古い映画やドラマの中から
昭和の渋谷の風景を探しています。
渋谷駅
東京都渋谷区渋谷2-24-1
1885年3月1日に日本鉄道、品川ー赤羽間開通、渋谷停車場開業(東横デパートとまちの歴史(1885-1964))。現在はJR東日本、京王電鉄、東急電鉄、東京メトロが乗り入れるターミナル駅。
映画「あるぷす大将」(1934)
上京した陽洋先生(丸山定夫)と於菟(伊東薫)は渋谷に出る。渋谷駅前、ハチ公像のまわりに群がる人々。
1934(昭和9)年/P.C.L.
出演:伊東薫、丸山定夫、竹久千恵子、徳川夢声
映画「盗まれた恋」(1951)
日比谷公園で
1951(昭和26)年/新東宝
出演:久慈あさみ、加藤道子、森雅之、川喜多小六、志村喬、伊藤雄之助
映画「プーサン」(1953)
代議士の五津(菅井一郎)が逮捕されたことを知った野呂(伊藤雄之助)は駅前で新聞を買いあさる。後方に渋谷駅。
1953(昭和28)年/東宝
出演:伊藤雄之助、越路吹雪、藤原釜足
妻を亡くした彼は金森風吉(藤原釜足)、らん(三好栄子)宅の下宿でつましく暮らし、娘のカン子(越路吹雪)にほのかな想いを寄せている。ある日教え子の左翼学生から誘われメーデーに参加した野呂は暴動に巻き込まれ逮捕されて職を失い、職探しに奔走する日々が始まる。
不器用な野呂と、スキャンダルを逆手にとって焼け太る代議士の五津(菅井一郎)、五津の後ろ盾を失い予備校を辞めてもしたたかに生きる学生泡田(小泉博)、挫折して故郷に帰る左翼学生古橋(山本廉)、医師をクビになり警察予備隊に入る手塚(木村功)らとを対比して描く。外食券を売り買いしたり、メーデー、警察予備隊など当時の風俗が色濃く描かれている。
原作は毎日新聞に連載されていた横山泰三の4コマ漫画「プーサン」と同じ作者の「ミス・ガンコ」。横山泰三と兄の横山隆一(「フクちゃん」「おんぶおばけ」などの作品がある漫画家/アニメーション作家)が警官役で1シーン出演している。【福】
映画「恋文」(1953)
終戦後帰国した真弓礼吉(森雅之)は、街々に出かけては東京にいるはずの最愛の人、久保田道子(久我美子)の姿を探す毎日だった。そんなある日真弓は旧友の山路直人(宇野重吉)にばったり出会う。
二人が出会うのは渋谷、ハチ公像前。背後の建物は渋谷駅。
真弓礼吉(森雅之)は、山路直人(宇野重吉)の代筆屋を訪れたかつての意中の人、久保田道子(久我美子)を追って店を出る。
場所はハチ公前。背後の「山一證券」は駅前広場の造成に伴い現ハチ公前広場の中に移動させられた旧「三菱銀行ビル」(石榑督和「戦後東京と闇市 新宿・池袋・渋谷の形成過程と都市組織」)。
1953(昭和28)年/新東宝
出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子
映画「踏みはずした春」(1958)
少年院帰りの笠原(小林旭)と再会した子分のトンガリ(野呂圭介)達が笠原の愛人の店へと向かうシーンで正面に渋谷駅が映る。渋谷駅前交差点。左手に渋谷駅横の宮益ガード、背後に「東急百貨店東横店」。
1958(昭和33)年/日活
出演:左幸子、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、殿山泰司
映画「南氏大いに惑う」(1958)
オープニングとエンディングに存分に渋谷駅前が映る。タイトルの背後に「東急百貨店東横店」、渋谷駅前交差点、ハチ公前広場、渋谷駅。
中央に渋谷駅、その手前にハチ公前広場。
1958(昭和33)年/大映東京
出演:船越英二、川上康子、市川和子、八潮悠子、立花宮子、清水谷薫、鶴見丈二、角梨枝子
映画「俺は情婦を殺す」(1958)
タイトルバックで渋谷駅に到着する銀座線。
タイトルバックで渋谷駅が映る。ハチ公前広場。右側は「東急百貨店東横店」。
タイトルバックでハチ公前広場が映る。
渋谷駅、渋谷駅前交差点、ハチ公前広場、背後の「東急百貨店東横店」。画面左手に山手線が見える。
仲次(長門裕之)と親しい玉枝(南風夕子)が彼と接触するとにらんだ警察は彼女を尾行する。
玉枝は渋谷駅で銀座線に乗る。東急百貨店内を銀座線乗り場に向かう玉枝。
玉枝(南風夕子)は渋谷駅で銀座線に乗る。銀座線の改札。
1958(昭和33)年/日活
出演:長門裕之、南風夕子、水島道太郎
映画「ゆがんだ月」(1959)
神戸にいられなくなり東京に出た桂木正夫(長門裕之)は職を探し街々を歩き回る。渋谷駅から出てハチ公前広場を歩く桂木。背後には「東急百貨店東横店」。
1959(昭和34)年/日活
出演:長門裕之、芦川いづみ、三島雅夫
撮影(姫田真佐久)が見事。主人公の長門裕之は同棲相手を演じた南田洋子と後に結婚。【福】
