9月9日深夜放送の「松紳」(日本テレビ系)に笑い飯が登場。
かつて紳介竜介、さらにダウンタウンにハマり、今は笑い飯にどっぷりハマっている私にとって、島田紳助と松本人志と笑い飯という組み合わせはまさにドリームマッチ。まるで江夏豊&村田兆治とイチロー&松井秀喜が対決するようなワクワク感がある。
M1グランプリの審査員を務める島田と松本が、笑い飯がベスト8初出場の2002年も決勝に進出した2003年も大絶賛、高得点を与えていた経緯からも、期待はいや増すというものである。
番組は、笑い飯のネタ(蚊/宮本武蔵)→4人のトーク→笑い飯のネタ(学生服/ワシントン)という構成。
紳助と松本はいずれも漫才ではボケ担当、笑い飯はWボケというスタイルである。4人がボケ合ってトークにならないのでは…と楽しみにしていたのだが、残念ながら、実際は「大先輩二人の前で口数少ない笑い飯」という図であった(普段からトークはあまり得意ではないようだが)。
「M1グランプリは結成10年以内のチームしか出場できないが、結成5年目の笑い飯はまだ5回出場できる」という話題から、「あと5回、毎年出ます」と宣言する笑い飯。
仮に優勝しても毎年出る、毎年同じネタで出ると畳みかけると、松本が「おいおい、ネタは替えようや」とものすごく嬉しそうにツッコミを入れていたのが印象的であった。
笑い飯がネタを披露した後の紳助と松本は、見ているこちらがくすぐったくなるほどの大激賞である。「いいよなあ」「面白いよなあ」「毛穴からオモロイ空気がちゃんと出てる」などと感心しきりといった様子。
笑い飯のポイントは「テンポが一定ではない」「一見ヘタに聞こえるような喋り」。
それはすべて計算しつくされており、まるで素晴らしい音楽を聴いたような感じ…と分析してみせる。
確かに拙くも見える笑い飯の漫才だが、何度も同じネタを見ていると、聞き取りにくかったセリフが替わっていたり、喋るスピードが違っていたり、しつこくボケていた箇所をさらっと流していることがあったりと、細かな工夫をしている様子が見られたりする。
リスペクトを捧げる漫才コンビの技術が進化していく過程、その持ちネタが育っていく様子をリアルタイムで見られるこの幸福。
初めて笑い飯を見た2002年のM1グランプリで衝撃を受けて以来、ハートわしづかみにされっぱなしである。東京ではなかなか二人の漫才を見ることができないのが寂しいが、「松紳」での宣言通り、毎年M1に出場してほしい。
1年の締めくくりが笑い飯。最高である。しかし、ええ土。【み】