渋谷病院|映像の中の渋谷

古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。

渋谷病院

東京都渋谷区渋谷2-11-8

1960年頃から渋谷2-11-8にあった病院。
1992年に建て替えられ現在は「大菅ビルディング」となった。

目次

映画「ファンキーハットの快男児」(1961)

日の丸建設の株を大量に買う桜井とも子(八代万智子)を見かけた境野みどり(中原ひとみ)はタクシーで桜井の後を追う。桜井の車が「マンション昭和」前にとまったシーン。
「マンション昭和」という設定なのは住宅地図によれば「渋谷病院」(渋谷区渋谷2-11-8 / 現大菅ビルディング)。

作品データ
映画「ファンキーハットの快男児」
監督:深作欣二

1961(昭和36)年/ニュー東映

出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、新井茂子、花沢徳衛

探偵天下清助(花沢徳衛)の息子・天下一郎(千葉真一)は相棒の茂(岡本四郎)とナンパに出掛け、投資家の境野みどり(中原ひとみ)と出会う。一方、茂は国産省の局長木暮家の女中ルメ(新井茂子)と知り合った。ある日小暮家の令息靖幸(くさかべ雅人)が誘拐され身代金500万円が要求される。一方みどりは日の丸建設の株を大量に買う女性を発見。日の丸建設は国産省が建設計画中の産業会館の入札をめぐり大下組と激しく争っていたことから、一郎は誘拐事件と日の丸建設が何か関係あるとにらむ。
今では考えられないが千葉真一が軽いノリの主人公を演じている。色々リアリティある演出で深作欣二を再評価。なおファンキーハットとは冒頭一郎と茂が学生帽を脱ぎ捨ててかぶったパナマ帽のこと。【福】

映画「波止場気質」(1961)

喧嘩をした山村順(平田大三郎)が入院しているのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。

作品データ
映画「波止場気質」
監督:山崎徳次郎

1961(昭和36)年/日活

出演:川地民夫、平田大三郎、松原智恵子、弘松三郎、安部徹、深江章喜、野呂圭介

元外国航路の航海士岩佐英治(川地民夫)は同僚を死なせてしまったことから船を降り、その息子でボクサーの山村順(平田大三郎)の世話をしていた。港の人々は皆温かく山村を応援していた。しかしチャンピオンベルトを賭けた試合で山村のグローブに不正が見つかり山村は不戦敗となってしまう。港の人々の心も離れていった。しかしこれはやくざの滝田(弘松三郎)が仕掛けたものだった。【福】
日活
波止場気質 | 映画 | 日活 事故の責任を負って船おりた航海士と、彼が弟のように可愛がる若い港湾労務者とのボクシングをめぐって展開される男の友情物語。

映画「セクシー地帯」(1961)

大阪への転勤の撤回を求めて吉岡博司(吉田輝雄)は部長の森川(九重京司)の自宅がある「グリーンマンション」を訪ねる。
「グリーンマンション」という設定なのは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。「ファンキーハットの快男児」(1961)と「波止場気質」(1961)に同じ建物が登場し、特に「波止場気質」では実名で登場しているため特定した。

作品データ
映画「セクシー地帯」
監督:石井輝男

1961(昭和36)年/新東宝

出演:吉田輝雄、三原葉子、細川俊夫

ある日吉岡博司(吉田輝雄)は部長の森川(九重京司)から預かったものをスリの真弓(三原葉子)にすられてしまう。一方吉岡博司(吉田輝雄)の同僚で婚約者の滝川玲子(三条魔子)は、実は「クロッキークラブ」という地下の売春組織から接待用に会社に派遣されていたコールガールだった。滝川は組織を抜けようとして殺されるが、地下組織との関係の発覚を恐れた部長の森川(九重京司)の証言で吉岡が容疑者として追われる身となってしまう。逃亡する中真弓を発見した吉岡は、彼女を問い詰めるうち森川から預かったものが「クロッキークラブ」という店の会員証だったことを知る。吉岡と真弓は「クロッキークラブ」の正体を探りはじめる。
石井輝男監督の「ラインシリーズ」の4作目。「セクシー地帯」と書いて「セクシーライン」と読ませる。【福】

ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」(1961)

パトカーは宮益坂を宮益坂上で左折し美竹通りに入る。背後に「渋谷病院」(渋谷区渋谷2-11-8、現大菅ビルディング)。当時の住宅地図より特定。

作品データ
ドラマ「特別機動捜査隊 第001話『最後の犯人を追え』」
監督:関川秀雄

1961(昭和36)年/NET

出演:波島進、佐原広二、南川直、轟謙二、巽秀太郎、神田隆、室田日出男、柳生博、志村妙子(後の太地喜和子)

1961年10月よりNET(現・テレビ朝日)系にて放送開始。警視庁から資料提供や撮影の全面的バックアップを受けて製作された日本初の連続1時間ドラマ。1977年3月までの15年半にわたり全801話が放送された。(「東映ビデオ」公式ページより)

第001話「最後の犯人(ホシ)を追え」
3人組の男が盗難車を使い民家に押し入り夫を銃で撃つという事件が発生した。警視庁の立石主任(波島進)率いる立石班が捜査を進めるうち第二の事件が発生、犯人は不動産屋に強盗に入り社員を射殺した。犯行の手口から山口(日尾孝司)が容疑者としてあがり、続いて不動産屋への聞き込みから以前同店で働いていた関口(室田日出男)が関与していることがわかった。【福】

映画「機動捜査班 群狼の街」(1962)

伴(内田良平)が住むマンションという設定なのは「渋谷病院」(渋谷区渋谷2-11-8 / 現「大菅ビルディング」)。「ファンキーハットの快男児」(1961)で同じ建物が登場し特定済。

作品データ
映画「機動捜査班 群狼の街」
監督:小杉勇

1962(昭和37)年/日活

出演:青山恭二、香月美奈子、内田良平

やくざ同士の銃撃戦があり、戸辺組の組長(山之辺潤一)が殺された。だが組長を撃ったのは相手側に寝返った戸辺組の岡田(木島一郎)の仕業だった。大宮刑事(青山恭二)ら捜査四課は敵対する坂牧組の木村(森塚敏)と山口(弘松三郎)を犯人とにらんで捜査を進めていたが、岡田が犯人だという匿名の電話があった。電話の主は伴(内田良平)であり、伴は坂牧組に取り入ったのちその実権を握ろうと、まず邪魔になる岡田の存在を消そうとしていた。【福】
日活
機動捜査班 群狼の街 | 映画 | 日活 機動捜査班シリーズ第11弾。暴力奸智を武器に無法の街の独裁を企む男を追求する機動捜査班の活躍を描く。

映画「その人は昔」(1967)

交際していた裕福な男性(山中康司)が既婚者とわかって傷つきひとり歩く洋子(内藤洋子)。
洋子が歩くのは渋谷2丁目。背後で白く光っている建物は「仁丹ビル」(現「徳真会クオーツタワー」渋谷2-10-10)。画面左端に「森下仁丹」と縦型のネオンが光っている。赤いネオンは「渋谷病院」(現「大菅ビルディング」渋谷2-11-8)。

作品データ
映画「その人は昔」
監督:松山善三

1967(昭和42)年/東宝

出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。【福】

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