映画「浮気の季節」(1959)
オープニングで、渋谷駅東口からハチ公前広場までの風景がパンで映される。
左側に渋谷駅、中央にハチ公前広場。
1959(昭和34)年/日活
出演:益田喜頓、岡田真澄、赤木圭一郎
映画「狂熱の季節」(1960)
外国人の客を連れたユキ(千代侑子)と車に乗った明(川地民夫)と勝(郷鍈治)がハチ公広場で落ち合うシーンの背後に渋谷駅の入口が映っている。
1960(昭和35)年/日活
出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。【福】
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960)
冒頭、石野貞一郎(小林桂樹)が通勤で使う渋谷駅の空撮が映る。左右に横切るのが山手線、右下に伸びるのが京王井の頭線等。手前がハチ公前広場と駅前交差点。中央に「東急百貨店東横店」、その背後に「東急文化会館」が映る。
1960(昭和35)年/東宝
出演:小林桂樹、原知佐子、中北千枝子
映画「真昼の誘拐」(1961)
ラストシーン、左手に東急東横線渋谷駅ホームが映る。
1961(昭和36)年/日活
出演:高橋英樹、中尾彬、沢本忠雄、武内悦子、奈良岡朋子、山内明
映画「泥だらけの純情」(1963)
次郎(浜田光夫)と真美(吉永小百合)が東横線改札で別れるシーン。手前が東横線乗場、左の階段を上ると国電・玉川線・井の頭線。
柱に広告が出ている「渋谷全線座」は渋谷全線座ビル(渋谷1-24-10)にあった映画館。ポスターは、1963年に公開された「特ダネ監獄」(ウィリアム・マクガン監督)。
次郎(浜田光夫)と真美(吉永小百合)が東横線改札で別れるシーン。左の階段を上ると国電、玉川線、井の頭線、後方の階段を上ると銀座線。
浜田光夫が吉永小百合を見送るシーンに登場する渋谷駅東横線ホーム。売店に貼ってある「特報」の「毒牛乳」が気になるが、「無限回廊」さんの「戦後の主な毒殺事件によると1963年1月に「大阪青酸牛乳殺人事件」という事件があったとのこと。この件に関する記事かもしれない。
一度は別れたものの次郎(浜田光夫)が思い直して東横線に乗った真美(吉永小百合)を追うシーンの渋谷駅東横線ホーム。
1963(昭和38)年/日活
出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子
映画「ギャング同盟」(1963)
出所した風間(内田良平)を迎えた高本(佐藤慶)は風間が服役中に変わってしまった東京を見せ「ご覧のとおりさ。もう焼け跡もねえし闇市もねえ」とつぶやく。左側に東急文化会館。中央に渋谷駅と工事中の高速3号線。立っている場所は現セルリアンタワー(桜丘町26-1)の前あたり。
1963(昭和38)年/東映
出演:内田良平、三田佳子、佐藤慶、曾根晴美、山本麟一、平 幹二朗、楠侑子、戸浦六宏
悪い顔の俳優勢揃い。街なかで銃撃戦を始めるわ、ダイナマイトを投げるわの大暴れ。日本版「オーシャンと十一人の仲間」といったところか。東京オリンピックに向けて大開発中の東京各所が見られる貴重な作品。【福】
映画「アリバイ」(1963)
渋谷駅に出た畑中刑事(二谷英明)、佐川刑事(宮口精二)、高橋刑事(高品格)は渋谷駅前で雑誌を売る犠牲者の妻子を見かける。
1963(昭和38)年/日活
出演:二谷英明、 小高雄二、 渡辺美佐
警視庁協力のもと作られた本作は当局に配慮したためか堅実さはあっても今ひとつスリルに欠ける。【福】
映画「僕はボデイガード」(1964)
北一平(渥美清)が巡査を務める街として渋谷の道玄坂1丁目付近が映る。
左側のナショナルの看板は「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。
赤いビルとその下の屋根は京王井の頭線渋谷駅。その手前のオレンジ色の車両が見えるのは銀座線の車庫。中央に東急百貨店東横店、ドームがあるのが「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-12)。その下のかまぼこ状の屋根が東急東横線渋谷駅。左下にランプがいくつもついているのは「リキ・スポーツパレス」(現「ヒューマックス渋谷ビル」道玄坂1-14-6)の屋上にあった王冠型モニュメント。同ビルの屋上からの撮影と思われる。
1964(昭和39)年/東宝
出演:渥美清、浪花千栄子、浜美枝、笠智衆、団令子、加東大介、清川虹子
映画「東京は恋する」(1965)
ミチコ(伊藤るり子)の祖父母がはとバスで東京見物をする場面の後半、首都高速3号線を走るバスを俯瞰で撮影するシーンで、左手に東横線渋谷駅が映る。
