「カーネーション」糸子のだんじり再始動

ドラマがようやく動き出した。
糸子のだんじりが久しぶりに始動した模様。
今日はいかにも「カーネーション」的な台詞の釣瓶打ちで、つい頭の中で尾野真千子の声に変換して気分が高揚してしまうのであった。

アラこの台詞はこの音程でいいのかしら? などと岸和田の人間でもないのに時折首をひねるわたくし。
方言指導が入っているのだからおそらく夏木糸子のイントネーションで正解なのだろうが、以前はこんなに糸子の泉州弁の塩梅が気にならなかったのは確かである。
木之元、昌子、優子の泉州弁は「あれ?」と思うことがあったけれど、「地方から大阪に出てきた人なのだろう」とか「岸和田を離れて長いので関西弁と東京弁が混ざってしまったのだろう」とか、自分の中でどうにか折り合いがついていたのでOK。
だけど糸子は岸和田生まれの岸和田育ち。しかも主人公だからたくさん喋るし、大事な台詞が多いので目立つのだ。

お年寄りだからゆっくり喋るという表現なのか、夏木糸子は語間というか文字間に独特の間を入れがちなのも気になるポイント。
若い頃にチャキチャキと喋っていた人は年をとってもチャキチャキ早口で喋るよね。歯が抜けたり入れ歯が合わなくなったり声がかすれて聞き取りづらくなることはあるけど。
ゆったりした夏木糸子節は忙しい朝の“ながら見”や非関西弁圏の視聴者にとってわかりやすいのかもしれないが、この独特の間のおかげで、糸子というよりも、糸子をわかりやすく演じている人にも見える。
いや、夏木マリも尾野真千子も「糸子を演じている人」ではあるのだけれど、オノマチ糸子はリアルタッチの糸子、夏木糸子はカリカチュアライズした糸子。

これ、何かに似ているなーと思っていたのだが、ああ、そうだ、明石家さんまのモノマネをするほいけんただ。
動きも喋りも表情も達者で本物そっくり。だけど少しだけ誇張している感じ。
夏木マリのほっそりした顔だちとかハスキーな声が余計さんまっぽい…というか、ほいけんたっぽく感じるのかもしれない。

今日は孝枝が糸子の食事の支度をしていた。
経理や事務だけでなく、家のこともどうやら彼女の仕事のうちらしい。
近いうちに里香が東京に帰りそうな展開なので、孝枝が家事もしてくれるなら安心だ。
ゴミ出しだの古新聞をまとめるだの食料の買出しだの買ってきた食材を冷蔵庫にしまうだの、日々の生活はチマチマとやることが多いのである。
松葉杖のご老人が一人で生活するのは大変。床にちょこっとこぼしたコーヒーを拭く、とかね。空になったティッシュペーパーの箱をゴミ箱に捨てて戸棚からストックのティッシュペーパーを持ってくる、とかね。
今はどうしているか知らないが、今後は入浴は孝枝のいる昼間に済ませるといい。

ブランド立ち上げもいいけれど、この際、オハラをバリアフリーに改築してはどうか。部屋の中に手すりがあると歩きやすいよ。
優子も直子もキーキー言ってるヒマがあったら、店の中や風呂場にオシャレな手すりをつけるとか部屋の段差をなくすとか二階へ昇るエレベータ-をつけるとか寝室を一階に移すとか家政婦を雇うとか、そっちの方面にも気をつかってあげてね。

そういえば、アホボン三人組と糸子ブランドの件でモメた時に出前でとった特上の鰻重、アホボンから一人前取り上げて里香に食べさせていたけれど、本当は孝枝が優先じゃないかしらん。
孝枝は糸子の片腕であり食事の支度をしてくれるほどの間柄なのだし、なによりまだコドモの里香に特上なんてモッタイナイ。
怒りのあまりアホボン三人組を愚弄する意味であえてコドモに特上鰻重を与えたのかもしれないけど、どうせなら孝枝さんに食べさせてあげてほしかったなあ。【み】

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