「ルパン」を探せ

TVアニメ「ルパン三世」の声を担当していた山田康雄さんが亡くなり、その後釜にルパンを持ちネタにしていた物まねタレントの栗田貫一がおさまったのは記憶に新しい。
山田ファンの私としては、栗田と山田氏では声質といい演技のレベルといい、全く別物だと思うのだが、世間一般ではおおむね好評のようなのが残念である。

さて、この「山田→栗田」と同じような声優交代のパターンには、以下のような事例がある。

「元祖天才バカボン」(バカボンのパパ) 雨森雅司→富田耕生
「刑事コロンボ」(コロンボ警部) 小池朝雄→石田太郎
「ひょっこりひょうたん島」(ドンガバチョ) 藤村有広→名古屋章

どれも残念なことに元の声優さんが亡くなったあとにリメイク(または新作)が放映されたため、別の声優がアテレコを担当した例である。これらに共通するのは、ルパンも含め、どの声もみな視聴者に強い印象を与えていたものばかりということであろうか。

「わしはバ〜カボンのパ〜パな〜のだ〜」
「あー、すみません、もうひとつだけ…」
「ハタハッハ」

いかがだろう、いずれも「あの声」が脳裏にまざまざと蘇ってくるではないか。そのせいかどうか、これらの例は、新しい声優が元の声優の台詞回しに似せてアテレコをしているようである。

また、こういう悲しい例以外にも、レギュラーの声優が病気や事故などで休んでいる間、別の声優が登板した例は多いと思う。古い話で恐縮だが、TVアニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」のハーロック役・井上真樹夫が喉を痛めて休んでいる間、代りに徳丸完がハーロックの声を担当したことを記憶している。

むろん、リメイク版が作られる時に声優が交代した例は数え切れない。例えば、前述の井上真樹夫、彼は現在「ルパン三世」の石川五右エ門の声を担当しているが、初代は大塚周夫だった。この大塚はまた初代のねずみ男(「ゲゲゲの鬼太郎」)でもあるのだが、リメイクされた時に富山敬(古代クン!)に代った。
視聴者として、「山田→栗田」の例のような悲しい交代はもう体験したくないが、もし、何かの理由で交代、または代理登板することがあるのなら、やはりなるべくなら元のイメージを損ねないよう、似た声質の声優にお願いしたいものである。

そこで私は、あらかじめ似た声の声優や俳優・女優をピックアップしておいてはどうかと考えたのである。
って、私がピックアップしておいたからといって、どうなるわけじゃないんだけど。ま、それはそれとして、私はその概念を山田康雄さんを偲び、勝手にルパンと名づけた。
「えー、なんでー?」といぶかしがる声も多かろうが、いいじゃん、勝手につけちゃったんだから。何卒ここは勘弁してほしい。

とりあえず、1例だけ挙げる。

鈴木ひろみつ=伊集院光

どうだ。
今まで鈴木ひろみつと伊集院光の声が似てるか似てないかなんて、ついぞ考えたこともなかったろう。
意外なことだが、これが非常に似ているのである。もし、今後、ひろみつと伊集院の声を聞く機会があったら、思い出してみていただきたい。
また「こんなの全然似てないぞ、それならこっちの方がずっと似てるのに」という情報などあれば、是非ともお教え願いたい。
ルパン情報大募集。
「なるほどこれは」という情報が集まれば、「ルパンを探せ」第2弾をお送りする予定。よろしく。【み】

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