1965(昭和40)年/日活
出演:舟木一夫、伊藤るり子、山本陽子、堺正章、和田浩治
映画「父と娘の歌」(1965)
紘子(吉永小百合)が父のバンド仲間吉行(山内賢)に会いにいくシーン。渋谷東口駅前広場を横切る。背後に東横線渋谷駅が見える。
紘子(吉永小百合)が父のバンド仲間吉行(山内賢)と会うシーン。
場所は「渋谷フランセ」(現「渋谷フランセ奥野ビル」渋谷2-22-11)。店に入るショットで店名が見えたため特定。窓の向こうに東横線渋谷駅が見える。
1965(昭和40)年/日活
出演:吉永小百合、浜田光夫、山内賢
映画「青春前期 青い果実」(1965)
河合奈津子(太田雅子 / 現・梶芽衣子)が自殺を図ったことを知った椎ノ木武志(太田博之)は渋谷の街を歩き回り奈津子を襲った大学生3人組を探す。
武志が立っているのは渋谷駅前交差点、渋谷駅A5-2出口。背後に「東急百貨店東横店」と渋谷駅が見える。
1965(昭和40)年/日活
出演:太田博之、太田雅子(現梶芽衣子)、吉村実子、山岡久乃、初井言榮、高橋とよ、佐野浅夫、内藤武敏
映画「一発かましたれ」(1965)
右側が日森千太郎(藤田まこと)の下宿である「日本会館」(現「渋谷日本会館ビル」桜丘町18-6)。
奥は渋谷駅と「東急百貨店東横店」。
1965(昭和40)年/東映
出演:藤田まこと、花澤徳衛 、待田京介、中西杏子、園まり、藤村有弘、益田キートン、若宮忠三郎、由利徹 、上田吉二郎、佐藤晟也、潮健児、ミヤコ蝶々
映画「女子学園 ヤバい卒業」(1970)
性教育の授業をきっかけに「セックスに関する調査」を行おうとする久保忠江(夏純子)のグループは、街なかで男子中学生のグループを調査対象としてつかまえる。男子中学生が歩いているのは渋谷駅前交差点。後方に渋谷駅の表示があり、その手前に当時ハチ公前広場にあった派出所がみえる。ハチ公前広場から道玄坂方面へ向かう横断歩道を渡っているところ。
1970(昭和45)年/日活
出演:夏純子、岡崎二朗、城野ゆき、応蘭芳、河津清三郎、玉川伊佐男、藤圭子
他愛もないストーリーで、ピンク要素もそれほどなく映画としては見るべきものはない。夏純子が中学生という設定も無理筋だが、柳家金語楼の娘有崎由見子、唐突に歌謡ショーのシーンがはさまる藤圭子、宮下公園で歌う吉田拓郎が見られるのは収穫。【福】
映画「実録安藤組 襲撃篇」(1973)
中江昭麿襲撃事件で安藤興業のメンバーが全国指名手配される。渋谷駅前に貼られたポスター。場所はハチ公口、右手に忠犬ハチ公像。
1973(昭和48)年/東映
出演:安藤昇、梅宮辰夫、安岡力也、郷鍈治、小林稔侍、丹波哲郎
映画「昭和枯れすすき」(1975)
典子(秋吉久美子)の行動を怪しんだ原田(高橋英樹)はひそかに典子の後をつける。典子が歩いているのは渋谷ハチ公前広場。右端にハチ公像が見える。
1975(昭和50)年/松竹
出演:高橋英樹、秋吉久美子、池波志乃、伊佐山ひろ子、鈴木瑞穂、松橋登、下条アトム、稲葉義男
映画「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」(1980)
オープニングで渋谷駅周辺の空撮が入る。中央白と黒の高層ビルが「東東邦生命ビル」(現「渋谷クロスタワー」渋谷2-15-1)、その右下が渋谷駅付近。
1980(昭和55)年/角川春樹事務所=東映
出演:中村雅俊、勝野洋、大楠道代
映画「なんとなく、クリスタル」(1981)
劇中、東京の風景がインサートされる。
中央が首都高3号線、左が桜丘町、右が道玄坂1丁目。首都高横の「東急プラザ渋谷」は現「渋谷フクラス」(道玄坂1-2-2)。下に見えるかまぼこ型の屋根は東急東横線渋谷駅。位置関係から「渋谷クロスタワー」(当時は「東邦生命ビル」、渋谷2-15-1)からの撮影と思われる。
1981(昭和56)年/松竹
出演:かとうかずこ、亀井登志夫、清水善三、有田奈穂子、横山エミー、前橋汀子、原田美枝子
原作は1981年に第84回芥川賞の候補になった田中康夫の同名の小説。【福】
映画「極道渡世の素敵な面々」(1988)
圭子(麻生祐未)は亮(陣内孝則)と約束した渋谷駅前で待つが、その頃亮は神埼(室田日出男)を狙撃したことで刑務所送りになっていた。
駅の出口前にあるハチ公像。
1988(昭和63)年/東映
出演:陣内孝則、麻生祐未、室田日出男
元暴力団員で後に作家となった安部譲二原作の同名小説の映画化。原作者の安部譲二とかつてこの作品に登場する渋谷界隈で「安藤組」の組長だった安藤昇も出演している。【福】
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