ急行した。現場付近で挙動不審だった売春婦ルミ(松浦波路)に事情聴取すると、彼女は現場から慌てて立ち去った男を見ていること、その後被害者の財布から現金を抜き取り財布を捨てたことが判明した。翌日、現場付近の川から発見された財布からドライブクラブの会員証が発見され、被害者の氏名は谷隆かと思われたが、前日に谷が会員証を友人の田端利夫に貸したことがわかった。またルミの証言から重要参考人である現場から立ち去った男のモンタージュが作られた。
なお、ドライブクラブというのは現在のレンタカー。【福】

映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」(1969)

誤って天野好子(中山麻理)の口座に振り込まれた東西電気の金を銀行から引き出した花川戸(ハナ肇)、植村(植木等)、谷井(谷啓)の3人は、横領されたと勘違いした会社側の通報により逮捕されてしまう。疑いが晴れて“城南警察署”から3人が出てくるシーン。“城南警察署”という設定の建物は「旧渋谷区役所」(神南1-12)で、当時は東京電力渋谷支社があった(現「東京電力渋谷支社」、「シダックス・カルチャーホール」(旧「電力館」)、「ニトリ渋谷公園通り店」にかけての敷地)。そこから神宮通りを渋谷駅の方向に見る角度。遠方に「丸井」(現「渋谷モディ」神南1-21-3)の看板が見える。
赤い自動車の前にいる後ろ姿の左のえんじ色のスーツが谷啓、真ん中の緑色のスーツが植木等、右の茶色のスーツがハナ肇。

作品データ
映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」
監督:古澤憲吾

1969(昭和44)年/東宝

出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、中山麻里、春川ますみ、浦島千歌子、東野英治郎

東西電気の花川戸(ハナ肇)の接待費を払ってもらえない高級クラブ「アンブレラ」のマネージャー植村(植木等)は、支払いの可否を判断するコンピューターと直談判をしに東西電気に乗り込み、プログラマーの谷井(谷啓)を説得してアンブレラの口座に金を払い込もうとする。しかし誤って東西電気に振り込まれた金が全てアンブレラの不良ホステス好子(中山麻理)の口座に振り込まれてしまう。金を取り戻そうと好子のアパートに乗り込んだ花川戸、植村、谷井はアパートで殺された好子を発見する。谷井は好子にコンピューターを組み込み蘇生に成功するが…。
企業のコンピュータ化真っ盛りの頃の作品。色々コンピュータに関する誤解もある。質屋から大笑いで登場する植木等が景気よい。【福】

映画「太陽を盗んだ男」(1979)

警察に5億円を要求した城戸誠(沢田研二)はメーデーに湧く街をカバンに原爆を入れて持ち歩く。
公園通りを進むメーデーのデモ隊の空撮。
右側「日本信託銀行」の表示は現在「眼鏡市場」がある「蓬莱屋第一ビル」(宇田川町20-1)、その右の灰色の壁は「西武渋谷店」(宇田川町21-1)。
奥の建物は左側が「ときわ相互銀行渋谷支店」(現「東日本銀行渋谷支店」 / 建物現存 / 神南1-22-8)、右側が「丸井渋谷店本館」(2025年1月時点建替中)。

作品データ
映画「太陽を盗んだ男」
監督:長谷川和彦

1979(昭和54)年/キティ・フィルム

出演:沢田研二、菅原文太、池上季実子、風間杜夫、伊藤雄之助

中学の理科教師城戸誠(沢田研二)は原爆を作ることをひそかに計画していた。彼は交番を襲って拳銃を奪い、原発に侵入して入手したプルトニウムを使い自宅で原爆を完成させた。彼はまず国会議事堂に原爆のレプリカを置き、警察庁長官に知らせることで自分が原爆をつくる能力があることを示した。その上で自分との窓口に捜査一課の山下警部(菅原文太)を指定した。城戸はかつてバスジャック事件をきっかけに山下警部(菅原文太)を知ったのだ。城戸は原爆を材料にナイターの放送延長を要求する。【福】

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