いぶし銀の面白さ「怪力バトルフィールドオーディション大会」

我が家のBlu-rayレコーダに表示された電子番組表には「16人の筋肉自慢芸能人が集結!番組が考えたオリジナルの怪力ゲームでバトルを繰り広げる!」としか書いておらず何をする番組かわからなかったが何となく気になって録画しておいた「現役力士vs肉体派芸能人!怪力バトルフィールドオーディション大会」(TBS)が滅法面白かった。

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オープニングがカッコいい番組にハズレなし

まあ見てくださいよこのオープニングの画像! 燃え上がる選手達のシルエット! カッコいい!
私は「オープニングがカッコいい番組にハズレなし」という持論を持つ者だが、こんなの見せられたら否が応でも高まる期待。

怪力バトルフィールドオーディション大会
オープニングがカッコいい番組にハズレなし!

MCはマッチョ芸人野田クリスタル(マヂカルラブリー)、解説者に元大相撲力士の小錦八十吉と元プロレスラーの獣神サンダー・ライガー、実況は格闘技の実況でおなじみ矢野武アナ、ナレーターは大塚芳忠という渋すぎる布陣。番組に無駄に華を添えるかわいこちゃんのアシスタントなし、無用なボケで自らのセンスをアピールしたがるベテランゲストタレントもなし。スタジオにいるのは巨漢か筋肉自慢かあるいはその両方を兼ね備えている男達だけだ。
そして、製作総指揮は「炎の体育会TV」の坂田栄治、構成は北本かつら、岐部昌幸、深田憲作とスタッフもガチなメンツである。

どうやら、この夏に放送予定の現役力士に肉体派芸能人が怪力ゲームで挑む特番「怪力バトルフィールド」の出場枠をめぐって筋肉自慢のタレントやアスリート達が戦いを繰り広げるという企画らしい。
野田クリスタルいわくまだそれほどテレビに出ていないが、怪力に自信があるのではないかという存在を発掘すべく開催するオーディション番組
確かに「筋肉自慢芸能人が集結」と謳ってはいるものの、全然見たことがない芸能人ばかりだった。私が知っている出場選手はオテンキのり、ママタルト肥満、バビロンノリ、マヂカル村上の4人だけ。芸人の野田クリスタルでさえ、登場した若手芸人を見て「こんな奴がいたのか!」と驚きの声をあげるようなメンバーだ。

出場選手紹介

出場選手は以下の14人(公式ページには「16人」とあったけれど2回戦で勝負相手として登場した元力士2名もカウントされてる?)。

  1. 近藤廉(元投てき競技選手の俳優/178cm 100kg/27歳/投てき競技)
  2. ママタルト 大鶴肥満(ナチュラルボーン怪力芸人/182cm 180kg/30歳/スポーツ経験なし)
  3. しんや(ラグビー芸人/186kg 110kg/31歳/ラグビー)
  4. オテンキ のり(芸人界の柔道王/168cm 110kg/43歳/柔道)
  5. 肉限界(みーとまっくす)(お笑い超人ハルク/188cm 112kg/25歳/怪力芸人)
  6. 阿見201(俳優界のエベレスト/201cm 135kg/42歳/俳優界の人間山脈)
  7. タッキィ(黄金のレフトアーム/178cm 91kg/34歳/趣味は筋肉いじめ)
  8. バビロン ノリ(マッスルスピードスター芸人/170cm 70kg/36歳/アメフト)
  9. リボルバー・ヘッド(太ももモンスター芸人/169cm 85kg/29歳/野田クリスタルプロデュースのクリスタルジム勤務)
  10. ノッコン寺田(ラグビーYouTuber/184kg 150kg/37歳/ラグビー)
  11. 但馬ミツロ(ヘビー級ボクサー/180cm 120kg/27歳/亀田興毅会長の3150ファイトクラブ所属)
  12. ゆとりすたいる ダーマス(柔道インフルエンサー/180cm 100kg/27歳/柔道)
  13. 電動スミス しらす(芸人界の人間山脈/194cm 140kg/27歳/今大会芸人最大)
  14. マヂカルラブリー 村上(怪力レベル未知数/182cm 106kg/37歳/野田クリスタルの相方)

