テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

ナマ猪と共演していた坂下千里子の「十六茶」

うりぼう

アグネス・チャンの「ひなげしの花」が流れる中、のんびりと田舎道を歩く坂下千里子。道端にはうり坊が3匹。しゃがみこんでうり坊を撫でる坂下。すると後ろから猪が突進してきて坂下を藁の上に突き飛ばす。泥だらけの顔で十六茶を取り出し一口……というアサヒ飲料「十六茶」のCM。
なぜアグネス? なぜ猪? なぜ坂下一回転? なぜ前に飛び出すバージョンと横に転がるバージョンが?
と、頭の上に「?」マークが点滅しまくりである。シチュエーションもストーリー展開もあまりに唐突で、すっかりハートわしづかみ状態だ。録画したビデオにたまたまこのCMが入っていたりすると、嬉しくなって思わず繰り返し見てしまうほどである。

坂下を景気よく突き飛ばす猪は合成だろう。ホンモノだったら危なくて仕方ない。もしかしたらCGなのかもしれない。いや、ひょっとしたらうり坊もCGかも……などと思っていたのだが、「十六茶」のオフィシャルページにupされていたメイキングビデオを見たところ、カワイイうり坊どもはホンモノであった。餌で操るトレーナーに従って、顔を上げたり下げたりするうり坊の、いや、なんとも愛くるしいこと。
そう、坂下はキュートなうり坊どもを本当に撫でていたのだ。ああ、うらやましい。私も撫でてみたい。
なお、突進する猪は予想通り別撮り合成だが、CGではなくナマ猪がロケに参加している光景がメイキングに収められていた。CMでは“親猪”のような印象があったのだが、メイキングで見るとそれほど身体が大きくなく、せいぜい“兄ちゃん猪”といった感じであった。
それにしても、このCMのクリエーターはどうして坂下と猪を組み合わせようと思ったのだろう。来年は亥年じゃなくて酉年だし。意図が全くわからん。そのわからなさがこのCMの魅力か。
あ、もしかして、「4×4=16」→「しし=じゅうろく」→「猪=十六(茶)」? ……まさか、そんな、ねえ。【み】