「ポリャンスキーの脳 真実のSF」(2005年1月4日 2:30〜3:30/フジテレビ)を見た。
脳科学や医療の最先端の話題を紹介する番組なのだが、作り手の自意識がビンビンに感じられるなかなかうっとうしいつくりの番組だ。
また最先端科学と同等の扱いで前世療法や七田式なども取り上げており、おいそれとうのみにできない内容だ。まあ深夜のバラエティだからいいじゃん、ってな感じか。
その中で前世療法の現場が映し出されていた。
前世療法の「権威」ブライアン・L. ワイスに師事したというホリスティックワークのセラピスト村井啓一氏が、結婚願望があるのに恋愛ができないという22歳の女性のセラピーを行う現場である。
催眠状態になり「前世を思い出した」女性が、村井氏の質問に沿って回答をしていく。
年は何歳?
6歳。
今どんな気持ちかな?
悲しい。
どうして悲しいの?
飛行機が飛んでいるから。爆弾落とすから。
女性は前世療法によって戦時中の6歳の少女「まゆ」の記憶を「とりもどした」。
その後15歳で父が戦場で死んでいなくなっていたこと、40歳で夫と子供2人がいたことなどを次々に思い出す。最後に彼女は69歳で自分が死んだ時のことを思い出すのだ。
どこにいる?
上。
上で何してる?
見てる。
何を見てる?
自分のなきがら。
つまりよく臨死体験などで語られる、霊魂が抜け出して自分の死体を上から見下ろしている状態ということだろう。
だが待て。日本の初の空襲は1942年4月。この時6歳だとすると69歳で死ぬときは2005年。収録は去年だとするとまだこの時点で前世は死んでないぞ。それどころか女性が生まれた1982年か1983年には前世はまだ46か47でピンピンしていたはずだ。
ホリスティックワークは公式サイトで「前世が本当にあるかどうかはわからないが効果がある」という立場をとっているので、ほら前世療法はインチキだと断定するつもりはないが、少なくとも前世療法で引き出される前世が本物でないことだけは確かなようである。【吉】