どうよ、このサイズ。とにかくみんなデカいのよ。
特に「俳優界の人間山脈」と紹介された2メートル超えの阿見201と「ラグビー系YouTuber」と紹介されたノッコン寺田の圧倒的デカさ。
参加選手それぞれが何らかのスポーツで肉体を鍛え上げている中、運動経験を紹介されなかったのがマヂカル村上とママタルト大鶴肥満と電動スミスしらす。3人とも体の大きさで選ばれたようだが、大鶴肥満は「あれ? もしかしてイケるかも?」と思わせる瞬間があったし、しらすに至っては筋肉自慢の選手達から次々と金星をもぎとったのだった。

怪力バトルフィールドオーディション開始!

1回戦は体の大きさに加え戦略や運も勝負の行方を左右する番組オリジナルゲーム「ザ・ストロングポール」。

「ザ・ストロングポール」ルール

このご時世なのでソーシャルディスタンスを保って、長さ3メートルの丸太(棒)の端を握り合い、相手を円から押し出した方が勝ち。

燃え上がるトーナメント表もカッコいい!

(トーナメント表左より)村上、しらす、タッキィ、阿見、但馬、オテンキのり、ダーマス、大鶴肥満、しんや、ノッコン寺田、肉限界、リボルバー、バビロンノリ、近藤。

2回戦は「ザ・アタックボム」。

「ザ・アタックボム」ルール

夏に開催される本大会でも行われる競技のひとつ。
元力士がアクリル板越しの出場選手めがけてぶつかってくる。
元力士が押してくる圧力に対して20秒間3メートル以内で踏みとどまれば選手の勝利、逆に3メートル以上押し出せば元力士の勝利。

ここでアタック役の元力士の池川勇気(最高番付幕下十四枚目 北勝輝)と山本晃基(最高番付幕下三十三枚目 佐田の龍)が登場。
ふたりの元力士を見て「いや、ホンモノ見るとマジでデカいな」と感嘆するマヂカル野田。
池川は192cm/159kgで、山本は178cm/126kg。山本はともかく池川はデッカいなーとか思ってしまうが、いや待て待て、山本の178cm/126kgだって相当だよ。あまりにも巨体の選手を見続けていたせいか感覚が麻痺してしまう。

熱戦の結果、本戦出場権を勝ち取ったのはノッコン寺田と電動スミス しらすのふたり。
ご時世に配慮した接触せずに力比べができるオリジナル競技で、強くてデカい強い選手達が戦う様子に単純にわくわくした。「クイズ☆タレント名鑑」の「ガチ相撲」予選を思い出す。
夏に放送される本戦も楽しみ。隙あらば超巨大セットを建て込むTBSの美術班が物凄いセットを組んでくることだろう。

アスリート達に礼儀正しく接する野田クリスタルが良かったし、容姿が似ていることから兄弟設定を貰ったマヂカル村上と電動スミスしらすのくだりは緊張感漂う真剣勝負の中でほんのり緩和を生み出して良かったし、いい塩梅にマジメな小錦&ライガーの解説も良かった。余計なアシスタントがいないのも最高だった。これでいいのよこれで。
何よりゲームが面白かった。たとえ出演者が地味でも予算がなくても良いアイデアさえあれば面白い番組ができるという好例。そしてノッコン寺田選手ひたすらすげえ。【み】

番組データ

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番組名現役力士 vs 肉体派芸能人!怪力バトルフィールドオーディション大会
放送局TBSテレビ
放送日時2022年3月28日 (月) 深夜1時30分〜2時30分
出演者野田クリスタル(マヂカルラブリー)、小錦八十吉、獣神サンダー・ライガー
元力士池川勇気(最高番付幕下十四枚目 北勝輝)、山本晃基(最高番付幕下三十三枚目 佐田の龍)
出場選手近藤廉、ママタルト 大鶴肥満、しんや、オテンキ のり、肉限界みーとまっくす、阿見201、タッキィ、バビロン ノリ、リボルバー・ヘッド、ノッコン寺田、但馬ミツロ、ゆとりすたいる ダーマス、電動スミス しらす、マヂカルラブリー 村上
実況矢野武
ナレーター大塚芳忠
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