「水曜日のダウンタウン」の「チョウチンアンコウの罠、人間にも通用する説。」(2022年2月16日/TBSテレビ)。
タイトルだけでは何を言っているのかまったく理解できない説である。
いや、視聴者だけではなく参加した芸人だって理解できない珍企画なのだ。
参加芸人がプレゼンターのチョコプラネットに企画意図を何度も問いただすも、チョコプラのふたりは頑なに「光らせます。そこに人間が来ます。それを捕食します」と繰り返すだけという愉快なくだりあり。もちろん皆おおいに困惑していた。
というわけで、流れを簡単に説明すると以下の通り。
- 偽番組でタレントを倉庫に呼び出す。
- タレントがひとりでいると突然明かりが消え真っ暗になる。
- 番組スタッフが音を立てないよう静かにパーテーションを移動するとその奥から巨大なチョウチンアンコウマシーン登場。
- チョウチンアンコウの頭部の誘引突起を模した電球が暗闇の中で光る。
- 明かりに誘われてチョウチンアンコウの口元に近づいてきたら床が動いてタレントを腹の中に引きずり込む。
- 消化液を模したローションをタレントの頭上から何度も浴びせる。
- チョウチンアンコウの肛門を模した穴からタレントを放り出す。
- 照明がつき、明るくなったスタジオでネタばらし。
…という(説とは名ばかりの!)ドッキリ企画なのだった。
なお、「誘引突起」という言葉は検索して知った。アンコウの頭からヒョロヒョロ飛び出しているアレ。
さて、今回ターゲットに選ばれたのは、西村瑞樹(バイキング) 、あぁ〜しらき、もう中学生 、長谷川雅紀(錦鯉)という面々。
皆、明かりが消えて真っ暗になるとビックリしてスタッフに声をかけていたが(ドッキリだからもちろん誰も返事しない)、なぜかトップバッターの西村はこのアクシデント(を装ったドッキリ)に一切動じなかった。
さすがはソロキャンパー西村、暗闇には慣れているのかもしれない。
その後、西村は落ち着いた様子でチョウチンアンコウマシーンの誘引突起の明かりにゆるゆると近づき、捕食され、消化液を浴び、ヌルヌルしていると大騒ぎし、排泄されたのだった。
スタッフからチョウチンアンコウマシーンの仕組みをネタばらしされると、皆、なぜか一様に嬉しそうだったのが印象的だった。こんなヘンテコかつ大掛かりなオモシロマシーンに食われたり排泄されたりなんて、滅多に経験できないものね。あまりにも何もかもがヘンすぎて、怒りよりも嬉しさが勝ってしまったに違いない。
「スキあらば巨大セットを組んじゃう」でおなじみ(じゃなくて私が30年くらい勝手にずっと言っているだけ)のTBS美術スタッフだが、次はチョウチンアンコウよりも大きな捕食マシーンをこしらえてほしい。
たとえば、参戦者はピノキオ、捕食するのはクジラというのはどうだ。
体育館狭しと寝そべる巨大なクジラ。
そのクジラの腹の中にはゼペット爺さんが座っていてほしい。
ピノキオ役の芸人と一緒にヌルヌルの消化液まみれになり、最後にクジラの肛門から排泄され転がり出てほしい。バイキング小峠とかきしたかの高野みたいな落ち着いた風貌の持ち主でやたらと怒る芸人がいいな。自分を巻き込んだピノキオ芸人とクジラマシーンを企画した番組スタッフに盛大に怒りをぶつけてほしい。【み】