世の中にはどうしてこう不快なモノが溢れているのか。
西田敏行。大河ドラマの主役を張るくらいだから、たぶん国民的なシンパシーを受けているのだろうけれど、本当に日本人はこの肥った中年男が好きなのか? 国民的な支持の第一人者「フーテンの寅さん」シリーズの併映だった(今は独立した)西田の主演作「釣りバカ日誌」シリーズは、年をとってマンネリ化した寅さんよりも人気があるという。
本当に? 本当にみんな西田が好きなの?
思わずクエスチョンマークを無為に重ねてしまうけれども、西田のあの押しつけがましいわざとらしい芝居は、見ていると鳥肌が立つ。
「ね、ね、僕っていい人でしょ?」とあの暑苦しくせり出した腹を無理矢理押しつけられるような気にさせられる。
不動産、電話会社、西田のCMはどれもがこの「いい人でしょ」パターンなのだが、今、オンエアされている「味ポン」は、特に強烈な不快光線を発している。
家族団らん、味ぽんをかけて、みんなで美味しく肉や鰹を食らおうという主旨のCMだが、西田のオーバーなアクション、オーバーな笑顔。新鮮な野菜も思わずしおれようというものだ。
しかも西田、いくら顔がニコニコと笑っていても、目は決して笑っていないのがさらに不愉快なのだった。【み】
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