テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

「水曜日のダウンタウン」新企画モンスターアイドルに身悶えする。

目を手で覆う女性

2016年8月の「マツコ&有吉の怒り新党」で取り上げられ話題になった「共感性羞恥」。
曰く「他の人のミスや、テレビ番組・ドラマなどで恥ずかしい場面を見た時、まるで自分がその体験をしているかのように恥ずかしさを感じてしまうもの」(Doctors Me)だという。
科学的に実証されているものかどうかはわからねど、私は間違いなくコレ。

失敗する登場人物だらけの「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」が苦しい。勘違いや思い込みで猪突猛進するNHK朝ドラのヒロインの少女期も苦しい。
そして何より苦しいのが「男はつらいよ」シリーズ。
義侠心に厚く常識がなくて見栄っ張りで惚れっぽくてオッチョコチョイの寅さんは頻繁にしくじる。落語における与太郎的人物であるところのこの愛すべき男の失敗譚こそがこのシリーズの見どころなのだが、私は本当に苦しい。おいちゃんおばちゃんや御前様のシーンは楽しめるのにね。

さて、11月6日から「水曜日のダウンタウン」で始まった安田大サーカスクロちゃんの新企画「モンスターアイドル」。
これが昨年末の「モンスターハウス」に引き続き、共感性羞恥者をおおいに身悶えさせる企画なのである。

クロちゃん×アイドル。
アイドルマニアのクロちゃんがアイドル志望の女の子達からお気に入りを選抜して作ったアイドルグループをプロデュースするという悪魔的発想。
「クロちゃんに気に入られる行動を取らないアイドル候補生はクビにする」という独裁体制と並行して自分の恋人探しも行うと宣言するクロちゃん。
「自分に服従する可愛い女の子達」「理想のアイドルグループ」「絶対的な権力」というクロちゃんの大好物ばかりが盛り付けられた地獄のお子様ランチみたいな新シリーズである。

どれだけ美味しい思いをしても結局最後は罰ゲームという過程を昨年の「モンスターハウス」企画で体験しているわけだから、当然今回だってクロちゃんも視聴者も「どうせ最後は罰ゲーム」と思っている。
だが、だからといってそこで腰が引けたり慎重になったりしないのが我らがクロちゃんである。
自分がどういう役回りでキャスティングされているか理解した上で、現在自分に許されている範囲と権利をギリギリいっぱい使って刹那的な快楽を貪り食うクロちゃんがひたすら恐ろしい。

水曜日のダウンタウン

候補生の女の子をひとりひとり呼び出し、ありえない近さで面接をするクロちゃん。
手を握る、太ももに手を置く、顔に触るというセクハラ三昧。だが、候補生達は一切さからうことなく、むしろクロちゃんにセクハラされるのが嬉しいようなリアクションをするのだ。クロちゃんの機嫌を損ねたらクビにされちゃうからね。

「なるほど、世のアイドルのプロデューサーもきっと陰でこんなことしてるんだろうな」と視聴者をニヤニヤさせる仕掛けなわけだが、共感性羞恥者的にはこれがもうそわそわして居ても立っても居られないシーンなのである。恥ずかしいやら気色悪いやらで、もうやめてー! 勘弁してー! と思わず声が出る。

次回は沖縄合宿の巻だという。
水着姿の美女達に囲まれ笑顔のクロちゃん、彼女達になれなれしくボディタッチするクロちゃん、脱落者を発表するクロちゃん等々、共感性羞恥者がじたばたと苦しむこと必至の次週予告。
「もう全員いっぺんに辞めたったらええねん」というダウンタウン浜田のコメントに溜飲を下げる。そうだそうだ! 浜ちゃんの言う通りだ! みんな辞めたったらええねん!

今年もまたクロちゃん企画に心を揺さぶられる年末を過ごさなければならないのかと思うとツラい。そしてたぶんまた面白い企画になるだろうから見ないわけにはいかないから本当にツラい。水曜日の寅さん、クロちゃんの活躍が楽しみだけどツラい、ツラいけど楽しみというこの二律背反。誰か助けてー。【み】

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