「ミステリーゾーン シーズン1」第12話「彼に必要なもの」

はじめに

2021年1月から「スーパー!ドラマTV」で高解像度バージョンが放送されているのを知り、シーズン1の途中から見始めました。不思議な味わいのストーリー良し30分という尺良し60年代のレトロな雰囲気良し…ということで視聴継続決定。
シーズン2以降は最初から見ることができたので、せっかくなので番組データや感想をまとめることにしました(2022年1月に「スーパー!ドラマTV」でシーズン1の再放送がありました。 これで「ミステリーゾーン」1〜5コンプリートできます。スパドラさんありがとう!)。

※ネタバレおおいにありですので、これから見る予定がある方はご注意ください。

目次

放送データ

「ミステリーゾーン HD版 シーズン1」
第12話「彼に必要なもの」
What You Need

チンピラの男は、ある行商人に目をつける。行商人は、これから起こる未来の出来事に対して何が必要かを見極められる、特別な能力を持っているようなのだ。チンピラはその能力を使って、自分の将来を変えようとするのだが……。

脚本:ロッド・サーリング
監督:アルヴィン・ガンツァー

放送日:2022/01/09(スーパー!ドラマTV)

オリジナル放送日:1959/12/25(米CBS)

出演者

フレッド・ルナード:スティーブ・コクラン/パドット:アーネスト・トルエックス/レフティ:リード・モーガン/バーの女性:アーリーン・マーテル/バーテンダー:ウィリアム・エドモンソン/女性:ドリス・カーンズ/通りの男性:フレディ・クルーガー/ホテルの従業員:ノーマン・スタージス/通りの女性:ジュニー・エリス(クレジットなし)/ウェイター:フランク・ローガン(クレジットなし)/警察官:ロン・ナイマン(クレジットなし)/通りの男性:ジョン・ペドリーニ(クレジットなし)/写真家:マーク・サンデー(クレジットなし)
ナレーター:ロッド・サーリング

声の出演

堀井真吾/小杉十郎太 大竹宏 土方遊人 益富信孝/林佳代子 清水明彦 杉本ゆう 坂部文昭 田中正彦

コメント(ネタバレ有)

llustrated by Shinobu Yoshino

ある酒場で一人の男フレッド・レナードが飲んでいる。彼は自分の境遇に不満を持つ暴力的な男だった。
そこへ行商人パドットが入ってくる。彼は店内の女性に声をかける。マッチを買おうとする女の目を見ると、「必要なのはマッチじゃない」といって染み抜きを売りつける。
カウンターで飲んでいる男レフティがパドットに声をかける。レフティは新品の左腕が欲しいという。彼は元プロ野球選手で肩を壊して引退していたのだ。行商人は代わりのものとして炭鉱の町スクラントン行きのバスの切符を渡す。

その直後、店にレフティあての電話が入る。昔の監督からだった。その電話はなんとスクラントンのチームのコーチとしての仕事の依頼だった。喜ぶレフティ。スクラントン行きの切符はさっき手に入れたばかりだ。だがレフティは自分には今着ている上着一枚しかないことに気づき、服に目立つシミがあることを思い出し面接に行くことを躊躇し始める。
そこへ先程の女性が声をかけ、手に入れたばかりの染み抜きでレフティの上着のシミを消す。いい雰囲気になる二人。

この様子をずっと見ていたレナードは店を出たパドットに声をかけた。自分にも何か必要なものを渡せと脅す。パドットはおそるおそるハサミをレナードに渡す。半信半疑のままホテルに帰ったレナードがエレベーターに乗り込むと、マフラーがドアに挟まり、彼の首を締めていった。間一髪ハサミでマフラーを切りレナードは一命を取りとめた。本当にハサミは必要なものだったのだ。

パドットが未来を見通せることを確信したレナードはパドットの自宅で彼を待ち受けていた。レナードはパドットに、未来が見えるのなら自分を相棒にして金儲けに加担しろと強く迫る。やむを得ずパドットはインク漏れしている万年筆を渡す。万年筆のインクは競馬の馬の名前に垂れた。レナードはそれをヒントに馬券を買い大金を儲けた。

翌日レナードは再び金儲けするため新聞にインクを垂らそうとしたがインクは垂れない。怒ったレナードはパドットに次に必要なものをよこせと迫る。レナードはパドットの反応を見ながらカバンの中から自分に必要なものらしい靴をとりだし履いてみる。しかし靴の使い方を教えないパドットにレナードが業を煮やし迫る。その瞬間、レナードは足を滑らせ車にはねられてしまう。

パドットは一人つぶやく。「レナードさん、あのバーであなたの目に映っていたのは死でした。私の死です。あなたは私を殺そうとしていた。だから必要でした。レナードさんには滑りやすい靴が必要だったのです」。

事故を見に集まってきた野次馬に、パドットは「あなたにはこれが必要です」と櫛を渡す。現場に集まっていたところで新聞社のカメラマンが声をかける。「写真を撮らせてください」。起きぬけで髪が乱れていた住民には櫛が必要だったのだ。

レフティと女性のやりとりのシーンにはベルリオーズの「幻想交響曲」第3楽章のメロディが入る。二人の間に愛情が芽生えた表現か。レフティのしみのあるジャケットは衣装なのだろうが彼にはだいぶサイズが大きいように見える。

行商人パドットはシーズン3第21話「真夜中の遊戯(Kick the Can)」にも出演。染み抜きを買う女性アーリーン・マーテルは第2シリーズ第17話「No.22の暗示(Twenty-Two)」で悪夢に繰り返し現れる看護師役を演じている。【吉】

出典

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