テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

松野明美の子宝まんじゅう

マラソン

9月8日の「クイズヘキサゴン」(フジテレビ)はママさんタレント大会。出演者は野沢直子、西村知美、松本伊代、モデルの黒田知永子、ピンクの電話の清水よし子、元マラソンランナーの松野明美。
現在はアメリカ在住で、毎年夏になると日本に出稼ぎ(?)にやってくる野沢直子のトークを楽しみにチャンネルを合わせたのだが、番組の流れを支配したのは松野明美であった。

「テレビ番組で妊娠検査薬を使って見せた」(Wayback Machine/2002年10月3日アーカイブ)という恐るべき逸話を持つ松野明美、いつのまにか二児の母になっていたのには驚いたが、なによりそのキャラクタの強烈なことといったら、もう…。

彼女の“前へ前へ出ようとするウザいキャラクタ”は当然確信犯的なものだろうが、そのキャラ作りは恐らく本人の自覚以上に効果を上げてしまっているのではなかろうか。
今回のママさんタレント大会のメンバーは、うるさいキャラならキンキン声の清水よし子、天然ボケなら西村知美、無知というキャラなら松本伊代、ルックスをいじられる役割なら野沢直子といった具合に役割分担が出来ていたわけだが、それら全てのキャラをまとめて面倒みちゃったのが松野明美である。

一生懸命喋る=ひたすらうるさい、真剣になる=怖い顔、マイペース=人の話を聞かない…といった具合に、うまくやれば魅力的に見えるような場面でも、百発百中でウザいキャラクタを演じきる松野。打率10割、ハズレなし。
しかし、オリンピックに出場したことのある元一流アスリートで幸福な結婚をして子育て中という松野のプロフィールは、“ウザいキャラ”としては少々中途半端だ。包み紙は立派なのに中身が変、みたいな感じ。このズレ方を面白がる視聴者(と、本気で松野を一生懸命で可愛いとか思っている視聴者)層が、彼女のタレント業を支えているのだろう。

1968年生まれの36歳。たぶん、まだ若すぎるのだ。
年齢を重ねていくにつれ、そのキャラクタはますます強烈度を増していくはずである。無駄に通りの良いうわずった声で、他人の結婚生活についておせっかいなアドバイスをし、トンチンカンな子育て論を語り倒す姿が目に浮かぶ。そして、いつしか包み紙と中身の違和感はなくなり、“うるさいけどあけすけで面白いおばちゃん”とか“歯に衣着せぬ毒舌熟女”的な方向で完璧なるウザいキャラとしてバラエティ番組に重宝され続けるのだろう。いやはや、困ったことである。

ところで、日刊スポーツによると、松野の地元熊本では「松野明美の子宝まんじゅう」なるモノが売られているのだという。なんだそれ。誰が企画して誰がその企画を通したんだ。それでいいのか、熊本の人々よ。【み】