恋文横丁|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

恋文横丁

東京都渋谷区道玄坂2-29-20

現在の「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」の場所にあった戦後発展したマーケットのひとつ。「すずらん横丁」という名称だったが、このマーケットにあった代筆屋を題材にした1953年の丹羽文雄の小説「恋文」がヒットした後、「恋文横丁」と改名された。1962年に共同ビル「長谷川スカイラインビル」建設のため消失。
参考図書:東京都渋谷区立渋谷図書館「渋谷の昔と今 : 写真集 」1985.3 / 石榑督和「戦後東京と闇市 新宿・池袋・渋谷の形成過程と都市組織」2016.9

目次

映画「恋文」(1953)

真弓礼吉(森雅之)は山路直人(宇野重吉)の代筆屋に連れていかれる。場所は「すずらん横丁」(のち「恋文横丁」に改名)。現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)のあたり。「すずらん横丁」のアーチ、「お好み焼スタンド ドラさん」「八雲」などの店名が見える。

「すずらん横丁」(のち恋文横丁に改名)を歩く真弓礼吉(森雅之)と山路直人(宇野重吉)。
現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)のあたり。「小川ラジオ店」、「三楽酒蔵」、「お好み焼スタンド ドラさん」、「友楽」、「ロロ」などの店名が見える。

真弓礼吉(森雅之)の弟の洋(道三重三)はとんかつ屋の軒下で古本を売ることを思いつく。古本屋から仕入れた本を運ぶ洋。
場所は「すずらん横丁」(のち恋文横丁に改名)。現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)のあたり。「すずらん横丁」のアーチ、「山野靴店」、「小料理 たるみや」、「八雲」などの看板が見える。

真弓礼吉(森雅之)は、山路直人(宇野重吉)の代筆屋を訪れたかつての意中の人、久保田道子(久我美子)を追って店を出る。
場所は「すずらん横丁」(のち恋文横丁に改名)。現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)と「SHIBUYA109」(道玄坂2-29-15)の間、現在「恋文横丁の碑」があるあたり。奥の広い道は文化村通り。「サモワール」、「井筒」、「パチンコ」等の看板が見える。

作品データ
映画「恋文」
監督:田中絹代

1953(昭和28)年/新東宝

出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子

終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は弟の洋(道三重三)と暮らしている。生活力のある洋に対し、礼吉は定職にもつかず日々街に出かけては戦時中愛しあいながら他人の妻になった久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。ある日渋谷に出かけた礼吉は旧友の山路直人(宇野重吉)と再会する。山路は英文の代書屋を営んでおり、礼吉もその店で働くことになった。ある日店の裏で休んでいた礼吉の耳に、店の客の声が届いた。それは長年探していた道子の声だった。【福】

映画「太陽をぶち落せ」(1958)

タイトルバック。東急本店通りの現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)付近。中央に「恋文横丁」の表示が見える。

作品データ
映画「太陽をぶち落せ」
監督:野口博志

1958(昭和33)年/日活

出演:川地民夫、菅井一郎、南田洋子、宍戸錠、水島道太郎

大須賀禎蔵(菅井一郎)の息子吾郎(川地民夫)は謎の自殺をとげた母親のことが忘れられず、新しい母親蘭子(南田洋子)に異性としての愛情を感じつつことごとく反抗していた。蘭子の昔の恋人で、蘭子を奪い返す機会をうかがっていた禎蔵の部下青野洋介(宍戸錠)はある日二人の過去をばらすと脅し蘭子と料理屋で密会した。たまたまカップルを脅迫するため写真を撮影するバイトをしていた仲間からの連絡を受け、吾郎は蘭子と青野が密会する旅館へ乗り込む。吾郎はそこで青野から禎蔵は吾郎の実の父親ではないと聞かされ、激しく動揺する。吾郎は父親の日記から古市(水島道太郎)という男の存在を知り、古市を探し始める。【福】
日活
太陽をぶち落せ | 映画 | 日活 真実の愛を求めて彷徨し、苦悩する少年の叫びと姿を通して、現代のモラルと多感な思春期の群像を描くもの

映画「愛しながらの別れ」(1964)

新生会に呼び出され光枝(和泉雅子)と兄の件を組に任せろと迫られた勝太(浜田光夫)は事務所を飛び出し、新生会のやくざと追跡劇をくりひろげる。
勝太がセンター街から東急本店通りへ出る。向かいに「くじらや」「恋文横丁」の看板。「くじらや」は現「SHIBUYA109」(道玄坂2-29-1)、「恋文横丁」は現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」(道玄坂2-29-20)と「SHIBUYA109」の間。

作品データ
映画「愛しながらの別れ」
監督:江崎実生

1964(昭和39)年/日活

出演:浜田光夫、和泉雅子、山内賢

バーテンの森本勝太(浜田光夫)はやくざ新生会の息のかかった店を辞め、新しいアパートに住みついた。アパートの管理人一家は、夫を亡くした母親の政江(東恵美子)は愛人(近藤宏)との情事に溺れ、息子の利夫(山内賢)はやくざになり家を出て、娘の光枝(和泉雅子)がひとりで病気の祖母カネ(原泉)や妹たちの面倒をみていた。勝太はかたぎの職につき新生活を始め光枝との交流も深まったが、ある日新生会時代の仲間敏坊(高島稔)が訪ねてきて金を無心する。【福】
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