宇田川町地区|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

宇田川町地区

公園通り、東急本店通りで囲まれる地区。渋谷センター街、渋谷西武、渋谷パルコ、渋谷区役所等の施設を含む。

目次

映画「恋文」(1953)

渋谷駅前でばったり会った真弓礼吉(森雅之)と山路直人(宇野重吉)は喫茶店に向かう。
二人が歩いているのは東急本店通り。ネオンがある店は「パチンコいこい」、パチンコ台のようなものがあるのは「スマートボールミヤコ」、この後隣の中華料理店「長永軒」の前を通り、喫茶「ヒサモト」に入る。「いこい」「ミヤコ」ともに「SHIBUYA109」の向かいの現「IKUSHIN PLAZA」ビル(宇田川町26-5)付近。「渋谷区火災保険特殊地図」から特定。

真弓礼吉(森雅之)と山路直人(宇野重吉)は喫茶店に入る。喫茶店は「ヒサモト」栄通り店。
「SHIBUYA109」の向かい、現「IKUSHIN PLAZA」ビル(宇田川町26-5)付近。「渋谷区火災保険特殊地図」から特定。

真弓礼吉(森雅之)は久保田道子(久我美子)を追いかける。
場所は渋谷駅前交差点。「果実」の看板は「渋谷西村」。隣の「宮田家具店」のあたりと合わせて現「渋谷西村總本店ビル」(宇田川町22-1)。その左の「第一銀行」は現「みずほ銀行渋谷中央支店」(宇田川町23-3)。

作品データ
映画「恋文」
監督:田中絹代

1953(昭和28)年/新東宝

出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は弟の洋(道三重三)と暮らしている。生活力のある洋に対し、礼吉は定職にもつかず日々街に出かけては戦時中愛しあいながら他人の妻になった久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。ある日渋谷に出かけた礼吉は旧友の山路直人(宇野重吉)と再会する。山路は英文の代書屋を営んでおり、礼吉もその店で働くことになった。ある日店の裏で休んでいた礼吉の耳に、店の客の声が届いた。それは長年探していた道子の声だった。【福】

映画「雑沓に光る眼」(1959)

タイトル後、東京の繁華街の映像がクロスフェードしながら映し出される。
その一つが渋谷駅前。左側が「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。「渋谷西村」の表示が見える。右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。

作品データ
映画「雑沓に光る眼」
監督:小杉勇

1959(昭和34)年/日活

出演:二谷英明、中村万壽子、丘野美子、宍戸錠

刑務所から出所し東京に帰る元スリの野口武(二谷英明)は車内で家出娘根本朝子(中村万寿子)と知り合った。上野駅で別れた二人だが、野口は弟分の花田健次(宍戸錠)が彼女の財布をするのを見つけ、花田から財布を取り返す。しかしすでに彼女の姿は見えなかった。花田に足を洗わせようとする野口は花田の恋人藤村ミユキ(丘野美子)を訪ねるが、そこで家で娘の財布をすり、親切を装って娘に近づき売春させる組織の話を聞いた。野口は根本朝子のことが気にかかったが、まさにその頃彼女は売春組織の元締山田辺陽子(広岡三栄子)の毒牙にかかろうとしていた。【福】
日活
雑沓に光る眼 | 映画 | 日活 大都会の裏面に巣食う戦慄の秘密売春組織に対決する男を異常な迫力で描くアクション娯楽篇

映画「乾いた湖」(1960)

葉子(岩下志麻)の姉しづえ(鳳八千代)が破談になったことから、卓也(三上真一郎)は知り合いのボクサー鄭(水島弘)に元婚約者の藤森(高野真二)を襲撃させる。襲撃後鄭をタクシーに乗せ帰す卓也。
中渋谷ガードからの風景。手前左は「丸大遊技場」(神南1-23-14、現「片倉コープアグリ株式会社 渋谷ビル」)、右は「住友信託銀行渋谷支店」(「渋谷住友信託ビル」を経て2024年現在「KCA渋谷プロジェクト」建設中 / 神南1-22-3)。
奥の左側「松竹地下劇場」とあるのは「渋谷松竹」(現「渋谷西武A館」 / 宇田川町21-1)。奥の「渋谷食堂」の看板は現在IKEAがある「高木ビルディング」(宇田川町24-1)。

作品データ
映画「乾いた湖」
監督:篠田正浩

1960(昭和35)年/松竹

出演:三上真一郎、岩下志麻、高千穂ひづる

下条卓也(三上真一郎)は大学自治会の中央委員を務めている。彼のまわりには財閥の息子木原道彦(山下洵一郎)をはじめ多くの若者がいたが、彼らとの遊びは下条には退屈だった。ある日仲間の一人で卓也が惹かれている桂葉子(岩下志麻)の父親が自殺した。汚職事件の関係で代議士大瀬戸(伊藤雄之助)に詰め腹を切らされたと噂されていた。それが原因で葉子の姉しづえ(鳳八千代)の婚約は破断になり、彼女は大瀬戸の愛人となった。大瀬戸への憎しみと、卓也が除名となった大学自治会の仲間への対抗心からか、卓也はある計画を心に抱く。【福】
松竹株式会社
乾いた湖 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

