そこまでやるか、NHK。
12月13日放送のフジテレビ「水10！ワンナイR＆R」。
この中の「紅白決定でゴリエが美川VS小林の衣装戦争に参戦！！＆倖田とのセクシー対決」というコーナーである。
「ワンナイ」のレギュラータレントたちがコントでおなじみのキャラに扮してNHKに乗り込み、受付や廊下で騒ぐ。さらに、編成局へ赴き人気番組のプロデューサーやディレクターを“いじる”。
まあ、CXのお家芸ともいえる楽屋落ちなわけだが、これを“天下のNHK”でやるところに意義があるとでも言いたげなはしゃぎっぷりであった。
いや、タレントたちがはしゃぐのは構わない。それが彼らの仕事だ。こんなところで神妙になられても困る。
「ワンナイ」のスタッフが舞い上がるのもいいだろう。舞い上がってるのが建前か本音かは別として、番組を盛り上げたい気持ちはよくわかる。
でもなあ、NHKよ。
誰が君たちに舞い上がっていいって言った？
ゴリエ一行が乱入して大喜びって、一体なんなんだ。
もしかして、最近NHKには「NHKは堅すぎます」とか「もっと砕けた方がいいと思います」とか、視聴者からの電話が殺到してるのか？
そんなわけないよなあ。昨今問題になっている受信料未払い激増の原因は、もっと別なところにあったはずだよなあ。
初めて「爆笑オンエアバトル」を見た時の脱力感を思い出す。
当時、司会は高山某という男性のアナウンサーだったが、出演するお笑いタレントたちよりもずっとテンション高く、割れた声でしきりに叫んでいた。しかも、テンションが高い割には仕草がこなれていなくて、まるで素人がはしゃいでいるのを見せられているような心地悪さを感じたものだ。
同時に番組制作スタッフの「ねえ見て見て、俺たちこういうノリがやりたかったんだよね」「どうよ、NHKだって今どきのバラエティが作れるんだぜ」的な思いもひしひしと伝わってきて息苦しい。
NHKは、きっと“民放ごっこ”がやりたいんだろうなあ。
ま、気持ちはわかるような気もするけど、だったら最初から民放に入社すればいいのになあ。
素人が見たってマトモな結果が出るとは到底思えないアンケートを実施するとか、そのアンケートに「スキウタ」なんていうアチャーな名前をつけちゃうとか、ゴリエを歌手としてエントリーするとか、何年もの間NHKには全く貢献しておらず接点もないみのもんたを司会に据えるとか、今年の紅白はもうデタラメ。
ダサいのはNHKの欠点でもあるが、またそこがおおいなる魅力でもあるわけで、ダサい方向だったら幾らでも突っ走っていってほしいのだけれど、民放ごっこだけはやめとけ。恥ずかしいし、哀れだから。
NHKは「堅すぎる」「真面目すぎる」「古臭い」と言われるくらいでちょうどいい。【み】