古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
長谷川スカイラインビル
東京都渋谷区渋谷3-19
1963年竣工。その後2008年に建て替えられ、現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」。
映画「泥だらけの純情」
文化村通りを道玄坂下交差点上空から「東急百貨店渋谷本店」方向を見る。左手の木造建物群は現「SHIBUYA109」あたり。建設中の建物は「長谷川スカイラインビル」。「東亜」ビルの位置から特定。
映画「泥だらけの純情」
監督:中平康
1963(昭和38)年/日活
出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子
映画「丘は花ざかり」

野呂(二谷英明)にふられ、野崎(川地民夫)からもつれなくされた香山美和子(浅丘ルリ子)は同僚の山本(高田敏江)が呑んでいる渋谷のおでん屋に向かう。
渋谷駅前交差点の夜景。左側「週刊サンケイ」と赤い縦書きの「大興証券」の看板は戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の赤く丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。白く光っているビルは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「パウリスタ」は「栄蘭ビル」(現「マツモトキヨシ渋谷Part2店」宇田川町23-4)、赤い縦書きの「宮田の家具」、白い「西村フルーツパーラー」、「千野時計店」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。
映画「丘は花ざかり」
監督:堀池清
1963(昭和38)年/日活
出演:浅丘ルリ子、川地民夫、二谷英明
大学新卒の香山美和子(浅丘ルリ子)は出版社東洋評論社に入社する。香山は同僚の野崎正也(川地民夫)から告白され彼女も野崎に好意を感じていたが、それ以上に編集長の野呂真三(二谷英明)に惹かれている。香山の姉高畠信子(桂木洋子)には夫(松下達夫)がいたが、PTAの関係で知り合った妻帯者の石山春雄(山内明)との仲が進行している。一方石山はバーのマダム白川朝子(渡辺美佐子)を愛人としていた。
香山と野呂・野崎の恋愛、石山と高畑・白川の恋愛が進んでいく中で、現代的な価値観をもつ女性香山美和子は色々なことを学んでいく。
妻を亡くした野呂の家に平気で数日泊まり込む香山の感覚や、ラスト近く香山を諭す野呂のロジックなど色々受け入れ難い点がある。野崎がずっとかわいそう。川地民夫が可愛げのあるさわやかな青年を演じている。【福】
映画「アリバイ」

ラストシーン。
渋谷駅前交差点の夜景。左側ネオンが集積しているのは戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。「マタンゴ」を上映中のようだ。各階が白く光り屋上に縦長のネオンがあるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「東亜」は現「ハイマンテン渋谷ビル」(宇田川町23-5)。「TEXTILE WORLD TOA」と名称を変更し神南で現在も営業中。「渋谷西村」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、一番右は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
映画「アリバイ」
監督:牛原陽一
1963(昭和38)年/日活
出演:二谷英明、 小高雄二、 渡辺美佐
経理士が自宅で銃殺され、現場から100万円の小切手が紛失した。畑中部長刑事(二谷英明)は拳銃の出どころを追ううち拳銃ブローカーの大野(小高雄二)という男に行き着く。警察は大野が犯人と目星をつけるが、大野には同時刻にある薬局にいたという目撃者がおり、また店内からは大野の指紋も検出された。一方小切手の発行主から汚職担当の捜査二課が長年目をつけていた中央貿易公司社長の呉羽(陶隆)が浮かび上がり、事件は複雑さを増していった。
警視庁協力のもと作られた本作は当局に配慮したためか堅実さはあっても今ひとつスリルに欠ける。【福】
映画「縄張はもらった」

狭間組に反旗を翻した寒河江(小林旭)は東京に戻る。渋谷の地下道出口から出た寒河江は道玄坂下、文化村通りを通り途中刺客に襲われながら「長谷川スカイラインビル」に入る(三井生命渋谷支店・東洋火災海上の看板から特定)。
カメラは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)内から文化村通り・センター街越しにスペイン坂入口方面を望遠で狙う。画面右の紫の看板「白鳥」は現「渋谷B&Vビル」(宇田川町25-6)、左側「焼肉南苑」は「ドトールコーヒーショップ 渋谷センター街店」がある現「ニュー渋谷ビル」(宇田川町28-2)、正面の「レストランせんとるいす」はスペイン坂入口横、現「渋谷ZERO GATE」(宇田川町16-9)、左側の喫茶店(このあとのショットで「純喫茶絵夢」と判明)は現「いちご渋谷文化村通りビル」(宇田川町28-2)。
映画「縄張はもらった」
監督:長谷部安春
1968(昭和43)年/日活
出演:小林旭、宍戸錠、二谷英明
8年ぶりに出所した一文字組の代貸寒河江(小林旭)。だが組長の源造(加原武門)は病床にあり、組の縄張りもすっかり狭間組に奪われていた。源造の勧めで寒河江は狭間組に世話になることになる。組長の狭間(戸上城太郎)は青葉組と遠野一家から振興工業地帯の縄張りを奪えばその土地は好きにしてよいと言われ、話に乗る。青葉組と遠野一家を争わせ共倒れにすることをもくろみ、狭間は寒河江をリーダーとしていかさま師の新庄(藤竜也)、元俳優の鳴瀬(川地民夫)、元歌手の飯塚(大浜詩郎)と中津(郷鍈治)、目付役として狭間組の箱崎(二谷英明)でチームを組んだ。これに一文字組時代の舎弟ジョージ(岡崎二朗)、寒河江を兄の仇と狙う日野(宍戸錠)が加わった。【福】
東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「東京些末観光:渋谷定点観測02-22」も併せてどうぞ。