「全力!脱力タイムズ」(2019年11月29日/フジテレビ)。
アンタッチャブル復活企画完結。
これまでバービー、ハリウッドザコシショウ、コウメ太夫を山崎代わりに柴田と漫才をさせてきたらしいが、あいにく一度も見たことがない。
だけど、何だか胸騒ぎがして見てみたら、電子番組表にも載っていなかったこのサプライズ!
今回はザキヤマに似ている俳優の小手伸也を相方に、2003年のM-1グランプリでもおなじみのアンタッチャブルの代表作のひとつ「ファーストフード」を披露。
漫才の途中でネタが飛んで絶句してしまう小手、それを厳しく咎める有田、恐縮する柴田という茶番、というかコレはいわゆるフリだ。
気まずい空気の中、「もう一度やりましょうか?」と提案する柴田。「私も言い過ぎました」と小手伸也を呼びにいく有田。
そして有田が引っ張ってきたのはホンモノの山崎弘也だった!
運動神経抜群の柴田はそれを見て、サンパチマイクを持ったままステーンと見事にひっくり返る。
ザキヤマが前歯を出しているのは、おそらく少し前歯の出た小手伸也の顔に寄せているのだろう。
今回、ザキヤマはザキヤマではなく、小手伸也として登場しているテイなのだ。
小手伸也はザキヤマの動きや表情をマネており、ザキヤマはそれをまたマネしている。
「ザキヤマのそっくりさん小手伸也がザキヤマの動きや表情をマネている様子をマネる小手伸也役のザキヤマ」という複雑な構図。
なお、小手伸也の隣の柴田がジャケット着用なのにザキヤマの隣の柴田が半袖なのは、ホンモノのザキヤマ登場におおいに驚いた後、予想外の場でのアンタッチャブル復活に覚悟を決め「よっしゃ!」と気合を入れてジャケットを脱いだから。
前の週の「さんまのお笑い向上委員会」で、柴田が「山崎とは仲悪くない」「頻繁に会っている」とやけに不自然な感じで主張していたのが気になっていたのだが、てっきり「THE MANZAI」でアンタッチャブルが復活する嬉しさがダダ漏れになってるんだろうと思っていた。実はそうではなくて「脱力タイムズ」のこのサプライズを言うわけにいかず挙動不審になっていたのかもね。
東京の漫才コンビにとって「THE MANZAI」を仕切るビートたけしは神様みたいな存在。もし、たけしに頭を下げられたら山崎も所属事務所もNOとは言えないだろう。
だが、山崎といえば有田。昔から有田の子分のようにふるまってきたわけで、有田への義理も欠きたくないはず。
というわけで、ザキヤマではなくあくまでも小手伸也としてアンタッチャブルを復活させた「脱力タイムズ」、アンタッチャブルを正式に復活させた「THE MANZAI」というアイデアはたけしと有田双方の顔を立てた良い着地点だと思う。
まあ、本当の事情はわからないけれど、アンタッチャブル復活はとにかくめでたい。
ロンハーで暴れるピンのザキヤマやアメトークでフジモンと組んで他の芸人のネタを楽しそうに完コピするザキヤマも大好きだが、これからアンタッチャブルの漫才も見られるのかと思うと嬉しい。
3ヶ月も前の出来事だけれど、やはり書き残しておきたかった。
来年の事を言えば鬼が笑うらしいが、去年の話なら鬼も真顔だろう。
2020年のアンタッチャブルにおおいに期待したい。【み】