フジテレビは前世がお好き

以前「ポリャンスキーの脳 真実のSF」で前世療法をとりあげたフジテレビが「NONFIX」でまた前世療法をとりあげていた。

曰く「退行催眠〜前世の記憶は存在する!?〜」(2005年2月16日 2:28〜3:23)。
「ポリャンスキー…」で放映された「前世と自分が同時に生きているという矛盾を起こしている女性」の映像もまた使用。フジテレビはまだ矛盾に気づいていないようだ。

今回はさらに林葉直子に前世療法を施した。
林葉の「前世」は砂漠地帯に住む少年ジョジ11歳。
丸い帽子を被り、父親が「イク」という動物を捕ってきたという言葉から、番組は北アフリカに住み丸い帽子を被るというベルベル族と推定、「イク」とは「実際に存在する動物『イクネウモン(エジプトマングース)』」だろうとし、あたかも林葉の前世ばなしに信憑性があるかのように放映した。

しかし、「インターネットで蝉を追う」というサイトによると「イクネウモン」とは中世の書物に出てくる動物であり、エジプトマングースであろうとされているだけで、実在かどうかははっきりしていないのだ。
何しろこの書物では他に「火の鳥」「一角獣」「馬身ケンタウロス」なども紹介されているのだ。
画面では番組スタッフもこのサイトを見ており、このことは知らないはずがないのに。

ジョジはその後キリスト教を信じていたために宗教上の争いで片足を失ってしまう。ベルベル族に過去そのようなことがあったのかは番組は検証していない。

前世療法を行う村井啓一氏自身は「前世は本物であるかどうかは確かめる術がない」としているのに、番組は前世の再現イラストなどを交え盛んに前世はあるという方向にリードしようとしている。
フジテレビのサイトではこの番組を「ドキュメンタリーほか」の枠にいれているのだが…。【吉】

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