渋谷PARCO|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

渋谷PARCO

東京都渋谷区宇田川町15-1

1973年開店の現存する商業施設。2016年に「渋谷PARCO(PART1、PART3)」一時休業、2019年11月22日にリニューアルオープン。

目次

TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

第二の犯行現場に着いた犯人は逃走に向けて車を切り返す。
切り返し中に背後に映るのは「大成建設渋谷アパート」(現「渋谷PARCO」宇田川町15-1)。当時の住宅地図より特定。

作品データ
TVドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

映画「望郷の海」(1962)

心を病んで異常な行動をする竹村(郷鍈治)が団地の子ども達にいじめられるシーン。集まってくる子ども達。左側の団地は「大成建設渋谷アパート」(現「渋谷PARCO」宇田川町15-1)。奥に伸びる道は現「オルガン坂」。団地名を記した立札と当時の住宅地図から場所を特定。

後ろの敷地は「大成建設渋谷アパート」(現「渋谷PARCO」宇田川町15-1)。郷鍈治が倒れているのは公園通り。パルコ前の公園通りでいじめられているかたち。団地名を記した立札と当時の住宅地図から場所を特定。

作品データ
映画「望郷の海」
監督:古川卓己

1962(昭和37)年/日活

出演:小林旭、松原智恵子、深江章喜、楠侑子、郷鍈治、金子信雄、藤竜也、松尾嘉代

世界タイトル戦に向けたボクシングの試合の夜、勝者の清(藤竜也)がトレーナー雄志(小林旭)の恋人恵子(松尾嘉代)と心中しているのが発見された。恋人と弟子に裏切られた雄志は失意の日々を送る。雄志の様子を見かねた対戦相手竹村(郷鍈治)の妹せつ子(松原智恵子)は、あの試合で八百長が仕組まれていたこと、清が八百長を拒んだことから井沢(深江章喜)に殺されたことを伝える。雄志は清と恵子のために復讐することを誓い、井沢が住む伊東へ向かう。【福】
日活
望郷の海 | 映画 | 日活 金をかけて育て上げたボクサーと自分の恋人を葬った悪徳に怒りを叩きつける若いトレーナーの姿を描く

映画「歌う暴れん坊」(1962)

駒形組の駒形鉄治(川地民夫)と巽建設の巽大介(小林旭)が、地元弁天町警察署の警視に着任する旧友堅野信三(藤村有弘)を迎えるシーン。警察署の敷地内に堅野と孤児院の孤児を乗せた車が入ってくる。
別の角度で宇田川町3-7にあった仁愛病院が写っていることから、弁天町警察署は「東京都渋谷税務事務所」(現「渋谷区立勤労福祉会館」神南1-19-8)と特定した。また右側のアパートは「望郷の海」(1962)で「大成建設渋谷アパート」(現「渋谷PARCO」宇田川町15-1)と特定済なことから、中央の赤い屋根は1966年改築される以前の「東京山手教会」(現存、宇田川町19、屋根の上に十字架が見えている)、左側のビルは「エクセルシオールカフェ」のある「遠山ビル」(改築して現存、神南1-20-12)と特定した。敷地の向こうを横に延びるのが公園通り、「渋谷区立勤労福祉会館」から勤労福祉会館前交差点を見る角度。「東京山手教会」の左に見える塔は。形状と方向から「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)屋上の日産の広告塔と特定。

作品データ
映画「歌う暴れん坊」
監督:松尾昭典

1962(昭和37)年/日活

出演:小林旭、笹森礼子、川地民夫、藤村有弘、こまどり姉妹

弁天町のやくざ組織駒形組の駒形鉄治(川地民夫)とやくざから足を洗った巽建設の巽大介(小林旭)は大学の同級生で親友だったが、ことあるごとに意見が対立し小競り合いを繰り返していた。そこへ二人の親友堅野信三(藤村有弘)が警察署に新しく警視として配属された。巽は高速道路の建設で立ち退きになる孤児院のために歌謡ショーの開催を企画するが、一方巽の存在が煙たいやくざ榎本勝四郎(安部徹)は、巽と駒形を相打ちにさせて弁天町全域を支配下に置こうともくろみ、巽建設の名前でヘロインの密売を始める。そのため駒形や堅野と巽の関係は険悪になる。【福】
日活
歌う暴れん坊 | 映画 | 日活 対立する建設会社のボス二人とその地に着任したかつての学友警部を主人公に傷害事件をめぐる騒動をコミカルに描くアクションドラマ

映画「十代 恵子の場合」(1979)

鉄(三浦洋一)は恵子(森下愛子)の美人局をして上納金を稼ぐ。その客引きのシーン。この後パルコから出てくる男性に客引きが声をかける。渋谷パルコ前。「パルコグルメ」と「PARCO西武劇場」の広告が見える。上映作品は杉浦直樹と石立鉄男主演のコメディ「おかしな二人」の初演と思われる。

作品データ
映画「十代 恵子の場合」
監督:内藤誠

1979(昭和54)年/東映

出演:森下愛子、三浦洋一、風間杜夫、殿山泰司

高校2年の恵子(森下愛子)の家庭は父母のいさかいが絶えず、また最近学業も振るわず行き詰まっていた。ある日図書館で声をかけてきた高校生のたまり場へ行き、そこでチケットを買わされたパーティに向かうとそこでは麻薬と性が蔓延していた。襲われそうになった恵子はやくざの鉄(三浦洋一)に助けられ、鉄とつきあうようになった恵子は鉄と組んで美人局まで行うようになっていた。ある時上納金が原因のもめ事で兄貴分の石黒(成瀬正)を傷つけてしまった鉄は恵子を連れて地方へ逃げる。恵子がトルコ風呂で働き、鉄は博打にのめりこみ、覚醒剤漬けの日々が始まった。
恵子が想定内の流れで身を落とし想定内の結末が待っている、何もひねりのないストーリーに音楽も安っぽいムード音楽ながら、1979年の渋谷の風景をふんだんに観ることができるありがたい作品。つかこうへいの「熱海殺人事件」で木村伝兵衛を演じた三浦洋一(初代)と風間杜夫(二代目)が出演しているのが演劇ファンにとってはちょっと嬉しいポイント。【福】

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