ニットキャップの女性が糸子の知り合いの関係者かどうかわからずじまいの金曜日。
おそらく直子の紹介のウォーキングレッスンの先生。
なにをどうしたいのかよくわからないハイテンションで登場。
よく知らないけど、この手のウォーキングの先生というのは元モデルさんみたいな人が多いのでは?
この先生、姿勢が悪いし背はあまり高くないしブカブカのジャージだし。お手本になる身体のラインが見えなければ困るじゃないの。
総婦長のはからいでニットキャップさんもファッションショーに出演することに。
彼女の病名は「末期ガン」。
糸子と総婦長がデイルームというオープンなスペースで彼女の病状をおおっぴらに語り合っていたのでヒヤヒヤ。
そして、看護婦に支えられてデイルームから病室に戻っていっていたのに、糸子との面談には一人で来たニットキャップさん。
糸子と話している間に倒れでもしたらどうしようとハラハラ。
さらに、本人に向かって「末期ガン」と言い出す糸子にドキドキ。
「お宅、いっつもデイルームの隅っこ座って見てたやろ」
「さすがの総婦長さんもほだされたらしいで。特別に一人入れてくださいちゅわれてな」
「ほんなに出たかったん?」
「なんで?」
いかにも糸子らしいズバズバとした物言いの連発。
いくら孫ぐらいの年齢とはいえ、病気で弱っていると思しき初対面の相手だ。もう少しオブラートにくるんでもよさそうなものだが、そこはね、まあ、糸子だから。
それに人間88歳にもなるとこの程度の言い回しくらいどうということもなくなる気もする。
というか、糸子と面談している最中に、ニットキャップさんが湯婆婆に自分の名前を半分取られてしまいそうで心配になった。嘘だけど。
でも、今日の面談シーンの糸子はいつも以上に湯婆婆タッチだったと思う。
わずかな表情の変化で感情の動きを伝える繊細な演技のニットさんの左手の薬指には結婚指輪が光っている。
「こんなに痩せてしまって」という台詞があったので、結婚指輪なんてとうにゆるゆるになっているんじゃなかろうか、いや夫がサイズ直しをしたのか、しかし重篤な病の人は痩せたりむくんだりするので入院中は指輪はハズした方がいいんじゃかろうか等々、余計なことを考えてしまって、芝居に集中できないダメなわたくし。
どうやら「年をとると何をやっても驚かれ喜ばれる」「85歳を過ぎたら奇跡を起こすのが私の役目だと思えるようになった」という老糸子のポリシーを強調するため、末期ガン患者のニットさんが登場した模様。
ファッションショーに出演することで、少しでもニットさんが元気になりますように。
そして、明日こそ糸子が奈津に再び会えますように。【み】