映画の感想文「禁断の惑星」

禁断の惑星」(1956年/フレッド・M・ウィルコックス)。
小学生の頃テレビで見て、今見たらがっかりするかもくらいの覚悟で見たが、懐かしさ補正を差し引いても美術がすばらしい。

ロボットの「ロビー」、シーンが変わるごとにお色直しするアルタイラの衣装、設備、モービアスの住居に至るまで妥協なくつくりこまれている。ロビーやロビーがのっていたジープはのちにTV番組「トワイライト・ゾーン」の未来のエピソードで流用されている。
エドワード・モービアス博士が住む家はミッドセンチュリーの極み。素朴で力強く美しいSFXに心躍る。デザインに手抜きのない真っ向勝負の傑作SF映画。

乗務員全員が髪をきれいに整えたツルリとした白人のイケメンばかりなのは、いかにもこの時代の作品という感じがする。
何も知らないアルタイラに宇宙船の全員がアプローチするが船長(「裸の銃を持つ男」のレスリー・ニールセン)が最終的にモノにするのはずるいや。【福】

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