「天国と地獄 〜サイコな2人〜」(TBS)。
初回の評判がTwitterで割と良かったので初回はTverで視聴し、第2回からは録画して見ている。
普段は滅多にドラマを見ないのに、今期は「天国と地獄」以外に「おちょやん」(NHK)、「ミステリーゾーン」(スーパー!ドラマTV)、「その女、ジルバ」(フジテレビ)も毎回録画視聴しており忙しい。
特に朝ドラの「おちょやん」だよ「おちょやん」!
週末にまとめて見ていたんだけど、うかうかしてたらもう3週分も貯まってやんの。どうするよこれ。
さて、「天国と地獄」だが4話まで見た印象だと、定型的な登場人物達が予想通りに動くドラマ。
天才的な頭脳を持つサイコな犯人。がむしゃらで頑張り屋の女性刑事。後輩のかわいいけどボンクラな男性刑事。乱暴で強引な捜査をするワイルドな先輩刑事。
女性刑事は先輩刑事に手柄を横取りされるし、サイコな犯人に翻弄されまくる。そして男女入れ替わり。
どこか見たような設定によくあるキャラクター!
で、ボンクラな後輩刑事はもうファンタジーの領域に達しているボンクラで、敵がいることがわかっている警視庁の建物の中や、追跡されている可能性の高い道で大声張り上げてナイショの電話をかけるとか、大事な証拠品の手袋の左右を間違えるとか、ひとつふたつならともかくあまりにボンクラすぎるのだ。
いくらゆとり世代で仕事熱心じゃなくても、「警視庁捜査一課」といったらパリッパリのエリートじゃん。緊張の続くドラマに緩和をもたらす“コメディリリーフ”の役割だとしてもやりすぎ。
一課だよ? 一課だからね!
そして、とにかく気になるのが高橋一生。
現在、綾瀬はるかを演じている高橋一生は、喋り方も仕草も驚くほど巧く女性になりきっている。
しかし、今回の綾瀬はるかは落ちこぼれではあるがエリート刑事なので、低めの発声を使い強く堅い喋り方をする。
高橋一生の演技は通常時の綾瀬はるかのほんわか感は出ているのだが、今回の綾瀬はるかの芝居とは違う気がするのだ。
と、ここまであれこれ文句言っておきながら、結局毎週見ている私だ。
何故って、女性刑事が綾瀬はるかだからだよ。
今までも憎からず思っていた綾瀬はるかだが、この「天国と地獄」を見て、自分は綾瀬はるかがだいぶ好きだったとしみじみわかった。
林泰文が演じる鑑識の新田というキャラは喋る時に語尾を長く伸ばすのが癖という設定だが、これがまあ絶妙な塩加減。コミカルではあるけれどしっかり地に足ついたギリギリのリアル。
この感じも含め、全体的に品が良い感じ。
なんだろうこの感覚…と考えたらその正体がわかった。
日曜劇場枠だ。
というか、JIN味が深いのだね。
私が完走した数少ないドラマのひとつ「JIN-仁-」にどことなく雰囲気が似ていて、とても見やすい。
江戸時代に一生懸命に仁先生に尽くし自らも医学を学んでいた綾瀬はるかの姿が思い出される。
それになんか劇伴も似てない?
ウィキペディアを確認したら、同じ作曲家が関わっていた。やっぱり!
現在、高橋一生に扮している綾瀬はるかは、抑えた低い声で妙な抑揚をつけ気取った感じで喋る。
高橋一生は知的なインテリ社長なので基本的に静かに喋るのだ。
何というか鬱々とした演技で、見れば見るほどクセになる。
話の続きも気にならないわけではないが、とにかくあの綾瀬はるかの鬱々芝居が見たくてたまらない。
ああ、日曜日が待ち遠しい。【み】