映画「青春残酷物語」(1960)

新庄真琴(桑野みゆき)は危ないところを救ってもらった学生藤井清(川津祐介)と後日待ち合わせをした。
待ち合わせ場所は「渋谷松竹」(現「渋谷西武A館」宇田川町21-1)前。この後、「渋谷松竹」地下にあった「銀星座」の名前が映ることから判明。「銀嶺の王者」(1960)が上映中。
川津祐介の背後は「東急百貨店東横店」。

作品データ
映画「青春残酷物語」
監督:大島渚

1960(昭和35)年/松竹

出演:川津祐介、久我美子、渡辺文雄、田中晋二、小林トシ子

新庄真琴(桑野みゆき)と石川陽子(森島亜紀)は遅くまで遊んだ後、車に乗った男性をつかまえて家まで送らせるのが常だった。だがある日真琴は乗った車の中年男(山茶花究)に襲われかける。それを救ったのは通りがかった藤井清(川津祐介)だった。後日真琴は清と待ち合わせた。海辺で清は関係を求め、嫌がる真琴を海に突き落とし半ば強制的に関係を持った。【福】
松竹株式会社
青春残酷物語 松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」(1964)

参考人の高校生、成瀬隆志を探し、刑事たちが繁華街を探し回る。
橘部長刑事(南川直)が歩いているのは井の頭通り。
手前「レストラン ヨコタ」は現在「快活CLUB」などがある「横田ビル」(宇田川町24-10)。当時レストランと一緒にあった「横田薬局」は同ビルの中に現存。
奥右側の建物は「渋谷パレス座」(現在「ALAND」がある「渋谷三葉ビル」宇田川町20-11)。左側の石積は「和田医院」(現「西武渋谷店 ロフト館」宇田川町21-1)。「ロフト館」入口の飛び出した敷地にこの石積の形の面影が残っている。石積に看板がある「旅館秋元」は井の頭通りの裏、現在「TIP.X TOKYO渋谷」(宇田川町16-4)の場所にあった。

事件の手がかりとなる顔に傷のある男を探しに、井上組が経営する有線放送事務所に向かう桃井刑事(轟謙二)と荒牧刑事(岩上瑛)。
井の頭通り。奥の「三井銀行」と手前の「国際ガンコーナー」一帯は現在「西武渋谷店 B館」(宇田川町21-1)。この通りの上を現在「西武渋谷店」のA館B館をつなぐ連絡路が通っている。なお「国際ガンコーナー」は射撃ゲーム、パンチングマシーン、野球ゲームなどを揃えた今でいうゲームセンターだ。

井の頭通り。正面の石積は「和田医院」(現「西武渋谷店 ロフト館」宇田川町21-1)。「ロフト館」の飛び出した入口にこの石積の形の面影が残っている。石積に看板がある「旅館秋元」は井の頭通りの裏、現在「TIP.X TOKYO渋谷」(宇田川町16-4)の場所にあった。左側の建物は現在プロントがある「渋谷伸工ビル」(宇田川町17-2)。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第129話『非行少年』」
監督:北村秀敏

1964(昭和39)年/NET

出演:波島進、南川直、岩上瑛、轟謙二、滝川潤、鈴木志郎

高速道路の工事現場で若い女性の死体が発見された。警視庁捜査一課の立石主任(波島進)率いる立石班は服を手がかりに捜査を進め、女性の身元を特定した。一方、大森で犯行に使われたとみられる車が見つかり持ち主に事情を聴取したところ、当日、車は持ち主の高校生になる息子の成瀬隆志が乗り回していたことがわかった。一方、隆志は学校をさぼっていたところを補導され事件当日の事情を聴取されたが、その供述にあいまいな点があった。【福】

映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)

ホステスのユカ(石倭裕子)の売掛金取り立てのお礼に亮(陣内孝則)はユカに奢ってもらう。亮とユカが街を歩いているとユカの昔のなじみ客のやくざが声をかけてきて亮と喧嘩になる。
亮とユカが歩いているのは「東急ハンズ」(現「ハンズ」)から「渋谷PARCO」に至るいわゆる「オルガン坂」。「とんかつ とかち」「はとや白衣」「壁の穴 オルガン通り店」「定食の店 登美」などの看板が映るが、現在はすべて「モンベル渋谷ビル」(宇田川町11-5)。

亮とユカが下りる階段は宇田川町10と11の間のいわゆる「シスコ坂」。階段を降りたあたりで殴り合いが始まるが、横のビル名「柳光ビル本館」(現存 / 宇田川町11-11)の文字が写っている。

作品データ
映画「極道渡世の素敵な面々」
監督:和泉聖治

1988(昭和63)年/東映

出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男

坂井亮(陣内孝則)は賭けマージャンで金が払えずやくざの中川(日下武史)に袋叩きに会うが、それが縁で中川の家に居候することになる。やくざの道に入った坂井は債権回収に才能を見せ、次第に周囲から認められていく。ある日喧嘩で腹を刺され病院に入院したことがきっかけで院長の娘小宮圭子(麻生祐未)と知り合い、互いに好意を抱くようになる。
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】

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