感じの悪い従業員二人に辞表を叩きつけられ落ち込む直子。東京という巨大な敵を相手におおいに苦戦している模様。
岸和田では家族会議が開かれ、直子の店に助っ人を送りこもうという話に。
助っ人には誰が適任だろう。糸子か。
いや、センセはあきません、こんだけ仕事が詰まってんのに。
ほな、誰がええやろなあ。ウチの縫子でそこそこ接客もできる……。
それなら昌子か。うん、そやなあ。昌ちゃんか。
ここで口を開く優子。
「いや、ウチや。ウチが行く」
でも、まだ小さな里恵がいるのに…という声には、「夫・悟の実家に頼むなりなんとかするから大丈夫」とにかく自分が行くしかないと言い張る優子。
オハラには直子の仕事を本当の意味で手伝える人間は優子以外にいない、糸子や昌子では無理なのだという。
それを聞いて激怒する糸子。勝手にせえ!
才能で妹に負けた優子、今こそ自尊心を取り戻す千載一遇のチャンス到来……とみるのはさすがに穿ち過ぎか。
今、弱りきっている可哀想な妹を助けられるのは姉の私だけ!
直子の才能が理解できる私だけ! 直子と同じ服飾学校を主席で卒業したこの私だけ!
子育ての合間に岸和田のおばちゃん相手に商売するより、一流のデパートでオシャレな東京人相手に最先端の流行を売ることこそ私にふさわしい。
生意気で乱暴な妹はこれで私に感謝してしばらく頭が上がらなくなるだろうし、店での失敗で急降下していた母の信頼もここで大きく取り戻せるはず!
いや、何もそこまで優子のことを悪し様に言う必要もないんだけど、家族会議での優子の表情が「直子を助けたい」というよりも「私が」「私が」という気持ちばかりが前に出ているようで、見ていてなんだかツラかったのよ。
この非常時に小さな里恵を連れて行くのもなんだか腑に落ちなくてねえ。
とりあえず千代に預ければいいじゃん。あるいは今は保育園に預けてるんだから送り迎えは小原家でどうにかできるんじゃないの? 父親の悟もいるわけだし。
どうも今ひとつ優子の言動に感情移入できないワタクシ。
直子と聡子はいつだって可愛くていじらしくてたまらないのだけど。
さて、この日、スキップをしながら浮かれて帰ってきた聡子は、テニスの府大会で優勝を決めてきたのだった。
しかし家内は直子の件で取り込み中。言い出す機会を逸してまた糸子に誉められ損ねた聡子。切ない。【み】