古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
中渋谷ガード
渋谷駅の北、神宮通りの西武渋谷店あたりで山手線の下をくぐり宮下公園側へ出るガード。
目次
映画「どうせ拾った恋だもの」(1958)
冒頭東急百貨店東横店が大写しになった後カメラは右下にパンし中渋谷ガードで男たちと争う伸次(三島謙)とその子分(高品格)が映される。
後ろから抱きとめているのが高品格。
作品データ映画「どうせ拾った恋だもの」
監督:関喜誉仁
1958(昭和33)年/日活
出演:安井昌二、香月美奈子、コロムビア・ローズ、高品格
腹を刺された男伸次(三島謙)が子分(高品格)に連れられ医師が不在中の病院に担ぎ込まれる。看護師の石川道子(香月美奈子)は伸次の顔を見て驚く。彼は昔道子の恋人だったのだ。彼女は止血剤をうって応急処置をするが、医師の秋山(安井昌二)が到着した時には男は死んでしまう。実はこの止血剤は婦長の佐藤のぶ(新井麗子)がブローカーから買った粗悪品であった。発覚を恐れた佐藤は男の死を道子の処置のミスのせいにしようとし、秋山との結婚を望む院長の娘高野佳代子(千葉麗子)に秋山と道子の関係を匂わせたり、子分から買った伸次と道子が付き合っている頃の写真を使って病院を追い出そうとする。医師の秋山は道子に結婚を申し込むが、伸次と交際していた過去がある道子はこれを断り、病院も辞めてしまう。
初代コロンビア・ローズの同名の曲をベースにした歌謡映画で彼女自身も看護師を演じ、歌う(意外と演技も巧い)。非常にシンプルなメロドラマ。婦長役新井麗子がわかりやすい悪役を好演。【福】
日活
どうせ拾った恋だもの | 映画 | 日活
過去の暗い影に悩み、酷な運命に堪えてひたすら愛する人への思慕に幸福の夢を追う乙女の姿を描いた歌謡哀愁篇
映画「無言の乱斗」(1959)
ラスト、木下昌夫(和田浩治)が芝(波多野憲)と対決する。
対決シーンは「中渋谷ガード」から「のんべい横丁」、「宮下公園」一帯で撮影されている。
二人の周囲のアーチ型のトンネルが「中渋谷ガード」。
作品データ映画「無言の乱斗」
監督:西河克己
1959(昭和34)年/日活
出演:葉山良二、清水まゆみ、和田浩治、白木マリ
木下昌夫(和田浩治)はヤクザの芝(波多野憲)にそそのかされ、母(高野由美)の愛人柳沢(高品格)を恐喝、さらにナイフで刺して少年鑑別所に送られた。教官の向井(葉山良二)は昌夫に親身に接するが、昌夫は恋人澄枝(清水まゆみ)や家族の面倒をみるという芝の言葉を信じ、芝のことを一切口にせず、向井に反発するばかりだった。昌夫の逮捕後澄枝は怪しげな飲み屋の女に身を落としていたが、向井がまともな仕事を世話してやったことから、次第に昌夫は向井に対して心を開くようになる。【福】
日活
無言の乱斗 | 映画 | 日活
少年鑑別所の檻の中で苦悶する非行少年達の赤裸々な生態と、善導に不屈の努力を続ける教官の姿を描き世に訴える、練檻ブルースの映画化。
映画「女囚さそり けもの部屋」(1973)
ナミが下水道に逃げ込んだことを知ったユキ(渡辺やよい)は、マンホールから火をつけたマッチを落としナミとの接触を図ろうとする。ユキがのぞきこむマンホールの後方に中渋谷ガード。
作品データ映画「女囚さそり けもの部屋」
監督:伊藤俊也
1973(昭和48)年/東映
出演:梶芽衣子、成田三樹夫、李礼仙、渡辺やよい、南原宏治
逃亡中の殺人犯松島ナミ(梶芽衣子)は地下鉄内で刑事権藤(成田三樹夫)に逮捕されるが権藤の腕を切り落として逃げる。墓場に潜伏していたナミは娼婦の中川ユキ(渡辺やよい)に助けられる。ある日街を仕切る鮫島興行のメンバーを殺した疑いで鮫島剛次(南原宏治)と鮫島カツ(李礼仙)に監禁されるが脱走し鮫島興行のメンバーを次々に刺殺、鮫島剛次をビルから転落死させる。ナミは周辺を警備していた権藤らに追跡されるが、マンホールから下水道に逃走する。
梶芽衣子や成田三樹夫の鋭い目、李礼仙の突飛な衣装などギラギラとどぎつい魅力に満ちた作品。【福】
映画「ボクサー」(1977)
「涙橋食堂」の常連客の一人、ガラシャ(新高恵子)が客引きをしているのは「西武渋谷店」あたりで、山手線の下をくぐり「宮下公園」側へ出る中渋谷ガード。
作品データ映画「ボクサー」
監督:寺山修司
1977(昭和52)年/東映
出演:菅原文太、清水健太郎、小沢昭一、春川ますみ
足が不自由なボクサー天馬哲生(清水健太郎)はチャンピオンを夢見るが初試合で破れ、ジムに見捨てられる。天馬は元チャンピオンの隼謙次(菅原文太)にコーチを頼み込むが、かつて天馬に事故で弟を死に追いやられた隼は一度はこれを断る。だが最後は天馬の熱意に負け彼をコーチすることになった。隼と天馬のトレーニングが始まる。彼らを応援する地元「涙橋食堂」の人々。【福】
映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」(1980)
オープニングで、斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)が犯人(佐藤蛾次郎)をがガード下で確保する。ガードは「中渋谷ガード」。
作品データ映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」
監督:斎藤光正
1980(昭和55)年/角川春樹事務所=東映
出演:中村雅俊、勝野洋、大楠道代
斑島祥介(中村雅俊)と樺屋隆治(勝野洋)の二人組は出来の悪い刑事。ある日銀行強盗の訓練で強盗に扮した二人が現金入りのジュラルミンケースを奪って逃走中にそれを何者かに奪われてしまう。【福】
映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)
亮(陣内孝則)は店で偶然圭子(麻生祐未)と再会して一緒に飲み、朝まで渋谷の街を歩く。
アーチ状の形状から「中渋谷ガード」と特定。
次第に生活が荒れていく中川(日下武史)から「雀荘に金を持ってこい」という連絡を受けた亮(陣内孝則)は中川を諭しに向かう。
アーチ状の形状と、前のシーンで「渋谷1-27」の住居表示が映っていることから「中渋谷ガード」と特定。
作品データ映画「極道渡世の素敵な面々」
監督:和泉聖治
1988(昭和63)年/東映
出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男
坂井亮(陣内孝則)は賭けマージャンで金が払えずやくざの中川(日下武史)に袋叩きに会うが、それが縁で中川の家に居候することになる。やくざの道に入った坂井は債権回収に才能を見せ、次第に周囲から認められていく。ある日喧嘩で腹を刺され病院に入院したことがきっかけで院長の娘小宮圭子(麻生祐未)と知り合い、互いに好意を抱くようになる。
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】
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