浅野ゆう子が団地住まいの主婦、郷ひろみが「ショッピングアドバイザー」とやらに扮するマルハチホームショッピングのCMを見ると、70年代に盛んにオンエアされていたアイドル番組を思い出す。
歌謡曲とアイドルが演じるコントで構成されていた一連の番組。「カックラキン大放送」や「ヤンヤン歌うスタジオ」「時間だよ!アイドル登場」、もちろん「8時だよ!全員集合」もその中に入るだろう。
おおげさな演技、おおげさな衣装、おおげさな効果音。「ブス」と「短足」だけでコントのオチが成立していた時代。「ずっこけ」という言葉がまだ生きていたあの時代。
郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の「新ご三家」はそんな番組のエースだった。
それまで「カッコわるい=面白い」だったのに、彼らは「カッコいい」上に面白かったのだ。
歌っている時はひたすらカッコよく、コントのコーナーではボケたおす。今ではアイドルがコントを演じるのは当り前だが、当時は本当に新鮮だった。
秀樹の加藤茶の真似(「どうもすんずれいしました」!)、五郎のだじゃれ、ひろみの馬鹿笑い。そして、浅野ゆう子も「セクシーバスストップ」なんていう愉快な歌を黒人ダンサーを従えて歌っていたのだ。
このマルハチのCMには、なんとなくあの頃のにおいがする。【み】
目次