今年も年末恒例の「ザ・ベストテン」の特番「TV本放送50周年企画ザ・ベストテン2002」(TBS)が放送され、これも恒例の久米宏に扮した肥後克広(ダチョウ倶楽部)が出演した。
久米は「ザ・ベストテン」の初代司会者で当時はTBSの局アナ。テンションの高い甲高い声とMCのベテラン女優・黒柳徹子やゲストの歌手たちを小馬鹿にするような落ち着きのない進行で人気を博したものだ。
久米降板後、何人かの男性アナ・タレントが黒柳の相方を務めたが、やはり「ザ・ベストテン」といえば黒柳と久米のツーショットが見られないと寂しい。冬休みだろうが風邪ひいてようが目がくらむような大金積んでもTBS社長が土下座しても首に縄つけても「ザ・ベストテン」の特番には必ず久米をスタジオに招くべきだと思うのだが、どういうわけか久米の出演はなし。
というわけで、久米の物真似をする肥後が代役のような形で出演しているようなのだが、今さらながらこれがそっくり。番組の流れや場の空気を無視するかのような発言の多い黒柳にいきなり話しかけられた時のリアクションが、いかにも久米が慌てている時のような仕草なのだ。遠目で見ると久米にしか見えない。体型が似ていることもあるが、座り方や動き方、フォルムが久米にそっくりなのである。
肥後の物真似といえば森本レオという持ちネタがあるが、こちらも東京ガスのCMに二人並んで登場した時、一瞬どっちが本物だか判別しかねるほどの驚異的なそっくり加減。なのに森本レオと久米宏は全然似てないのだから不思議だ。
ダチョウ倶楽部はフジテレビの物真似系番組のレギュラーだが、お笑い要員としての役割を担っているため(コメディアンなんだから当たり前だが)、グッチ裕三や栗田貫一のように「名人」的な扱いを受けないのが不満である。
現在、肥後の物真似の技術はグッチや栗田より数段上だと思う。肥後の物真似の才能はもっと評価されるべきだ。【み】